文中の将来に関する事項は、当事業年度末において、当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、デジタルによるコンテンツの創作から利用・活用に至るまでの諸活動をトータルに支援できる環境の提供を経営理念に掲げ、事業を推進しております。
(2) 目標とする経営指標等
目標とする中長期の経営指標といたしましては、安定した経営を持続していく上で、自己資本当期純利益率(ROE)のほか、売上高と営業利益の目標数値を重要な経営指標の一つと考え、その向上に努めてまいります。
(3) 経営戦略等
中長期的な会社の経営戦略
当社は、中長期の目標を実現するため、以下のとおり施策を推進してまいります。
① 開発力の強化
当社内における研究開発業務の重複を防ぎ、人的リソース等の効率化を図るため、機動的な開発プロジェクト推進を可能にする組織体制の構築を図ってまいります。また、社内の開発環境を整備し、全体で使用できる共通コアエンジンの開発を推進し、各社のアプリケーションソフトウェアに実装する体制を構築し、自社IP製品の開発体制を強化してまいります。
② 分野別施策
(イ)クリエイターサポート分野
主力製品でありますイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の更なる研究開発と同時に、インターネットを中心としたサービスの充実を図り、「CLIP STUDIO PAINT」を利用して創作活動を行うクリエイター数を国内外で最大化させることに努めてまいります。
(ロ)クリエイタープラットフォーム分野
クリエイターエコノミー市場において、コンテンツ制作のサポートにとどまらない、より広い領域で、新たなクリエイターの活動の場となりうる新サービス・新プラットフォームの開発・提供・運営を行い、クリエイターの創作活動の活性化を図ると共に、「CLIP STUDIO PAINT」に次ぐ第二の柱を構築してまいります。
また、電子書籍配信ソリューションにおいては、顧客サポートの強化等、電子書籍市場における現在のポジションを保持しながら、流通ソリューションを推進しております。
(4) 優先的に対処すべき課題
① 人材の確保及び育成
当社は、急速な技術革新への対応と継続的な研究開発等が事業拡大には不可欠であり、このような環境や変化に対応し、適切にニーズにあったサービスを提供することが可能な体制を構築していくことが重要であると認識しております。
そのために、優秀な人材の確保と育成、従業員のエンゲージメント向上は事業発展のための根幹と考え、適時必要な戦力となる社員の採用を行い、育成していくことにより、業容拡大への源泉としてまいります。
② 経営の効率化
当社の事業において、生産性・収益性の高いオペレーションを実現していく必要があります。そのために、組織の統廃合やオペレーションの見直し等による効率化を継続して推進してまいります。
また、当社の製品開発部門の集約化を進めることによって、自社製品開発の効率化を図り収益性の改善を実現してまいります。
③ 新規事業による事業ポートフォリオの拡大
当社が継続的な成長を実現するための戦略として、既存事業の成長を図る施策のみならず、新規プラットフォームやユーザーコミュニティ強化のための新サービスの開発等へ投資することにより成長を加速させることが重要であると考えております。
既存事業と異なる事業を組み合わせたポートフォリオ戦略によって、ビジネスモデルを多様化して将来にわたる収益の持続的な成長に繋げてまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは以下となります。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1) サステナビリティに関する考え方
当社は、サステナビリティを巡る課題への対応はリスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識しております。中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取り組めるよう、以下のサステナビリティ基本方針を定めております。
当社では、中長期的なサステナビリティ戦略について集中的に議論し、取り組みを推進することを目的に、2024年1月、取締役会の下部組織としてサステナビリティ委員会を取締役会決議にて新設しました。サステナビリティ委員会は代表取締役社長を委員長とし、社内取締役及び各部門の責任者等で構成されます。サステナビリティへの対応方針・施策等は、各部門が主体となって推進し、これらの対応の進捗状況等は、必要に応じてサステナビリティ委員会を通して取締役会に報告される体制となっております。
①サステナビリティ全般
当社のVALUE(夢中をつくりだす3つのバリュー)や、目指す姿とその実現に向けたリスクと機会等の分析を踏まえ、当社全体で優先的に取り組むべき重要テーマとしてマテリアリティを特定し、2024年1月開催のサステナビリティ委員会にて承認しております。
なお、「夢中をつくりだす3つのバリュー」は以下のとおりであります。
・セルシスのVISION実現に向けたマテリアリティと取り組みテーマ

②人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
当社は、従業員の活躍支援に関するマテリアリティ「フラットな組織で働きやすさと成長を支援」を定めているとおり、多様性の確保を含む人材育成と社内環境整備を重要なものと捉えております。
・組織風土改革
当社は、理念に基づくマネジメントが組織を進化させるカルチャーを生み出す土台となると考えており、組織風土改革に取り組んでおります。2023年以降は、MISSION、VISION、VALUEから構成される理念体系を再整理し、その上で理念に基づくマネジメントを行うためのマネジメントポリシーを策定しております。
・独創的な技術者の採用と育成
当社は、採用において最も重要なことは、当社の理念に共感でき、創作文化への深い理解とリスペクトを持つ人材を採用することと考えております。技術を磨き、成長を支援するため、社内技術勉強会の開催や、成果に対するフィードバックを迅速に実現するための年4回の評価を制度化して運用しております。また、当社は採用活動にとどまらず、次世代の人材育成を重視しており、大学との産学連携の取り組みは技術者の採用につながっております。
・多様な人材活躍と働き方支援
新たな良い相乗効果を生む人と人との組み合わせを考えて、組織をデザインすることを重視しております。居住地や働き方に関しては柔軟な制度を運用しております。
(4)リスク管理
サステナビリティ推進に関するリスクの管理は、サステナビリティ委員会が行います。各部門が、リスク・コンプライアンス委員会と必要に応じて連携の上、個別のリスクの認識及び対応方針の策定を推進し、サステナビリティ委員会に報告します。
当該リスクは必要に応じて、サステナビリティ委員会が取締役会に報告します。
①サステナビリティ全般
(3)戦略に記載のマテリアリティに関するモニタリング指標は以下と認識しています。取り組みを進めるために目標が必要なモニタリング指標については、今後設定を検討してまいります。
②人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備
人的資本に係る多様性の確保については、性別・国籍・年齢等によらない積極的な採用活動を継続し、中途採用を含め、優秀な人材は管理職へ積極的に登用しております。なお、女性及び外国人の管理職については、一定程度確保されていると考えておりますが、中核人材の計画的な育成・登用により各管理職比率を高めていくことが重要であると認識しております。
また、性別や年齢にかかわらず、多様な個性や価値観を持つすべての従業員が働きがいを感じながら、個人のライフスタイルやライフステージに合わせた働き方ができる環境の整備に取り組んでおります。具体的には、在宅勤務の導入、フレックスタイム制の採用や育児休業をはじめとした各種休業制度の導入と取得奨励等に取り組んでおります。
・多様性に関する基本情報
※数値は2025年12月31日時点
・育児休業・有給休暇に関する基本情報
(6)気候変動への対応(TCFD提言に沿った情報開示)
①気候変動に関する考え方
当社では、持続可能な社会の実現に向けた貢献と、中長期的な企業価値の向上が重要な経営課題であるとの認識の下、サステナビリティ基本方針に従い積極的・能動的に取り組みを進めております。
それに伴い、特に気候変動に関連するサステナビリティ課題については、TCFD情報開示のテーマごとに考え方を整理し取り組みを進めております。
②ガバナンス
当社では、気候変動を含むサステナビリティへの取り組みを推進していくためにサステナビリティ委員会を設置いたしました。当委員会は、委員長である代表取締役社長の監督の下、気候変動を含むサステナビリティに関する活動方針を検討し、その進捗状況を必要に応じて取締役会に報告します。
取締役会では、報告された内容を踏まえて審議を行っております。
③戦略
当社では、事業を通じた環境負荷低減に関するマテリアリティとして「創作活動のデジタル支援でポジティブな環境インパクトを加速」を定め、気候変動を含む環境課題への取り組みを重要なものととらえております。
そこで、当社においても、気候変動に関連した移行リスク及び物理リスクが自社の事業活動に与える影響を把握し不確実な将来に対応できる事業戦略を検討・立案すべく、TCFD提言に沿ってシナリオ分析を実施しております。
今回実施したシナリオ分析においては、産業革命以前と比較し、気温が4℃上昇する世界観(4℃シナリオ)及び1.5℃を軸として気温上昇を2℃未満に抑える世界観(1.5℃シナリオ)を設定し、2030年時点における気候変動に関連するリスク及び機会について定性的に考察・分析を行いました。今後は、自社事業への影響をさらに可視化すべく、定量的な分析の実施も検討してまいります。
〇4℃シナリオ分析
4℃シナリオにおける分析では、異常気象の激甚化・頻発化に伴い拠点の被災リスクが高まる可能性があると特定しております。拠点が被災した場合には、営業停止や資産の被害による損失が発生することが見込まれるため、今後定量的な分析を検討してまいります。
〇1.5℃シナリオ分析
1.5℃シナリオにおける分析では、脱炭素社会への移行に伴い、炭素税の課税や再生可能エネルギーの需要増加による電力価格の上昇、再生可能エネルギーや省エネルギーに関する各種政策規制などが当社の操業に大きな影響を及ぼす可能性があると特定しております。これらのリスクが、将来当社に与える影響について、今後定量的な分析を検討してまいります。
一方で、脱炭素社会への取り組みが進んだ場合、省エネルギー・省資源商材の需要が増加する可能性があると見込んでおり、そのような需要に応えられる製品の提供などは、当社の機会になると特定しております。今後、自社事業を通して、「ポジティブな環境インパクトを加速」すべく、環境負荷低減のための取り組みを推進してまいります。
顕在化時期の定義:「短期」0~3年、「中期」4~10年、「長期」11年~30年
財務影響度の定義:「大」事業に大幅な影響がある
「中」事業の一部に影響がある
「小」ほとんど影響を受けない
「―」影響なし
④リスク管理
当社では、サステナビリティ委員会において気候関連のリスクの特定・評価を行っております。特定したリスク・機会に関係する各部門は、リスク・機会に対応するための施策を実施・推進します。サステナビリティ委員会ではその進捗状況等のモニタリングを行い、気候関連のリスクの管理を行います。当該リスクに係る事項については、必要に応じてサステナビリティ委員会から取締役会に報告してまいります。
また、サステナビリティ委員会にて特定・評価された気候関連のリスクについては、リスク・コンプライアンス委員会と連携し、他リスクとの統合をしてまいります。

⑤指標と目標
当社では、当社の事業活動によるGHG排出量の算定を行い、結果は下記の通りとなります。
※1:Scope1+Scope2 (マーケット基準)
今後は、持続可能な社会の実現に向けScope1,2の排出量削減目標やScope3の算定及び削減目標について検討を進めてまいります。
当事業年度において、当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、記載内容のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1) 業績の変動について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:常時、影響度:中)
当社の業績は、新しいソフトウェア製品の発売時期に大きな売上計上となりますので、これらの影響により当社の業績も変動するという事業構造となっております。したがって、経営方針や製品の開発スケジュール等に影響を受けるため、当社の業績も四半期毎に変動する可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社サービスのビジネスモデルは、サブスクリプションを中心とした継続的な収益モデルであることから、新規顧客の獲得、既存顧客の維持及び単価向上により、当社の継続的な成長及び収益の平準化を図ってまいります。
(2) 技術革新について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社が主に事業展開しているソフトウェア業界は、技術革新の速度及びその変化が著しい業界であり、新技術、新サービスが次々と生み出されております。当社としましては、当該技術革新に対応するよう研究開発を続けております。しかしながら、当社が新しい技術に対応できなかった場合、当社が想定していない新技術、新サービスが普及した場合又は競合他社が機能的、価格的に優位な製品で参入し、当社の市場シェアの維持が困難になった場合、当社の提供するソフトウェア、サービス等が陳腐化し、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社では、採用しているビジネスモデルや技術について、最新の動向を分析するとともに、新たなビジネスモデルや、新規サービスの提供による事業展開を検討しております。また、採用の強化や人材の育成によるサービス価値の向上を図っており、より付加価値の高いサービスの提供を可能にするための体制の整備を図っております。
(3) 法的規制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:常時、影響度:中)
現在、当社の主な事業を推進するうえで、直接的規制を受けるような法的規制はありませんが、当社は顧客の個人情報を保有・管理しており、「個人情報の保護に関する法律」に規定される個人情報取扱事業者に該当します。完全に外部からの不正アクセスを防止する保障はなく、また、人的ミス等社内管理上の問題により、個人情報が漏洩する可能性は常に存在するため、個人情報の管理コストが増加する等、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。万一、個人情報が外部に漏洩するような事態になった場合には、社会的信用の失墜、損害賠償の請求等により、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社では、社内教育等により法令遵守に努めているほか、コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンス推進体制の強化を実施しております。また、外部の脆弱性診断を実施し、脆弱性が発見された場合には対策を講じる等、不正アクセスを防ぐ対策に務めております。なお、顧問弁護士等の外部専門家とコミュニケーションを取り必要に応じて相談を行い、適時に情報を入手する体制の整備を図っております。更に、リスク・コンプライアンス委員会及び内部監査等において、法令遵守状況のモニタリングを行っております。
(4) 知的財産権について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:常時、影響度:中)
当社は、第三者の知的財産権に関して、これを侵害することのないよう留意し、製品開発、販売を行っております。また、コンテンツ等の受託制作においては、第三者の知的財産権に関する許諾を取得していること等を取引先委託企業に確認するよう努めております。しかしながら、当社の事業分野における知的財産権の現況を全て把握することは非常に困難であり、当社が把握できていないところで第三者の知的財産権を侵害している可能性は否定できません。万一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より損害賠償請求又は使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があります。こうした場合、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は研究開発型の企業であり、新製品の開発、販売を行っております。当社では、特許権、商標権等の出願を行い、知的財産権の保全を図っておりますが、これらの出願が認められない可能性や取得済の特許権等が第三者により侵害される可能性があります。このような場合には、解決するまでに多くの費用や時間を費やすことが予想され、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社が有する知的財産権の侵害について顧問弁護士及び弁理士といった外部専門家に定期的な相談を行うことにより、知的財産権に関する管理を行う体制の整備を行っております。また、新規サービス開始時には、外部専門家に調査を依頼する等、他社の知的財産権を侵害しないための体制の整備を行っております。
(5) 人材の確保及び育成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社の事業は、その大半がヒューマンリソースに依存しており、事業拡大にあたっては、急速な技術革新への対応、継続的な研究開発等が不可欠であり、これらに対応する優秀な人材を適切な時期に採用し、育成することが必要不可欠であると考えております。そのため、当社では人材確保に注力しておりますが、必要とする能力のある人材を計画どおりに採用又は育成できなかった場合には、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社は、優秀な人材を獲得すべく、新卒採用向けのインターンシップの機会を設けるほか、キャリア採用にも力を入れております。加えて、適切な育成計画に基づく人材の育成、育児休暇やリモートワークの推奨、有給休暇の取得推奨等働きやすい環境づくりに力を入れて取り組んでおります。
(6) 出資等による業務提携について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社では、当事業年度末において、投資有価証券567,648千円を保有しております。当社は事業シナジーが見込める国内外のソフトウェア関連企業に対して出資をしております。
また、研究開発型である当社は技術獲得のためにもM&A及び提携戦略は重要であり、必要に応じてこれらを検討していく方針であります。これらの出資先は今後の当社の事業推進に貢献するものと考えておりますが、出資先の経営環境や経済環境の急変等、何らかの事象により出資・投資の採算が期待どおりにならない可能性を完全に否定できません。このような場合、出資先の株式の減損処理等により当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社は、出資を行う際には、事業内容、法務及び財務等に関して十分に調査し、既存事業とのシナジー等について十分な検討を行っております。その上で、取締役会における承認等の社内手続を経て意思決定を行うこととする等、リスクを十分に検討するための体制の整備を行っております。
(7) システムトラブルによるリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:常時、影響度:大)
当社の事業は、コンピューターシステムを結ぶネットワークに依存しており、インターネットを利用したサービスを提供するにあたっては、バックアップ体制の構築等の様々なトラブル対策を施しております。しかしながら、自然災害や不慮の事故等によって、これらのネットワークが正常に機能しなくなった場合には、サービス提供等の当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社では、十分な検証やテストを実施した上でサービス提供を行っております。また、定期的なアップデートやモニタリングの実施により、安定的なサービスの提供を行うことが可能であり、不具合が発生した場合でも迅速な対応をとることができる体制の整備を行っております。
(8) 新規ソフトウェア開発投資について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社が事業を展開するソフトウェア及びインターネットサービスの業界においては技術革新の速度が非常に速いことから、常に魅力ある製品・サービスを提供して競争力を維持する継続的な研究開発及び製品開発を行っております。しかしながら、業界動向の変化等により投資を回収できるだけの収益が得られなかった場合、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社は、最先端の開発環境と、優秀な開発人材の活用により、常に新技術を活用した開発に注力しております。
(9) 海外展開について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:常時、影響度:中)
当社は、グローバルな事業展開を行っておりますが、所在地の法令、制度、政治、経済、商慣習の違い、為替等の様々な潜在的リスクが存在しております。当社は、当該リスクを最小限にするために十分な対策を講じてまいりますが、それらのリスクに対処できないこと等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社では、各国・地域の法律や規制に係る動向には常に十分な注意を払い、現地の慣習に精通したグローバルな人材の働きにより情報の収集に努めております。また、現地の弁護士等と情報共有することにより、適時に必要な情報を収集するための体制の整備を行っております。
(10) 為替相場変動による影響について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:常時、影響度:小)
当社の売上高に対する海外売上高の比率は年々上昇しており、急激な為替変動が生じた場合等において、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社では、CLIP STUDIO PAINTの多言語化を進めております。併せて各国・地域の様々な通貨での決済が可能な仕組みを構築しており、為替変動リスクを軽減しております。
(11) CLIP STUDIO PAINTへの依存(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社の売上高は、主力であるクリエイターサポート分野における「CLIP STUDIO PAINT」の販売への依存が大きくなっております。国内外においてユーザー数の増加やサービスの拡充等により、今後もクリエイターサポート分野は拡大していくものと考えておりますが、「CLIP STUDIO PAINT」の利用者の減少や市場規模の縮小等の要因によりクリエイターサポート分野の売上高が減少した場合には、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社は、主力製品の売上安定化を図るとともに継続的に新たなシステム開発により新製品・新サービスを生み出し、特定の製品による依存リスクの分散することに注力しております。
(12) CLIP STUDIO PAINT の成長余地(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:大)
当社は、クリエイターサポート分野において、「CLIP STUDIO PAINT」を提供しております。当分野が関連する市場は大きく広がっていることが想定され、また、「CLIP STUDIO PAINT」の多言語化対応等により今後の成長余地も大きいものと考えております。
また、「CLIP STUDIO PAINT」のユーザー獲得に向けた取り組みを継続的に実施・強化しております。その一方で、今後の政治情勢や政府・当局の政策・規制の動向、あるいは競合会社との競争状況によっては、当社の売上に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社は、ユーザーの潜在的なニーズを汲み取った新たなサービスの開発ならびに既存サービスの改善を行うほか、当社のノウハウを生かした新たなサービスの創出により、競合他社との更なる差別化を図り、優位性の保持することに注力しております。
(13) インターネット等による風評被害について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:常時、影響度:中)
SNSの普及に伴い、インターネット上の書き込みや、それを発端とするマスコミの報道による風評被害が発生・拡散された場合において、当社の価値が棄損され、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社は、引き続き高品質の製品提供に努め、顧客等と良好な関係を構築してまいりますが、当該リスクが顕在化した場合には、速やかに削除要請等を行うとともに、顧問弁護士等と連携して警察への通報等も含めたしかるべき措置をとり、被害の回復へ向けた対応を行うこととしております。
(14) ユーザーの嗜好変化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社はイラスト・マンガ・アニメーションの制作ソフトと趣味性の高い商品を取り扱っているため、消費者の嗜好の変化に対応できず、適切な製品政策が実施できない場合には、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社は、マーケティング、技術開発、教育への投資及び製品の機能強化といった総合的な施策を継続して行っております。
(15) 事業領域の拡大について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社は、新しい事業やサービスを創出し、新たな事業領域にスピード感をもって参入することにより事業成長を続けております。一方でこのような事業展開を実現するためには、その事業固有のリスク要因が加わることとなり、当社のリスク要因となる可能性があります。そして、新規事業の参入のため、新たな人材の採用、システムの購入や開発、営業体制の強化等追加的な投資が必要とされ、新規事業が安定的な収益を生み出すには長期的な時間が必要とされることがあります。
また、新規事業の拡大スピードや成長規模によっては、当初想定していた成果を挙げることができないことがあり、事業の停止、撤退等を余儀なくされ、当該事業用資産の処分や償却により損失が生じる可能性があり、このような場合には、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(リスクへの対応策)
当社は、検討に際しては、当社の事業計画に照らし合わせ、市場、新規技術の動向や顧客ニーズ等のリスク分析を行ったうえで判断しております。また事業の状況等について定期的な検証を行い、戦略の見直しを実施しております。
当社は、グローバルで拡大を続けるクリエイターエコノミー市場において、サービス・プラットフォームを開発・提供する事業を展開し、さらなる成長の実現を目指して、収益基盤と経営体制の強化に取り組んでおります。2023年のUI/UX事業の譲渡による構造改革、2024年の東証プライム市場への上場、そして2025年1月に行った子会社・株式会社&DC3の吸収合併を経て、次の成長に向けた経営体制の構築が完了し、「中期経営計画2025-2027」を策定いたしました。本中期経営計画においては、「クリエイションで夢中を広げよう」をビジョンに掲げ、クリエイターエコノミー市場において、作品をつくるクリエイターと、それらを楽しむオーディエンスの活動の歩み「CREATOR JOURNEY」をサポートするサービス提供を通じて「一人ひとりの夢中がつなぐ、もっとカラフルな世界」の創造を目指してまいります。なお、中期経営計画では、期間中のROE30%以上を重要なKPIとして設定しております。
当事業年度より従来の事業セグメントを見直し、これまでイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の開発・販売を中心とする「コンテンツ制作ソリューション事業」及び「DC3ソリューション」や「電子書籍ソリューション」から構成されていた「コンテンツ流通ソリューション事業」の2セグメントを、単一セグメントに統合いたしました。これにより、当事業年度からは前者を「クリエイターサポート分野」、後者を「クリエイタープラットフォーム分野」と再定義しております。
引き続き「CLIP STUDIO PAINT」の収益力をさらに強化しながら、事業領域をクリエイターエコノミー市場全体へと拡大し、制作ソリューションで築いたクリエイターからの信頼や強みと、流通ソリューションで蓄積した資産を活用することで、新たにクリエイタープラットフォーム分野でもサービスを開発・提供し、新たな事業の柱とすることを目指してまいります。
当事業年度におきましても、世界で通用する日本発のサブスクリプションモデルによるクリエイター向け創作サービスである「CLIP STUDIO PAINT」を核とした経営に重点を置き、戦略的な開発投資を継続して行い、企業価値の向上に注力してまいりました。
「中期経営計画2025-2027」の初年度における当社の経営成績は、主力の「CLIP STUDIO PAINT」を中心に、堅調な事業推進の結果、売上高、営業利益等の主要な収益指標において 過去最高を更新し、持続的な成長基盤の確立と財務健全性を維持した経営を実現し、計画に対して順調に推移いたしました。
当事業年度の売上高は9,471,638千円、営業利益は2,967,854千円となりました。
経常利益は、営業外収支として受取配当金21,291千円及び受取利息7,401千円を計上した一方で、自己株式取得手数料27,291千円及び為替差損34,475千円を計上したこと等により2,934,988千円となりました。当期純利益は、抱合せ株式消滅差益153,875千円を特別利益として計上した一方で、投資有価証券評価損480,307千円及び創業者功労金555,180千円を特別損失として計上し、法人税等397,745千円を計上したことにより、1,681,102千円となりました。2025年11月14日開示の通期業績予想修正に対する達成率は、売上高が102.3%、営業利益が102.3%となりました。
以上の結果、当事業年度の自己資本当期純利益率(ROE)につきましては、35.5%となり、中期経営計画で定めている重要なKPIであるROE30%以上を達成いたしました。
なお、当社は、2025年1月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社andDC3を吸収合併したことに伴い、単体決算に移行しました。そのため、当期は前年比較の数値を記載しておりません。
当社は、株主還元を重視しており、自己株式の取得については、2022年12月期に10億円、2023年12月期に20億円、2024年12月期に15億円、2025年12月期に20億円と、累計で65億円分を実施しております。あわせて、2025年12月期の1株当たり配当につきましては、プライム市場上場記念配当10円を含めた中間配当22円、期末配当14円を実施(前年より12円の増配)しております。
分野別の売上高は、次のとおりです。
<クリエイターサポート分野>
クリエイターサポート分野は、グラフィック分野で活動するクリエイターの創作活動をサポートする、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の提供を通じて、コンテンツの制作に関わるサービスをグローバルに展開しております。主力サービスである「CLIP STUDIO PAINT」は、累計出荷本数が2025年12月に5,957万本(前年同月比26.5%増)に、2026年1月には6,000万本に達しました。なお、同アプリのサブスクリプションモデルによるソフトウェア提供のARR(年間経常収益)は、毎月開示しております「月次事業進捗レポート」をご参照ください。当社が注力している、「CLIP STUDIO PAINT」におけるサブスクリプションモデルでのライセンス提供は、利用開始時の価格が抑えられており、ユーザーの導入ハードルを下げる一方で、買い切りモデルに比べて短期的な収益性は限定的です。しかしながら、継続利用による中長期的な安定収益が見込めることから、今後も契約数の拡大に取り組んでまいります。なお、「CLIP STUDIO PAINT」の月次のチャーンレートは2025年12月末が4.6%となっております。「CLIP STUDIO PAINT」は世界11言語に対応しており、出荷の80%以上が日本語以外の海外市場向けです。引き続き、売上高及び利用者数の増加を目的に、英語、韓国語、ドイツ語、フランス語圏等はもちろんのこと、今後の成長期待が大きい、東南アジアや中南米地域の新興国に対するマーケティングや決済手段のローカライズ強化も進めてまいります。
当事業年度では、2025年3月に「CLIP STUDIO PAINT」の売上及びユーザー数の底上げを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のメジャーバージョンアップを実施し、Ver.4.0の提供を開始しました。グローバルで提供開始したVer.4.0は、多くの反響をいただき、当初計画を上回る売上実績となりました。なお、サブスクリプションモデルと並行して販売を継続している買い切りモデルのユーザーは、Ver.4.0以降の最新機能を利用するためには、サブスクリプション契約、または、新バージョンの優待購入が必要となる提供モデルとしております。これにより、サブスクリプション契約の増加や、既存の買い切りモデルユーザーからの新バージョン購入により収益が伸長しました。また、同メジャーバージョンアップにあわせて、収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、買い切り版の価格を改定し、最大8%の値上げも行っております。今後も、定期的なメジャーバージョンアップとサービスの価値向上に応じた価格改定を行ってまいります。
<クリエイタープラットフォーム分野>
「クリエイタープラットフォーム分野」では、「CLIP STUDIO PAINT」で培ったクリエイターからの信頼や強みと、流通ソリューションにおける資産を活用して、クリエイターエコノミー市場において、コンテンツの制作にとどまらない、より広い領域で、新たなクリエイターの活動の場となりうるサービス・プラットフォームの開発・提供・運営を行い、クリエイターの創作活動の活性化を図ると共に、事業の拡大を目指してまいります。
当事業年度では、クリエイターエコノミー市場におけるエコシステム、グローバルでの業界動向やサービスに関する調査を進めながら、新規プラットフォームサービスの企画・検討を推進してまいりました。現在、クリエイターのマネタイズを支援するプラットフォームおよび、グローバルでのユーザーコミュニティ強化のためのサービスについて2026年以降のリリースに向けた企画・開発を継続しております。あわせて、社内の配置転換を通じた人材の最適化で新規サービス開発に向けた組織体制の強化にも取り組んでおります。
また、従来より提供している、「CLIP STUDIO PAINT」の利用をサポートするコミュニティサービスの運営を行いながら、継続的な機能改善を実施して「CLIP STUDIO PAINT」のサブスクリプション契約者の継続利用率向上にも努めております。また、漫画家志望者と新たな才能を探すマンガ編集者のマッチングを支援するサービス「モチコミonline」等の運営や、機能改善アップデートを実施し、プラットフォームサービスの利用者数の増加に努めました。
なお、当社が提供するクリエイタープラットフォームサービスの全世界での利用者数は、1,100万人超え(前年同月比20.4%増)となりました。
当社は、当事業年度より非連結となったことから、前期の数値及びこれに係る対前期増減率等の比較分析は行っておりません。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、4,039,786千円となりました。なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,616,170千円となりました。これは主として、法人税等の支払額1,089,956千円、その他127,843千円等の資金の減少要因があったものの、税引前当期純利益2,078,848千円の計上や減価償却費の計上677,504千円、創業者功労金555,180千円、投資有価証券評価損480,307千円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、901,507千円となりました。これは主として、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出864,587千円、工具、器具及び備品等の有形固定資産の取得による支出61,701千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3,022,936千円となりました。これは主として、自己株式の取得による支出2,000,013千円や配当金の支払額1,042,882千円等があったことによるものであります。
この結果、現金及び現金同等物の当事業年度末残高は、4,039,786千円となりました。
当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。
(注)1.金額は、当期製造費用によっております。
2.当社は当事業年度より非連結となったことから、対前年同期比較分析は行っておりません。
当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.当社は当事業年度より非連結となったことから、対前年同期比較分析は行っておりません。
当事業年度における生産業務は、ライセンス販売を目的とした見込生産であり、個別受注生産の占める割合が低いため、受注金額の記載を省略しております。
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注)当社は当事業年度より非連結となったことから、対前年同期比較分析は行っておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、有価証券・固定資産の減損、棚卸資産の評価、貸倒引当金の設定、ビューア利用料売上の見積り計上等の重要な会計方針及び見積りに関する判断を行っています。当社の経営陣は、過去の実績や状況等に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。また実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 財政状態の分析
当事業年度末の総資産は、前事業年度末と比べて246,377千円減少し7,910,280千円となりました。この主な要因は、繰延税金資産が424,282千円、ソフトウエア仮勘定が229,817千円、前払費用が226,355千円、売掛金が145,302千円、貸倒引当金が93,344千円増加したものの、自己株式の取得等により現金及び預金が1,102,544千円、投資有価証券が95,838千円減少したこと等によるものであります。
当事業年度末の負債は、前事業年度末と比べて684,527千円増加し3,576,266千円となりました。この主な要因は、未払法人税等が267,398千円減少したものの、役員退職慰労引当金が583,170千円、前受金が237,008千円、買掛金が63,186千円、退職給付引当金が38,182千円増加したこと等によるものであります。
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べて930,905千円減少し4,334,014千円となりました。この主な要因は、利益剰余金が639,397千円、その他有価証券評価差額金が387,449千円増加したものの、自己株式の取得により自己株式が1,965,443千円増加したこと等によるものであります。なお、自己資本比率は、54.0%となりました。
(3) 経営成績の分析
当事業年度における当社の売上計画、営業利益の達成状況は以下のとおりです。
当事業年度における売上高は、期初では9,079,000千円、営業利益では2,555,000千円の計画を見込んでおりました。2025年11月14日開催の取締役会において、売上高を9,262,000千円、営業利益を2,900,000千円へ修正いたしました。修正後計画に対し売上高では209,638千円上回り、営業利益は67,854千円上回りました。
その他、営業利益の状況、経常利益、当期純利益につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社が主に事業展開しているソフトウェア業界は、技術革新の速度及びその変化度が著しい業界であり、新技術、新サービスが次々と生み出されております。当社としては、担当部門において当該技術革新に対応するよう研究開発に努めております。
しかしながら、当社が想定していない新技術、新サービス等が普及した場合には、当社の提供するソフトウェア、サービス等が陳腐化し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、継続的に研究開発に注力し、競争力を維持するために魅力ある製品、サービス等を提供していく所存であります。
(5) キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、ソフトウェア開発に係る人件費のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資及びM&A等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資及びM&A等の資金調達につきましては自己資金及び自己株式の割当並びに金融機関からの長期借入を基本とし、資金調達の多様性を図っております。
なお、当事業年度末における有利子負債の残高はありません。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は4,039,786千円となっております。
(7) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当社は、営業利益を経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等とし、目標数値を設定しております。
2025年11月14日に発表した事業年度の業績予想、売上高9,262,000千円、営業利益2,900,000千円、経常利益2,859,000千円、当期純利益1,400,000千円の達成状況は、下記のとおりです。
① 売上高
当社の売上高につきましては、9,471,638千円となりました。分野別では、下記のとおりとなっております。
<クリエイターサポート分野>
クリエイターサポート分野は、主力サービスでイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」をグローバルで展開しており、累計出荷本数が2025年12月に5,957万本(前年同月比26.5%増)、2026年1月には6,000万本に達しました。また、同アプリのサブスクリプションモデルによるARR(年間経常収益)は、2025年12月に54億円(前年同月比25.4%増)となり、過去最高を更新しております。なお、「CLIP STUDIO PAINT」の月次のチャーンレート(解約率)は2025年12月末が4.6%と安定して推移しております。
当事業年度では、2025年3月に「CLIP STUDIO PAINT」の売上及びユーザー数の底上げを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のメジャーバージョンアップを実施し、Ver.4.0の提供を開始しました。また、同メジャーバージョンアップにあわせて、収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、買い切りモデルの価格を改定し、最大8%の値上げも行っております。グローバルで提供開始したVer.4.0は、多くの反響をいただきました。
買い切りモデルについては新規ユーザー獲得およびサブスクリプション契約へ移行促進させるために販売を継続しております。メジャーバージョンアップに加え定期的なキャンペーン施策を実施し、買い切りモデルはとりわけ海外において想定を上回る需要となり売上高の増加を牽引いたしました。
なお、ユーザーが最新機能を利用するためには、サブスクリプション契約、または、新バージョンの優待購入が必要となる提供モデルとしております。当事業年度においても、サブスクリプション契約の増加や既存の買い切りモデルユーザーによる新バージョンの優待購入もありサブスクリプションの収益も伸長いたしました。
<クリエイタープラットフォーム分野>
クリエイタープラットフォーム分野では、「CLIP STUDIO PAINT」で培ったクリエイターからの信頼や強みと、流通ソリューションにおける資産を活用して、クリエイターエコノミー市場において、コンテンツの制作にとどまらない、より広い領域で、新たなクリエイターの活動の場となりうるサービス・プラットフォームの開発・提供・運営を行い、クリエイターの創作活動の活性化を図ると共に、事業の拡大を目指してまいります。
当事業年度では、新規プラットフォームサービスの企画・検討を推進してまいりました。現在、グローバルでクリエイターのマネタイズを支援するプラットフォームおよび、ユーザーコミュニティ強化のためのサービスについて2026年以降のリリースに向けた企画・開発を継続しております。
また、従来より提供している、「CLIP STUDIO PAINT」の利用をサポートするコミュニティサービスの運営を行いながら、継続的な機能改善を実施して「CLIP STUDIO PAINT」のサブスクリプション契約者の継続利用率向上にも努めてまいりました。また、漫画家志望者と新たな才能を探すマンガ編集者のマッチングを支援するサービス「モチコミonline」等の運営や、機能改善アップデートを実施し、運営中のプラットフォームサービスの利用者数増加に努めてまいりました。
なお、当社が提供・運営中のクリエイタープラットフォームサービスの全世界利用者数は、1,100万人超え(前年同月比20.4%増)となりました。
② 営業利益
上記の「売上高」に記載のとおり、3月に実施した「CLIP STUDIO PAINT」のメジャーバージョンアップ、あわせて、収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のサブスクリプション契約の増加及び買い切りモデルの想定を上回る需要により増収となる中、原価及び販管費の費用面において、外注費、広告宣伝費及び販売促進費の計画的なコストコントロールに努めた結果、2,967,854千円となりました。
③ 経常利益
営業外収益として受取配当金を21,291千円、受取利息7,401千円計上したこと、営業外費用として自己株式取得に係る支払手数料27,291千円及び為替差損34,475千円を計上したこと等により2,934,988千円となりました。
④ 当期純利益
特別利益として抱合せ株式消滅差益153,875千円、特別損失として創業者功労金555,180千円及び投資有価証券評価損480,307千円をそれぞれ計上、税金費用として法人税、住民税及び事業税を822,028千円、法人税等調整額△424,282千円を計上したこと等により、1,681,102千円となりました。
今後も絶対売上高の拡大、営業利益の拡大を目標として経営を行うことにより、当社の企業価値の向上を図ってまいります。
該当事項はありません。
当社は、デジタルによるコンテンツの創作から利用・活用に至るまでの諸活動を、トータルに支援する環境の提供を経営理念に掲げ、事業を推進しており、既存サービスの付加価値向上、新サービスの開発活動を行っております。当事業年度における研究開発費の金額は