第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は、「デジタルを簡単に、社会を豊かに」というミッションのもと、企業のデジタル活用を強力に支援することを経営の基本方針としております。

 当社グループの主力プロダクトであるノーコードアプリプラットフォーム「Yappli」を中核に据え、以下のマルチプロダクトの展開を積極的に推進しております。

 「Yappli」は、プログラミング不要で誰でも簡単にスマートフォンアプリの開発・運用ができるノーコードプラットフォームであり、企業が自ら効率的にアプリを運用し、より高い成果を生み出すことを支援しております。「Yappli WebX」は、AIおよびノーコード技術を活用し、専門知識を必要とせずウェブサイトの構築・運用を実現するウェブ構築プラットフォームです。「Yappli MobileOrder」は、店舗等におけるモバイルオーダー機能を提供し、店舗運営の効率化および顧客利便性の向上を支援するプロダクトです。「Yappli MiniApp」は、企業がLINEミニアプリをノーコードで開発・運用できるプラットフォームであり、LINEを通じた顧客接点の最適化を支援しております。

 これらのプロダクト群を有機的に組み合わせることで、アプリ・ウェブ・LINEといった多様なデジタルチャネルを統合管理する「デジタルエクスペリエンスプラットフォーム(Digital Experience Platform、以下「DXP」)」の実現を目指しております。今後も自社開発による機能拡張に加え、M&A等も含め必要に応じた手法を活用しながら、DXPのさらなる推進を図ってまいります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは以下の事項を中長期的な経営戦略の方針としております。

 

① マルチプロダクト戦略の推進

 当社グループは、主力プロダクトである「Yappli」を中核に据えつつ、顧客企業のデジタル接点の多様化するニーズに対応するため、プロダクトラインアップの拡充を積極的に進めております。

 2025年5月には、AIおよびノーコード技術を活用したウェブ構築プラットフォーム「Yappli WebX」の提供を開始し、アプリに加えウェブ領域へと事業範囲を拡大いたしました。さらに2026年2月には、店舗等におけるモバイルオーダー機能を提供する「Yappli MobileOrder」および企業がLINEミニアプリをノーコードで開発・運用できる「Yappli MiniApp」の提供を開始し、デジタル接点のさらなる拡充を図っております。

 また、「Yappli CRM」は、これらのマルチプロダクト群を横断して顧客データを一元管理するデータ基盤として機能しており、各プロダクトで蓄積されたデータを活用した顧客体験の最適化および効果的なマーケティング施策の実施を支援しております。

 引き続き、自社開発による機能拡張を通じて各プロダクトの競争力強化を図るとともに、DXPを構成するプロダクトラインアップのさらなる拡充に取り組んでまいります。

 

② ソリューション領域の強化

 当社グループは、マルチプロダクト群を活用したソリューション提供において、顧客体験向上を支援する「マーケティング領域」と、従業員体験向上を支援する「HR領域」の2軸に注力しております。

 マーケティング領域においては、「Yappli for Marketing」を通じて、企業における顧客接点のデジタル化を支援しております。企業におけるアプリの重要性が高まっていることを背景に、アプリマーケティング等のプロフェッショナルサービスを強化し、顧客アプリのLTV向上を図るとともに、アップセルやクロスセルの創出に取り組んでまいります。

 HR領域においては、「UNITE by Yappli」を通じて、従業員向けアプリの開発・運用を支援し、社内コミュニケーションの活性化や業務効率化など、従業員体験の向上を支援しております。

 これら2つのソリューション領域において専門性の高いサービスを提供することで、顧客企業の多様な課題解決に貢献し、長期的な顧客関係の構築および収益基盤の強化を図ってまいります。

 

③ 収益性の向上とバランス型成長

 当社グループは、持続可能な成長を実現するため、売上高の成長率と利益率の双方を重視した「バランス型の成長」を基本方針としております。これまでの先行投資により強固なプロダクト群の基盤が整ったことを受け、現在は投資効率を重視した成長フェーズにあります。

 売上原価、販売費及び一般管理費につきましては、主に人件費、広告宣伝費、地代家賃およびサーバー費等から構成されております。マルチプロダクト訴求による効率的なリード獲得を進めることで広告宣伝費を抑制する一方、戦略推進を担う人員への投資を継続することで、収益性の向上と成長投資の最適なバランスを図ってまいります。

 引き続き売上高の成長と収益性の改善を両立するバランス型の成長を目指してまいります。

④ M&Aによる事業拡大

 当社グループは、DXPのさらなる推進に向けて、自社開発による機能拡張に加え、シナジーの見込める企業との提携やM&Aを機動的に実施することで、提供価値の向上と事業領域の拡大を図ってまいります。

 2025年11月には、株式会社ヤプリフードコネクト(旧株式会社チューズモンスター)の株式を取得し連結子会社化することで、LINEミニアプリ市場への本格参入を実現いたしました。このように、当社グループが持つノーコード技術・プラットフォーム基盤とのシナジーが見込める領域において、M&Aを積極的に活用してまいります。

 今後も、DXPを構成するプロダクトおよびサービスの拡充および新たな市場・顧客層へのアクセス拡大を目的として、必要に応じた手法を柔軟に選択しながら、事業領域のさらなる拡大を図ってまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社が顧客を獲得して売上を計上するまでのプロセスは、以下に記載のとおりであります。当社では、アプリ運営プラットフォーム事業において、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、各プロセスに関連する重要な経営指標は、契約アプリ数、アプリ当たりの平均月額利用料、月次解約率(直近12カ月平均)であると考えております。

 

(顧客獲得~売上計上のプロセス)

 リード獲得(*1)・・当社マーケティング部門のマーケティング施策による潜在顧客リードの獲得

 商談獲得・・・・・・・当社インサイドセールス(*2)による潜在顧客への啓蒙活動や架電による商談の獲得

 契約受注獲得・・・・・当社フィールドセールス(*3)の商談の実施による契約受注の獲得

 アプリ制作、申請・・・当社ディレクター(*4)、デザイナーによるアプリの制作、アプリストア申請

 アップセル、解約防止・当社カスタマーサクセス(*5)による、顧客のアプリ運用の成功支援

 

(4)経営環境※

※以下に記載の統計データは、過去のデータ及び一時点における予測値であり、将来の結果を示唆または保証するものではありません。統計データに関する予測は、高い不確実性を伴うものであり、大きく変動する可能性があります。また、出典元の予測機関は、予測値の達成を保証するものではありません。

 

 近年の情報通信技術の進化によって、インターネットの利用は社会全体に浸透し、DX(デジタル・トランスフォーメーション)が進みつつあります。企業においてもDXを後押しする傾向にあり、㈱富士キメラ総研公表の「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」(2024年4月)によれば、この市場規模は2030年度には8.35兆円に到達すると予測されております。

 一方、日本は他国と比較すると就業者に占めるIT技術者の割合が2.1%(世界37位)と低く(ヒューマンリソシア株式会社「2023版:データで見る世界のITエンジニアレポートvol.9」(2023年12月)より)、このようなデジタル化を下支えするIT人材の供給は年々不足が拡大していく(経済産業省「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT人材等育成支援のための調査分析事業)- IT人材需給に関する調査 –」(みずほ情報総研委託)(2019年3月)より)と予測されております。さらに日本では、欧米と比較すると、IT企業に就職するIT人材の割合が高く(経済産業省「ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開」(2018年9月)より)、非IT企業は益々エンジニアリソースの不足を強いられる傾向にあると推察されます。

 上記の背景の中、エンジニアを必要とせずクラウド上からソフトウェアを利用することができるSaaSの国内市場は2028年度では2023年度比45.8%増の3兆6,638億円(株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2024年版」(2024年8月)より)に拡大することが見込まれております。また、総務省公表の「我が国のICT現状に関する調査研究(2018年3月)」によると、2017年の日本のSaaS導入率は41%に対して米国の導入率は79%であり、国内のSaaS市場は米国と比較するとまだまだ拡大する余地があることが推察されます。

 当社グループの事業ドメインである、スマートフォンアプリの市場環境に関しては以下のとおりとなります。

 総務省公表の「令和3年版 情報通信白書」(2021年7月)によれば、携帯通信端末は従来型のフィーチャーフォンからスマートフォンに変化しており、スマートフォンの普及は2007年に米国でiPhoneが初めて発売されてから、わずか10年足らずで、加速的に普及してまいりました。2020年の世界のスマートフォン市場規模は3,389億ドル、出荷台数は12.9億台に対し、2023年には市場規模4,038億ドル、出荷台数は15.3億台にまで拡大すると推計されております。

 我が国におけるスマートフォン個人保有率についても、2011年は14.6%であったものの、2023年では78.9%まで上昇しており、特に20~50代では約90%の高い利用率であります(総務省「令和5年通信利用動向調査の結果」(2023年5月)より)。スマートフォンが普及したことによって、日常の様々な場面でアプリが使われるようになり、アプリのダウンロード数は2017年に1,781億ダウンロード(data.ai「アプリ市場予測2017-2022年版」(2018年5月)より)であったものの、2023年には2,570億ダウンロードへと増加いたしました(data.ai「モバイル市場年鑑2024」(2024年1月)より)。

 

 また、経済産業省公表の「令和5年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」(2024年9月)によれば、物販のBtoC-EC市場規模は2023年で14兆6,760億円であり、このうちスマートフォン経由の市場規模は8兆6,181億円であります。市場規模に占めるスマートフォン経由の割合は58.7%で、2015年の27.4%と比較すると31.3ポイントの増加となり、今後もBtoC-EC市場規模及びスマートフォン経由比率ともに増加することが見込まれております。

 さらに、ニールセンデジタル株式会社「ニールセンモバイルネットビュー2020」(2020年3月)によると、2019年の国内のスマートフォン経由でのオンライン滞在時間の内訳は全体の92%がアプリ経由で行われている事が発表されております。

 上記のとおり、国内のDXが加速する一方、IT人材の不足は拡大することが予見される背景のもと、国内のSaaS市場は益々拡大し、あわせてスマートフォンアプリの必要性も継続的に拡大することが予見されております。このような市場環境の中、ノーコードでネイティブなアプリを簡単に開発、運用できる当社のYappliの重要性は益々高まっていくと考えております。

 

(5)市場規模

 当社はYappliを通じてコアソリューションのYappli for Marketingを中心に約5,000億円規模の国内Marketing Tech市場(マーケティング領域)でのシェアを引き続き拡大してまいります。その上で、YappliとYappli CRMを活用する成長ソリューションのUNITE by Yappliを中心に約3,300億円規模のHR Tech市場(HR領域)への拡大も進めてまいります。

 

(6)競合環境

 当社は主力プロダクトであるYappliの開発に創業前から累計10年以上の歳月を注ぎ、サービスの機能拡充、UI/UX(*6)の向上、顧客満足度向上、特許取得などに努め、日本を代表する企業との契約や低い解約率を維持するなどYappliの優位性を確保してまいりました。昨今、スマートフォンアプリの市場拡大により、複数の企業が類似するサービスを提供しておりますが、スマートフォンアプリ黎明期からの開発先行投資と認知を有しており、特に大企業に向けて提供する点においては、当社が優位性のある状況と考えております。また、大企業の多くはスクラッチでネイティブアプリの開発を行うシステムインテグレーターに開発を外注しておりますが、システムインテグレーターとは提供するサービスの特性上、明確な差別化(プログラミング不要で開発・運用・分析を一手に担えるプラットフォーム、個別のカスタマイズは行わない代わりにYappli上で活用できる機能を継続的に拡充、サクセス支援、自動OSアップデート、毎月継続型の料金体系など)を実現しており、市場においてコストパフォーマンスに優れた競争力の高い地位を築いていると考えております。

 

(7)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は、「デジタルを簡単に、社会を豊かに」というミッションのもと、持続的な成長と企業価値の向上に向けて、以下の課題に優先的に取り組んでおります。

 

① 既存プロダクトの競争力強化と収益基盤の安定化

 主力プロダクトであるアプリ開発プラットフォーム「Yappli」においては、市場競争の激化および顧客ニーズの高度化に対応するため、継続的な機能開発およびサービス品質の向上が重要な課題であると認識しております。AIを活用した機能の拡充やデータ分析機能の強化、外部サービスとの連携強化等によりプロダクト価値の向上を図るとともに、カスタマーサクセス体制の強化により解約率の低減および顧客基盤の安定化を推進してまいります。

 

② マルチプロダクト化の推進による成長機会の拡大

 当社グループは、アプリに加え、ウェブやLINEミニアプリ等の多様なデジタル接点を統合的に支援するデジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)への進化を目指しております。

「Yappli WebX」および「Yappli MobileOrder」等の新規プロダクトの成長を加速させるとともに、プロダクト間の連携およびクロスセルを推進し、顧客当たり収益(LTV)の最大化を図ってまいります。また、M&Aや資本提携を通じた事業領域の拡張にも取り組んでまいります。

 

③ 事業領域別戦略の高度化

 マーケティング領域においては、エンタープライズ企業を中心に、顧客特性に応じた営業戦略の高度化を進め、既存システムからのリプレイス需要の取り込み等によりシェア拡大を図ってまいります。

HR領域においては、「UNITE by Yappli」を軸として、人的資本経営への関心の高まりを背景とした従業員エンゲージメント向上ニーズを取り込み、導入拡大およびサービス価値の向上に努めてまいります。

 

④ 人材の確保・育成および組織基盤の強化

 当社グループの持続的成長のためには、優秀な人材の確保および育成が重要な課題であると認識しております。採用活動の強化に加え、教育研修の充実やリーダーシップ開発を通じて組織能力の向上を図ってまいります。

また、事業規模の拡大に対応した組織体制の整備や働きやすい環境の構築を推進し、生産性の向上と人材の定着を図ってまいります。

(*1)リードとは、マーケティング施策により獲得した潜在顧客の連絡先のことを言います。

(*2)インサイドセールスとは、SaaS業界において潜在顧客へのサービスの啓蒙活動や商談設定に従事する部隊を言います。

(*3)フィールドセールスとは、SaaS業界において潜在顧客との商談を実施して契約の受注を獲得する部隊を言います。

(*4)ディレクターとは、当社においては、アプリの制作や申請について顧客と協議し要件の定義をおこない、アプリストア申請が完了するまでのディレクションを行う部隊を言います。

(*5)カスタマーサクセスとは、SaaS業界において契約後の顧客のサービス活用に関するナレッジを共有するなどをして、顧客のサービス導入の目的を達成する(カスタマーサクセス)支援を行う部隊を言います。

(*6)UIとは、User Interfaceの略称でユーザーが電子端末を操作する際の入力や表示方法などの仕組みを言います。また、UXとは、User Experienceの略称でサービスなどによって得られるユーザー体験を言います。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、「デジタルを簡単に、社会を豊かに」をミッションに掲げ、持続可能な社会の実現に向けて事業を通じた環境・社会課題の解決と社会の発展に貢献することで、持続的成長と企業価値向上の実現を目指しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、ミッションやサステナビリティに関する基本方針やそれを踏まえ、中長期的な企業価値向上を目指した経営を推進するため、コーポレート・ガバナンス体制の構築とさらなる高度化に取り組んでおります。

 当社グループのサステナビリティに関しては、リスク管理規程並びにコンプライアンス規程に基づき、経営会議や取締役会等の適切な会議体・委員会において様々なリスク及び機会等について、監視及び管理に努めております。各種会議体等に関する詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。

 

(2)戦略

 当社グループが持続的に企業価値を向上していくためには、従業員一人ひとりが創造性を発揮し革新的な製品・サービスを提供し続けることが必要不可欠と考えております。したがって、当社グループは従業員一人ひとりを重要な資本として捉え、従業員の成長と能力発揮を支援するとともに、多様な働き方の推進やダイバーシティの促進に取り組み、各々が個性や能力を最大限に活かせる環境づくりに注力しております。

 これらの施策を通じて、当社グループは持続可能な成長を実現し、社会に対してより大きな価値を提供してまいります。

 

 人的資本に関する主な取り組みは以下のとおりであります。

テーマ

取組内容

カルチャー醸成・人材交流

・コミュニケーション活性化のための各種イベント(朝会、納会、familyday等)

・社内向けアプリの推進(Yappli Hang Out)

 ‐当社サービス『Yappli UNITE』を社内でも利用

・部活動制度

・部門を超えた交流を図るためのシャッフルランチ

・納会後の懇親会の開催

・懇親会費用の支給

多様性

・年齢、性別、人種、障害等に捉われない雇用

・ライフステージの変化による不安や働きにくさの解消サポート

 ‐妊活/不妊治療費の補助・特別休暇、結婚休暇・祝い金、保活コンサル費用補助

マネジメント育成

・組織の中核となるマネジメントへの研修強化

 ‐外部有識者によるマネジメント研修

 ‐コーチング、フィードバック、1on1研修

人材育成

・充実した新入社員向けのオンボーディングプログラムとメンター制度

・専門性やベーススキル向上のための各種研修プログラム

・アプリを通じたオンラインでのマーケティングセミナー視聴提供

・業務関連図書費や最新スマホの購入補助制度

人材採用

・リファラル採用や採用イベントの実施などを通して入社後のミスマッチを防ぐ新たな仲間作りを積極的に推進

出社を促進するオフィス環境作り

・対面でのコミュニケーションによる一体感をもった事業推進

・仕事のスピードや品質向上を目的に出社したくなるオフィス環境を整備

 ‐オフィス内カフェの常設

 ‐個室ブースやデザイナー/エンジニア向け特別モニターの設置

 ‐フリーアドレス制の導入

健康と安全

・健康診断、各種予防接種の補助制度

・ストレスチェック、産業医と連携した従業員のメンタルケア

 

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、サステナビリティ対応におけるリスク等については、経営や事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスク等と同義あるいは密接な関係にあると捉えており、分析や把握については、リスク管理規程に従い、リスク管理委員会にてリスク等を積極的に予見し、適切に評価することで、リスクの回避、軽減及び移転その他必要な措置を事前に実施しております。また案件に応じて経営会議及び取締役会に報告等を行う仕組みを構築しております。

 

① リスクの識別・評価・管理プロセス

イ.リスクの識別

 各事業部門の業務執行取締役および内部監査室が主体となり、事業活動に関連するリスクや機会を特定する。

ロ.リスクの評価

 特定したリスクについて、経営管理本部はリスク管理の主管部門として、リスク管理規程に基づき、すべてのリスクを統括的に管理し、業務執行取締役と連携し、発生確率や影響度を分析し、優先順位を付与する。

ハ.リスクの管理

高リスク項目については、軽減策や回避策を策定し、リスク管理委員会や各種適切な会議体にて審議する。

ニ.モニタリングと報告

リスクの発生状況や管理状況を監視し、経営会議や取締役会に定期的に報告する。

 

② リスク管理委員会の役割

 当社では、リスク管理委員会を設置し、代表取締役が議長を担い、企業リスク全般の監督を行っております。リスク管理委員会は、リスク評価の結果を踏まえ、適切な対応策を策定し、全社的なリスク低減に取り組んでおります。

 

③ リスク発生時の対応

 万が一、重大なリスクが発生した場合は、リスク管理規程に基づき、以下のプロセスで対応していく所存であります。

イ.初動対応

関連部門が即座にリスクを特定し、影響の範囲を分析する。

ロ.経営陣への報告

経営会議および取締役会に速やかに状況を共有し、対策を協議する。

ハ.是正措置の実施

影響を最小限に抑えるための具体的な対策を講じ、必要に応じて外部専門家と連携する。

ニ.事後分析と再発防止策

リスク発生の原因分析を行い、管理体制の改善および再発防止策を策定する。

 

 これらのプロセスを通じて、当社グループはリスク管理の透明性を確保し、経営の安定性を向上させることを目指しております。リスク等の内容については、「3 事業等のリスク」に記載している内容と同様であると捉えており、当該箇所にその内容を記載しております。

 

(4)指標及び目標

 当社では、「(2) 戦略」において記載した方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する実績は、以下のとおりであります。なお、当社は性別、年齢、ライフステージ等に関わらず従業員一人ひとりの個性や能力を存分に発揮し自律的に成長できるよう組織と個人へ投資しているため、本指標に関する具体的な目標は定めておりませんが、本指標を常にモニタリングし、改善に努めてまいります。

指標

実績(前事業年度)

実績(当事業年度)

eNPS

△6.32

14.29

女性管理職比率

37.9%

28.1

男性育児休業取得率

90.9%

100.0

正社員の男女の賃金の差異

80.7%

76.2

従業員の女性比率

42.2%

41.4

退職率

14.2%

9.0

 

3【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)モバイルアプリ市場について

当社が事業を展開している国内モバイルアプリ市場の売上高は、2016年の126億ドルから2026年には175億ドルまでに成長すると予測されており(出典:総務省「令和5年版情報通信白書」、「令和6年版情報通信白書」)、当社は今後も引き続き同市場を基盤とした事業を展開する計画であります。しかしながら、今後、経済情勢や景気動向により同市場の拡大が鈍化、縮小するような場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競合他社の動向について

当社事業は、プログラミング不要でネイティブアプリを簡単に開発、運用できるクラウド型のアプリ運営プラットフォームを提供しております。プロダクトの継続強化や特許の取得による参入障壁の強化を行っており、現時点において当社事業を脅かす、もしくは同等レベルでノーコードのアプリ開発、運用ができるプラットフォームを大企業向けに提供している競合他社は存在しないと考えております。外部ソリューションとの連携強化やパートナーアライアンスの構築も推進しております。しかしながら、競争環境激化により当社と同様のシステムを大企業向けに提供する競合他社が参入し、当社の優位性が失われるような場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)技術革新について

当社が事業を展開している国内モバイルアプリ市場は、技術革新のスピードが早い市場であります。当社が競争優位性を維持するためには、技術動向を的確に把握し、迅速に製品へ反映していくことが必要です。当社では、各種イベントやセミナーへの参加、社内の定期的な勉強会等を通じて、モバイルアプリ市場の技術革新の動向を把握するとともに、これらに対応した新サービスの提供に努めております。また、近年進展する生成AIをはじめとする新技術についても、製品への活用を含めた検討を進めております。しかしながら、当社が技術革新に適切に対応できない場合、または当社の想定を超える革新的な技術やサービスが生じた場合、当社の競争力が低下し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)生成AI技術の進展について

近年、生成AIをはじめとするAI技術の発展が進んでおり、企業における活用事例も拡大しております。これらの技術の進展は、技術的側面のみならず、企業のIT投資方針やデジタル施策の優先順位にも影響を及ぼす可能性があります。現時点において、AI技術の普及が当社の受注状況や価格水準に重大な影響を及ぼしている状況にはありませんが、企業におけるIT投資の重点がAI関連領域へとシフトした場合、アプリ開発やデジタル体験向上に係る投資予算が抑制又は再配分される可能性があります。また、AI技術を活用した施策の実行にあたっては、適切なセキュリティ対策やデータ管理体制の整備、専門的知見を有する人材の確保等が求められる場合があり、顧客企業の意思決定の在り方が変化する可能性もあります。当社においても生成AIを含む新技術の活用を進めておりますが、市場環境や投資動向の変化に適切に対応できない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)モバイルアプリに代わるツールの普及について

当社グループのサービスを利用する顧客の多くはモバイルアプリをユーザーへのマーケティング、もしくは情報共有のツールとして使用しております。しかしながら、将来的にモバイルアプリに代わるツールが出現、普及した場合に、当社のサービス利用が減少し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)単一セグメントであることについて

当社グループの事業はアプリ運営プラットフォーム事業の単一セグメントであることから、市場の変化の影響を受けやすい性質があります。当社は、市場の変化に対して臨機応変に対応する方針でありますが、市場全体が縮小を続ける等、当社の対応に限度があるような場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)先行投資に伴う財務的影響について

当社が運営するアプリ運営プラットフォーム事業においては、システムの機能性・利便性の向上及び市場シェアの拡大を目的として過年度においてシステム開発人員に係る人件費や広告宣伝費等の先行投資を実施してまいりました。これらの先行投資は2022年度に概ね一巡しております。

2023年12月期以降、先行投資型から売上高と利益の成長を両立するバランス型の成長戦略にシフトしており、費用対効果を重視した先行投資管理を行った結果、営業利益の黒字化を達成いたしました。2025年12月期も収益性の改善がさらに進み営業利益率14.6%となりました。

2026年12月期においても、広告宣伝費及び人件費を中心に一定規模の投資を計画しつつ、LTV/CAC(*1)の水準を4~6倍を目標として、先行的な投資効率を管理する方針であります。しかしながら、経営環境の急激な変化等のリスクの顕在化等により、これらの先行投資が想定通りの成果に繋がらなかった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(*1)LTV/CACとは、顧客1契約あたりの生涯に生み出す収益(LifeTimeValue)を、1契約の顧客獲得コスト(CustomerAcquisitionCost)で割り戻した数値を言います。当社では((新規獲得の顧客単価×粗利率÷月次解約率)+初期制作収入単価×粗利率)/((セールス人件費+マーケティング人件費+広告宣伝費+デモアプリ制作費)/新規顧客数)により算出しており、デモアプリ制作費とは、顧客に納品する初期的なアプリ制作に係る当社従業員の人件費を指します。

 

(8)知的財産権について

当社グループが保有する知的財産権が違法に侵害されることによって、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、当社の提供するサービスが第三者の知的財産権を侵害しないように留意しており、現在まで第三者の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差止めの請求を受けたことはありません。しかしながら、当社が認識せずに第三者の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できず、その第三者より当社に対する損害賠償請求訴訟等が起こされることにより賠償金の支払い等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)個人情報の管理について

当社グループが提供するYappliでは、顧客企業から委託を受けてお預かりした個人情報を取り扱います。お預かりした個人情報については、外部漏えいや不正利用等の防止のため、情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理・保護しております。また、当社は個人情報保護のために、プライバシーマークを取得しており、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。アクセス権限の厳格な管理、定期的なセキュリティ監査の実施、また情報の取り扱いに関する従業員教育を徹底し、万が一の漏洩や不正利用に備えた対応策を整備しております。しかしながら、悪意あるハッキングやコンピューターウィルス等により、当社が保有する個人情報が漏えい、盗用等される可能性を完全に排除することは困難であります。当社が保有する個人情報が漏えい、盗用等されることとなった場合、当社の社会的信用が失われるとともに、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)システムや通信インフラ環境について

当社グループ事業は通信ネットワークやサーバー等のネットワーク機器の作動環境に依存しております。当社が構築しているコンピュータ・システムは、適切なセキュリティや保護手段を講じておりますが、自然災害や不正アクセス等によって通信ネットワークの切断やネットワーク機器の障害が発生した場合、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)Apple Inc.及びGoogle LLCの動向について

当社サービスにおいて主に提供されるモバイルアプリは、Apple Inc.及びGoogle LLCのプラットフォーム運営事業者の仕様に従い、アプリ提供の申請、承認を受けることが重要な前提条件であります。これらのプラットフォーム運営事業者の動向や著しい仕様変更によっては、当社の事業展開や事業運営に影響を与え、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)内部管理体制の強化について

当社グループは、現在の事業規模に応じた内部管理体制を整備・運用しており、今後は事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も強化させていく方針であります。しかしながら、事業規模の拡大及び人員の増加に合わせ、適時に内部管理体制の強化ができなかった場合、適切な事業運営が行えず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)人材の獲得及び育成について

当社グループが今後成長を続けるためには、各方面で優秀な人材を配置することが必要不可欠であります。そのため、既存の人材の育成はもちろんのこと、優秀な人材の獲得にも努めております。しかしながら、人材の育成・獲得が円滑に進まない場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)法令について

当社グループは、電気通信事業法等、企業活動に関わる各種法令の規制を受けております。現在のところ、当社事業に対する各種法規制の強化等が行われるという認識はありませんが、今後国内において新たにプライバシー関連法規の制定やインターネット関連事業者を規制する新たな法律等による法的規制の整備・強化がなされた場合、当社の業務が一部制約を受け、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)訴訟について

当社グループでは、コンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図ることを目的にコンプライアンス規程を整備し従業員へ周知することで、法令違反などの発生リスクの低減に努めており、本書提出日現在において訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開する中で、当社が提供するサービスの不備や取引先、第三者との間での予期せぬトラブルの発生等により何かしらの問題が生じた場合には、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟の提起がなされる可能性があります。その場合、当該訴訟に対する防御の為に費用と時間を要する可能性がある他、当社の社会的信用が毀損され、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しております。また、2026年3月開催の定時株主総会において、取締役に対する譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。これらの新株予約権の行使、または譲渡制限付株式報酬制度に基づく新株の発行等が行われた場合、当社株式が新たに発行または処分され、既存株主が保有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

(17)株主還元政策について

当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つと位置付けております。

当社はこれまで成長投資を優先する観点から、創業以来配当を実施しておりませんでした。しかしながら、収益力の向上及び財務体質の改善が進展する中、資本効率の向上及び機動的な資本政策の遂行を目的として、当事業年度において自己株式の取得を実施いたしました。

その後、事業成長に向けた投資と株主還元を両立できる経営基盤が整ったと判断し、当社として初めて剰余金の配当(中間配当)を実施するとともに、期末配当を実施いたしました。

今後につきましては、中長期的な成長投資とのバランスを図りつつ、自己株式の取得及び配当を含む総合的な株主還元策を、業績動向、財政状態及びキャッシュ・フローの状況等を総合的に勘案のうえ、利益成長に沿って安定的かつ持続的に実現を目指すことを基本方針としております。なお、経営環境の変化、業績の動向又は将来の投資計画等によっては、株主還元策の内容が変更となる可能性があります。

 

(18)資金使途について

当社のSaaS型アプリ運営プラットフォーム事業においては、上場後の現在においても、システムの機能性・利便性の向上及び市場シェアの獲得が重要と考えております。そのため、上場時に調達した資金の使途につきましては、システム開発や事業拡大に伴う人件費及びマーケティング費用へ積極的に投資していきたいと考えております。しかしながら、インターネット関連市場は変化が激しく、その変化に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途に使用する可能性があります。また、上記計画通りに資金を使用したとしても、当初想定していた事業規模の拡大が進まない可能性があります。なお、将来にわたっては、資金調達の使途の前提となっている事業計画・方向性が見直される可能性があります。

 

(19)為替変動によるリスク

当社は国内で事業を展開しているため、為替の影響は比較的少なく抑えられていると見ておりますが、当社の既存顧客及びターゲット顧客層の中には、円安の影響により事業の運営が厳しくなっている企業が含まれるため、解約また新規顧客獲得に悪影響が出る可能性があります。また、当社の費用についてですが、サーバー費用や社内で使用している一部のツールは為替の影響を受けるため、為替相場が円安になった場合、当社の費用が増加する可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載は

しておりません。

 

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は4,736,613千円となりました。主な内訳は、現金及び預金2,204,480千円、売掛金740,772千円、投資有価証券499,097千円及び繰延税金資産479,594千円であります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は1,775,250千円となりました。主な内訳は、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)1,162,811千円及び未払金390,362千円であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は2,961,362千円となりました。主な内訳は、資本剰余金1,317,041千円及び利益剰余金1,593,645千円であります。

 

②経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、消費活動の回復やインバウンド需要の拡大等の景気回復の兆しが見られる一方で、物価上昇や円安状況の長引き、また労働人口の縮小による人件費の高騰も顕著になり、先行きが不透明な状況が継続しました。しかし、このような経済環境の中、企業はデジタル化を引き続き促進しており、IT技術を使った生産性や効率化への投資は安定して推移し、当社グループが属するソフトウェア業界の重要性はますます高まっております。

当社は、「デジタルを簡単に、社会を豊かに」というミッションのもと、ノーコード(プログラミング不要)で誰でも簡単にスマートフォンアプリの開発・運用ができるプラットフォーム「Yappli」および、AIを活用してウェブ運用を行うことができるシステム「Yappli WebX」を提供しております。

「Yappli」は、従来のアプリ開発における課題を解決し、企業が自ら効率的にアプリを運用できる仕組みを提供することで、より高い成果を生み出せるようになります。一方、「Yappli WebX」は、AIによるデザイン支援機能を備え、専門知識を必要とせずノーコードでウェブ構築を実現しております。これにより、アプリからウェブまで一貫した開発・運用・分析を行うプラットフォームを提供することが可能となり、企業のデジタル活用を強力に支援しております。

さらに、2025年11月には株式会社ヤプリフードコネクト(旧株式会社チューズモンスター)を子会社化し、LINEミニアプリ市場へ本格参入いたしました。これにより、同社が展開する「Yappli MobileOrder」をラインナップに加えるとともに、近年著しい成長を遂げているLINEミニアプリ市場での事業基盤を構築いたしました。これらの取り組みにより、当社グループはアプリからウェブまでのデジタル接点全体を統合管理するDXPへと進化し、多様化する企業のデジタルニーズに対応した包括的なソリューションを提供することで、持続的な成長基盤の構築を進めております。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高6,056,126千円、営業利益882,764千円、経常利益877,754千円、親会社株主に帰属する当期純利益920,605千円となりました。

なお、当社グループはアプリ運営プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は2,204,480千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は776,575千円となりました。これは主に、前払費用の増加額が158,608千円及び売上債権の増加額が67,620千円あった一方で、税金等調整前当期純利益が877,480千円及び未払金の増加額が62,428千円あったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は86,672千円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が66,443千円及び投資有価証券の取得による支出が19,890千円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は445,226千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が227,796千円及び自己株式の取得による支出が150,726千円あったことによるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

b.受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは、アプリ運営プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

6,056,126

(注)1.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比は記載しておりません。

2.主要な販売先につきましては、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高、売上原価、売上総利益)

当連結会計年度における売上高は、主に新規顧客獲得及び既存顧客に対するアップセル等の営業努力により、6,056,126千円となりました。2025年12月時点でのYappliの契約アプリ数は939となり、月次解約率(直近12カ月平均)は0.92%、月額利用料割合は80%と堅調に推移しています。

売上原価は、契約アプリ数の増加に伴うサーバ費用、アプリマーケティングで発生した広告媒体費及び賞与が発生した影響から2,029,841千円となりました。この結果、売上総利益は4,026,285千円となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、主に人員増による人件費や展示会を中心とした新規顧客の獲得活動に伴う広告宣伝費、新規事業への投資による研究開発費の計上により3,143,520千円となりました。

この結果、当連結会計年度における営業利益は882,764千円となりました。

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

営業外収益は、主に協賛金収入及び持分法による投資利益が発生した影響から11,055千円となりました。営業外費用は、主に借入金の金利上昇に伴う支払利息の影響により、16,065千円となりました。

この結果、当連結会計年度の経常利益は877,754千円となりました。

(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度の特別損益は、特別利益として新株予約権戻入益、特別損失として持分変動損失を計上いたしました。この結果、税金等調整前当期純利益は877,480千円となりました。

(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税等については、法人税、住民税及び事業税の計上の他、法人税等調整額(益)を計上したことにより△43,124千円となりました。

この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は920,605千円となりました。

 

(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)

当社グループが事業展開するサービスは、小売業態において多くの導入実績があり、その中でも特にアパレル関係企業への導入が進んでおります。小売業界においては、これら企業の広告費は引き続き好調な推移を示すと予測する見方ではあるものの、国内外の経済情勢を受け当社グループの予想を超えて下振れするような場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすリスクがあります。

その他、当社グループが抱える事業等のリスクについての詳細は、「3 事業等のリスク」をご参照ください。

以上を踏まえ、当社グループは常に市場動向には留意しつつ、顧客に求められる機能やサービスを開発していくとともに、優秀な人材の採用、新規サービスの開拓、内部管理体制の強化をしていくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に備え、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金、設備投資や長期運転資金の調達について、自己資金又は金融機関からの借入を基本としており、都度最適な方法を選択しております。

なお、当連結会計年度における借入金の残高は1,162,811千円であります。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は2,204,480千円となります。

なお、当社グループは、アプリ運営プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、連結会計年度末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用について会計上の見積りを必要としております。この見積りに関しては、過去の実績及び適切な仮定に基づいて合理的に計算しておりますが、実際の結果と相違する場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は後述「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

④経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、契約アプリ数、月次解約率、アプリ当たりの平均月額利用料を重要な経営指標と位置付けております。

当該指標については、2025年12月末時点でのYappliの契約アプリ数は939となり、月次解約率は0.92%、アプリ当たりの平均月額利用料は460千円であります。これは、現時点において予定通りの進捗となっており、今後の業績に寄与するものと期待できることから、堅調に推移しているものと認識しております。なお、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の推移については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

(株式譲渡契約)

 当社は、2025年11月13日開催の取締役会において、株式会社チューズモンスター(現、株式会社ヤプリフードコネクト)の発行済株式を取得し子会社化することを決議しました。また、2025年11月17日付で株式譲渡契約を締結し、2025年11月28日付で全株式の51.4%を取得しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 企業結合等関係」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、自社において研究開発活動を行っております。なお、当社グループの事業は、アプリ運営プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略をしております。

 当連結会計年度は、アプリ運営プラットフォーム事業で蓄積された経験を基に、Yappli WebXやYappli MiniAppを含む新規の機能開発やサービスに関する研究開発を行い、研究開発費の総額は337,097千円となりました。