当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の項目であると認識しております。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「安心・安全な情報の利活用で世界を変える」ことを目的として、事業に取り組んでおります。
そのビジョンとして、
・当社のソリューションを通して、安全な情報社会の一翼を担う。
・情報の利活用により、潜在価値の発掘・新たな価値の創造に貢献する。
を基本方針に、情報セキュリティ事業を展開してまいります。
(2) 経営環境
ビッグデータやAIの発展により有用なデータが蓄積されるようになり、企業間でデータを活用し、製品・サービスの改善や労働生産性の向上、新たな市場の出現等が期待されています。しかし、そのデータは、サイバー攻撃による広範囲に影響をもたらす情報漏洩、従業員がPC等のデバイスを外部に持ち出すことによる過失や内部不正による漏洩及び紛失、ハッキング、改ざん等のリスクにさらされており、データにアクセスするエンドポイントデバイスやモバイルデバイスに対するセキュリティソリューションの需要が高まっております。このような現状を踏まえ、世界のエンドポイントセキュリティ市場規模は、2023年から2030年にかけて 年平均成長率 7.4%で拡大し、2030年には288億米ドルに達すると予測されています。(注1)
さらに、主力ソリューションである「ZENMU Virtual Drive」は、情報漏洩対策のソリューションとして位置付けることが可能であり、類似の目的として利用される仮想デスクトップソリューションの市場規模は2024年の予測では834万ユーザー程度と推定されており、新型コロナウイルス感染症の流行を背景にしたリモートワークの導入または拡大を検討する企業からの需要により2027年まで緩やかな成長が見込まれており(注2)、価格差や利便性を強みとした置き換え提案、またはオフライン対応やローカルデータ保護としての同時利用による共存により、同市場のユーザー数の獲得による成長が見込まれます。なお、当社の売上高の推移は以下のようになっております。
今後は特に、「ZENMU Virtual Drive」を中心とした秘密分散ビジネスが順調に伸長していくものと予想しております。当社の秘密分散技術によるソリューションは、PC等のデバイスにあるデータをセキュアに保護し、上記の仮想デスクトップソリューションに対して導入費用およびランニングコストの両方において低コストかつ秘密分散技術の利用によりデータの通信量が小さく、ネットワーク環境に左右されずに作業スピードを維持することができることに優位性があると考えており、セキュリティ対策とコスト、業務効率の両立を重視する顧客に対して最適なソリューションの提供に努めていく方針であります。
<事業別売上高の推移>
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|
2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
|
秘密分散ビジネス(千円) |
376,727 |
511,858 |
700,547 |
|
秘密計算ビジネス(千円) |
50,280 |
120,000 |
132,532 |
|
その他(千円) |
13,783 |
17,083 |
18,863 |
|
合計 |
440,791 |
648,942 |
851,943 |
また、後述の秘密計算技術につきましては、海外市場(特に米国市場)は既に活況を呈しており、秘密計算「Confidential computing」の世界市場の規模は2024年に160-180億ドル、2026年に520-540億ドルと推定されるなど拡大することが予想され、「Confidential computing」の中でも当社が採用する「Multi-party computing」においても、次の図のように2024年から2026年にかけて高い成長が見込まれており、2026年には30億ドルの市場になると推定されております。(注3)
このような環境のもと、グローバルなマーケットを見出すため、米国の大規模なスタートアップ展示会への出展を行い、大手シンクタンクとの共創によりソリューションを適用できる領域をリサーチするなど、事業化に向けて取組んでまいります。
(注)1.IDC Japan㈱ 国内クライアント仮想化市場予測、2023年~2027年
2.Grand View Research, Inc.「エンドポイントセキュリティの市場規模、シェア、動向分析レポート:コンポーネント別、展開別、組織別、用途別、地域別、セグメント予測、2023年~2030年」
3.CONFIDENTIAL COMPUTING CONSORTIUM「Common Terminology for Confidential Computing」
(3) 中長期的な経営戦略
データの「保護」からデータの「活用」へ
デバイスに残されているローカルデータの保護は当社の秘密分散ソリューションで保護することが可能となりますが、今後、5G(第5世代移動通信システム)により通信環境が飛躍的に伸びることが期待される中で、クラウドストレージ上に保存されるデータの保護に移行していくことが予想されます。当社は、このような情勢にも対応すべく製品開発に注力し、さらに、保護された膨大なデータの利活用を促進し、新しい価値を創造することができるよう秘密計算技術の向上に努めてまいります。
各ソリューションの事業戦略は次のとおりです。
■秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズ
当社の事業の柱である、秘密分散ソリューションにつきましては、下記の活動を推進してまいります。
①ZENMU Virtual Drive
主力ソリューションである「ZENMU Virtual Drive」に関しましては、一部企業に出社回帰の動きがみられるもののコロナ禍により拡大したリモートワークが定着しており、オフィス出社と在宅勤務を組み合わせたハイブリッドワークが主流となり、引き続きPCの持ち出しとその際のセキュリティ需要は根強いものと見込んでおります。
このような市場環境に対して、VDI導入済企業や導入検討中の企業に対して引き続き価格差や利便性を強みとした置き換え提案をおこなうほか、VDIを利用しているもののPC内に一部保存されるローカルデータ保護を目的に、VDI利用企業を顧客にもつ販売代理店と連携しVDIの追加オプションとして「ZENMU Virtual Drive」の機能制限版を提案することで数年ごとのPCおよびセキュリティ見直しのタイミングに限らない導入機会の創出を目指しております。
②ZENMU Engine
秘密分散技術の活用領域の拡大に関しましては、スマートウォッチなどのウエアラブル端末や監視カメラ、ドローン等のIoT機器が普及していくことに伴い、コンピュータネットワーク末端にあるエンドポイントデバイスのデータの保護、転送中のデータ保護が重要になっていくことが予想されます。市場予測を踏まえ、「ZENMU Engine」の提供による秘密分散技術を組み込んだOEM商品の多様な可能性を検討しているフェーズにあります。以下が、その適用例となります。
これら適用例のうち、無人航空機(ドローン)分野では2022年からドローン技術をもったパートナーとともに秘密分散技術ソリューションをドローンや移動型ロボットに搭載する技術「インテグリティ・ドローン」の技術検証の段階に入っております。
産業領域や物流領域において、有翼型・マルチコプター型の無人航空機であるドローンの活用の用途が広がり、災害時の情報収集等に警察・消防でもドローンや自律移動型ロボットの導入が推進されています。
(注)警視庁「国家公安委員会・警察庁防災業務計画」第1-2 多様な情報収集手段の整備
しかしながら、ドローン、ロボットの機体には自律移動用のプログラムや、飛行経路の情報、撮影したデータ等の機密情報を多数含んでおり、予期せぬ落下等の事故による情報漏洩のリスクがあります。
このような場合にも当社の秘密分散技術を組み込むことで、ドローンのデータを瞬時に無意味化することができます。
今後も「インテグリティ・ドローン」の事業化を、パートナーとともに着実に実現し、多分野にわたる活用領域の拡大を進めてまいります。
また、監視カメラ市場においては労働人口の減少にともない、管理センターなどから有人監視するのではなく、画像解析AI等と組み合わせたいわゆる「AI監視カメラ」の導入が拡大しております。一方でAI監視カメラの設置拡大にともない、プライバシーなども含む録画データの保管、転送過程でのセキュリティ上の懸念やデータ量の増加による通信、保管コストなどの課題も発生しており、当社の秘密分散技術によるデータ保護やデータを任意のサイズや個数に分割可能なAONT方式の特色は通信および保管時のコスト削減などにも貢献可能であることから、AI監視カメラや画像解析技術を持つ企業などを対象に同分野でのOEMパートナーの開拓を進めております。
■秘密計算ソリューション
①データ利活用の現状
今日のビジネス社会では異なる複数の企業同士が相互補完的に共存・共栄していく仕組みである「エコシステム」を構築することで、新たな製品やサービスの創出を可能にしています。
同様に、「データエコシステム」は、多様な産業の企業が、自社データと外部データ、自社データと自社グループ内のデータ等を掛け合わせ、新たなビジネスモデルを創出すべくデータを価値あるものにしてゆく取り組みです。デジタルマーケットの変革のなかで、顧客とのエンゲージメントの最適化を図るデータ利活用の需要は高くなることが予想され、データの自由な流通をさらに高め、マーケットが求めるインサイトを発見し、革新的なビジネスモデルやサービスの開発による付加価値の向上、プロセス改善等をもたらすことが期待されています。
このように、データの利活用への関心が高まる一方で、実際に組織間で機密性の高いデータを共同利用する場合、結果やインシデントに対し誰が責任を持つかといったデータの扱いに関するポリシーの確立や、個人データを含むプライバシーの保護とセキュリティの双方を担保することが高い障壁となっております。
②機密性の高いデータを暗号化されたまま解析
当社は、秘密分散技術を活用した秘密計算技術について、産業技術総合研究所との共同研究により、秘密計算ソリューション「QueryAhead」の開発を行ってまいりました。
秘密計算技術の仕組みは以下のようになります。
データをPCやサーバー上に保存する際や転送する際には秘密分散技術によりデータを暗号化された情報に分散します。この場合、データの無意味化により誰も読み取ることができず、安全が確保されています。
一方で、実際にそのデータを処理する際には、従来は元のデータに復号(復元)する必要がありました。復号されたデータは、誰にでも読むことのできる状態となることから、情報漏洩などのおそれがあります。
次の図は秘密計算の仕組みをイメージしたものですが、秘密計算技術では暗号化されたデータを復号することなく秘匿化したまま処理することが可能となります。
③秘密計算技術の今後
秘密計算技術により、個々の企業や研究機関が所有し、情報漏洩や改ざんリスクのおそれがあるため外部に出すことのできなかった機密データや、個人情報などを秘匿したまま加工・分析することが可能となり、データのセキュリティを担保しつつ、データの利活用が活発になることが期待されております。複数の企業の持つデータを結合・活用してデータ解析を行うことで、産業の活性化や新たなビジネス機会の創出および価値の創造が期待されています。
例えば、医療分野では、個人情報を含んでいるDNA情報や疾病情報などを各医療機関、製薬会社等とデータを秘匿化したまま共有、分析することで、より最適な創薬や医療サービスが提供できる可能性があります。
当社では、秘密計算を適用できる分野やアプリケーションを検証している段階にあり、秘密計算の適用領域として、「金融」「製造・物流などのサプライチェーン」「材料開発」「ヘルスケア」分野を主なターゲットと定めております。
当社では、複数の企業と秘密計算の早期事業化に向けて、以下のプロセスで取り組んでまいります。
a.秘密計算の適用により有効な用途となりうるかを検証し、試作を開発
b.実現可能であるか、目的の効果を得られるかなどを確認する概念実証の実施
c.実際の秘密計算ソリューションの開発
まずは材料開発および製造業への適用検討を図っています。これらの領域では、AI技術などを活用して膨大な時間を必要とする材料開発の高速化やコスト削減に取り組んでいる一方、AIを用いてより精度の高い実験シミュレーションを行うためには大量の実験データをAIに学習させることが必要であり、同一の製品やサービスを研究開発する企業が連携して秘密計算を適用し、お互いに他社の実験データを見ることはできない状況で各社が保有するデータを共有・分析し、それぞれの企業が単独に持つデータからの分析では得られないより価値の高い分析成果を創出し、開発期間の短縮や試作などのコストを削減し業界としての競争力を高めることが可能になります。
また、自社のサプライチェーンを持つ企業のグループ全体に秘密計算を適用し、製造工程のデータとその製造工程に材料・部品等を供給するサプライヤー企業群のデータを共有、分析することで各工程の生産効率や物流効率に関する分析等を行い、工程改善を行うことでコスト削減により競争力を向上させることが考えられます。
現在、当社では秘密計算適用に各企業と連携して取り組んでおり、早期実用化に向けた検証を進めてまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、経営方針として掲げる「安全な情報社会の一翼を担う」という点から、より多くの方に当社製品を使って頂きたいと考えており、当社製品の利用者数を客観的に表すサブスクリプション契約と保守契約の合計値(ライセンス数)を重視しております。
ライセンス数の増加に伴い、経営上の最重要課題であり、今後の収益の蓄積となる「ZENMU Virtual Drive 」の売上成長の実現が可能になると認識しております。
下記のグラフにあります通り、実績ベースでライセンス数は順調に伸長しております。
なお、当社の受注環境は、顧客のシステム等の設備投資予算に影響を受けており、その中でも、特に顧客の決算月が集中する3月及び当社の決算月である12月に偏る傾向があります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①販売代理店戦略による秘密分散ソリューションの拡販
官公庁や地方自治体、個人・小規模事業者など、働き方の多様化やデジタルトランスフォーメーションの進展を背景に、リモートワークや分散型IT環境の導入・高度化を検討する組織からの需要は今後も継続すると見込まれます。これを踏まえ、販売代理店に対するインセンティブ等により販売動機を高める販売強化策を推進するとともに、「ZENMU Engine」を用いたソリューションによる顧客価値の向上と差別化を提案し、新たなアライアンスパートナーの拡大に努めていく予定です。
②秘密計算を主軸とした新規事業の開拓
当社が研究開発を行っている秘密計算データベースプラットフォーム「QueryAhead」の事業化を進め、将来の収益の柱となる新規事業を開拓することで、事業領域の拡大を目指します。情報セキュリティ市場は海外のシェアが大きいため、今後は米国等への海外展開も見据え、事業化へ向けて積極的な投資を行ってまいります。
③サービスの継続的な維持・向上
当社のサービスはインターネットに依存して提供されている状況にあり、顧客に安定的なサービスを提供するためにパフォーマンスを維持・向上することが、CX(カスタマーエクスペリエンス)を高めるためにも重要であることを認識しております。また、顧客のニーズに即時に対応できるよう技術開発を進めるとともに、適切なサポート人員を確保することによりカスタマーサービスを充実させ、品質を管理する体制を構築してまいります。
④秘密分散ソリューション及び秘密計算の事業化による収益基盤、財務基盤の強化
当社は、秘密分散ソリューション「ZENMUシリーズ」のサブスクリプション契約の継続を堅調に推移させることで、ストック型収益を向上させる一方で、パーペチュアルライセンス、使用権の販売によるフロー型収益により財務基盤を支える事業活動を行っておりますが、さらに、当社技術(「ZENMU Engine」等)を組み込んだOEM製品の市場投入増大を目指した活動を行ってまいります。また、現在の収益は秘密分散ソリューションの比率が高い状況となっておりますので、秘密計算ソリューションの早期事業化・事業拡大を図り、秘密計算事業による収益比率を上げることによって収益基盤を強化してまいります。
⑤優秀な人材の確保・育成
技術革新が続く情報セキュリティ業界において、当社が継続的に成長していくためには高い専門性を持った優秀な人材の確保と教育が重要な課題であると認識しております。そのため、従業員が能力を最大限発揮できる体制を構築し、社内におけるノウハウの共有や教育訓練等を実施し、優秀な技術者と営業担当者の育成に努めてまいります。
⑥内部管理体制の強化
当社は成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。そのために必要な組織体制の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
サステナビリティの実現に向けた取り組みのなかで、気候変動や環境問題、社会的格差や貧困が増大するなど解決の難しい課題が存在し、企業に求められる協力や責任も多様なものとなっております。
このような環境の下、当社は、ITの進化・普及による社会の変化の局面を更なる成長の機会と捉え、サステナブルな社会の実現に向けて、テクノロジーカンパニーとして様々な技術を活用し、DXの推進を通じて社会課題の解決・地球環境の保護に貢献することでクライアントとともに成長する、長期的な視点でのサステナビリティ経営を推進してまいります。
(2)ガバナンス体制及びリスク管理
取締役会をサステナビリティに関する課題について議論し、重要事項を決定する最高意思決定機関と位置づけ、原則月1回開催するとともに、事業経営にスピーディーな意思決定と柔軟な組織対応を可能にするため、常勤取締役(常勤監査等委員を含む)及び執行役員が出席する経営会議を別途開催しております。加えて、監査等委員による業務執行に関する監視、四半期ごとに開催されるリスク・コンプライアンス委員会においてコンプライアンスや社内規程の遵守状況、業務活動の適正性かつ有効性等を確認の上、取締役会における社外役員の意見を踏まえてリスク管理に取り組んでおります。
詳細は「
当社は、人的資本への投資の重要性を認識しており、従業員のウェルビーイングを実現することで、中長期的な企業価値向上に寄与するものと考えております。
多様な人材を積極的に採用し、リモートワーク勤務、フレックスタイム制度などにより柔軟な働き方を可能とするとともに、各種福利厚生制度の拡充により各自のウェルビーイングに資するよう、健康で、モチベーション高く、やりがいをもって働きやすい環境の整備に取り組んでおります。
当社では、(3)戦略(人的資本について)において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に係る指標について、具体的な取り組みを行っているものの、本書提出日現在においては、当該指標についての目標を設定しておりません。
今後、関連する指標のデータの収集と分析を進め、目標を設定し、その進捗に合わせて開示項目を検討してまいります。
当社の事業展開その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、情報の適時開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項および本項以外の記載事項を、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
当社のリスク管理につきましては、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、以下に挙げましたリスク要因を把握し、管理する体制となっております。詳しくは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 1.取締役および使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」をご参照ください。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、本項の記載における将来に関する事項は、全てのリスク要因が網羅されているわけではありませんので、ご留意ください。
(1) 事業環境に関するリスク
①技術革新への対応に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
当社が属する情報セキュリティの分野は、コンピュータに対する新たな脅威や技術革新等による事業環境の変化により、市場のニーズが変動するリスクがあります。このような状況のもと、当社は、技術開発部門による新しい発想による技術開発及び各研究機関との研究成果の各種学会、カンファレンス等での発表、各種メディアへの情報発信などの取り組みにより、当社製品及びサービスの競争力の維持向上に努めております。
しかしながら、当社が技術革新に対応するための人件費などの開発費用を投じることができない場合、または当社製品及びサービスの陳腐化又は競合他社の企業努力などの要因により、当社が競争力を維持することができない場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
②事業環境の変化に係るリスク(発現可能性 高、影響度 高)
当社が製品・サービスを提供している情報セキュリティの市場は、日々情報漏洩の危険にさらされている現状においては、今後も拡大していくものと見込んでおりますが、国内市場においては市場の成長スピードを高い精度で見積もることは難しい状況にあります。また、市場が順調に拡大した場合でも、競合他社の参入や変化のスピードに迅速かつ柔軟に対応できず、当社が市場でのシェアを伸ばして行くことができなくなる可能性があります。当社では、新製品や新たなソリューションに向けての研究開発の深耕、顧客ソリューションにおける当社技術の適用拡大と提案力向上などの取り組みを強化しておりますが、このような当社を取り巻く事業環境の変化に有効な対抗策を講じることができなかった場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
③特定事業への依存に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
当社が展開する事業領域は、情報セキュリティ事業の単一セグメントであり、当該事業に経営資源を集中させております。当社では、情報セキュリティ事業のうち主力サービスである「ZENMU Virtual Drive」に関する売上高の割合が高く、これを含めた秘密分散ビジネスの売上構成は2025年12月期において82.2%と依存度が高くなっております。当社では、「ZENMU Engine」を用いたOEMの強化や、秘密分散技術を応用させた秘密計算ソリューションの研究開発を進める等、特定サービスへの依存低下を進めておりますが、環境の変化等により、当該市場が縮小し、その変化への対応が適切でない場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④法的規制に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
本書提出日現在において、当社の事業継続に重要な影響を及ぼす法的規制はないものと認識しておりますが、当社が提供するサービスにおいて、主力商品となっている情報の分散データの取り扱いについては「個人情報の保護に関する法律」等の法令を遵守する必要があります。その他関連する新たな法令等の制定や、既存法令等の改正及び解釈変更がなされた場合、当社の事業が制約を受け、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。設立以降、当社の事業が重大な制約を受ける法令の制定・改正等はありませんが、当社では事業に関連する法的規制に関する情報を定期的に収集し必要に応じて顧問弁護士等のアドバイスを受けつつ対策を講じる方針です。
(2) 事業内容に関するリスク
①販売代理店への依存に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
当社の主力商品である情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」の販売経路は、主に販売代理店を経由した取引となっており、当社では販売代理店への側面サポートや代理店との協業による顧客開拓を行っております。しかしながら、当社にとってはエンドユーザーとの直接の関与が難しいという側面があります。今後も安定的に事業を拡大するために、より販売代理店との連携強化を進めることで、エンドユーザーの要望や受注状況等の情報を収集し、確実性の高い受注予測ができるよう努めてまいりますが、情報収集に遅れ等が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②研究開発活動の不確実性に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
当社は、秘密分散技術や秘密計算技術を開発・事業化するため、研究開発費用に資本を投入しておりますが、市場動向の予測が難しく、適時に効果的な研究開発活動を実施できず、他社が当社より優れた技術、製品を開発すれば、当社の製品は陳腐化し、販売シェアが縮小すると同時に、新製品の事業及び市場の拡大が妨げられることになります。そのような変化を的確に予測し、求められる技術、製品の開発をタイムリーに行うことは非常に困難です。特に新規技術につきましては、研究活動の方向性を定めることには一層の困難を伴うため、研究開発に要した費用を回収することへの不確実性が高いと考えられます。当社では、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な経営戦略」に記載した成長戦略に則り事業展開を行っていく方針であり、秘密計算ソリューションの事業化に向けて産業技術総合研究所との共同研究を基礎とした開発を行っていく方針でありますが、研究開発活動が収益に寄与する成果を出すことができない場合、当社の事業、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 会社組織に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
①小規模組織における内部統制に係るリスク
当社は、小規模の体制で効率的な事業運営に努めており、現在の組織体制に則した業務執行体制、内部統制を構築しておりますが、今後、事業の急速な拡大等により、適切な人的・組織的な対応ができずに、内部統制の構築に遅れが生じる場合には、事業運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②人材の育成・確保に係るリスク(発現可能性 中、影響度 高)
当社では、積極的に優秀な人材の採用、育成に注力し、従業員の働きやすさを重視したリモートワーク等の業務環境の整備によるワークライフバランスの確保やCWO(最高ウェルビーイング責任者)を選任し、従業員のウェルビーイング(健康かつ健全な心と身体である状態)の維持向上の推進を図ることで、人材の定着に努めておりますが、当社が属する情報セキュリティ分野においては、特に専門的な技術を持ったエンジニアや業界・技術に通じた営業担当者の獲得は難しい状況にあります。そのため、適切な人材を十分に確保できず、あるいは優秀な人材が社外へ流出した場合には、当社の経営戦略の遂行上、影響を及ぼす可能性があります。
(4) その他のリスク
①税務上の繰越欠損金に係るリスク(発現可能性 低、影響度 中)
当社は事業拡大のための先行投資等により2016年2月期から2022年12月期まで当期純損失を計上したこと、及び当該資金を株式会社日本政策金融公庫からの借入れにより調達したことにより、2022年12月期まで債務超過となっておりましたが、2023年12月期の黒字化並びに2023年12月までに行った第三者割当増資により債務超過を解消しております。一方で税務上の繰越欠損金は引続き存在しており、将来における法人税等の税負担が軽減されることが予想されております。当社の事業が順調に推移し、当該繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、当社の業績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
②無形固定資産(ソフトウエア)に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
当社は、製品・サービスの強化・維持を図るためソフトウエアへの開発投資を推進しており、将来の収益獲得が確実であると認められた開発費用をソフトウエアとして無形固定資産に計上しております。ソフトウエアの開発に際しましては、市場性等を慎重に見極めておりますが、市場や競合状況の急激な変化などにより、想定していた利用が見込めなくなった場合や、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、除却あるいは減損の対象となる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③新株予約権の行使による株式価値の希薄化に係るリスク(発現可能性 高、影響度 中)
当社は、当社の役員、従業員及び社外協力者に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しており、本書提出日時点における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は7.10%となっております。当社では、資本政策によりその割合を適切に把握しておりますが、これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
④知的財産権に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
当社の事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟等の問題が発生した事実はなく、本書提出日現在においては、当社の事業に関し他者が保有する特許権等への侵害により、事業に重大な支障を及ぼす可能性は低いものと認識しております。しかしながら、今後、当社が第三者との間で係争となった場合、弁護士や弁理士と協議の上、個別具体的に対応策を検討していく方針ですが、当該第三者の主張の適否に関わらず、解決に至るまでに、時間および多額の費用を要する可能性があります。また、当社の商品や技術につきましては、適正に管理しておりますが、第三者が侵害した場合にも同様に、時間および多額の費用を要する可能性があります。その場合には当社の事業戦略および経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。現状、秘密分散ソリューション、秘密計算技術ともに特許化および公知化する戦略をとっており、これらは当社の強みとなっております。
そのほか、当社の秘密分散ビジネスおよび秘密計算ビジネスでは、自社開発技術を中核に製品・サービス等の開発を行っているものの、秘密計算ソリューション「QueryAhead」では産業技術総合研究所の開発したソースコード(※1)について同研究所の子会社として知財および共同研究の管理を行う株式会社AIST Solutionsから許諾を得て使用しております。また、同研究所との共同研究契約を通じて、秘密分散技術、秘密計算技術の双方について理論面での高度化を継続的に図っており、同研究所との協力関係の維持および強化について今後も取り組んでいく方針です。なお、当該ソースコードの使用については2091年12月31日までの使用許諾契約を締結済であり、また、秘密計算の処理自体は当該ソースコードに依存することなく実現しているものであることから、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性は限定的であるものと考えております。
(※1)「ソースコード」
コンピュータへの指示や一連の処理手順などをプログラミング言語によって表記したもの。
「QueryAhead」における産総研が開発した「秘匿シャッフルプログラム」ソースコードはデータを秘匿化したまま大きさの順番に並べる機能を担っており、最大値、最小値を求める、等の処理を実現しています。
⑤配当政策に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要な経営課題と位置づけておりますが、現状においては成長過程にあるため、当面の間は内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当することが、株主に対する利益還元につながるものと考えております。将来的には、各事業年度の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主に対して配当による利益還元を検討していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
⑥資金調達に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
当社の公募増資による調達資金の使途については、当社事業の拡大のため、事業成長のための研究開発費や採用等による人員増による人件費などへの充当を予定しております。しかしながら、上記に記載しましたように、事業環境が変化することも考えられるため、当該資金を想定通りの使途に充当されない可能性もあります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定通りの投資効果を得られない可能性があります。そのような場合において、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産合計は1,173,404千円となり、前事業年度末に比べ569,836千円増加いたしました。これは主に、東京証券取引所グロース市場に上場した際の増資等により現金及び預金が281,212千円増加、大口案件の売上計上により売掛金が256,201千円増加したことによるものであります。
当事業年度末における固定資産合計は113,392千円となり、前事業年度末に比べ59,971千円増加いたしました。これは主に、主力事業である秘密分散ソリューション製品のバージョンアップに伴う無形固定資産が25,578千円増加、繰延税金資産及び本社移転に伴う差入保証金等、投資その他の資産が30,685千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度末における資産合計は1,286,797千円となり、前事業年度末に比べ629,808千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債合計は471,907千円となり、前事業年度末に比べ63,936千円増加いたしました。これは主に、サブスクリプション契約における年間更新時の契約数量増加及び新規契約の獲得に伴い契約負債が41,594千円増加、秘密分散ソリューションの開発費用及び自社製品の市場調査や知名度向上を目的とした広報戦略に伴う未払金が24,838千円増加となったことによるものであります。
当事業年度末における固定負債合計は、長期借入金を全額返済したことにより、前事業年度末に比べ11,195千円減少し、残高はありません。
この結果、当事業年度末における負債合計は471,907千円となり、前事業年度末に比べ52,741千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は814,889千円となり、前事業年度末に比べ577,066千円増加いたしました。これは、東京証券取引所グロース市場に新規上場した際の増資等により資本金が214,704千円及び資本剰余金が206,444千円増加、当期純利益155,917千円計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は62.9%(前事業年度末は35.4%)となりました。
②経営成績の状況
当事業年度(2025年1月1日~2025年12月31日)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や日経平均株価が過去最高値を更新するなど緩やかに回復している一方、物価上昇や日中の通商政策の影響による景気の変動リスクなど、依然として先行きは不透明な状況下にあります。
当社を取り巻く経営環境につきましては、AIの進化、IoT・ドローンの普及、DXの進展により情報技術の可能性がますます広がる一方、サイバー攻撃のリスクも高まり、企業には迅速かつ高度なセキュリティ対策が求められております。
このような環境のもと、当社は「情報そのものを意味のない状態に変えて分散する」という秘密分散技術を活用し、データが盗まれても情報漏洩を防ぐ新しいアプローチのセキュリティ技術を展開しております。リモートワークやハイブリッドワークといった柔軟な働き方が定着する中で、当社は、低コストでありながらセキュリティとユーザー利便性を両立する「ZENMU Virtual Drive(ZVD)」の法人向け販売を主力製品として位置付けてきました。また、PC向けのセキュリティ製品にとどまらず、IoT機器やドローン、多要素認証など幅広い分野への事業展開を視野に入れ、技術供与や共同開発といった提携を通じて、秘密分散技術の活用領域の拡大を進めております。
当事業年度におきましては、今後の成長に向けた基盤構築に注力いたしました。具体的には、大規模な自然災害や広域災害時にも「ZENMU Virtual Drive(ZVD)」を継続してご利用いただけるよう、「ZENMU Virtual Drive ディザスタリカバリ オプション」サービスを開始いたしました。また、秘密分散技術のドローン実装に関する実証試験に成功し、ドローンが送受信する映像や制御信号、機体内に記録されるデータをリアルタイムに“無意味化”することで、サイバー攻撃や機体の紛失時にも情報漏えいを防ぐシステム構築に向けた取り組みが前進いたしました。さらに、医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP)に参画し、医療分野におけるAI活用の社会実装を促進することで、医療の質の向上や医療現場の負担軽減、医療DXおよび「医療分野におけるSociety 5.0の実現」に向けた取り組みに貢献できたものと考えております。
以上の結果、当事業年度の売上高は851,943千円(前期比31.3%増)、営業利益は144,138千円(前期比88.3%増)、経常利益は160,545千円(前期比90.8%増)、当期純利益は155,917千円(前期比98.6%増)となりました。
なお、当社は情報セキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は788,479千円となり、前事業年度末に比べ281,212千円増加いたしました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、27,012千円(前事業年度において獲得した資金は242,825千円)となりました。これは主に、売上債権の増加額256,201千円(前年同期における売上債権の減少額139,552千円)、税引前当期純利益160,545千円の計上(前年同期比76,390千円増加)、契約負債の増加額41,594千円(前年同期における契約負債の増加額27,981千円)、未払金の増加額26,511千円(前年同期における未払金の減少額18,466千円)などが発生したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、65,019千円(前事業年度において使用した資金は21,112千円)となりました。これは主に、秘密分散ビジネス製品のバージョンアップに伴う無形固定資産の取得による支出40,587千円(前年同期における無形固定資産の取得による支出18,970千円)、本社移転に伴う新オフィス差入保証金の差入による支出17,793千円などが発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、373,244千円(前事業年度において使用した資金は22,664千円)となりました。これは、東京証券取引所グロース市場への新規上場に伴う株式の発行による収入397,590千円(前年同期は株式の発行による収入2,500千円)、短期借入れによる収入100,000千円、長期借入金の返済による支出130,359千円(前年同期は長期借入金の返済による支出25,164千円)などによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載はしておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績を示すと、次のとおりです。
|
事業の名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
秘密分散ビジネス |
730,811 |
133.0 |
216,071 |
120.6 |
|
秘密計算ビジネス |
95,928 |
53.1 |
24,096 |
39.7 |
|
その他 |
17,794 |
100.5 |
419 |
30.2 |
|
合計 |
844,533 |
112.9 |
240,587 |
99.7 |
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりです。なお、当社は情報セキュリティ事業の単一セグメントですが、販売実績を売上の計上区分別に記載しております。
|
事業の名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
秘密分散ビジネス |
700,547 |
136.9 |
|
秘密計算ビジネス |
132,532 |
110.4 |
|
その他 |
18,863 |
110.4 |
|
合計 |
851,943 |
131.3 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
当事業年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社野村総合研究所 |
※ |
※ |
215,187 |
25.3 |
|
株式会社日立システムズエンジニアリングサービス |
76,278 |
11.8 |
184,473 |
21.7 |
|
デロイトトーマツグループ合同会社 |
115,600 |
17.8 |
140,840 |
16.5 |
|
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 |
113,500 |
17.5 |
112,032 |
13.2 |
|
株式会社日立製作所 |
177,770 |
27.4 |
※ |
※ |
※総販売実績に対する当該販売実績の割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりでございます。
b 経営成績
経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりでございます。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の事業活動における運転資金需要のうち主なものは、サービス提供のための人件費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要はソフトウエアの開発費であります。
当社は、これらの資金需要に対して、事業上必要な資金の流動性と財源を安定的に確保することを基本方針とし、資金使途や金額に応じて自己資金又は金融機関からの借入といった資金調達を柔軟に検討し、確保しております。
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、当事業年度における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。会計上の見積りのうち重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりです。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社は達成状況を判断するための経営上の指標につきまして、「ZENMU Virtual Drive」の売上成長を最重要課題としており、ライセンス数(サブスクリプション契約と保守契約の合計値)を重要な経営指標と認識しております。
「ZENMU Virtual Drive」ライセンス数については、2024年12月期末99,317ライセンスに対し、2025年12月期末では115,417ライセンスに増加しております。この要因としては、新規顧客の導入に加え、既存顧客における利用拡大が進んだことによるものです。安定した収益基盤の確保とさらなる事業拡大に向けて、サブスクリプションライセンスの拡大に向けた取り組みを引き続き強化してまいります。
(コミットメントライン契約の締結)
当社は、2025年2月21日開催の取締役会の決議に基づき、運転資金の効率的な調達を行うため、2025年3月14日にコミットメントライン契約を締結いたしました。
・コミットメントライン契約の概要
|
契約金額 |
100,000千円 |
|
契約期間 |
2025年3月18日より2026年2月28日まで |
|
契約形態 |
コミットメントライン契約 |
|
借入利率 |
基準金利+スプレッド |
|
担保の状況 |
無担保 |
|
財務制限条項 |
① 本契約締結日以降の決算期の末日における単体の貸借対照表における純資産の部(資本の部)の金額を、前年同期比75%以上に維持すること。 ② 本契約締結日以降の決算期における単体の損益計算書に示される経常損益を損失とならないようにすること。 |
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金融機関 |
株式会社りそな銀行 |
なお提出日現在、本契約は終了しております。
当事業年度の秘密分散ビジネスにおいては、引き続き主力ソリューションである「ZENMU Virtual Drive (ZVD)」の将来的な機能拡充に向けた研究開発を推進するとともに、PC向けとどまらず、IoT機器やドローンなど多様なデバイス、ならびに多要素認証といった用途に対して、技術供与や共同開発等の提携を通じ、秘密分散技術の適用領域および市場の拡大に取り組んでまいりました。また、秘密計算ビジネスについては秘密計算ソリューション「QueryAhead Ver.2.0」の開発を進め、機能の拡充に取り組んでまいりました。これらの活動により当事業年度における研究開発費の金額は
なお、当社は情報セキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。