第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第8期

第9期

第10期

第11期

第12期

決算年月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

2024年12月

2025年12月

売上高

(千円)

1,600,164

1,994,272

2,493,490

2,961,529

3,384,833

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

869,952

600,073

222,177

91,016

234,360

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する

当期純損失(△)

(千円)

866,498

578,171

175,072

155,244

291,784

包括利益

(千円)

875,735

616,655

237,793

4,759

248,092

純資産額

(千円)

2,680,102

2,200,812

2,129,137

2,162,096

2,484,570

総資産額

(千円)

4,308,129

3,471,976

3,596,522

3,440,340

3,871,701

1株当たり純資産額

(円)

171.55

135.63

125.44

136.89

155.32

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

62.76

37.49

11.30

9.98

18.84

潜在株式調整後
1株当たり

当期純利益

(円)

9.93

18.78

自己資本比率

(%)

61.29

60.53

54.18

62.11

61.96

自己資本利益率

(%)

7.60

12.87

株価収益率

(倍)

34.06

23.09

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

574,986

426,205

219,030

388,731

549,070

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

372,765

946,774

582,318

213,351

465,427

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

2,853,295

273,556

84,405

193,865

24,577

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

3,500,340

1,853,805

1,574,922

1,556,437

1,664,657

従業員数

(名)

167

167

150

143

155

〔外、平均臨時
雇用者数〕

11

9

7

10

6

 

(注) 1.第8期から第10期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

2.第8期から第10期の自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失が計上されているため記載しておりません。

3.第8期から第10期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

4.第8期から第10期は広告宣伝費及び営業体制強化による人件費、並びに製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上のためのエンジニア等の人件費や研究開発費を積極的に投下したこと等により、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。また、同様の理由により、第8期及び第9期の営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなっております。

5.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。

6.2021年7月28日開催の取締役会決議により、2021年8月11日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っておりますが、第8期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。

7.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第9期の期首から適用しており、第9期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第8期

第9期

第10期

第11期

第12期

決算年月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

2024年12月

2025年12月

売上高

(千円)

1,600,036

2,102,570

2,588,787

2,917,666

3,019,617

経常利益又は

経常損失(△)

(千円)

851,266

541,903

72,651

272,477

427,135

当期純利益又は

当期純損失(△)

(千円)

856,884

558,195

91,393

55,493

410,602

資本金

(千円)

1,609,799

49,682

57,387

71,532

30,857

発行済株式総数

(株)

15,390,800

15,498,500

15,551,500

15,639,200

15,645,200

純資産額

(千円)

2,649,953

2,131,123

2,061,975

2,150,401

2,531,438

総資産額

(千円)

4,277,610

3,404,900

3,516,255

3,371,009

3,802,199

1株当たり純資産額

(円)

172.17

137.54

132.73

137.75

163.89

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり

中間配当額)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

62.07

36.19

5.90

3.57

26.51

潜在株式調整後
1株当たり

当期純利益

(円)

3.55

26.42

自己資本比率

(%)

61.95

62.59

58.64

63.79

66.57

自己資本利益率

(%)

2.64

17.54

株価収益率

(倍)

95.29

16.41

配当性向

(%)

従業員数

(名)

167

167

144

137

147

〔外、平均臨時
雇用者数〕

11

9

7

10

6

株主総利回り

(%)

36.2

53.5

40.8

52.2

(比較指標:配当込み
TOPIX)

(%)

(―)

(97.5)

(125.1)

(150.7)

(189.1)

最高株価

(円)

1,526

837

700

521

467

最低株価

(円)

706

273

288

307

254

 

 

(注) 1.第8期から第12期の持分法を適用した場合の投資利益については、連結財務諸表を作成しているため記載を省略しております。

2.第8期から第10期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

3.第8期から第10期の自己資本利益率については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。

4.第8期から第10期の株価収益率については、1株当たり当期純損失が計上されているため記載しておりません。

5.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

6.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。

7.2021年7月28日開催の取締役会決議により、2021年8月11日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っておりますが、第8期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。

8.2021年11月5日付をもって東京証券取引所マザーズに株式を上場いたしましたので、株主総利回り及び比較指標の最近5年間の推移は第9期以降を記載しています。

9.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(グロース市場)によるものであり、それ以前は東京証券取引所(マザーズ)におけるものであります。

10.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第9期の期首から適用しており、第9期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

年月

概要

2014年9月

東京都品川区に株式会社Photosynth(資本金100千円)を設立

2014年10月

経済産業省所管の独立行政法人(現:国立研究開発法人)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から研究開発型ベンチャー支援事業(スタートアップイノベーター支援)の委託及び助成先に採択

2015年1月

本社を東京都品川区、同区内での移転

2015年3月

家庭向けの後付け型スマートロック「Akerun Smart Lock Robot」を発表

2015年7月

Webで遠隔解錠・状態確認できる「Akerun Remote」を発表

2015年12月

テクノロジーメディアであるCNET Japanを運営する朝日インタラクティブ株式会社等が主催する「第3回 CNET Japan Startup Award」でCNET Japan賞を受賞

2016年1月

本社を東京都品川区、同区内での移転

2016年7月

法人向けにICカードで鍵が開くスマートロック「Akerun Pro」を発表

2017年3月

経済産業省所管の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施するベンチャー企業と大企業の連携支援プログラム「企業間連携支援制度」に採択

2017年4月

経済誌「Forbes」が選ぶアジア版「30 UNDER 30」のコンシューマーテクノロジー部門に当社代表取締役社長河瀬航大が選出

2018年3月

本社を東京都港区に移転

2018年10月

公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会が主催する「第13回ニッポン新事業創出大賞」のアントレプレナー部門で最優秀賞(副賞:経済産業大臣賞、公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長賞)を受賞

2018年10月

日本電気株式会社の顔認証技術と技術連携

2019年5月

法人向けに既設の電気錠や自動ドアを直接制御する「Akerunコントローラー」を発表

2019年6月

大阪府大阪市に大阪オフィスを設立

2020年6月

福岡県福岡市に福岡オフィスを設立

2020年8月

アクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」をイメージしたAkerunロゴのリニューアルを発表

2020年8月

三井不動産株式会社との資本業務提携と、ビル向けの入退館管理システムである「Akerun来訪管理システム」における実証実験の開始を発表

2020年8月

情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)」の認証を取得

2020年10月

東京都港区にロジスティクス・センターを設立

2020年10月

「Akerun入退室管理システム」の新しいWeb管理ツール「Akerun Connect」をリリース

2020年11月

JR東日本スタートアップ株式会社が主催する「JR東日本スタートアッププログラム2020」において総合グランプリとなる「スタートアップ大賞」を受賞

2021年1月

美和ロック株式会社との合弁会社「株式会社MIWA Akerun Technologies」を設立

2021年7月

「クラウド型入退室管理システムの国内導入社数並びに国内シェアNO.1」、「スマートロック国内利用者数並びに国内シェアNO.1」、「法人向けスマートロック国内導入社数並びに国内シェアNO.1」を獲得(日本マーケティングリサーチ機構調べ(2021年6-7月期_指定領域・日本国内における検証調査))

2021年8月

愛知県名古屋市に名古屋オフィスを設立(2023年2月1日付で大阪オフィスに統合)

2021年9月

株式会社MIWA Akerun Technologiesの住宅向けスマートロックを活用した最初の製品となる、

スマートライフシステム「Akerun.M(アケルン・エム)」を発表

2021年11月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2022年3月

株式会社MIWA Akerun Technologiesがヤマト運輸株式会社が提供する「マルチ デジタルキー プラットフォーム」との連携を発表

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズからグロース市場に移行

2022年7月

インフラ企業として情報セキュリティへの取り組みをさらに強化するため、新たに最高情報セキュリティ責任者(CISO)を創設

2022年7月

株式会社MIWA Akerun Technologiesが賃貸物件の内見〜入居〜退去までをキーレスで効率的に管理できる 「Akerun.Mキーレス賃貸システム」を発表

2022年8月

北海道札幌市に札幌オフィスを設立

2023年2月

Akerunのブランドイメージをリニューアル

2023年4-7月

「Akerun入退室管理システム」が、ソフトバンク株式会社、JBアドバンスト・テクノロジー株式会社、凸版印刷株式会社等が提供する各種サービスと順次連携開始

 

 

年月

概要

2024年4月

クラウドやIoT、AIなどの最新技術のさらなる活用と開発力の強化に向けて、新たに最高技術責任者(CTO)を設置

2024年9月

ギグワーカープラットフォームを活用した施設運営BPaaS(注)事業を担う完全子会社となる「株式会社Migakun」を設立

2024年9月

スマートフォンのウォレット機能を活用したAkerunブランドの新サービスとなる「Akerunデジタル身分証」を発表

2024年11月

受付業務の無人化・省人化を支援する、Akerunブランドの新サービス「Akerun QR受付システム」の提供を開始

2025年3月

「Akerun入退室管理システム」が、Sansan株式会社の名刺アプリ「Eight」のカード型デジタル名刺「My Eight Card」との連携を開始

2025年5月

MigakunとGOLFZON Japanが、インドアゴルフ施設の運営効率化に向けたパートナーシップを締結

2025年7月

ニチガス/エナジー宇宙との協業を通じて、「Akerun入退室管理システム」を活用した法人向け置き配ソリューション「ニウケマスター」を提供

2025年10月

コワーキング施設等を中心としたレンタル施設及び会員制施設の無人化・省人化のための顧客管理・予約・決済システム「fixU」を提供する株式会社fixUを完全子会社化

2025年11月

世界最大級のインドアゴルフスクール「ステップゴルフ」を運営するステップゴルフ株式会社との協業を開始、ステップゴルフ全国店舗にAkerunを導入

 

(注)BPaaSとは、Business Process as a Serviceの略で、企業などにおける業務プロセスをアウトソースするとともに、クラウドなどのテクノロジーを活用して業務効率の向上を実現するサービス提供モデルです。

 

3 【事業の内容】

当社グループは、厳格な要件が求められる法人向けで実績豊富なスマートロック(注1)等のIoT機器やソフトウエアを活用したAkerun(アケルン)ブランドのHESaaS(注2)のサービスに加えて、ギグワーカーが様々な空間における人手不足を解決する施設運営BPaaS「Migakun(ミガクン)」やコワーキング施設等を中心としたレンタル施設及び会員制施設の無人化・省人化のための顧客管理・予約・決済SaaS「fixU」を子会社を通じて展開しております。

これらのサービスの提供を通じて、あらゆる空間の無人化・省人化を促進する新たな社会モデルの創出に取り組む空間DX事業を、法人、住宅、商業施設、教育機関、自治体等の幅広い業界で展開し、リカーリング収益(注3)の最大化を通じた事業拡大を推進しております。

 

(注) 1.スマートロックとは、電気制御により鍵を開閉することができるインターネットに接続された錠前のことであります。

2.HESaaSとは、Hardware Enabled Software as a Serviceの略で、アプリケーションソフトウエアをインターネット経由で提供するクラウドサービスであるSaaSと、ハードウエアのサブスクリプションモデルを組み合わせた提供モデルであります。

3. リカーリング収益とは、サービスや製品の提供を通じて、定期的かつ継続的に発生する収益のことであります。

 

<当社グループのミッション/ビジョン>

当社グループは、「つながるモノづくりで感動体験を未来に組み込む」をミッションに掲げ、ハードウエアからソフトウエア、Web、モバイルまでを網羅するフルスタックの開発体制を備えたモノづくり企業として、またクラウドやIoT、認証、フィジカルAI等の最先端技術及びプロダクト/サービスを開発するテクノロジー企業として、少子高齢化に伴う人手不足等の社会課題の解決を目指しております。

また、このミッションの実現に向けては、新たに「人手に依存しない、自律型の物理空間で、社会を自由化する。」というビジョンを策定し、Akerun、Migakun、fixU等の各サービスを通じて、オフィス、住宅、商業施設、教育機関、医療機関、自治体等のあらゆる物理空間の管理や運営をテクノロジーの力で自動化し、企業や法人だけにとどまらず、社会そのものを人手不足や物理的な業務に伴う様々な制約から解放することを目指しております。

 


 

<当社事業を取り巻く社会的背景>

現在、日本国内では、少子高齢化に伴う深刻な人手不足や生産年齢人口(15〜64歳)の減少といった社会課題に直面しており、統計によると生産年齢人口は1995年頃をピークに減少を続け、2025年時点の東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の生産年齢人口が2045年にはほぼ消失すると推計されています(注)。この影響はすでに様々な業界で顕著になってきており、オフィスにおける人手不足に起因する過重労働や生産性の低下、観光業界における訪日外国人旅行客の増加に伴う人手不足や機会損失、教育機関等における働き方改革の要請、そして小売店舗や飲食店等におけるアルバイトを含む人材不足による営業時間の短縮や機会損失等、現在そして将来にわたって企業だけでなく日本経済自体の成長への大きな課題となっております。


この不可避の社会課題に対して、人手不足を補うためのデジタル化やDXが様々な業界で求められるなか、当社グループでは、市場での実績が豊富で現契約社数5,700社超という相当規模のユーザー基盤を有する認証プラットフォームを活用したAkerunを基軸に、オフィス、住宅、商業施設、教育機関、医療機関、自治体等のあらゆる空間に適用可能なMigakunやfixU等の空間管理ソリューションをトータルで提供しております。これにより、空間や施設の運営の無人化・省人化という将来におけるスタンダードとなる新たな市場を創出するとともに、ビジネスの領域だけでなく日本社会全体における課題の解決を支援することを目指しております。

 

(注)国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」

 

[空間DX事業の概要]

当社グループは、オフィス、住宅、商業施設、医療機関、教育機関、自治体等のあらゆる空間の管理を無人化・省人化するテクノロジーやソリューションを提供することで、少子高齢化等に伴う深刻な人手不足や生産年齢人口の減少といった社会課題の解決を支援する空間DX事業を展開しております。

この空間DX事業では、中核サービスである「Akerun入退室管理システム」をはじめとしたAkerunブランドのHESaaSのサービスを法人向け及び住宅向けに、Akerunと大きなシナジーを有するギグワーカーを活用した施設運営BPaaSである「Migakun」を法人向けに、そして2025年10月に完全子会社化した、コワーキング施設等を中心とした施設の無人化・省人化のためのSaaSのサービスである顧客管理・予約・決済システム「fixU」を法人向けに、それぞれ提供しております。

 

 

 

<Akerunを起点とした空間DXと施設の無人化・省人化のイメージ>

 


 

空間DX事業の特徴及び市場優位性は主に以下の3点であります。

 

① 認証プラットフォーム「Akerun Access Intelligence」(注1)の価値

空間DX事業の市場優位性の1つ目は、利用企業の規模や業種業態を問わない広範なユーザー基盤に裏付けられた認証プラットフォームの社会インフラとしての価値であります。2025年12月末時点で5,700社以上の現契約社数を抱える認証プラットフォームを基盤に、中核サービスである法人向け「Akerun入退室管理システム」は、クラウド型入退室管理システムやスマートロック等の領域で国内No.1(注2)を獲得するなど、両市場をけん引する実績を有しております。

セキュリティ及び認証の社会インフラとしての地位を確立している法人向けAkerunに加え、建築用錠前で国内大手の美和ロック株式会社(以下、美和ロック)との合弁会社である株式会社MIWA Akerun Technologies(以下、MIWA Akerun Technologies)による住宅領域でのスマートロックを活用したサービスの提供や、従来の身分証/社員証/学生証/会員証等の物理的なIDをデジタル化してスマートフォンで利用できる「Akerunデジタル身分証」の提供など、オフィス、住宅、商業施設、教育機関、医療機関、自治体等の利用場所を問わない広範なユースケースや顧客基盤を通じたビッグデータの取得・活用により、様々な周辺領域へのサービス展開も可能となっております。また、MigakunやfixUにおいてもAkerunと認証プラットフォームを活用することで、Akerunとの併用による柔軟な入退室権限の付与/剥奪やサービス品質向上のためのギグワーカーのモニタリング等が可能になるなど、事業間の大きなシナジーを発揮しております。

 

② HESaaS、BPaaS、SaaSの各事業で培われたハードウエア/ソフトウエア開発力とギグワーカープラットフォーム

空間DX事業の特徴の2つ目は、Akerunブランドのクラウド型IoTサービスで採用するハードウエアとソフトウエアを組み合わせたサブスクリプションモデルであるHESaaS、ギグワーカーを活用した施設運営代行サービスのMigakunで採用するBPaaS、そしてソフトウエアの機能をサブスクリプションモデルで提供するfixUのSaaSで培われた、ハードウエア領域からソフトウエア領域までのフルスタックを網羅する開発力であります。

Akerunでは、IoT機器等のハードウエア技術とクラウドを含むソフトウエア技術を組み合わせることで、法人利用に耐える高品質なハードウエアと、無線通信やセキュリティにおける信頼性や堅牢性に加えてAPIによる外部の勤怠管理/会員管理システム等との連携を通じた様々なニーズに対応できる柔軟性により、人々の入退室データを起点とした“あらゆる物理空間における基幹システム化”を実現しております。

また、Migakunは、コミュニケーションツール等のテクノロジーを活用した、利用企業とギグワーカーを含むMigakunスタッフとのリアルタイムのコミュニケーションにより、BPaaSとして様々な施設運営ニーズに即応可能な柔軟なサービス提供モデルを確立しております。

さらに、fixUは、コワーキング施設や会員制施設等の店舗運営における、高騰する人件費や高難度のデジタル化への対応といった課題に対して、会員登録〜予約〜決済までの店舗運営業務を自動化し、店舗の無人化‧省人化をワンストップで実現できる高機能なSaaSとして業種業態を問わないユースケースで活用されております。

これらのハードウエアからソフトウエアまでを網羅するテクノロジー領域におけるフルスタックの開発体制、さらにはハードウエアの製造や量産も含めた統合的な開発力は、当社グループの大きな市場優位性であると考えております。

 

③ 各事業間における強固なシナジーを通じたリニアな事業成長

空間DX事業の特徴の3つ目は、これらAkerun/Migakun/fixUを組み合わせた統合ソリューションとしての各サービス間の強固なシナジーであります。各サービスは、前述の当社グループが有する認証プラットフォームや統合的な開発力により、導入の容易さ、機能の拡張性、様々な業種業態に適用可能な柔軟性を実現することで、各サービスの複数導入を含むクロスセルが堅調に進展しております。その結果、売上高及び調整後EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization:利払い前、税引前、減価償却前利益)(注3)は堅調に拡大しており、さらに、この売上高及び調整後EBITDAを支える空間DX事業全体におけるリカーリング収益の比率も事業収益全体の80%台後半の高水準を継続的に維持しております。

そして、Akerunの“オフィスや施設における基幹システム化”や大規模顧客へのさらなる拡販、人手不足等を背景としたMigakunへのニーズの拡大と柔軟なサービス提供モデルによる利便性、そしてfixUの店舗運営におけるワンストップ・デジタル化ソリューション等を通じた拡販、さらには各サービスを組み合わせたパッケージ化によるクロスセル等により、顧客企業における当社グループのサービスの“インフラ化”が進展したことで、空間DX事業全体でのMRR(Monthly Recurring Revenue:毎月繰り返し得られる月次経常収益)ベースのChurn Rate(サービスに関する解約率)は平常時で1%以下の低い水準に抑えられております(注4)。具体的には、継続的なChurn Rateの改善により、空間DX事業全体で2025年12月期には0.93%まで改善しております。さらに、このパッケージ化によるクロスセル施策が奏功していることで、ARPU(注5)も継続的に増加し、当期には過去最高の1社あたり48,536円を達成するなど当社グループ全体での事業成長に向けた事業ポートフォリオ間のシナジーを実現しております。

 

当社グループでは、中核サービスであるAkerunを起点として、Akerunと高いシナジーを発揮するMigakunやfixUを組み合わせたソリューション提供やクロスセル施策を促進することで、空間DXによる無人化・省人化市場の創出を通じた売上高及び調整後EBITDAのさらなる拡大とARPUの増加、そしてChurn Rateのさらなる低減が可能であると考えており、今後もそれらの取り組みを通じて空間DX事業のより一層の成長を目指しております。

 

(注) 1.ユーザーの基本情報(氏名や所属等)、デジタルID情報(電話番号や電子メール等)、物理ID情報(所有するICカードや生体認証情報等)、認証権限情報(アクセスが許可されている扉、有効な日にち、曜日、時間帯等)等の情報を保有するクラウド上のデータベースであります。

2.日本マーケティングリサーチ機構調べ(2021年6-7月期_指定領域・日本国内における検証調査)

3.当社グループにおける調整後EBITDAは、営業利益に減価償却費、のれん償却費、株式報酬費用、フィジカルAI領域の研究開発費の各項目を加算したものであります。

4.各期のChurn Rateは、当該期の期末月における12か月移動平均であります。

5.ARPUとは、Average Revenue Per Userの略で、ユーザーや利用企業における1人/1社あたりの売上金額を表す指標であります。

 

<各事業ポートフォリオの詳細>

① Akerun事業

当社グループの中核サービスである「Akerun入退室管理システム」等を展開するAkerunブランドのクラウド型IoTサービスは、クラウドとインターネットでつながるスマートロック等のエッジ端末(注)による個人認証とセキュリティ、そしてクラウド上の認証プラットフォームを通じた個人認証を主軸とした関連サービスを法人向け、住宅向けに展開しております。

Akerunでは、物理的な鍵によるセキュリティや管理性等の様々な制約や課題を無くし、1つのICカードや個人を特定する物理的またはデジタルなIDであらゆる扉やゲートにスムーズにアクセスできる、物理空間におけるシングルサインオンともいえる世界の実現を目指しております。またこの中核サービスであるAkerunを起点として、空間DX事業の各サービスを展開することで、あらゆる空間の無人化・省人化で人手不足等の社会課題の解決を支援しております。

 

   (注)エッジ端末とは、 エッジ(末端)の端末の意味であり、IoT等においてはインターネットに接続され、システム全体の末端に位置する端末のことであります。インターネットで接続されたシステム全体における末端の端末として、データの収集/処理や上位システムへのデータの送信等に加え、上位システムからの指令やデータ等を受信して稼働したり、利用者に伝達する等の機能を担うハードウエアであります。

 

①-2 オフィス領域におけるAkerun
(1)市場機会
Ⅰ.市場環境の変化

現在、国内では少子高齢化の昂進等による生産年齢人口の減少が喫緊の社会課題となっており、オフィスや商業施設、店舗等においても人手不足への対応や労働生産性の向上等を目的に、DXや無人化・省人化への取り組みが活発化しております。具体的には、セキュリティを含む入退室管理、勤怠管理、受付管理、予約管理等の各種業務へのテクノロジー活用により、オフィスや会員制施設の運営にかかわるワークフローを自動化する等の取り組みが業界や業態を問わず進展しております。

さらに、従来からの法改正を含む日本政府や企業による働き方改革の推進により、従業員の勤務時間を正確に記録、管理することが求められており、加えて個人情報保護の強化により、企業ではこれまで以上のセキュリティ対策を求められるようになっております。

 

Ⅱ.従来の入退室管理システムの課題とAkerunの市場優位性

従来の法人向け入退室管理システムは、サーバーや管理用PC等のハードウエア機器の購入・設定、システム設定やネットワーク工事のための外注費、そして機器の改修や保守の費用等、初期費用や経年による費用など高額な投資が必要となり、加えてデータの利活用の難易度の高さ等が企業の大きな導入障壁となっておりました。

 

当社グループでは、このような導入時の障壁を低減し、より少ない負担で入退室管理システムを導入・活用できる「Akerun入退室管理システム」を法人向けに提供しております。特別な工事やシステム構築が不要かつ後付けで手軽に導入可能、クラウド型システムによる専用IT機器の排除とシンプルに利用できる管理画面等によるデータ利活用の支援、サブスクリプションモデルによる保守・運用に要する費用負担の軽減等により、導入障壁の低減と継続運用のしやすさを実現することで今後も広く需要を取り込み、継続的に売上を拡大できるものと考えております。

 

(2)サービス構成

Akerunの中核サービスである法人向けの「Akerun入退室管理システム」は、鍵の物理的開閉やデータ通信等を担うスマートロックやICカードリーダー等のIoTハードウエアと、それを施解錠するスマートフォン(注) 向けアプリケーション、スマートフォンのモバイルICカード等のスマートキー、そして認証、鍵権限の管理、履歴の閲覧等を行う、スマートデバイス向けアプリケーション及びWebアプリケーション等の管理ツールで構成されております。

なお、ユーザーを識別する認証基盤には、市場における実績が豊富な認証プラットフォーム「Akerun Access Intelligence」を活用し、安全かつ信頼性に優れた個人認証を実現しております。

 

(注)対応するスマートフォンは、Apple社が提供するiOS及びGoogle社が提供するAndroidにて稼働するスマートフォンであります。

 


 

Ⅰ.ハードウエアの特徴

「Akerun入退室管理システム」で提供されるハードウエアとして、サムターン錠(注1)に対応する「Akerun Pro」と、電気錠(注2)や自動ドア、セキュリティゲート等の電気制御の扉に対応する「Akerunコントローラー」を提供しております。(住宅向けは後述)

Akerun Proは、工事なしで既存の扉に後付け可能なスマートロックとして、取り付け工事不要、初期費用0円で導入できるため、従来の入退室管理システムと比較して導入にかかる工数や費用を大きく低減しております。

Akerunコントローラーは、既存の自動ドアや電磁錠等の電気錠に後付けで導入でき、簡易的な工事のみで導入し、運用できるスマートロックとして電気錠に対応することでAkerunのユースケースをさらに拡大し、さらに多くのオフィスや施設のニーズに対応することが可能になっております。

また、Akerun Pro及びAkerunコントローラーに共通のハードウエアとして付帯するICカードリーダーにより、日常的に使用している交通系ICカードや社員証、ビル入館カード等のFeliCa及びMifareの各規格(注3)に対応するICカードに加え、スマートフォンのアプリケーションとして利用できるモバイルICカード等のスマートキーによる認証を通じた施錠・解錠が可能となっております。

(注) 1.サムターン錠とは、扉の室内側についているツマミ式の金具で開閉を行う錠前のことであります。

 2.電気錠とは、電気的に鍵を施解錠する機構を組み込んだ錠前のことであります。

 3.FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。Mifareは、NXPセミコンダクターズ社の登録商標です。

 

Ⅱ.ソフトウエアの特徴

「Akerun入退室管理システム」は、ソフトウエアにより以下の機能を提供しております。

 

i.使いやすいWeb管理ツールによる鍵権限の柔軟な設定

Web管理ツールを通じて、ユーザーが入退室できる日時等を柔軟に設定でき、ユーザーごとの入退室権限等、柔軟な鍵権限の運用が可能になっております。また、クラウドを通じて労務関連の法改正やオフィストレンドの変化等に合わせて継続的にアップデートすることが可能となっております。

ⅱ.取得データの利活用

ユーザーの利用履歴を永続的に保持し、Web管理ツール等でいつでも確認できる機能を備えており、この履歴の活用により、セキュリティだけでなくユーザーの動静を把握・確認するための空間管理やMigakun等の当社グループの各サービス利用のエビデンスとしての活用等、さらなる価値提供が可能になっております。

 

ⅲ.APIによる外部システムとの連携

Akerunでは外部システムからの入退室履歴等の情報の取得や遠隔での解錠・施錠の操作、日時を指定した鍵権限の発行等が可能になるAPIを提供しており、また、ユーザーが独自開発したシステムと連携させたり、当社がAPI連携を行っている勤怠管理、生体認証、会員管理、決済等のシステムとの共同ソリューションも活用できます。


 

(3) サービスの強み

「Akerun入退室管理システム」は、市場優位性として、セキュリティやサービス品質等の要件の厳しい法人向け事業で培った広範な実績に加え、高水準の利用体験を可能にするハードウエアの開発及び無線通信やセキュリティにおけるソフトウエアの開発に強みを有しております。

 

Akerun事業における強みの詳細は、以下の通りであります。

 

Ⅰ.法人向け事業における強固な実績とそれに支えられたアクセス認証基盤

法人における豊富な導入実績を通じて現契約社数5,700社以上を抱えるアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」を保持しております。この相当規模の認証基盤を活用することで、ユーザー認証に加えて勤怠管理や会員管理等の法人向けに提供される様々なクラウド型サービスや認証シーンにも活用できます。今後も、オフィスに導入されたAkerunのスマートロックを起点に、入退室管理やセキュリティに加え、API連携を通じた勤怠管理、会員管理、予約管理、決済等の外部サービスとの連携を継続的に推進することで付加価値のさらなる向上を目指しております。

 

Ⅱ.要件の厳しい法人利用に応える高水準のハードウエア性能

「Akerun入退室管理システム」で提供される各種ハードウエアは、多人数に触れる機器としてのハードウエア品質の強化に注力しており、実際にAkerun Proにおいては100万回の開閉試験の実施、高トルクモーター、省電力性能を追求した専用設計回路、耐久性強化のための部品設計や特許取得済みの独自機構等、ユーザーの利用体験を高め、法人利用における厳しい要件にも応える、市場でも高水準のハードウエア品質を実現しております。

 

Ⅲ.信頼性と堅牢性に優れた無線通信技術及びセキュリティ技術

当社グループでは、システムとしての安定的な稼働が非常に重要であると考えており、認証に使用するBLE(注)通信の制御技術、特に施解錠に用いるスマートデバイスを含む複数のハードウエア機器間での安定的な通信制御技術に強みを持っております。これにより、オフィスや施設における高速かつ安定したユーザー認証が可能になっており、また、継続的なソフトウエアの改善を通じて、さらなる利用体験と信頼性の向上を図っております。

加えて、各ハードウエア機器間の通信には、特許取得済みの通信技術や高度な暗号化通信技術を採用することで、市場でも高水準の信頼性と堅牢性に優れたユーザー認証プロセス及び認証基盤を確立しております。さらに、Akerun事業のサービスを支えるクラウド基盤に関しても、社内で「情報セキュリティ基本方針」を定めるとともに、本社及び各拠点で情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)」の認証を取得し、さらにクラウドインフラの保守運用の専任担当者を設置することで、安定的なサービス基盤の構築に積極的に取り組んでおります。

 

(注) BLEとは、Bluetooth Low Energyの略で、低電力通信を可能にする近距離無線通信技術Bluetoothの拡張仕様の1つであります。

 

(4)今後の成長拡大のための取り組み
Ⅰ.企業規模を問わない新規ユーザーの獲得

オフィス領域におけるさらなる成長拡大に向けて、主要導入企業である従業員10名以上の中小企業及び事業所への販売促進施策を継続的に強化し、新規ユーザーのさらなる獲得を目指しております。提供拡大にあたっては、地方拠点の活用に加え、紹介取次や再販等の販売パートナーとの関係強化を通じて潜在ユーザーへの提案機会の増加を図る専任チームの強化・拡充を継続的に実施しております。

さらに、直近において堅調な受注実績をあげている大規模企業や大型ビル、教育機関、医療機関、自治体等に対しても、継続的に営業チームを強化し、これらユーザーの新規獲得にも積極的に注力する計画であります。

 

Ⅱ.既存ユーザーへの追加導入の提案(アップセル施策)

当社グループでは、さらなる売上拡大にあたって、ユーザーとの関係性強化や市場動向の調査・分析を通じて、変化する市場ニーズに合わせた空間利用を提案することで、1事業所あたりの導入台数の増加を目指しております。

さらに大規模企業では、複数台の契約を獲得しやすい利用環境であることから、契約の新規獲得や試験導入を契機とした関係性の強化や継続的なヒアリング、提案力の強化等を通じて複数台の契約を追求してまいります。

これらのアップセル施策を促進することで、ユーザーからもたらされるLTV(注)及びARPUの最大化を目指し、事業成長を加速する考えであります。

 

(注) LTVとは、Life Time Valueの略で、顧客との取引の開始から終了までの期間にもたらされる総利益(顧客生涯価値)のことであります。

 

Ⅲ.周辺領域でのソリューションの開発と提供(クロスセル施策)

現在、当社グループでは、空間管理の無人化・省人化での活用を軸にユースケースの多様化に積極的に取り組んでおり、特に外部パートナーが提供する勤怠管理、会員管理、決済、認証等のシステムとのAPIを通じたサービス連携に注力しております。実際に、このAPI連携の有用性が評価され、オフィスだけでなく会員制施設及び商業施設での導入やAPIの利用も堅調に増加するなど、「Akerun入退室管理システム」は顧客のバックオフィス業務を支える基幹システムへと進化しております。

さらに直近では、受付業務の無人化・省人化を実現する「Akerun QR受付システム」の提供や、市場トレンドやニーズに合わせたAkerunの機能強化/新機能、そして様々な空間や施設の運営を支援する施設運営代行BPaaS「Migakun」や店舗の無人化・省人化のためのSaaS「fixU」とのパッケージ提供など、周辺領域でのサービス開発やM&Aを強化しており、当社グループのサービス全体として空間におけるインフラ化のための取り組みを今後も推進する計画です。

 

①-3 住宅領域におけるAkerun
(1)市場機会

現在、住宅領域におけるデジタルサービスの普及に伴い、家事代行や宅配、空きスペース等の活用が促進され、さらに非対面や自宅不在時のサービス利用や荷物の受け取り等にデジタルを活用するなど消費者の行動態様は大きく変化しております(注1)。この流れは、住宅関連のサービス事業者や不動産事業者にも拡大しており、物件の内覧や管理のデジタル化、不動産契約の一部電子化等を通じて業務を効率化する取り組みなど、不動産テックと呼ばれる市場も拡大しております(注2)。

一方で、これらのサービス利用の課題として、宅配便の増加やドライバーの不足に伴う物流業界の業務負荷の高まりと業務効率化の要請、居住者の在宅の必要性、利用時の鍵受け渡しの手間、集合住宅エントランスの入退館時のセキュリティ、ユーザーの心理的不安等がサービスの利用拡大の障壁となっております。

当社グループの住宅領域におけるAkerunでは、建築用錠前の提供で国内大手の美和ロックとの合弁会社となるMIWA Akerun Technologiesを通じて、住宅領域におけるスマートロック及び関連サービスの普及と事業成長を目指しております。この合弁会社を通じて、住宅の扉を起点としたサービスを提供することで、前述の課題を解決し、住宅領域でのさらなる事業成長を目指しております。

 

(注) 1.株式会社矢野経済研究所「2021 シェアリングエコノミー市場の実態と展望」(2021年9月30日発刊)

2.株式会社矢野経済研究所「2021年版 不動産テック市場の実態と展望」(2021年7月28日発刊)

 

(2)提供サービス/製品

住宅領域においては、美和ロックの提供するスマートロックと当社の提供するクラウド上の認証プラットフォームやサービス基盤を組み合わせたサービスとして、賃貸用住宅物件の管理業務を大幅に効率化する「Akerun.Mキーレス賃貸システム」提供しております。このサービスにより、賃貸物件の内見〜入居〜退去の各フェーズにおける、物理鍵の受け渡しのための移動にかかる手間と時間、トラブルへの対応業務、そして退去時の鍵の交換や回収にかかる手間やコスト等、物理鍵の運用に伴う様々な非効率業務を大幅に解消すると同時に、入居者の利便性や安全・安心の向上を実現できます。

さらに今後は、住宅における鍵の施解錠だけでなく、認証、住宅向けの各種サービスの利用、決済等の様々な住宅向けサービスを利用するためのプラットフォームとしての機能の提供に向けて積極的に取り組み、社会環境やライフスタイルの変化に合わせたイエナカサービス(家事代行、ペットシッター、介護等)との連携等、安全・安心で快適な暮らしを支えるための取り組みを推進してまいります。

 

(3)市場優位性のあるサービス提供スキーム

住宅領域では、サービスや製品の提供にあたり、当社が51%、美和ロックが49%を出資する合弁会社であるMIWA Akerun Technologiesを設立しております。当社のクラウド上の認証プラットフォーム及びスマートデバイス向けアプリケーションといったソフトウエア技術における信頼性と実績、美和ロックの住宅向けスマートロック製品に関するハードウエア技術の堅牢性と実績、そして合弁会社によるスマートロックを起点とした住宅向けサービスの開発と提供という各社のそれぞれの強みを組み合わせることで、ユーザーの安全・安心の実現と同時に包括的なサービスを提供し、これまで以上に利便性の高い居住環境の実現に貢献するとともに、様々な社会課題の解決にも資するものと考えております。

また、販売・普及にあたっては建築用錠前の提供で国内大手の美和ロックの有する全国規模の販売網やネットワークに加え、当社グループの販売パートナー各社を活用することで、住宅領域における不動産管理会社や不動産オーナー等の主要プレイヤーへの積極的な提案を推進し、全国規模でのサービスの提供を拡大してまいります。

 


 

(4)今後の成長拡大のための取り組み

不動産の開発会社や管理会社等を含む不動産業界では、アナログな方法による業務プロセスや対面を中心とした顧客対応等の業務の非効率性が課題となっており、テクノロジーを活用したDXによる生産性の向上や働き方の改善等が求められております。

この流れを受けて、「Akerun.Mキーレス賃貸システム」では、主に大手の不動産ディベロッパーや不動産管理会社等をターゲットとして、物理鍵に伴う非効率な業務をスマートロックやクラウド等のテクノロジーで効率化するための提案を強化しております。また、クラウドを活用したサービスとしての強みを生かし、内見等の不動産関連プロセスにおける様々な業務を効率化するSaaS等の外部サービスとの機能連携を推進することで、スマートロックや個人認証を起点に不動産関連プロセス全体を効率化するための機能強化を今後も推進する計画です。

そして、美和ロックが有する営業チャネルを活用して住宅向けスマートロック及びサービス利用のためのプラットフォームを展開することで、新規施工及び既築の集合住宅等への広範囲にわたる提案を強化するとともに、家事代行や宅配、見守り等の様々なサービス提供事業者と提携することで、より多くの選択肢をユーザーに提供する計画であります。これらの取り組みを推進することで、鍵を起点とした魅力あるサービスプラットフォームを提案し、ユーザー基盤の拡大とともに事業成長を目指しております。

 

①-4 「Akerunデジタル身分証」
(1)市場機会

現在、デジタルIDを活用した認証の分野では、日本政府が推進するマイナンバーカードをはじめ、オンラインでの会員登録や決済、サービス利用等でのデジタルIDの活用も進んでおります。

一方で、ビジネスや日常生活で利用されている従来型のICカードや磁気カード、紙ベースの身分証/社員証/学生証/会員証等では、人々の行動態様や時勢の変化等に伴って、IDの発行及び紛失等による再発行の手続きの手間やコスト、個人情報管理に伴うセキュリティ・リスク、そして様々なサービスの横断利用への拡張性の欠如等の課題があります。

 

(2)提供サービス/製品

当社グループでは、このIDの利活用に向けた課題の解決に向けて、従来の身分証/社員証/学生証/会員証等の物理的なIDをデジタル化してスマートフォンで利用できる「Akerunデジタル身分証」を提供しております。この「Akerunデジタル身分証」は、当社グループが法人向けAkerunで培った堅牢かつ信頼性に優れたクラウド認証プラットフォームと、スマートフォンのウォレット機能に統合されたアプリを活用することで、管理者向けにIDの発行や管理運用に関わる工数やコストの大幅な低減、個人情報を含むIDの安心・安全かつ統合的な管理、在籍中/離籍後を問わない利用者とのエンゲージメントの強化、そしてAPI等を通じた様々なサービスとの連携による拡張性等のメリットを提供しております。また同時に、利用者はいつも持ち歩いているスマートフォンと統合されたデジタルIDによるタッチ認証等に加え、様々なサービスや空間へのアクセスをシングルサインオンで実現できる利便性を享受できます。

「Akerunデジタル身分証」のサービス構成として、利用者向けにスマートフォンのウォレット機能に統合されたデジタル身分証アプリと、管理者向けにクラウドを通じて利用できる管理ツールを提供しております。このクラウド上の管理ツールにより、ユーザーの作成/登録やプロフィールの編集、デジタル身分証の発行/削除、お知らせの配信、サービスや施設のアクセス管理等が可能になります。また、APIを通じて当社グループ以外の外部システム等と連携できるため、多要素認証によるセキュリティの強化やエンゲージメント機能の強化、そして複数の部門や施設にわたる管理性の強化等、デジタル身分証のさらなる活用に向けた拡張性も備えております。加えて、当社グループの中核サービスである「Akerun入退室管理システム」とのシナジーにより、デジタルIDを活用した入退室管理やセキュリティの強化も可能となっております。


 

(3)サービスの市場優位性
Ⅰ.法人向けAkerunで培った堅牢かつ信頼性に優れたクラウド上の認証プラットフォーム

当社グループでは、個人情報を含むIDの認証には信頼性及び安定性が必須であると考えております。「Akerunデジタル身分証」は、当社グループの中核サービスである「Akerun入退室管理システム」で培った、利用企業の規模や業種業態を問わない広範なユーザー基盤に裏付けられた認証プラットフォームを活用することで、個人情報を含むIDの管理運用のための堅牢性や信頼性に加え、認証端末とスマートフォンの間の認証方式の最適化等を実現しております。そして、この高信頼の認証プラットフォームを活用することで、業種や業態を問わない様々なユースケースにおけるデジタルIDの需要を取り込めるものと考えております。

 

Ⅱ.高度な技術連携によるスマートフォンのウォレット機能との統合と利便性の向上

「Akerunデジタル身分証」で提供されるアプリは、世界大手のスマートフォンメーカーとの緊密な技術連携を通じて、スマートフォンのウォレット機能との高度な統合を実現しております。これにより、日常的に利用するスマートフォンで手軽にデジタル身分証を利用できる利便性を提供しております。さらに、スマートフォンのウォレット機能に求められる厳格なセキュリティ要件も充足することで、利用者の安心安全なデジタルIDの活用が可能となっております。一般的に広く普及するスマートフォンのウォレット機能との統合により、より多くの潜在ユーザーへのアプローチが可能になるとともに、法人や教育機関、商業施設等の組織における導入ハードルの低減にも貢献するものと考えております。

 

(4)今後の成長拡大のための取り組み

当社グループでは、今後、日本国内でも普及が加速するデジタルIDのさらなる導入の促進に向けた取り組みとして、まず大学等の教育機関に対する提案及び採用に注力する計画であります。大学等では、新年度への準備期間となる3〜4月の一定期間において、新入生や進級等への対応に要する業務が山積しており、業務DXへのニーズが旺盛であると当社グループでは考えております。このようなニーズを受けて、「Akerunデジタル身分証」をデジタル学生証として活用することで、教育機関における業務効率化やコストの低減、そしてDXに向けた需要を取り込んでいけるものと考えております。また、当社グループの中核サービスである「Akerun入退室管理システム」の大学等での導入実績や顧客基盤等のシナジーも活用しながら、デジタル学生証だけでなく入退室管理システム、さらにはMigakunによる施設運営代行までを視野に入れたソリューションの提案等に注力する計画であります。

そして、将来的には学生証にとどまらず、Akerunを中心に当社グループが強みを有する大規模オフィスビル等における入館証や法人における社員証への「Akerunデジタル身分証」の提案及び活用を推進していく考えであります。

 

② 施設運営BPaaS「Migakun」
(1)市場機会

現在、様々な業種業態で、少子高齢化などを背景とした慢性的な人手不足への対策に加え、日々の業務における生産性の向上などを目指す取り組みが推進されております。特に直近では運輸、医療・福祉、建設、宿泊等の業界での慢性的な人手不足とそれに伴うビジネス上の機会損失、そして事業としての存続の危機が叫ばれております。このような課題の解決に向けては、幅広い業界でDXやギグワーカー/スポットワーカーの活用を通じて、人手不足への対策に取り組んでおります。

 

(2)提供サービス

当社グループでは、企業によるこの不可避の社会課題への対策を支援するために、施設運営BPaaS事業となる「Migakun」を提供しております。Migakunでは、当社グループが様々な業種業態のバックオフィス業務の効率化を支援してきた「Akerun入退室管理システム」で培った空間の管理運営に関するノウハウをベースに、様々なオフィスや施設ごとの課題に合わせた管理運営業務の設計に加え、ギグワーカープラットフォームを通じて総務業務や施設の清掃・管理、コミュニティスペースの運営などのサービスを提供し、施設運営における無人化・省人化を支援しております。

Migakunはすでに700名規模のギグワーカープラットフォームを擁し、オフィス、コワーキングスペースやシェアオフィス、フィットネスジムやインドアゴルフ、そして短期賃貸物件等の約400の施設の無人化・省人化及び施設管理の効率化を支援するなどの実績を備えております。さらに、テクノロジーを活用するBPaaSによるサービス提供モデルを通じて、コミュニケーションツールを活用した利用企業とのリアルタイムなコミュニケーションと様々な要望への柔軟な対応や、AkerunのIoTやクラウドを活用した入退室管理との組み合わせによるギグワーカーのモニタリングやサービス品質の向上等を実現するなど、テクノロジーによる提供価値と競争優位性の強化に加え、市場での実績が豊富なAkerunとの顧客基盤やサービス提供におけるシナジーを活用した事業を展開しております。直近では、特に施設運営の無人化・省人化に親和性の高い、コワーキングスペース/シェアオフィス、フィットネスジム、インドアゴルフ等の会員制施設、短期賃貸物件等、幅広い施設で導入されるなど、物理的な作業を伴う施設運営業務で活用され、施設運営の効率化や無人化・省人化の実績を有しております。

 

このMigakunにより、様々な空間や施設における管理業務の効率化、施設の無人化・省人化運営、そして企業によるノンコア業務における外部リソースの活用とコア業務への柔軟なリソース活用等の価値提供を通じて、企業が抱える人手不足等の社会課題の解決を支援するとともに、当社グループの事業成長に貢献するものと考えております。


 

(3)サービスの強み
Ⅰ.従来の施設運営代行における多重下請け構造を排除したサービス提供モデル

従来の施設運営や清掃業務の代行業務においては、発注企業からワーカーまでの多重下請け構造に伴う高コスト構造やワーカーの就労環境の悪化、そして発注企業の要望やニーズへの対応力の欠如等の課題がありました。

これらの従来の課題に対して、Migakunでは、発注企業との直接取引によるサービス提供を行うことで、利用企業の要望やニーズに柔軟に対応可能なサービス提供モデルを確立しております。また、多重下請け構造を排除することで、ギグワーカーの待遇や就業環境の改善も実現しており、その結果として約700名規模にも及ぶ高品質なギグワーカープラットフォームを構築しております。

顧客企業、ギグワーカー、そして当社グループの3者それぞれにメリットをもたらすこのサービス提供モデルを実現したことで、サービス品質における競争優位性を備えた事業展開が可能となっております。

 

Ⅱ.テクノロジーを活用したBPaaSによるサービスの柔軟性と即応性

Migakunでは、テクノロジーを活用するBPaaSとしての強みを生かし、Migakunのカスタマーサクセスやサポートの担当者を通じた、顧客企業及びギグワーカーとのコミュニケーションツール等を活用したリアルタイムのコミュニケーションにより、清掃や施設運営業務、総務業務におけるサービス提供の柔軟性と即応性を実現しております。さらに、施設運営ノウハウを備えたオペレーターにより、顧客企業の要望やニーズの的確な把握と提案に加え、ギグワーカーのオペレーションの最適化も実現しております。また、Akerunとのシナジーを最大限活用することで、急ぎのサービス提供依頼の際のギグワーカーへのAkerunの施解錠権限の付与/剥奪、入退室管理、サービス品質のモニタリング等も実現できるため、様々な施設ごとのニーズに即応可能なサービス提供体制を確立しております。

 

Ⅲ.Akerunで培った空間管理におけるノウハウやサービス提供におけるシナジー

当社グループは、中核サービスであるAkerunの提供を通じて培った、あらゆる空間の管理や運営におけるノウハウを備えており、Migakunのサービス提供においてもその専門性やシナジーを最大限活用しております。

具体的には、Migakunのサービス提供にAkerunによる入退室管理を活用した安心安全かつ柔軟なサービス提供体制、空間管理に課題を抱えるAkerun導入企業へのMigakun提案による空間や施設の無人化・省人化とそれに伴う顧客のコア業務への注力と社内リソースの最適化、ギグワーカーのサービスのモニタリングやサービス品質向上のためのAkerunの入退室データの活用等、要件の厳しい法人へのサービス提供において求められる信頼性や安定性、そしてAkerunも活用したサービスの拡張性を備えております。

 

(4)今後の成長拡大のための取り組み

今後、Migakunのさらなる成長の拡大と加速に向けて以下の取り組みを推進する計画であります。

 

Ⅰ.Akerunとのシナジーを最大限活用したクロスセル施策の強化

前述の通り、Migakunは当社グループの中核サービスであるAkerunとの大きなシナジーを有しているため、それらシナジーを最大限に活用し、Akerun等の当社グループの提供サービスとMigakunを組み合わせた空間DXのためのソリューションとしてのクロスセル施策をより一層強化していく計画であります。

このクロスセル施策の強化により、人手不足等を背景に施設や空間の無人化・省人化運営への高まる需要を取り込むとともに、Akerunの機能拡張やMigakunのサービス強化等の提供価値のさらなる向上を通じて、事業の拡大を図る考えであります。

 

 

Ⅱ.ギグワーカープラットフォームのさらなる拡大とサービス品質の向上

Migakunは、従来の施設運営代行の課題を解消した競争優位性のあるサービス提供モデルを確立し、空間や施設の運営における無人化・省人化や効率化への旺盛なニーズを取り込むとともに、その柔軟性や拡張性、サービス品質等を評価いただき、すでに多くの業種業態及び拠点での空間や施設の運営を支援しております。

今後のさらなる事業成長に向けては、Migakunのサービスを支えるギグワーカープラットフォームの拡大とサービス品質の向上、そしてオペレーションのさらなる効率化を図る計画であります。具体的には、高品質なギグワーカーの採用を今後も加速することで企業の様々なニーズに応えるサービス提供体制の強化を図るとともに、サービス提供範囲の拡大と品質の向上、さらには現場オペレーションのさらなる効率化等を推進します。また、現在の首都圏を中心としたサービス提供エリアを、主要都市や地方にも拡大し、人手不足等を背景とした空間や施設の無人化・省人化及び効率化への旺盛なニーズを全国規模で取り込むことで、さらなる事業成長を目指しております。

 

③ 店舗の無人化・省人化のための顧客管理・予約・決済SaaS「fixU」
(1)市場機会

現在、小売店舗や会員制店舗等の商業施設では、少子高齢化を背景とした人手不足に加えて、最低賃金の上昇や採用難に対応するために人件費も高騰しており、人材確保のための防衛的賃上げ(注)の必要に迫られるなど、店舗運営で大きな割合を占める人件費が課題となっております。

また、DXによる店舗の運営効率の改善に加え、利用者の消費活動や行動態様の変化に伴う高度にパーソナライズされた利用体験への要望等、デジタルを活用した店舗運営が求められている一方で、用途別に異なるツールを導入する必要があり、その用途別ツールにより累積する費用負担や管理負荷等の課題が指摘されております。

 

(注)  経済産業省「2024年版 中小企業白書」

 

(2)提供サービス

当社グループでは、店舗運営における人手不足に伴う人件費の高騰やデジタル化に向けた障壁を解決するために、クラウド型顧客管理・請求管理・決済システム「fixU」をSaaSモデルで提供しております。店舗運営の無人化・省人化に特化したSaaSであるfixUは、会員登録、予約、決済までの店舗運営業務を自動化することで、高騰する人件費を抑えながら店舗を無人・省人運営するためのワンストップ・ソリューションとして様々な小売店舗や会員制施設等の商業施設で導入されております。

具体的な特徴としては、店舗運営者向けのWeb上のダッシュボードを通じて、施設管理、顧客管理、予約管理、受付管理、請求管理、決済、そして売上管理まで、店舗運営に必要な機能を網羅的に提供しております。さらに、店舗の無人化・省人化に向けて、「Akerun入退室管理システム」とのAPI連携も活用することで、入退室履歴に基づく従量課金(ドロップイン利用)から決済までをワンストップで行うことで収益性を高められることに加え、厳格な権限管理や入退室管理により無人化・省人化で人件費を削減しながら利用者の安心安全も確保できることで、店舗の収益性の向上を支援しております。

 


 

(3)サービスの強み
Ⅰ.店舗運営に必要な様々な機能をワンストップで提供

fixUは、これまでの機能ごとに導入が必要だったサイロ型のサービスとは異なり、店舗運営に必要な施設管理、顧客管理、予約管理、受付管理、請求管理、決済、そして売上管理までのワンストップ・ソリューションとしての機能を備えております。これにより、店舗運営者は複数サービスの導入によるコスト増加や管理負荷から解放され、店舗運営の収益性や効率性を向上できると同時に、より戦略的な業務に注力できます。

 

Ⅱ.Akerun連携を通じた物理店舗の無人化・省人化による収益性やセキュリティの強化

fixUとAkerunはこれまでもAPI連携を通じてセキュリティと店舗運営のための統合ソリューションとして多くの空間で導入されるなど豊富な導入実績を有しております。このサービス連携により、店舗では利用者の安心安全を確保しながら無人・省人運営が可能になり、人件費を削減しながら営業時間を延長できるなど収益機会を拡大できるようになります。また、Akerunの入退室履歴に基づく従量課金(ドロップイン利用)も可能になり、さらに収益性を改善できます。

 

Ⅲ.AkerunやMigakunとの強固なシナジー

fixUの主要顧客である、コワーキングスペースやレンタルスペース、フィットネスジム等の会員制商業施設は、AkerunやMigakunの顧客層と強固なシナジーを有しており、fixU、Akerun、Migakunを合わせて導入することで、店舗の完全な無人化を実現できるとともに、収益機会の拡大と人件費の削減による収益性の大幅な改善を実現できます。

 

(4)今後の成長拡大のための取り組み

fixUは、2025年10月の完全子会社化以前から、Akerunとのサービス連携を通じた相互送客や共同での顧客獲得で豊富な実績を有しております。また、機能の網羅性により、これまでの主要顧客である会員制商業施設だけにとどまらない、幅広い業種業態に展開可能な柔軟性も備えており、AkerunやMigakunの主要顧客層への導入余地も大きいと考えております。

今後は、当社グループが推進する物理空間の無人化・省人化を通じた人手不足等の社会課題の解決のための統合ソリューションを担うサービスとして、AkerunやMigakunとのクロスセルを積極的に推進することに加え、当社グループ全体の営業力を活用し、新たな顧客セグメントの開拓やサービス提供エリアの拡大等を積極的に推進する計画です。

 

[事業系統図]

 


(注) 1.顧客紹介を受けて、当社が顧客との契約及びサービスの提供を行います。

2.HESaaS事業のオフィス領域の対象顧客とBPaaS事業の対象顧客は同様の顧客を想定しております。

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

(千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

株式会社MIWA Akerun Technologies

(注)2

東京都港区

50,000

空間DX事業

51

役員の兼任

クラウドサービスの提供及び保守

システム開発の業務受託

管理業務の業務受託

株式会社Migakun

(注)2、3

東京都港区

10,000

空間DX事業

100

施設運営代行の業務受託

株式会社fixU

(注)2

兵庫県神戸市

29,750

空間DX事業

100

施設運営代行の業務受託

株式会社D分割準備会社

東京都港区

2,000

空間DX事業

100

資産管理の業務受託

 

(注) 1.「主要な事業の内容欄」には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

2.特定子会社に該当しております。

3.株式会社Migakunについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

  主要な損益情報等  (1)売上高   436,675千円

(2)経常損失   42,414千円

(3)当期純損失  42,579千円

(4)純資産額  195,996千円

(5)総資産額  297,318千円

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

空間DX事業

155

(6)

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者は年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

2.当社グループは空間DX事業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については、記載しておりません。

 

(2) 提出会社の状況

2025年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

147

(6)

35.4

3.0

6,555

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社は空間DX事業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連については、記載しておりません。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

② 連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。