第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 私たちの経営の根幹には、創業時から大切にしてきた「我らの信条」が宿っています。この信条は、企業の存在意義と価値観を明確に示し、すべての従業員が共通の目標へ向かって一致団結して進むための道しるべとなります。

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 その根幹には、株主・顧客・従業員・社会といったすべてのステークホルダーの信頼を第一に尊重する価値観を組織文化の中心に据えています。私たちは、モノづくりの力を最大限に活用し、顧客の期待を的確に捉えるとともに、革新と品質の両立を通じて企業価値の持続的な向上を図ります。さらに、透明性の高い意思決定と法令遵守、社会的責任の遂行を徹底することで、持続可能な社会の実現に寄与する使命を果たしてまいります。

 

(2)2025年度の業績状況を踏まえた中期経営計画「Mission G-second」の概要

 売上高・営業利益については、前期比増収増益を達成しましたが、成長戦略の一部は未達で、総じて収益面と資本効率改善といった課題が残りました。この結果を機に、2026年度は「Mission G-final」の実行を強固に進めてまいります。収益性と資本効率を最優先に、持続的な成長と安定したキャッシュ・フローの創出を目指します。

 

2025年度目標

2025年度実績

Growth#1

売上高

600億円

502億円

営業利益

51.6億円

34.3億円

Growth#2

CO2排出量※

12%削減

20.5%削減

廃棄量※

5%削減

28.8%削減

Growth#3

労働生産性※

24%アップ

11.8%アップ

エンゲージメント

3.8P以上

3.7P

Growth#4

ROIC

8%以上

6.1%

ROE

9%以上

6.1%

※Growth#2は2019年度比、Growth#3労働生産性は2022年度比

 

① 全体の状況

 海外展開の遅れと自動車分野の回復の遅延により、売上高・営業利益の目標を大きく下回りました。欧州拠点の設置やM&Aによるインド子会社化を実施したものの、北米市場の動きが想定を下回り、顧客の設備投資タイミングの遅延が購買サイクルを鈍化させました。さらに、米国関税の影響とエネルギー・原材料費の高騰が全体の原価を押し上げ、利益率を圧迫しました。

 こうした課題を踏まえ、2026年度以降はイノベーションを加速させ、収益性と資本効率の徹底改善を最優先と据え、短期の改善と中長期の成長を両立させる具体策を推進します。

 

② 成果と前進の要旨

 環境領域を中心に顕著な前進を示しました。CO2削減は目標の12%(2019年度比)を大きく上回る20.5%を達成し、廃棄量も計画比の5%を大きく上回る28.8%削減を実現しました。さらに、有機溶剤リサイクル装置の共同研究は初期段階を超え、環境ソリューションの事業化に向けた実証フェーズを前進させました。

 海外市場では欧州拠点の販売網拡充と現地体制の強化が進み、グローバルでの供給体制の安定性が高まりました。顧客のコスト削減と規制対応を同時に実現するソリューションの評価も進み、ブランド価値の向上にも寄与しています。

 

③ 課題の所在

 4つの成長戦略で目標未達が顕在化しました。需要環境の変動、原価上昇ならびに戦略投資、資本効率の遅れといった複合要因の実態を把握しています。また、生産性とエンゲージメントの改善は計画より遅れ、デジタル化・業務改革の推進力不足も競争力の維持を難しくしました。これらを踏まえて、資本配分の透明性と優先順位の再設定が急務と捉えています。

 2026年度以降は、グループ全体の組織運営と現場の実行力を強化する具体的な施策を、次期計画の中で明確化しています。

 

(3)2026年度の経営方針

 これまでの課題を払拭するため、2026年度の経営方針は「イノベーションを核に、稼ぎ力を加速する2026」とし、「Mission G-final」のスタートを合図に安定と成長を両立させるグループ企業へと舵を切る重要な年と捉えています。初年度を「改革の年」と位置付け、利益の徹底追求と資本効率の抜本的な改善を最優先課題として取り組みます。

 そのため、投資の優先順位付けと資本配分の透明性を徹底し、投資リターンを最大化する体制を構築します。これらの施策は互いに連携することで、短期の収益改善だけでなく、安定したキャッシュ・フローと長期的な企業価値の持続的向上を実現します。株主の皆様には、進捗を定期的に開示し、透明性と説明責任を確保することで、改革の実効性と当社の成長力に対する信頼を深めてまいります。

 

(4)中期経営計画「Mission G-final」の概要

当社グループは、2019年に10年後の経営ビジョンとして“世界中で認められ、求められる「モノづくりソリューショングループ」を目指す”を掲げ、これまで事業シナジーの創出や資本コスト経営を重視した事業活動に取り組んでまいりました。

2026年度から新たにスタートした「Mission G-final」では、最終目標の2028年度営業利益60億円の達成を現実のものとするべく、4つの成長戦略を統合的に推進し、収益力の源泉を創出する基盤を築いてまいります。

 

 

[2028年の目指す姿]

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「Mission G-final」では、「モノづくりソリューショングループの完成形、そして創造と革新の新境地へ」を戦略テーマとし、以下の施策を実施していきます。

 

① 事業および製品のポートフォリオ改革

 ポートフォリオ改革は、長期的な収益性と成長性を両立させる核となる施策です。高機能・高付加価値製品を中心に据え、不採算領域の整理とラインアップの最適化を進めます。市場ニーズを先取りする設計革新と技術進化を組み合わせ、製品ライフサイクルを戦略的に運用する体制を構築します。投入・撤退の判断基準は投資効果と市場適合性の双方で一体評価することで、価値創出と安定収益の両立を実現します。

 

② 環境・社会のソリューション事業

 環境・社会のソリューション事業は、脱炭素と資源循環の実現を軸に新たな収益源を切り開きます。共同研究の事業化を加速し、顧客のコスト削減と規制適合を同時に達成していきます。投資効果の客観的測定・公開を徹底することで、信頼性と競争力を高めるソリューションを拡大します。

 

③ 働きがいと働きやすさの両立による人財力最大化

 働きがいと働きやすさの両立は、組織の持続力を支える要です。柔軟性を尊重しつつ、育成機会と評価制度を見直し、現場と経営を近づける連携体制を強化します。人財の成長が生産性と組織力の源泉となる体制を築き、継続的な学習機会の提供と評価・報酬のリンク強化を通じて、個人のキャリア成長と組織の競争力を高めます。

 

④ 高効率、高収益の戦略投資

 高効率・高収益に限定した戦略投資は、資本効率の徹底的な改善を狙う最重要施策です。投資判断の基準を厳格化し、投資効果優先で資本配分を最適化していきます。低採算案件の縮小・撤退を迅速化し、デジタル化・自動化投資を優先して生産性と利幅を高め、安定したキャッシュ・フローの創出を実現します。

 

 

 最終ステージとなる「Mission G-final」では、Gの意味するGroup’s・Global・Growthを継承し、イノベーション推進を事業活動の基本方針として位置づけ、4つの成長戦略を柱に、収益性の向上を最優先とした取組みを推進いたします。

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中期経営計画「Mission G-final」の詳細は、

当社ウェブサイト https://www.nittoseiko.co.jp/ir/ir_keieihoushin.html をご覧ください。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社は地域の雇用創出、産業振興を目的として創業し、社是「我らの信条」のもと創業の地・京都府綾部市よりモノづくりを通じて世界中のお客さまの課題の解決に貢献してきました。2019年には当社にとってのマテリアリティ(重要課題)を特定し、それに基づき中期経営計画の戦略テーマを策定しています。会社の持続的な成長および持続可能な社会の実現のため、サステナビリティ委員会を中心とした体制のもとサステナビリティ経営を推進しています。

 

(1)サステナビリティ共通

① ガバナンス

<サステナビリティ推進体制>

 サステナビリティ委員会は、取締役会による監督のもと、代表取締役社長を委員長とし、社外取締役を含む取締役で構成しております。原則年2回開催し、サステナビリティに関わる取組の諮問機関として、関連する方針や目標の進捗管理・施策の審議等の機能を担っております。サステナビリティ委員会の事務局にはサステナビリティ推進室を置き、サステナビリティ委員会の監督のもと、6つの委員会が推進活動ごとに取組計画の立案・実行などの業務を執行しております。

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推進担当会議体

役割と取り組み

開発委員会

お客さま、市場のニーズを先見し、研究・開発に関する方針や計画の立案、管理を行う。

環境管理担当者会議

環境課題を把握し、当社が及ぼす影響や当社にできる改善を検討し、方針や計画の立案、管理を行う。

全社厚生委員会

地域の活性化、地域産業の発展、福利厚生に関する方針・計画の立案や機会の提供を行う。

全社人権推進委員会

ダイバーシティ、次世代育成、女性活躍推進、その他人権に関する方針や計画の立案、制度づくりを行う。

全社教育推進委員会

企業価値向上、人財育成につながる教育計画の立案、機会の提供を行う。

広報担当、財務担当

求められる財務情報、非財務情報を開示する。企業価値向上につながる情報を推進活動に展開する。

 

<役員報酬>

 当社は業績連動型株式報酬制度を導入しており、その中で指標の一つとしてESG目標(CO削減率)を定めております。中期経営計画「Mission G-final」<2026-2028年度>の目標達成度に応じポイントを付与し、当社が設定する信託を通じて当社株式が付与される業績連動型株式報酬としております。

 

 

② 戦略

<マテリアリティ>

 持続的な成長および持続可能な社会の実現のため、当社が存在する価値を改めて明確にするべく重要課題を抽出し、4つのマテリアリティ「お客さまとの共有」「環境共生」「地方創生」「人財育成」を特定し、重点的に取り組んでおります。これらのマテリアリティに基づき中期経営計画「Mission G-final」<2026-2028年度>において4つの戦略テーマを掲げ、サステナビリティ委員会を中心とした推進担当会議体の活動により事業運営の活性化および中期経営計画の達成を目指します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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<マテリアリティの特定プロセス>

1.社会的な課題の抽出:  環境課題・社会課題の中から、当社の企業活動への影響度が大きいものを抽出。

2.マテリアリティ案の作成:抽出した課題の中から、経営理念の関連性を考慮し社内のプロジェクトでマテリア リティ案を作成(ステークホルダーが求める企業活動についても調査)。

3.マテリアリティの特定: 常勤役員会で議論のうえ、マテリアリティを決議。

 

 

<理念体系図>

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③ リスク管理

 サステナビリティ委員会が監督する各推進活動においては、リスクマネジメント委員会と連携しています。リスクマネジメント委員会が各部門でリスクを抽出し、その発生頻度、影響度を評価したリスクカタログを作成し、サステナビリティ委員会と共有しています。

 

④ 指標と目標

 2026年からスタートした中期経営計画「Mission G-final」<2026-2028年度>において、前中期経営計画の戦略テーマを引き継ぎ、経営目標にサステナビリティ目標を組み込んで取組を推進します。

営業利益 60億円

 

成長戦略

指標

範囲

2028年目標

 

 

 

Growth#1

事業拡大戦略

売上高

連結

632億円

 

 

 

 

 

 

Growth #2

環境戦略

CO排出量削減率(2019年比)

連結

28%

 

 

 

廃棄量削減率(2019年比)

連結

41%

 

 

 

Growth #3

人財戦略

労働生産性増加率(2025年比)

連結

7.6%

 

 

 

エンゲージメント

連結

3.8p以上

 

 

 

Growth #4

財務戦略

ROIC

連結

8%以上

 

 

 

ROE

連結

9%以上

 

(2)気候変動

 当社は、社是「我らの信条」およびそれに宿る精神を示した「行動規範」に基づき行動し、持続可能な社会の実現に向けて地域や地球環境の課題に対して積極的に取り組みます。

 あらゆる業界のモノづくりに欠かせない「産業の塩」たる締結部品、締結技術を扱う企業として、環境に対する責任は大きいですが、それは同時に良い影響も大きく与えるチャンスがあると捉えています。当社の活動すべてが、社会やお客さまの環境課題と当社のモノづくりの環境課題の双方の解決につながる企業づくりに取り組んでいます。

 

① ガバナンス

 当社はサステナビリティ委員会の下部に環境管理担当者会議を置き、気候変動を含む環境全般に関する業務執行をしています。環境管理担当者会議は年2回開催し、方針・目標の立案や具体的施策の検討、ISO14001の管理体制に基づく内部監査の報告等を行っています。環境管理担当者会議での協議内容は最終的には常勤役員会で決定し、決定した内容はサステナビリティ委員会および取締役会で報告しています。

<環境マネジメント体制>

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② 戦略

 気候変動に関する戦略については、年1回各部署で低炭素経済への移行リスク、気候変動による物理的リスク及び気候変動緩和策・適応策による経営改革の機会を抽出し、環境管理担当者会議がそれらをステークホルダーにとっての重要度、会社にとっての影響度の両面で評価しています。その上で、中期経営計画「Mission G-final」<2026-2028年度>の「環境戦略」に気候変動に関する目標「CO削減」「廃棄量の削減」「ユーザーCO2削減貢献」を設定し、施策を展開しています。

 

<気候変動関連のリスクと機会>

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③ リスク管理

 当社はISO14001認証を取得しており、その環境マネジメント体制のもと、環境管理担当者会議を中心に気候変動関連を含む環境リスクを特定し、各部署が目標に沿った取組を進めています。各部署の進捗管理は社内指標NPIを活用することで進捗状況を可視化し、事業における環境への取組の推進と管理体制の強化を図っています。サステナビリティ委員会で検証した気候関連リスクはリスクマネジメント委員会と連携し評価、管理しています。

④ 指標と目標

 2050年のカーボンニュートラルを見据え、Scope1、2におけるCOの排出量を2035年には60%削減(2019年比)することを目指します。中期経営計画「Mission G-final」<2026-2028年度>では同排出量を2028年に28%削減(2019年比)することを目標に掲げ、施策を実行していきます。

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■主な実施予定施策

 中期経営計画「Mission G-final」<2026-2028年度>においては「省エネ」(設備の効率化・高断熱化・高気密化、工場再編、EV化推進)、「再エネ」(太陽光発電設置、再生可能エネルギー由来の電力の購入)によって、CO削減を図ります。

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(3)人的資本・多様性

 日東精工は人を「財」と考え、誰もがいきいきと働ける環境をつくることがマテリアリティ(重要課題)の一つであると考えています。将来に導く企業の知能と原動力の源は、他ならぬ「人」です。その力を最大限に引き出すために、「働きがい」、「働きやすさ」、「人財育成」の3つをバランスよく高め、従業員一人ひとりの力が組織全体の活力となって、持続可能な社会の実現に導く課題解決を実践していきます。

 

 

<人財戦略の体系図>

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① 戦略

 中期経営計画「Mission G-final」<2026-2028年度>の「人財戦略」に「労働生産性:従業員の付加価値創造・生産性向上・企業価値向上につながる能力」、「エンゲージメントスコア:従業員の自発性、仕事へのやりがい」を掲げ、それぞれ2028年までの目標数値を設定しています。活動の成果は労働生産性で確認し、3つの環境の充実度をエンゲージメントスコアで評価していきます。ベクトルとなる指標を明確にすることで、一つひとつ施策の方向性を揃えるとともに、評価を定量化しPDCAを実行しています。具体的な施策は、3つの側面(a.働きがい、b.働きやすさ、c.人財育成)から進めていきます。

 

a.働きがい

「成長×評価」をテーマに、稼ぎ力を生み出す「働きがい」改革の実行を通じて、個人の目標が会社の方針と連動していることが実感でき、何事にも挑戦できる環境と、結果に対する評価が明確な状態を目指します。

 

b.働きやすさ

「選択×公正」をテーマに、生産性の向上に繋がる「働きやすさ」の環境構築を通じて、心身ともに快適で、個人の能力が最大限発揮できる働き方が選択できる状態を目指します。

 

c.人財育成

「制度×教育」をテーマに、キャリアの可視化と学びの充実による課題解決プロ集団の育成を通じて、キャリアに応じた知識が習得でき、仕事と品格をバランスよく学び、期待と成長が実感できる状態を目指します。

 

<人財育成方針>

(i) 基本方針

「我らの信条」と中期経営計画「Mission G-final」<2026-2028年度>を遂行、達成できる人財を計画的に育成します。一人ひとりの能力を最大化し、エンゲージメントを向上することで強い組織を作り出します。事業戦略や組織目標の達成に貢献する知識とスキルを身に付けることで個々人の成長を促進します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ii) 重点施策

 

重点施策

具体的実施内容

1

自ら学び、教えあう風土の醸成

自発的な学びの機会の充実

eラーニング、Nライブラリィ(社内制作教育動画)の拡充

グループ各社への教育環境の共有化

2

労働生産性の向上

技術・技能伝承の推進

NUP改善活動(利益貢献に資する改善活動)の実施

業務効率性・労働生産性向上プログラムの実施

3

次世代リーダー・

グローバル人財の育成

経営者・管理者の計画的育成

女性リーダーの計画的育成

グローバル人財の計画的育成

4

イノベーションリーダーの育成

エキスパート養成プログラムの実施

他流試合、他社交流機会への参加

異業種交流会への参加

5

キャリアオーナーシップの推進

メンタリングの実施

キャリア研修プログラムの充実

キャリア面談の実施

<教育体系>

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(iii) 指標と目標

 中期経営計画「Mission G-final」<2026-2028年度>の「人財戦略」において「労働生産性」と「エンゲージメントスコア」を目標に掲げています。加えて、達成に向けて各社においてグループ目標の達成につなげるための個別の指標を設定しており、毎年目標に対する進捗度を評価することで施策の見直しを図っていきます。

<グループ全体の目標>

指標

対象範囲

2028年目標

労働生産性成長率

グループ全体

7.6%

エンゲージメント

グループ全体

3.8pt

従業員満足度

国内グループ

3.3pt

 

(4)人権尊重

 当社はグローバルに事業を展開しており、自社だけでなくサプライチェーンも含めた人権尊重の重要性を認識しています。当社はこれまで「行動規範」において人権尊重について謳い従業員教育を実施してきましたが、人権尊重の具体的な内容を明確にし、その範囲を外部ステークホルダーにも広げるため、2024年1月1日に「日東精工グループ人権方針」を制定しました。

 また、取引先に対しては、人権を含めた当社のサステナビリティ経営の考え方を理解していただくため、同日付で「お取引先さま向け 日東精工グループサステナブル調達ガイドライン」も制定し、取引先に対し順次周知を進めています。2025年1月には主要取引先に対しCSR調査を実施し、調査の結果課題のある項目については取引先との対話を通じて改善を促すことで、サプライチェーン全体で人権を含むESG課題への対応を進めていきます。

救済措置については、グループ内でハラスメントをはじめとする人権侵害の相談窓口の認知度を高めるための取組を推進しており、外部に向けては自社ウェブサイトに取引先向けの相談窓口を設けることで、実際に人権侵害が起こった場合に対応できる体制を整えています。

 

<人権推進体制>

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部会

役割と取り組み

人権推進統括部会

・人権推進の全体統括

・人権方針の策定・見直し、人権デューデリジェンスの実施、救済窓口の整備

・人権教育の推進

ダイバーシティ推進部会

・ダイバーシティに関する研究分析、推進計画策定および取組の実行

健康経営推進部会

・健康経営推進に関する研究分析、推進計画策定および取組の実行

サプライチェーン部会

・サプライチェーンの人権尊重への理解促進に関する計画策定および取組の実行

 

<人権デューデリジェンスの取り組みプロセス>

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3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年12月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経済状況等

 当社グループの製品に対する需要は、事業を展開している国或いは地域の経済状況と併せて、顧客である自動車関連業界、家電業界、精密機器業界、住宅関連業界等の業況・生産動向の影響を受けています。各販売地域での景気後退或いは主要顧客の需要減少や海外シフトの進行、国際的な貿易紛争や保護主義による関税の引き上げが、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、事業環境の変化に左右されない収益基盤の構築を目指しております。

(2)販売価格の下落

 当社グループは、国内外の市場において厳しい競争に晒され、常に販売価格の下落圧力を受けています。競争激化による販売価格の更なる下落は、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、価格低下に対して、高付加価値製品の開発による差別化、コスト削減等により利益の確保に努めております。

(3)部材調達価格の上昇

 当社グループの生産活動には、原材料、部品等の部材の時宜を得た調達が必要不可欠であります。部材の供給不足、調達価格の高騰は、当社グループの生産高のみならず利益率や価格競争力を低下させ、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、部品の共通化や複数購買化を進め、コストダウンに努めるとともに、吸収できない市況価格の変動については、競合他社の動向を踏まえ、適切な売価への反映を行っております。

(4)製品の品質と責任

 当社グループは、品質第一をモノづくりの基本とし、厳格な品質管理体制を構築しています。しかしながら、万一、当社グループの製品・サービスに欠陥等の問題が生じた場合には、当該問題から生じた損害について当社グループが責任を負う可能性があるとともに、当社グループの信頼性や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、ISO9001やIATF16949といった外部認証を取得し、開発・設計から生産に至るすべての段階において品質を造り込み、優れた製品・サービスを安定的に供給することができる体制の確立に取り組むとともに、調達先の品質管理についても徹底しております。

(5)海外事業活動と為替変動

 当社グループの海外事業は、アジアを中心に展開しており、事業展開をしている各国の文化、宗教、商慣習、社会資本の整備状況等の影響を受けるとともに、経済情勢、政治情勢および治安状態の悪化が、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 このような状況に対処するため、定期的に子会社との間で情報交換を行い、各社の経営状況の他、周辺環境の変化等についても積極的に情報の共有を図り、政情不安等の兆候の早期把握に努めております。

 また、為替変動が、当社グループの外貨建取引から発生する資産および負債、売上高等の円貨換算額が当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、ドル、タイバーツ等の主要通貨の変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等を行っております。

(6)知的財産権

 当社は、多数の知的財産権を保有しており、グループ各社において有効活用しておりますが、特定の地域では十分な保護が得られない可能性や知的財産権の対象が模倣される可能性があり、知的財産権が侵害されるリスクがあります。また、知的財産権に関する訴訟において当社グループが当事者となった場合、結果として損害賠償金等の支払が発生する可能性があり、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、知的財産部門が、特許や登録商標等の出願や維持業務を行うとともに、係争への対応に備えることで損失の最小化に努めております。

(7)法的規制等

 当社グループは、事業を展開している国或いは地域において、事業・投資の許可、貿易・関税、知的財産権等に関する様々な規制の適用を受けています。また、当社グループの事業活動は、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染等の環境汚染の防止、地球温暖化物質、有害物質の使用削減および廃棄物処理等に係る環境関連法令、労働安全衛生関連法令に従っております。

 当社グループが、これらの規制を遵守できなかった場合、事業活動が制限されるとともに、これらに係る費用や補償が当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、効率的で健全な経営にはコンプライアンスが不可欠であると認識し、企業活動の基本指針として制定した「企業倫理綱領」に基づいた行動実践に努めております。また、企業倫理に反する行為やグループのブランド価値を著しく損ねる行為を予防し早期発見・是正するために、内部通報窓口を設けております。

 さらに環境保全への取り組みを企業経営の最優先事項の一つとして位置づけ、主要な工場においては、環境管理や監視体制の強化、産業廃棄物管理の徹底のため、ISO14001の認証を取得して問題発生の抑制に努めております。

(8)有利子負債

 当社グループは、金融機関からの借入により運転資金を調達しております。急激かつ大幅な金利上昇等の金融環境の悪化が、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 このような状況に対処するため、当社グループは、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の余剰資金を最優先に活用することで、有利子負債の圧縮に努め財務体質の強化を図っております。

(9)投資有価証券の減損処理

 当社グループは、投資有価証券を保有していますが、そのうち市場価格のない株式等以外については、時価が著しく下落し、かつ回復する見込みがないと判定した場合に、市場価格のない株式等については、その実質価額が取得価額に比べ著しく下落し、かつ回復する見込みがないと判定した場合には、減損処理を行うこととなり、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 このような状況に対処するため、保有株式の有効性評価を定期的に行い、取締役会にて必要可否を判断し、不要と判断された株式の速やかな処分を行うこととしております。

(10)固定資産の減損会計適用

 当社グループは、固定資産を保有していますが、固定資産の減損に係る会計基準の対象となる資産または資産グループについて減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産または資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額することとなり、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11)M&A

 当社グループは、事業の拡大を図るために、M&Aを重要な経営戦略の一つとして積極的に活用しております。M&Aにあたっては、対象企業の財務・税務・法務等について事前にデューデリジェンスを実施し、リスクを吟味し収益力を分析したうえで決定しておりますが、対象企業における偶発債務の発生や、当初の事業計画との乖離等により、想定したシナジーや事業拡大の成果が得られなかった場合は、のれんの減損損失が発生する可能性があります。

 このような状況に対処するため、当社グループは、買収先企業については、取締役会および経営会議等で定期的にモニタリングし、監督機能を強化することにより、リスクの低減に努めております。

(12)退職給付債務

 当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されています。しかし、実際の結果が前提条件と異なる場合、前提条件が変更された場合、または年金資産の運用利回りが低下した場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。一層の割引率の低下や運用利回りの悪化などが起こった場合、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13)自然災害、戦争、テロ等

 当社グループは日本、アジア、北米および欧州に製造、販売等の拠点を設け事業を展開しています。

 これらの国或いは地域において、地震、火災、台風、洪水、戦争、テロ行為、感染症等が発生した場合、当社グループの製造ライン・情報システムの機能マヒやサプライチェーンの混乱に伴い、生産・出荷が停止し、業績および財政状態に甚大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、防災体制の構築と事業継続能力の強化をはかるため、社内防災組織を編成し、訓練等を実施しており、耐震対策等の取り組みも行っております。また、重要な事業を継続あるいは早期復旧を果たし影響を最小限にするため、事業継続計画(BCP)の整備などによる対策を講じております。

(14)気候変動

 当社グループは、気候変動の重要性を認識しており、気候変動の移行リスク(政策・法規制リスク、市場リスク、社会リスク)と物理的リスク(短期的リスク、長期的リスク)は当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 移行リスクのうち、政策・法規制リスクとしては、炭素税の賦課やサーキュラーエコノミーに伴う法規制などが挙げられます。また、市場リスクとしては、原材料コストの上昇およびエネルギー調整コストの増加、社会リスクとしては、マーケットの気候変動への対応要求事項の増加が想定されます。

 物理的リスクのうち、短期的リスクとしては、自然災害の激甚化により、生産現場や生産設備、物流インフラが甚大な被害を受けた場合、生産や出荷が長期間にわたり停止する可能性があります。また、長期的リスクとしては、夏季の気温上昇に伴う電力コストの増加、平均気温上昇、気象パターンの変化による労働環境の悪化などが挙げられます。

(15)情報セキュリティについて

 当社グループは事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報および機密情報、また、当社グループの個人情報や機密情報を有しています。これらの情報に対するシステムのセキュリティ対策および監視体制ならびにリスクマネジメント体制の強化を推進しております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入等により、万一これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や被害を受けた方への損害賠償等の多額の費用が発生し、業績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、年々多様化かつ巧妙化するサイバーセキュリティ上の脅威への対策として、情報システム部門が中心となり、情報セキュリティレベルを向上するための取り組みを進めております。サイバーセキュリティの脅威に対する技術的な対策に加え、入社時および定期的に個人情報・機密情報の取扱いに関する研修を行う等、従業員の情報セキュリティに対する意識レベルの向上に努めております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、米国の関税政策を背景に、対米輸出が一部業種において影響を受けました。一方で、同政策を起点とした供給網の再編が進み、ASEAN諸国を経由する取引の増加など、需給構成に変化が見られました。わが国経済においても、関税や貿易摩擦への懸念に加え、中国・欧州経済に起因する海外需要の減速、ならびに地政学リスクを背景とした供給制約等による資源価格の高止まりの影響を受け、製造業を中心に回復力は弱く、景気は緩やかな持ち直しにとどまりました。

このような経営環境において、当社グループは中期経営計画「Mission G-second(2023年~2025年)」に基づく事業拡大戦略を推進しました。ファスナー事業では、インドのVULCANグループの子会社化を実施するとともに、精密ねじの量産対応に取り組みました。産機事業では、インド市場への展開を強化するとともに、海外市場の取り込みを強化しました。制御事業では、さまざまな市場の需要に対応したほか、有機溶剤リサイクル装置の開発にも着手するなど、日東精工グループの総合力を結集して、幅広い業界での多様なニーズに貢献すべく取り組みを推進しました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ20億6千8百万円増加し、576億7千3百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3億4千2百万円減少し、166億7千万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ24億1千万円増加し、410億2百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は502億3千8百万円(前期比6.7%増)、営業利益は34億3千1百万円(前期比3.2%増)、経常利益は34億9百万円(前期比4.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億5千2百万円(前期比2.2%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

<ファスナー事業>

当事業につきましては、主要取引先である自動車関連業界では引き続きCASE関連におけるADAS(先進運転支援システム)向けを中心とした製品の需要が増加しました。また、生成AIの利用拡大に伴うデータセンター向け需要や、ゲーム機向けの精密ねじ需要も継続し、売上・利益の伸長に大きく貢献しました。さらに、車載バッテリー向け異種金属接合の「アクローズ」や軽量・薄板化に貢献する「ジョイスタッド」の展開を推進したほか、軽量化による部材変更において「ギザタイト」の需要が拡大しました。

このような状況のもと、高付加価値製品の拡販や高難易度品へのチャレンジを推進しているほか、工場の集約化による運搬コストや電力量の削減を図り利益率の改善に取り組みました。

この結果、売上高は371億3百万円(前期比10.2%増)、営業利益は22億7千1百万円(前期比38.8%増)となりました。

<産機事業>

当事業につきましては、主な需要先である自動車関連業界では、設備投資の延期や様子見が続く中、CASE関連製品の生産ライン向け自動ねじ締め機を中心に一定の受注を確保したほか、エネルギー関連の売上が増加となりました。また、インドでの自動化需要が急速に拡大したほか、海外の一部地域で需要拡大がみられ、売上減少を抑制する要因となりました。一方で、米国関税政策の影響については、後半に回復の動きが見られたものの、年間を通じて市況低迷の影響を受け、売上・利益ともに前年同期を下回りました。

このような状況のもと、EU市場での拡販を推進するべく、現地パートナー企業と連携してCE規格対応製品の拡充を進めるとともに、グループ連携による海外仕様製品の拡充にも取り組み、海外市場の取り込みへ向けた活動を強化しました。

この結果、売上高は62億7千4百万円(前期比5.5%減)、営業利益は7億6千万円(前期比33.4%減)となりました。

<制御事業>

 当事業につきましては、流量計は、船舶向けおよび生成AI需要の拡大に伴うデータセンター向け受注が引き続き堅調に推移したほか、食品衛生法改正による更新需要も取り込み、売上の維持に貢献しました。地盤調査機「ジオカルテ」は、更新需要が徐々に加速し売上が伸長しました。分析装置については、PFAS(有機フッ素化合物)のスクリーニング分析用自動試料燃焼装置の高い需要が欧州を中心に継続しています。

このような状況のもと、環境関連分野では、有機溶剤リサイクル装置の開発を推進したほか、産学連携によるPFAS分解技術の実用化に向けた装置の共同研究を開始するなど、新製品の開発に向けた取り組みを新たに進めました。

この結果、売上高は67億1千4百万円(前期比0.4%減)、営業利益は5億3百万円(前期比24.7%減)となりました。

<メディカル事業>

当事業につきましては、ターゲット市場である医療業界では、医師不足の解消に向けて、医療機関の運営効率化やAI診断、手術用ロボットの活用など、多様な医療ニーズが高まっています。

このような状況のもと、患者や医療従事者の負担軽減につながる「医療用生体内溶解性高純度マグネシウム材料」については、製品化に向けた準備を進めました。今期はISO13485の認証を取得し、医療機器の製造販売に関わる体制を強化しました。さらに、新たな医療用機器製造の受注を獲得し、売上の伸長に寄与しました。加えて、前期と同様に製品ポートフォリオの再編に伴い、売上は前年同期を上回りました。

この結果、売上高は1億4千5百万円(前期比638.4%増)、営業損失は1億3百万円(前期は営業損失1億2千万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1億7千4百万円減少し、94億3千万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金は、29億3千万円の収入(前期は37億7百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益35億7千4百万円に加え、減価償却費14億6千万円や売上債権の減少12億2千8百万円などによる資金の増加があった一方、仕入債務の減少20億6百万円や法人税等の支払10億9千9百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金は、27億3千2百万円の支出(前期は8億9千9百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入3億8千9百万円や定期預金の払戻による収入2億8千4百万円などによる資金の増加があった一方、有形固定資産の取得による支出17億4千4百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得15億6千5百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金は、4億2千3百万円の支出(前期は14億2千6百万円の支出)となりました。これは主に、借入金の借入9億3千8百万円などによる資金の増加があった一方、配当金の支払7億3千7百万円や借入金の返済5億5千1百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

(注)「(a)生産実績」及び「(b)受注実績」における金額は販売価格によっております。

(a)生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

金額(千円)

前期比(%)

ファスナー

29,730,995

113.3

産機

5,480,751

98.8

制御

7,796,538

98.9

メディカル

127,243

1,138.8

合計

43,135,529

108.7

 

(b)受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

ファスナー

37,393,670

110.9

4,251,745

107.3

産機

5,082,442

70.8

1,242,293

51.0

制御

6,630,446

109.5

1,133,676

93.1

メディカル

152,004

491.0

17,282

154.3

合計

49,258,563

104.8

6,644,997

87.2

 

(c)販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

金額(千円)

前期比(%)

ファスナー

37,103,355

110.2

産機

6,274,432

94.5

制御

6,714,476

99.6

メディカル

145,922

738.4

合計

50,238,187

106.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

 当連結会計年度における資産の残高は、退職給付に係る資産が9億9千2百万円、土地が7億8千9百万円、原材料及び貯蔵品が7億6千4百万円増加した一方で、電子記録債権が7億7千7百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ20億6千8百万円増加し、576億7千3百万円(前期比3.7%増)となりました。

(負債)

 当連結会計年度における負債の残高は、長期借入金が7億2千7百万円増加した一方で、電子記録債務が12億8千8百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ3億4千2百万円減少し、166億7千万円(前期比2.0%減)となりました。

(純資産)

 当連結会計年度における純資産の残高は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等に伴う利益剰余金の増加14億1千5百万円や退職給付に係る調整累計額が6億1千万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ24億1千万円増加し、410億2百万円(前期比6.2%増)となりました。

 

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、ファスナー事業のゲーム機向け用精密ねじや国内自動車向けCASE関連製品が好調に推移するとともに、M&Aによる連結子会社の増加などもあり、502億3千8百万円(前期比6.7%増)と過去最高額を計上しました。

(営業利益)

 M&A関連費用の計上で販売費および一般管理費が増加した一方、調達先の見直しや金型改善などによる製造コストの低減により、34億3千1百万円(前期比3.2%増)となりました。

(経常利益)

 金利上昇に伴う支払利息の増加や為替差損6千7百万円の計上などにより、34億9百万円(前期比4.6%減)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 固定資産売却益1億6千4百万円や投資有価証券売却益1億9千6百万円を計上した一方、固定資産売却損9千6百万円や投資有価証券評価損6千6百万円計上したことなどにより、21億5千2百万円(前期比2.2%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 a.資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料および部品の購入費や製造経費のほか、販売費および一般管理費等であります。また、投資を目的とした資金需要は、主にM&Aおよび建物や機械装置等の生産設備の投資であります。

 b.財務政策

 当社グループは、運転資金および投資資金については、内部資金または借入により資金調達することにしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備など長期資金につきましては、長期借入金で調達しております。前連結会計年度より、グループ会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。

 当連結会計年度末において、取引銀行1行と10億円の貸出コミットメントライン契約(借入実行残高10億円、借入未実行残高0円)を、また、取引銀行13行との間で合計45億9百万円の当座貸越契約(借入実行残高4億7千2百万円、借入未実行残高40億3千6百万円)を締結しております。

 

③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

 2025年2月7日に公表いたしました当連結会計年度の当初業績予想に対しては、売上高は0.3%増、営業利益は4.7%減、営業利益率は6.8%(業績予想は7.2%)となりました。

 新中期経営計画「Mission G-final」の初年度となる2026年は、グループ横断のイノベーションを基盤とし、市場変化にも柔軟に対応する組織運営、ESG推進を進め、安定と成長を両立する新たなグループ像をつくってまいります。初年度を「改革の年」と位置づけ、収益力強化と資本効率の改善を確実に進め、4つの成長戦略とともに2028年度の営業利益60億円の目標達成を目指します。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行い、提出日現在において判断したものであり、将来に関しては不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

 当社は、次のとおり契約を締結しております。

契約会社名

CONTI FASTENERS A.G.

契約内容

タップタイトねじ等の製造、販売の実施権

契約期間

2009年9月1日から1年間、以後1年ごとの自動更新

技術導入料

上記製品販売高の一定率

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、工業用ファスナーおよび工具類、産業用機械および精密組付機器、計測制御機器および地盤調査機器、医療機器分野等の事業活動を展開しております。これらを支援する研究開発活動は、主として当社の研究開発部と事業部門(ファスナー事業部門、産機事業部門、制御システム事業部門、メディカル事業部門)が互いに連携協力し、研究開発テーマの技術内容、開発期間等の視点から、研究開発活動の分業を行い、それぞれの部門の固有技術を生かした技術および製品の研究開発を行っており、当連結会計年度における研究開発費の総額は、845百万円であります。

 セグメントの研究開発活動の状況は、次のとおりであります。

(1)ファスナー事業

 ゆるみ止め効果はそのままで、疲労強度を有した新型樹脂用緩み止めねじや嚙み込み不具合を解消する締結システム、環境負荷の低減に貢献する熱処理の工程を廃止したねじの開発に取り組みました。当事業に係る研究開発費は、81百万円であります。

(2)産機事業

 ねじ締め時の推力を最小限に抑えることで、ワークへの負荷軽減と焼き付きなどのねじ締め不良の低減に貢献するとともに、推力制御の高度化によりサイクルタイムの短縮を実現した単軸自動ねじ締め機「FEEDMAT FM513シリーズ」の超低推力モデルを市場投入するとともに、新型ねじ締めドライバや超低推力を有したねじ締めロボットの開発に取り組みました。当事業に係る研究開発費は、108百万円であります。

(3)制御事業

 食品衛生法に対応した流量計、セラミック分離膜を用いた有機溶剤リサイクル装置の開発や、ジオカルテ関連では、試験時間の短縮化や地盤状況が把握できるグラフ表示などソフト改良に取り組みました。また、分析機器関連では、液体、気体の燃焼分解からハロゲン、硫黄等の分析を全自動でおこなう自動試料燃焼装置の新モデル「AQF-5000V」、ならびに微量水分測定装置「CA/KF-51」を市場投入しました。また、PFASスクリーニング分析関連技術、リチウムイオンバッテリー用材料の抵抗率測定技術等の開発に取り組みました。当事業に係る研究開発費は、460百万円であります。

(4)メディカル事業

 生体内で溶解吸収される期間を制御できる「医療用生体内溶解性高純度マグネシウム」を用いた医療用インプラント製品の開発に取り組みました。当事業に係る研究開発費は、78百万円であります。

(5)全社(共通)

 研究開発部では、シリカ系分離膜管製造装置や圧転造機用検査装置の開発、環境技術製品の研究および開発、ねじ締め評価技術の研究等に取り組みました。なお、研究開発費については、特定のセグメントに区分できない基礎的研究費が117百万円あります。