当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、経営理念として「人材の開発と相互信頼に努め、新技術に挑戦して、社会に貢献する。」、経営方針として「環境変化に適応した俊敏な事業活動により、マルチコアカンパニーとして進化し続ける企業を目指す」をかかげ、国内外の市場で、複合技術を活用したソリューション展開により社会貢献することを使命とし、進化し続ける企業を目指します。
(2)経営戦略等
中期経営戦略(2024年12月期~2026年12月期)
~持続可能な社会を実現するために、持続可能な組織を目指す~
全社戦略
「持続可能な組織を実現するためにSeiwa Way(※)の思想に基づき責任ある行動をする」
※Seiwa Wayとは2015年に導入した「経営理念」、「私たちの働く目的」を実現するために、星和電機の社員としてどのような価値観を共有し、どのような仕事の仕方をすべきかあらわした思想。
当社は、中期経営戦略のもと、中期経営方針である「持続可能な組織の実現」に向け、モノづくり、市場創出、技術の観点で取り組んでまいります。
モノづくり
製販のチームワークにより、高品質、低コスト、短納期を追求し、常に進化し続ける
市場創出
既存領域から未知の領域へ情報感度を高め、新市場を開拓し、新規事業を創出する
技術
コア技術の強化・ノウハウの継承により、新技術・新製品開発を加速させる
特に、市場創出においては、既存事業に加えて新たな事業を創生するため、新規事業に特化した本部である新規事業創成本部を設置することでそのスピードを加速させてまいります。
また、「SEIWA SDGs」を軸としてさまざまな社会課題に取り組み、「持続可能な社会の実現」にも努めてまいります。
ひきつづき内部統制およびコーポレートガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底に全社をあげて取り組んでまいります。
セグメント別の事業展開方針及び事業戦略は以下のとおりです。
情報機器事業
事業ミッション
1.公共インフラ分野(道路・河川)での豊富な実績と知名度を基に保有する複合技術を活用して、市場ニーズに適合したソリューションを展開する。
2.顧客から信頼され、安心・安全・便利で経済的な製品提供を実現し社会に貢献する。
事業展開方針
1.品質と技術力の向上と生産構造改革により、低コスト経営の実践と顧客満足を高めて事業収益性を向上させる。
2.独自技術の育成と従来製品群のスマート化を実現し、維持管理時代に向けた省力化・効率化を実現する。
3.エンジニアリング力の強化と販売網の再構築により受注領域を拡大する。
照明機器事業
事業ミッション
1.産業施設、インフラ分野に対し、安心・安全・快適・省エネな「光」によるソリューション事業を展開する。
2.新たな市場ニーズに対応するため、複合技術を活用して付加価値の高い製品とサービスを提供する。
3.製品・サービスの提供を通じて持続可能な社会の実現に貢献する。
事業展開方針
1.差別化および高付加価値提供が可能な多機能製品、システム製品を増強する。
2.新事業領域の創造と既存市場の拡大の両輪により、顧客を増やす。
3.合理的かつ高品質のものづくりを追及し、顧客満足の向上と収益体質の強化を図り、事業収益を増やす。
コンポーネント事業
事業ミッション
1.製品、部品、材料の高機能化と付加価値向上を図り安定的事業基盤を構築する。
2.ニッチトップビジネスを軸に収益力を向上させ深化と探索の両輪で国内外市場に対して積極的に展開する。
3.シーズからニーズ創出を強化し、マーケットアウト思考により新規事業創出を図る。
4.総合エンジニアリング事業を新規市場、海外市場に展開し事業貢献・強化を実行する。
事業展開方針
1.事業領域としては B to B で且つニッチ市場(ニッチトップ)にハードとソフト、システム展開とエンジニアリング領域(シミュレーション評価技術、暗室ソリューション等)の両輪により事業基盤を強化する。
2.既存コア技術の単機能から複合機能への転換を図り新市場領域の創出と参入による事業拡大を目指す。
3.新材料、機能性材料開発、高機能製品化(付加価値製品)及び新技術の研究、新分野領域への開発力を強化する。(領域:EV、自動運転、インフラ、スマートグリッド、AI 等)
(3)経営環境
今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善などを背景に緩やかな回復が続くことが期待されますが、物価上昇、アメリカの政策動向、金融資本市場の変動など依然として景気の先行きは不透明な状況にあります。そのようななか、公共設備関連では、インフラ整備などの公共事業の継続、政府のカーボンニュートラル施策を背景とした照明器具のLED化促進などが予想されます。また、民間設備関連では2027年蛍光灯製造禁止を背景に国内の設備投資においてLED照明器具の需要が堅調に推移すると見込んでおります。
このような状況のもと、情報機器事業では公共インフラ分野(道路・河川)での豊富な実績と保有する複合技術を活用して、市場ニーズに適合したソリューションを展開し、安心・安全・便利で経済的な製品・サービスを提供いたします。照明機器事業では産業施設・インフラ分野に対して安心・安全・快適で省エネルギーな「光」によるソリューションを展開し、複合技術を活用して付加価値の高い製品とサービスを提供いたします。コンポーネント事業では製品、部品、材料の高機能化と付加価値向上を図り、ニッチトップビジネスを軸に収益力を向上させ、シーズからニーズ創出を強化するとともにマーケットアウト思考により新規事業の創出を図ります。さらに全事業において、生産性の向上とコスト削減による収益性の改善を目指します。
そして、当社の経営理念のもと掲げた「SEIWA SDGs」宣言により、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んでまいります。持続可能な社会の実現に貢献するとともに、より魅力ある企業へ成長を目指して今後も積極的に施策を推進してまいります。
また、ひきつづき内部統制およびコーポレートガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底に全社をあげて取り組んでまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財政上の課題
情報機器事業
内部の課題
品質・技術レベルの向上、新製品の企画・開発力強化、生産の計画性向上、売上・利益率の向上、購買力、営業力、熟練技術者の育成、潜在的人員不足の解消、特定市場外の展開
外部の課題
他社の入札機会拡大、建設路線の減少、大型物件の長納期化、公共発注方式変化、情報提供媒体の多様化、部品調達における長納期化や製造中止、自然災害・疾病、少子高齢化による労働生産人口の減少、工事費の増大
照明機器事業
内部の課題
新規顧客開拓力、防爆照明のラインアップ強化と競争力向上、防爆照明以外の製品力・バリエーション、各機能部門専門家の増加、付加価値のある製品開発、システム・ソフト関係の技術力向上
外部の課題
市場参入者増加によるLED照明の価格競争激化、製品サイクルの短期化、海外防爆メーカの市場参入、部材調達遅延、関連法規改正による市場の縮小、電気用品安全法改正への対応、原材料高騰による製品付加価値の減少、中国調達の税制優遇処置縮小、少子高齢化による労働生産人口の減少、地球温暖化に起因する自然災害によるサプライチェーンの分断
コンポーネント事業
内部の課題
既存市場での活動範囲拡大、市場分析力・マーケティング力の強化、新規顧客開拓力(販売促進)の強化
新技術を製品化する開発・企画力の強化、開発購買力の強化、プロ意識を持った人材の育成
外部の課題
各業界の国内市場縮小、OEM事業の先行き不安、為替変動・税制改革、貿易摩擦による原材料の供給不安、感染症による事業収益に与える影響、紛争地域・人権侵害、サイバー攻撃の脅威
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高、営業利益率を重要な指標として位置付けており、各期において外部・内部環境等を考慮して計画値を設定し、その基準を達成できるように努めております。2026年12月期は売上高26,000百万円、営業利益1,900百万円、経常利益1,970百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,330百万円、営業利益率7.3%を予想しております。
セグメント別の売上高について、情報機器事業では9,400百万円を予想しております。期初の受注残高が前年同期に比べ少ない状況にありますが、更なる受注の確保に努めてまいります。また、製販連携により確実で効率的な生産と品質の確保に向けた取組みを一層推進してまいります。
照明機器事業では10,400百万円を予想しております。民間設備関連は、2027年蛍光灯製造禁止によるLED照明器具の拡販と多機能照明製品やシステム製品を中心とした製品ラインアップの拡充で市場のシェア拡大に努めてまいります。公共設備関連は、政府のカーボンニュートラル施策を背景に、2030年度までの道路照明LED化に伴う受注に対応する体制整備を進め、LEDトンネル照明器具の新製品を中心とした受注の確保に努めてまいります。
コンポーネント事業では5,800百万円を予想しております。配線保護機材ではラインアップの拡充や新製品の投入を見据え、拡販に努めてまいります。電磁波環境対策部品では新製品開発と電波暗室を活用したソリューション営業活動による市場の拡大および新市場の開拓に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、「人材の開発と相互信頼に努め、新技術に挑戦して、社会に貢献する。」と定めた経営理念にもとづき、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に賛同し、持続可能な社会の実現に努めております。また、持続可能な社会を目指すためには持続可能な組織になる必要があるため、2024年12月期からの中期経営戦略では「持続可能な組織を実現するために Seiwa Wayの思想に基づき責任ある行動をする」という方針のもと、モノづくり、市場創出、技術の観点で事業を進めております。
当社グループのサステナビリティに関する取り組みについては、経営企画部が主体となりサステナビリティに関する施策、方針、取組、計画について検討し、関係部署とともに協議・連携して実行しております。
(2)戦略
2019年に宣言いたしました「SEIWA SDGs」では、4つの取り組むテーマ「モノづくり」「人・組織」「環境」「社会貢献」を設定し、さまざまな社会課題に積極的能動的に取り組むため、経営理念や経営戦略等にもとづいた目標を設定し、中長期的な視点で企業価値向上を目指しております。
モノづくり
公共と産業の安心・安全のために高品質な製品・サービスを提供し、持続可能な成長を目指します。
強いモノづくりのこだわりと情熱をもって、最高の製品・サービスをお客様に提供します。
新たな社会課題に気づき、解決のために新たな価値の創造、事業の創出に挑戦します。
人・組織
従業員ひとりひとりが「プロ」として成長します。
お互いを認め合い信頼し、価値の高い仕事の成果により喜びを共有できる組織として成長します。
絶え間なく進化し、長く活躍できる「わくわくする楽しい会社、面白い会社」を目指します。
環境
京都の企業としてお客様、地域社会、取引先のみなさまと連携し、直接的・間接的な取り組みを通して、地球の環境保護に努めます。
社会貢献
社会と共存共栄を図り、ともに進化・成長し続けます。
地域振興事業、文化事業、スポーツ振興への協賛を通して、地域に密着した貢献活動をおこないます。
なお、当社グループは、社会課題の解決と企業価値向上の両立を目指す中長期的な取り組みとしてサステナビリティ戦略「SEIWA SDGs 2029」を策定いたしました。
当社の事業に深く関係する気候変動、労働生産人口の減少、カーボンニュートラルこの3つを全社共通の重点社会課題として特定しております。これらの課題に対し、「モノづくり」「人・組織」「環境」の3つの領域で取り組むべき方向性と目標を定め、PDCAを回しながら着実に推進してまいります。
本取り組みを通じて、社会課題への貢献と企業価値の向上を実現するとともに、経営理念のもと、魅力ある企業づくりを目指し、より一層取り組んでまいります。
当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。
人材の多様性の確保については、当社グループは性別・年齢・国籍等によって優遇することなく、求められる能力・知識・経験等に基づいて公正に確保を行っております。女性の採用および管理職への登用については、
人材の育成については、「人財開発基本方針」に基づき、当社が目指す「人と組織のありたい姿」への実現に向けて「人の成長」に焦点を当てた人材開発を推進するべく階層別、職種別、個人別の教育計画の企画・実施をとおして従業員ひとりひとりの多様なキャリアゴールの実現をサポートしています。
(3)リスク管理
各事業部、部門単位で抽出したリスクと機会にSEIWA SDGsのテーマとの関連付けを行っております。取り組みの進捗および実践について、経営企画部で取りまとめを行い、経営会議にて報告しております。経営会議での審議の結果を次年度のリスク及び機会、中期事業戦略等に反映させております。
(4)指標及び目標
環境側面
本社工場及び全営業拠点を含め環境マネジメントの国際規格である「ISO14001:2015」の認証を維持し、その仕組みに沿って環境マネジメントシステムを運用しています。企業活動や製品が環境に及ぼす影響を評価し、管理サイクルを回しながら、継続的な環境負荷低減活動を実施しています。
重点課題として、環境配慮製品の普及、環境技術の向上と製品開発、省エネルギー・省資源、廃棄物削減について目標の設定を行っております。
|
指標 |
目標(当連結会計年度) |
実績(当連結会計年度) |
|
省エネルギー(電気) |
前年比4%削減 |
前年比3.1%削減 |
|
同上 (ガス) |
前年比4%削減 |
前年比7.2%増加 |
|
廃棄物排出量 |
前年比1%削減 |
前年比10.1%削減 |
人材の多様性の確保および人材の育成
上記「
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指標 |
目標( |
実績(当連結会計年度) |
|
|
|
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|
|
|
|
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因は以下のとおりであります。
当社グループでは、経営上発生することが予測される様々な事象に伴うリスクに、迅速かつ的確に対応するため、取締役社長を委員長とする危機管理委員会を設置するとともに、年2回定例会議を開催し、また必要により臨時の会議を開催して、迅速に対応できる危機管理体制の整備、管理に努めております。当社グループではこれらリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。
当社グループは重要性に応じて、「事業等のリスク」の記載順を判断しております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)公共事業予算
当社グループの情報機器事業及び照明機器事業の一部では、国や地方自治体の公共事業の動向に大きく影響を受け、公共事業予算規模の増減は、当社グループの売上高に影響を与える可能性があります。
インフラ整備などの公共事業の継続、政府のカーボンニュートラル施策を背景とした照明器具のLED化促進などを背景にLEDトンネル照明器具を中心とした新規受注物件の確保に努めてまいります。
(2)公共事業依存に関するリスク
当社グループの情報機器事業及び照明機器事業は、売上高に占める公共事業の割合が非常に高いため、当社グループの経営成績は公共事業予算の増減に影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、公共事業への依存度を低減するため、民需関連市場の新規開拓や新製品の開発、新規事業の創出に取り組んでおります。
売上高官需比率
|
|
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
|
官需比率(%) |
56 |
45 |
47 |
49 |
49 |
|
民需比率(%) |
44 |
55 |
53 |
51 |
51 |
(3)原材料・部品の価格高騰及び入手難によるリスク
当社グループは製品の製造のため外部から原材料、部品、組立外注品等を調達しており、市況の変動に伴う価格の高騰等は経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、供給元における不測の事由による原材料等の供給不足、供給中断により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。BCPに基づく対策として、開発段階から複数社で調達できる検討を事前に行うことやセカンドベンダーとなる取引先を確保し、特定の仕入先に依存しない施策を実施しております。
(4)公共工事の大型化・長期化
受注から引渡しまでの工期が長期かつ大型の物件は、期間中に経済情勢の変動等により原材料価格や人件費が大幅に上昇するなど、契約を締結した時点の見積原価と実際の原価との間に差異が生じる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(5)公共工事の工期延長
公共工事施工中における重大事故による納期遅延や自然災害等の予期しない事態による工事の中断や変更による大幅な工期延長は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(6)入札制度について
当社グループの情報機器事業及び公共設備関連の照明機器事業の受注形態は一般競争入札制度によっております。そのため、入札制度が大きく変更されたり、競争の激化による入札価格の低下により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社営業本部内に、入札情報(入札公告・結果)等の集約管理を行い、情報の分析と総合評価対策(技術資料作成)により入札競争力向上をサポートする部署を設け、対策を行っております。
(7)法的規制について
当社グループの情報機器事業及び公共設備関連の照明機器事業では建設業許可を受け、電気工事業者として登録し、道路情報機器及び照明機器の工事を受注しております。これらの電気工事業務は、建設業法並びに電気工事業の業務の適正化に関する法律の規制を受けているため、当社営業本部内の専門部署にて有効期限の管理及び更新を行っておりますが、当該許可及び登録の更新がなされない場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、建設業許可には、一定の経験もしくは専任技術者が要件となっており、退職等の不在に備え、適任者の選任、教育を実施しております。
また、独占禁止法違反や官製談合等の不正な入札行為を行った場合は、公正取引委員会から排除勧告が行われることがあります。排除勧告を受けた場合は、営業禁止や営業停止の行政処分の他、国及び地方自治体から指名停止の処分が科された場合、当社グループの社会的信用失墜及び損害賠償請求等により経営成績に影響を及ぼす恐れがあります。
当社グループでは、法令順守の対応として、役員で構成される企業倫理委員会を設置し、規程及びマニュアルを整備し、コンプライアンスを徹底しております。また、監査部による監査(業務監査・内部監査)を原則年1回全部門及び子会社を対象に実施し、会社の業務活動が法令・定款・諸規程に準拠し、かつ経営目的達成のために合理的・効率的に運営されているか否かを監査しております。
(8)新製品の開発リスク
当社グループが製造する新製品の開発において次の能力が不足した場合は当社グループの経営成績に変動を及ぼす可能性があります。
①多様・高度化する顧客要求に対応する能力
②新製品を適時に開発し、適正な価格で生産する能力
③市場の変化を十分に予測する能力
当社は、社内又は顧客より提案を受けた新製品開発テーマに対し、その市場性・技術力・生産能力・販売力・資金力その他の必要事項について評価するとともに開発に着手することの可否を検討し、開発の早期実現により機会損失の発生を防止し、経営効率の向上に資することを目的として新製品開発委員会を設置しております。原則として年2回、企画会議を開催して開発テーマの情報収集とマーケットリサーチ、開発企画の審議、開発計画の立案、開発品の販売戦略の検討を行っております。
(9)人材獲得と人材育成に関するリスク
当社グループは優秀な人材を確保することが極めて重要な要素であると考えており、外部からの人材獲得及び社内の人材育成に加え、人材流出を防止するための環境整備を重要課題として取り組んでおります。人材育成では、当社グループが目指す「人と組織のありたい姿」の実現に向けて「人の成長」に焦点を当てた人材開発を推進し、さらに技術ノウハウの継承や従業員の意欲向上を図り、より長く活躍できる会社を目指してまいります。
しかしながら、少子高齢化による労働生産人口減少等により、必要な人材を必要な時期に十分に確保できない場合や当社グループの有能な人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約を受けることとなり、その結果、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報セキュリティ
当社グループの情報セキュリティについては、当社の取り扱う様々な情報を漏洩リスクから回避するため情報セキュリティ管理規程を定め、情報管理責任者及び情報管理者を中心に経営的な立場から会社全体の情報セキュリティ対策の実施及び改善活動を管理・監督しております。
また、「個人情報の保護に関する法律」や「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に対応するため、当社で保有する特定個人情報及び個人情報の機密性を確保するため、社内体制・運用ルールを確立し危機管理マニュアルに基づき、障害発生時には迅速に対応できよう、危機管理体制を構築しております。
しかし、予期しえない不正アクセス等による社内システムへの侵入やサイバー攻撃等によるシステムリスクが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)製品の品質によるリスク
当社グループは、製品品質の維持、向上に努めておりますが、重大な欠陥や瑕疵等が発生した場合、当社グループの社会的信用失墜及び損害賠償請求等により経営成績に影響を及ぼす恐れがあります。そのため、製品納入後に発生する保証費用に備えるため、製品保証引当金を計上しております。
顧客等からのトラブルやクレーム等は全て当社品質保証部に報告され、即座に必要な応急対策や処置のとれる体制を整えております。また、根本的な原因まで掘り下げ、最適で具体的な対策が立案できるまで原因を追究し、原因に対応した対策を立てております。当該クレーム・欠陥が危機的クレームに該当すると判断した場合、危機管理委員会事務局へ報告を行い、危機レベルが高いものについて、危機管理委員会を開催し、経営的観点に基づき対応を決定しております。また発生製造部門に原因究明及び再発防止対策を行わせ、危機事象報告書で報告しております。
(12)気候変動
当社グループは、気候変動に伴う自然災害の増加や環境規制の強化などにより、事業活動へ影響を及ぼす可能性があると認識しております。これらのリスクに対し、事業を通じた社会課題の解決と脱炭素経営の推進により、リスク低減とカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでまいります。
(13)自然災害又は新規感染症等のパンデミック
自然災害やパンデミック等により事業活動の停滞や工場等が操業停止になった場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
・大地震発生時の対応
地震(震度5強以上)における従業員の安否確認として、安否確認システムを導入し、災害発生の直後での従業員の安否確認を優先し、被災状況の情報収集を行っております。
激甚災害であると危機管理委員長が判断した場合は、速やかに災害対策本部を設置し、ひきつづき情報収集を行ないながら災害復旧の指揮を執る体制をとっております。
(14)海外進出に潜在するリスク
当社グループは、生産又は販売活動を東南アジア諸国並びに中国等の海外市場において行っております。これらの海外市場への事業進出には各国の経済情勢、自然災害、事故、戦争・テロ、法令や政府による諸規制、仕入先の供給体制等の要因により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また為替相場の変動は、当社グループの外貨建取引から発生する債権債務の元本、売上高及び利益に影響を与える可能性があります。当社グループは、為替リスクを軽減し回避すべく様々な手段を行っておりますが、為替リスクを完全に回避することはできないため為替相場の変動が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(15)価格競争
当社グループは、全ての事業分野で価格競争に直面しております。新製品の開発、顧客満足の向上等を通じて価格競争力の維持に努めておりますが、製品の需要動向によっては価格競争の更なる激化も予想されます。これにより当社グループの経営成績が変動する可能性があります。
(16)知的財産
当社グループは、独自開発した技術等について、特許権その他の知的財産権を取得する等保護に努めていますが、出願した技術内容等について権利が与えられない場合や、当社グループが保有する知的財産権が第三者から無効とされる可能性も有しております。当社グループの知的財産権が大きく損なわれた場合は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)天候
当社グループのコンポーネント事業におけるエアコン用配管保護機材の売上高は、最需要期の天候の影響を受けます。これにより当社グループの経営成績が変動する可能性があります。
(18)財務制限条項
当社は複数の金融機関とシンジケーション方式による金銭消費貸借契約を締結しております。本シンジケートローン契約には財務制限条項が付されており、条項に抵触した場合は当社グループの資金繰りに影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)当期の経営成績等の概況
①経営成績の状況
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率(%) |
|
売上高 |
25,215 |
25,385 |
170 |
0.7 |
|
営業利益 |
1,772 |
1,648 |
△123 |
△7.0 |
|
経常利益 |
1,921 |
1,741 |
△180 |
△9.4 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,350 |
1,232 |
△118 |
△8.8 |
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復傾向がみられました。また、設備投資は緩やかに持ち直しており、公共投資は底堅く推移しました。しかしながら、アメリカの通商政策の影響による景気の下振れリスクや金融資本市場の変動等の影響により、国内外における経済的な見通しは不透明な状況が続きました。
このようななか、当社グループにおきましては、マーケティング機能の拡充とソリューション営業力の強化を図り、競争力ある新商品の開発を進め、生産体制の強化により原価低減を図ることで収益性の向上に取り組んでまいりました。
この結果、売上面では民間設備関連の産業用照明器具は増加しましたが、配線保護機材および配管保護機材は前年同期に比べ減少しました。
利益面では、民間設備関連の産業用照明器具と電磁波環境対策部品は増益となりましたが、配線保護機材および配管保護機材は前年同期に比べ減益となりました。また、公共設備関連の道路情報表示システムにつきましても減益となりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、増収減益となりました。
売上高は25,385百万円、営業利益1,648百万円、経常利益1,741百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,232百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
売上高 |
セグメント損益 |
||||||
|
|
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減額 |
増減率(%) |
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減額 |
増減率(%) |
|
情報機器 |
9,590 |
9,531 |
△58 |
△0.6 |
1,365 |
1,313 |
△52 |
△3.9 |
|
照明機器 |
9,533 |
9,905 |
371 |
3.9 |
1,823 |
1,986 |
163 |
8.9 |
|
コンポーネント |
5,592 |
5,420 |
△172 |
△3.1 |
348 |
332 |
△15 |
△4.6 |
|
その他 |
497 |
527 |
29 |
6.0 |
33 |
29 |
△3 |
△11.0 |
情報機器事業
主力製品であります道路情報表示システムの売上高につきましては、前年同期に比べ高速道路向けは増加しました が、一般道路向けは減少しました。
この結果、売上高は9,531百万円となりました。セグメント利益は1,313百万円となりました。
照明機器事業
民間設備関連の産業用照明器具の売上高につきましては、増加となりました。
公共設備関連の道路・トンネル照明器具の売上高は前年同期並みとなりました。
この結果、売上高は9,905百万円となりました。セグメント利益は1,986百万円となりました。
コンポーネント事業
電磁波環境対策部品の売上高につきましては、前年同期に比べ増加しました。配電盤や機械装置に用いる産業用配線保護機材およびエアコン用の配管保護機材の売上高は、前年同期に比べ減少しました。
この結果、売上高は5,420百万円となりました。セグメント利益は332百万円となりました。
その他の事業
商品仕入販売は421百万円、情報サービスは105百万円となりました。
この結果、その他の事業の売上高は527百万円となりました。セグメント利益は29百万円となりました。
②財政状態の状況
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|
資産合計 |
30,378 |
30,222 |
△156 |
|
負債合計 |
13,107 |
11,132 |
△1,975 |
|
純資産合計 |
17,270 |
19,090 |
1,819 |
|
1株当たり純資産(円) |
1,318.44 |
1,473.52 |
- |
|
自己資本比率(%) |
56.8 |
63.1 |
- |
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ156百万円減少し、30,222百万円となりました。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,975百万円減少し、11,132百万円となりました。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,819百万円増加し、19,090百万円となりました。
主な増減要因は次のとおりであります。
流動資産
当連結会計年度末における流動資産は19,714百万円で前連結会計年度末に比べ1,199百万円減少しました。これは、現金及び預金、仕掛品、原材料及び貯蔵品が減少したことによるものであります。
固定資産
当連結会計年度末における固定資産は10,507百万円で前連結会計年度末に比べ1,043百万円増加しました。これは、投資有価証券及び退職給付に係る資産が増加したことによるものであります。
流動負債
当連結会計年度末における流動負債は8,452百万円で前連結会計年度末に比べ1,917百万円減少しました。これは、短期借入金が減少したことによるものであります。
固定負債
当連結会計年度末における固定負債は2,679百万円で前連結会計年度末に比べ57百万円減少しました。これは、繰延税金負債は増加しましたが長期借入金が減少したことによるものであります。
純資産
当連結会計年度末における純資産合計は19,090百万円で前連結会計年度末に比べ1,819百万円増加しました。これは、利益剰余金が増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、前連結会計年度末に比べ413百万円減少し、3,196百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、獲得した資金は2,106百万円(前年同期は981百万円の獲得)となりました。これは税金等調整前当期純利益等の計上によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、使用した資金は127百万円(前年同期は203百万円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得および無形固定資産の取得によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、使用した資金は2,400百万円(前年同期は98百万円の獲得)となりました。これは長期借入金および短期借入金の返済によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前連結会計年度比(%) |
|
情報機器 |
9,449,944 |
98.6 |
|
照明機器 |
9,960,721 |
104.2 |
|
コンポーネント |
5,544,973 |
98.4 |
|
その他 |
527,570 |
106.0 |
|
合計 |
25,483,209 |
100.8 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前連結会計年度比 (%) |
受注残高(千円) |
前連結会計年度比 (%) |
|
情報機器 |
6,075,608 |
58.0 |
9,083,029 |
72.4 |
|
照明機器 |
9,808,778 |
102.4 |
2,716,128 |
94.9 |
|
コンポーネント |
5,439,836 |
96.3 |
382,626 |
89.4 |
|
その他 |
527,570 |
106.0 |
- |
- |
|
合計 |
21,851,793 |
83.4 |
12,181,783 |
77.0 |
(注)受注残高は確定契約による残存取引高と予約取引高を合算しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前連結会計年度比(%) |
|
情報機器 |
9,531,636 |
99.4 |
|
照明機器 |
9,905,605 |
103.9 |
|
コンポーネント |
5,420,810 |
96.9 |
|
その他 |
527,570 |
106.0 |
|
合計 |
25,385,622 |
100.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
相手先 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
||
|
因幡電機産業(株) |
5,089,654 |
20.2 |
因幡電機産業(株) |
4,467,299 |
17.6 |
|
東日本高速道路(株) |
1,664,107 |
6.6 |
東日本高速道路(株) |
2,847,810 |
11.2 |
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当連結会計年度における財政状態の分析
前連結会計年度末と比較した財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)当期の経営成績等の概況 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度に比べ増収減益となりました。前連結会計年度と比較した経営成績については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)当期の経営成績等の概況 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループは、売上高、営業利益率を重要な指標として位置付けており、各期において外部・内部環境等を考慮して計画値を設定し、その基準を達成できるように努めております。
当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
売上高は計画比614百万円減(2.4%減)となりました。これは、照明機器事業とコンポーネント事業の減収によるものです。
営業利益は計画比151百万円減(8.4%減)、経常利益は計画比108百万円減(5.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は計画比12百万円減(1.0%減)となりました。これは、コンポーネント事業の減益によるものです。
(単位:百万円)
|
指 標 |
当連結会計年度 (計 画) |
当連結会計年度 (実 績) |
増減額 |
増減率(%) |
|
売上高 |
26,000 |
25,385 |
△614 |
△2.4 |
|
情報機器事業 |
9,200 |
9,531 |
331 |
3.6 |
|
照明機器事業 |
10,200 |
9,905 |
△294 |
△2.9 |
|
コンポーネント事業 |
6,200 |
5,420 |
△779 |
△12.6 |
|
その他 |
400 |
527 |
127 |
31.9 |
|
営業利益 |
1,800 |
1,648 |
△151 |
△8.4 |
|
経常利益 |
1,850 |
1,741 |
△108 |
△5.9 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
1,245 |
1,232 |
△12 |
△1.0 |
|
営業利益率 |
6.9% |
6.5% |
△0.4PT |
- |
|
ROE (自己資本当期純利益率) |
6.9% |
6.8% |
△0.1PT |
- |
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)当期の経営成績等の概況 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、主として内部資金又は借入により資金調達することとしております。
短期の運転資金の調達は短期借入金で、大規模な設備投資や長期の運転資金は長期借入金で対応しております。
また当社は株主に対する安定配当の維持と将来の事業展開のための内部留保の充実を考慮して、毎事業年度における財政状態及び経営成績を総合的に勘案し、配当を実施しております。
内部留保資金につきましては、将来の事業展開を見据えて、新製品開発や技術・生産能力向上等経営体質の強化を図るため有効に投資しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、財政状態及び経営成績の状況に影響を与える見積りや判断は、合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。
一定の期間にわたり充足される履行義務による収益
当社は、情報機器事業及び照明機器事業の一定の要件を満たす工事案件において、期間がごく短い工事を除き、工事収益総額、工事原価総額及び履行義務の充足に係る進捗度を見積ることにより、「一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法」を適用しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積り方法は、工事原価総額の見積額に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しています。工事売上高については、工事原価総額を基礎として期末までの既発生原価額に応じた進捗度に工事収益総額を乗じて算定しております。工事収益総額、工事原価総額及び工事進捗度の見積りに際しては、事業環境や工事の施工状況や発注者との協議状況等を踏まえ、合理的な予測・判断を行っております。
なお、工事契約について、工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、その超過すると見込まれる額(以下「受注損失」という。)のうち、当該工事契約に関して既に計上された損益の額を控除した残額を、受注損失が見込まれた期の損失として処理し、受注損失引当金を計上しております。
該当事項はありません。
当社グループでは「省エネルギー」と「人と環境を考えたものづくり」を基本として、各分野にわたって「環境配慮」をキーワードにした研究開発に取り組んでおり、今後の事業の中心となる製品の研究開発を進めております。
研究スタッフはグループ全員で61名であり、これは従業員の9.58%にあたります。
当連結会計年度におけるセグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
情報機器事業
情報機器事業では、道路付帯設備の老朽化・長寿命が課題となる中、保守メンテナンスの高度化のために道路情報板などのモニタリング技術や、リモートメンテナンス技術を開発することにより、路上設備などの状態を「遠隔保守」ができるシステム製品などを積極的に提案しております。路上設備と光ケーブルによる高速通信が可能となり、様々な設備データが収集できるIoT環境の中で、データ分析などを行い、将来の「予兆保全」に向け、新たな技術開発やAI活用も視野にメンテナンスの高度化に向けた研究活動を推進しております。
保守メンテナンスされる方の高齢化をはじめ、将来の人口減少にも対応でき、安心・安全に寄与できる製品やシステム開発によって、持続可能な社会インフラを技術で支援できるように努めてまいります。
当連結会計年度における当セグメントの研究開発費は
照明機器事業
照明機器事業では、産業用と道路・トンネル照明を中心に技術力強化と製品拡充に努めております。
産業用照明関連では、防爆照明器具を中心とした製品ラインアップを拡充し、高温環境下で使用可能な「高温用防爆形LED灯器具」をリリースしました。2027年末で蛍光灯の製造・輸出入が禁止となりますが、安心してご導入いただける、高温エリア向け照明器具のLED化に貢献しております。
また、多機能製品、システム製品として、「防爆形カメラ付LED透視灯」「防爆形ネットワークカメラ」「防爆形サインLED灯器具」を相次いでリリースしました。照明は空間を照らす機能だけではなく、「安全」「便利」な付加機能を追加することで”モノ”や”コト”がつながる照明へ進化しています。デジタル技術を用いたDX化に貢献するシステム製品は製造現場の視える化を進化させ生産性向上・安全対策に貢献します。より一層お客様のニーズにお応えするべく、高付加価値な機能を持たせた多機能照明のほか、防爆技術を駆使したシステム製品で、生産性向上、安全対策に貢献する製品の開発に取り組んでまいります。
道路・トンネル照明関連では、2027年末までとなった蛍光灯の製造中止に起因したLED更新への大型需要に安定して対応できるように、既存の蛍光灯を使用したトンネル照明器具のLED化リニューアル製品を開発しました。コスト課題に着目し、製造コストを下げ、現場での交換時の施工性も高められるような、「内部交換技術」の開発と提案を推進し、高速道路会社などの大口ユーザさまにも選ばれるように技術貢献してまいります。
当連結会計年度における当セグメントの研究開発費は
コンポーネント事業
コンポーネントシステム事業部では、電磁波環境対策部品、配線保護機材を中心に、社会環境の変化や電子機器の高性能化に対応する技術・製品の開発を推進しております。
電磁波環境対策部品の新製品として、高性能グラファイトシートを新たに開発・発売いたしました。本製品は、一般にトレードオフの関係にある熱伝導率と製品厚みの両立を図り、100μmおよび75μmと比較的厚みを有しながら、従来品と同等水準の熱伝導特性を実現しております。AI活用の拡大等に伴い発熱対策の重要性が高まる産業機器、電子機器分野において、電磁波環境対策および熱対策への対応力強化を図っております。
また、配線保護機材分野では、既存製品「エスシーロック」のバリエーション拡充として、PF管接続対応製品を開発いたしました。施工性の向上および作業品質の安定化を目的とした製品であり、特に品質要求の高い用途・環境での活用を見込んでおります。
さらに、シミュレーション技術および電波暗室関連業務に関する技術開発を継続し、評価・解析技術の高度化を推進しております。これにより、製品開発力の向上と顧客課題解決力の強化を図り、プロダクトとエンジニアリングを融合した付加価値の創出に取り組んでまいります。
当連結会計年度における当セグメントの研究開発費は
その他
要素技術の研究開発
当社は、各事業の新製品開発に加えて、将来の競争力につながる要素技術の研究開発にも取り組んでいます。
その一環として、新規機能性薄膜材料の創出と応用展開を目指した研究を進めており、亜酸化銅(Cu₂O)に着目しました。亜酸化銅(Cu₂O)は、無毒で環境負荷が低く、安価であることに加え、優れた光吸収特性とp型半導体特性を持つことから、光触媒をはじめ幅広い応用が期待される材料です。従来のホールを多く持つp型Cu₂Oに対し、電子を多く持つn型Cu₂Oを組み合わせることで応用範囲の拡大が見込まれていましたが、n型Cu₂Oの報告例は少なく、その形成原理も明らかになっていませんでした。そこで、本研究では、電解メッキ法によるn型Cu₂Oの形成に焦点を当て、膜形成の基点となる金属錯体の構造を詳細に検討しました。その結果、配位子の種類がCu₂Oの半導体特性に影響を与えることを見いだし、形成するCu₂O薄膜に対して、n型・p型のいずれの特性も選択的に付与できる手法を確立しました。この成果は特許出願を行うとともに、鳥取大学で開催された2025年電気化学秋季大会にて口頭発表を実施しました。
発表タイトル
「電解メッキ法によるCu2O薄膜の形成と銅錯体設計の関係」
特許出願:特願2025-139228
今後も、要素技術の研究開発を推進してまいります。
新規事業創成
「新しい事業を技術から創出することにより、持続可能な社会を実現する」をビジョンとし、豊かな社会、環境に配慮した社会、安心社会の実現に向けて、技術開発と事業企画の両輪で社会へ新たな価値を提供する新規事業の創成を目指します。
当社経営戦略に則り、SEIWA SDGsの実現に向けて、1.カーボンニュートラルへの対応、2.気候変動への対応、
3.労働生産人口減少の解決に貢献する事業創出を目指します。
また、研究開発によるシーズ技術を用いた抗菌効果や脱臭効果のある技術について、用途開発や市場展開に向けた事業創出活動を推進しています。いずれも、企画を段階的に試行し、新規事業の創成に繋げてまいります。
機能材料開発
当事業年度、機能材料に関わる研究・技術開発を推進する機能材料開発部を新設しました。持続可能な社会の実現を見据え、脱石油原料を基盤とした機能材料に関する研究および技術開発に取組んでおります。
成果として、電池用途の導電助剤、導電塗料、電磁波環境対策部材など、需要が拡大しているカーボンナノチューブ用途の新規分散剤を開発しました。今後も、生物由来材料を基軸とした新たな機能材料の開発を積極的に推進します。
当社が保有する独自の抽出技術、合成技術および加工技術を活用し、新たな機能材料を創出することで、社会に貢献し、持続可能な社会の実現に寄与する取り組みを継続してまいります。
当連結会計年度における各セグメントに配分していない全社費用は400百万円となりました。