文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。なお、当社グループの経営環境については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照ください。
(1)経営方針
当社グループは未曾有の世界的コロナパンデミックを乗り越え、改めて自分たちの存在意義、あるべき姿を再考し、2022年に「ホスピタリティ業界にイノベーションを起こし 日本を躍動させる」というPURPOSEを新たに制定いたしました。1998年の創業以来、当社グループは既存のウェディング業界にハウスウェディングという新しい価値を生み出し、市場を創出してきました。次は、ホテル業界にイノベーションを起こし、ブティックホテル市場という新たな市場の創出を目標に掲げております。ホテル事業を新たな成長領域として推進することで、日本の観光産業活性化に寄与し、持続的な企業価値の向上を目指しております。また、その過程において、気候変動や少子高齢化の進行など、企業を取り巻く社会状況が大きく変化する中で、永続的に社会に価値提供を続け、企業として成長を続けていくために、地球環境問題や社会課題への対応を経営や事業戦略に包括したサステナビリティ経営を目指しております。
(2)経営戦略
当社グループは、2022年に公表した長期経営方針において、既存のウェディング事業に加え、ホテル事業を第2の柱と位置付け、日本におけるブティックホテル市場の創出を目指す方針を掲げております。
しかしながら、当該方針公表以降、新型コロナウイルス感染症の影響を契機として、国内外の人流動向、消費行動、婚礼ニーズ、観光需要等、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化いたしました。当社は、こうした環境変化を的確に捉え、持続的な成長を実現するため、長期経営方針の方向性を維持しつつも、戦略の軌道修正を進めております。具体的な戦略内容につきましては、今期中に改めて開示する予定であります。
ウェディング事業を取り巻く環境は、少子高齢化の進行に伴う婚姻件数の減少に加え、競合環境の変化や地域ごとの市場特性の違いにより、地域間で市場環境の格差が拡大しております。このような状況を踏まえ、当社グループは、従来の全国一律型の戦略から、地域特性に応じた最適戦略へと転換を図ってまいります。具体的には、各地域の人口動態、競争状況、顧客ニーズを精緻に分析し、婚礼ニーズの多様化・変化を的確に捉えることで、従来型の婚礼モデルにとどまらない未開拓分野への進出を推進し、新市場の取り込みを通じて婚礼市場におけるシェア拡大を図るなど、高品質な婚礼と高い事業運営力を基盤に、収益性と成長性を両立したウェディング事業を推進する方針であります。
ホテル事業においては、「TRUNK」ブランドの世界観及びブランド与件に合致する物件が限定的であることから、当初想定していたペースでの開発が進まない状況にあります。この課題に対応するため、ブランドポートフォリオの拡張を通じて出店与件の幅を広げるとともに、出店スキームの多様化を図り、安定的なホテル開発の推進及び収益基盤の拡充を目指してまいります。
国内ウェディング事業の取り組み
・ 店舗再編:戦略的な統廃合による事業効率の向上
・ リニューアル投資:更なる成長が見込まれる店舗を中心とした売上拡大
・ コンサルティング事業の推進:婚礼運営受託を通じた収益機会の拡大
・ M&Aの推進:主要都市圏における店舗ネットワークの拡充
・ 市場環境の変化に応じた事業ポートフォリオの拡充:
多様化するニーズに対応したカジュアルウェディング及びインバウンドウェディングへの展開
・ 広告戦略の再構築:オウンドメディアを軸とした戦略的メディアMIXの推進・高度化
ホテル事業の取り組み
・ 2027年12月期、2028年12月期開業予定の3ホテルは売上規模140億円を見込む
・ 中長期的な成長を見据え、利用シーン、立地特性、ターゲット層を踏まえた新たなホテルブランド展開を検討
・ 引き続き国内外のホテル開発案件獲得に向けプロモーション活動を推進
・ 2035年までの開業を見据え、LOI締結済み及び契約確度の高い案件を複数確保。パイプラインの総額は取扱高100億円超の規模となる見通し
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
婚礼業界における当社グループを取り巻く事業環境は、少子高齢化の進行に伴う婚姻件数の中長期的減少に加え、結婚式の実施形態の多様化、挙式規模の縮小傾向、フォトウェディング等の簡略型サービスの拡大、価格志向の高まりなど、構造的な市場変化が進行しております。さらに、人材確保の難易度上昇、賃金水準の上昇、食材・エネルギー価格の高騰等によるコスト上昇圧力も継続しており、事業環境は依然として不透明な状況にあります。
このような経営環境のもと、当社グループは、2026年12月期において売上高47,840百万円、営業利益1,240百万円を計画しております。業界動向に反して当社の婚礼単価は継続的に上昇しており、広告投資の積極化を背景に受注動向も堅調に推移していることから、直営店の婚礼施行件数は通期で9,230件を見込んでおります。一方で、持続的な成長の実現に向けては、以下の事項を優先的に対処すべき課題と認識しております。
① 店舗ポートフォリオの見直しと収益基盤の強化
地域ごとの市場環境格差が拡大する中、安定的に収益を確保できる強靭な店舗体制の構築が重要課題であります。当社は、各店舗の収益性及び将来性を精査し、リニューアルや戦略的な店舗の統廃合を含む店舗ポートフォリオの最適化を進めてまいります。
② 広告投資の高度化と集客効率の向上
広告宣伝費は年々増加傾向にあり、投資効率の最大化が重要課題であります。当社は、地域特性に応じた最適なメディアMIXを構築するとともに、特に公式WEBサイト等のオウンドメディアを活用した集客施策を強化し、媒体構成の見直しを進めてまいります。外部媒体への依存度を適切に管理しつつ、デジタルマーケティングの高度化により、安定的かつ効率的な受注基盤を確立してまいります。
③ 婚礼単価の持続的上昇
市場全体の件数減少リスクに対応するため、顧客満足度の向上及び付加価値商品の開発を通じ、婚礼単価の持続的な向上を図ることが重要であります。料飲、装花、衣装等の商品力強化及び効果的な販売促進施策の実行により、婚礼単価の持続的上昇と利益率の改善を両立させてまいります。
④ ホテル開業準備の本格化
中長期成長戦略の柱であるホテル事業については、2027年札幌、2028年道玄坂及び神戸での開業を予定しております。2026年12月期においては、札幌ホテルの開業準備室を設置し、婚礼予約受付の開始、スタッフ採用及び教育体制の構築など、円滑な立ち上げに向けた体制整備を進めてまいります。
一方で、ホテル開発は多額の投資を伴うため、投資回収リスク、開業遅延リスク、需給環境変動リスク等を十分に精査し、資本効率及び財務健全性を維持しながら推進することが重要であります。当社は、出店スキームの多様化や資金調達手法の最適化を図り、財務規律を確保しつつ成長投資を実行してまいります。
当社グループは、気候関連を含むサステナビリティ課題について、「リスク管理委員会」と「サステナビリティ推進室」が連携しながら審議・施策の精査を行っております。
サステナビリティ推進室では、グループ全体の事業活動を通じて持続的な社会の実現に貢献することを目的として、サステナビリティに関連する計画の策定、重要課題への取組推進及び進捗のモニタリングを行っております。同推進室での検討内容はリスク管理委員会に共有され、同委員会において事業活動に伴い想定されるサステナビリティ上のリスクを抽出・評価及び対応方針の審議を行い、必要な対策の検討及び推進を行っております。
また、リスク管理委員会での審議内容は、必要に応じて経営会議及び取締役会へ報告され、経営計画や全社的な方針策定に反映を図っております。

戦略
気候関連のリスク・機会が当社グループの事業活動にどのような影響を与えるかを把握するため「シナリオ分析」を実施しました。今後、当社はシナリオ分析の結果を戦略・方針策定に活かし、不確実性がある将来世界に対してレジリエンス性を強化するとともに、ステークホルダーとの対話を行いながら気候変動への取り組みを推進していきます。
(シナリオ分析)
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ及び連結子会社5社を対象とし、当社長期経営方針である「EVOL2030」目標年の2030年時点を想定して、シナリオ分析を実施しました。
○リスク重要度評価
気候関連のリスク・機会について、当社関連部署へのヒアリングやサステナビリティ推進室を中心としたワーキンググループでのディスカッションをふまえ、リスク・機会項目の列挙及び発生時の当社グループへの影響を定性的に考察しました。
結果、当社グループの事業に甚大な影響を及ぼすような項目は想定されなかったものの、気候変動に起因する物理的なリスクは、事業に大きな影響を及ぼす可能性があると判断されました。また、今後、脱炭素社会への移行に伴った消費者行動の変化により、従来から取り組みを続けていたサステナビリティ要素を組み込んだサービス・商品の展開が、売上拡大に繋がることを機会項目として特定しております。
■想定されたリスク項目

■想定された機会項目

○対応策の定義
先述したように、今回のシナリオ分析では当社グループの経営に甚大な影響を及ぼす影響は想定されなかったものの、気候関連リスクを最小限に留め、かつ、収益機会を伸ばすために、特定されたリスク・機会について、当社グループの戦略及び対応の方向性を検討しました。
対応すべき事項は主に4つのカテゴリーに分かれており、当社グループでは各カテゴリーについて、以下のように取り組みを整理するとともに、当社グループの持続的な成長及び持続的な社会の実現に向け、更なる取り組みを推進していきます。

当社グループは気候関連リスクについて、「サステナビリティ推進室」と「リスク管理委員会」が連携し、リスクの識別・評価・管理を行っています。サステナビリティ推進室では、潜在的もしくは顕在化している気候関連リスクを各部門から抽出するとともに、定性・定量の両面から評価を行っています。
また、サステナビリティ推進室にて識別・評価された気候関連リスクは、全社的なリスク管理を統括するリスク管理委員会に報告され、同委員会ではグループ全体で起こり得るその他リスクと気候関連リスクを相対的に評価し、当社グループの事業活動に重大な影響をもたらす「重要リスク」の絞り込みを行っています。気候関連の重要リスクについては、サステナビリティ推進室およびリスク管理委員会が対応策を協議・決定するとともに、その進捗をモニタリングし、適宜取締役会にも報告を行っています。
気候変動リスク対応において、温室効果ガス排出量の削減が重要であると認識しており、気候変動への緩和と適応の取り組みを進めております。また、パリ協定で定められた日本政府の削減目標及び日本政府が産業界別に定めた方針に合わせた温室効果ガス排出量削減目標を設定しております。
グループ全体の温室効果ガス排出量削減目標は、2030年までに、Scope1+Scope2を2022年3月期比で50%削減とし、2050年までには、温室効果ガス排出量削減の最大化と、吸収・除去と併せた実質ゼロにすることを目標としております。目標達成に向けて、事業活動で消費する電力に関して、再生可能エネルギーからの調達を積極的に推進してまいります。また、Scope3についても、今後集計の精緻化を図るとともに目標設定に向けて取り組んでまいります。
※スコープ1、2の排出量の指標・目標と実績は以下のとおりであります。今後、事業環境の変化や政府提言等に沿い、目標の更新も行ってまいります。
人的資本に関する人材の方針と取組み
「ホスピタリティ業界にイノベーションを起こし 日本を躍動させる」というPURPOSEを掲げる当社グループにとって、ホスピタリティの源泉である人財は、最大の経営資本です。特に、当社グループの経営戦略は、常に新しい市場を創るという思想が根幹にあります。ウェディング業界に新しいサービスを投じ、ハウスウェディング市場を創ったT&Gグループが、今新たに取り組んでいる長期経営方針「EVOL2030」では、日本に欧米のようなブティックホテル市場を新たに創ろうとしております。
「EVOL2030」の戦略下で、当社グループでは以下3つの観点を重視して、人的資本経営を行っております。
① ダイバーシティ&インクルージョン
女性活用というような狭い概念ではなく、性別認識・国籍・働き方・障がいの有無・価値観等、多様な人財を受け入れ、それぞれの柔軟な発想の化学反応によって新しいサービスを生み出し、新しい市場を創るための原動力としております。
② 自律的なキャリア形成の支援
全員に機械的に年次に合わせた研修を行うというような画一的な教育思想ではなく、成長やキャリア設計において自主性を重視。トップダウンではなくボトムアップでアイディアが生まれる風土を作っております。
③ 働きがいのある環境の整備
①・②の前提として、社員が安心して働き、最大限のパフォーマンスが出せる環境の維持向上に努めております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
また、当社グループの事業等に関するリスクは本項に記載された事項に限定されるものではなく、本項に記載のない事項についても、将来において経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び顕在化した場合の適切な対応に努める方針であります。
(1)事業環境におけるリスク
① 少子化の影響について
当社は国内のウェディング事業を主軸に事業展開を行っておりますが、総務省統計局の調査等によれば、国内において少子化が進み、結婚適齢期に該当する男女の人口が減少傾向にあります。このため、中長期的には挙式・披露宴市場の縮小が懸念されております。
当社ではインバウンド向けウェディング事業への参入や店舗コンセプトの刷新等による新規需要の喚起を図ることで、市場縮小リスクへの対応を進めております。
しかしながら、今後市場の縮小が当社の想定を上回るペースで進んだ場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 婚礼様式のトレンドについて
当社は1998年の創業以来、ハウスウェディング市場の黎明期からその普及・拡大に貢献し、市場をリードしてまいりました。社会情勢、生活様式、世代別のニーズや各種トレンドの変化を踏まえたマーケティングにより婚礼様式の動向を把握し、新たな婚礼様式へ参入する等、トレンド変化への対応に努めております。
しかしながら、ハウスウェディングに代わる新たな婚礼様式が台頭する等、市場環境が大きく変化した場合、当社の対応が遅れることにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 季節変動について
一般的に挙式披露宴は春(3月~5月)、秋(9月~11月)に多く行われる傾向があり、当社の各会場においても同様の季節変動の影響を受けております。
当社はこの季節変動を考慮した計画策定を行っておりますが、景気動向の悪化や消費マインドの低下、競合環境の変化、天候不順、感染症の流行等何らかの理由により繁忙期の婚礼受注を計画どおりに獲得できなかった場合は、各会場の業績が大きく影響を受け、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 世界情勢の変化について
当社グループのホテル事業は、インバウンド(訪日外国人客)需要への依存度が高く、平常時の外国人宿泊客比率は約9割に達しております。戦争・紛争や感染症の流行等に起因する海外渡航制限、渡航自粛勧告、または人的交流を制限する外交的措置等が講じられた場合、外国人宿泊客数の急激な減少を招く恐れがあります。このような外部環境の激変により宿泊需要が停滞した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業運営上のリスク
① 事業にかかる各種法的規制について
当社グループが建設・運営する施設については、建築基準法、消防法及び下水道法の法令に加え、建築構造や建築地域にかかる排水・騒音対策等の各種条例による規制を受けております。
また、当社グループ事業においては、貸金業法、割賦販売法、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律、利息制限法、旅行業法、保険業法、特定商取引法、公衆浴場法、旅館業法、労働基準法等の規制を受けております。
当社は法令遵守の方針の下、これらの法的規制に従い事業を推進しておりますが、万が一、法的規制に抵触し、建築計画又は事業計画に関して行政当局等から是正措置を命じられた場合には、新規出店や店舗のリニューアル等を計画どおりに実施できない可能性があります。これにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 衛生管理について
当社グループは料飲商品を提供していることから、食品衛生法の規制対象となり、管轄保健所から営業許可を取得し、事業を行っております。
当社グループは料飲商品の安全性を特に重視し、食材の安定的な確保及び安全衛生管理の徹底に努めております。従業員への教育研修に加え、外部専門機関による衛生検査、検便検査、従業員への体調に関するヒアリング等を定期的に実施し、食品衛生管理体制の維持・遵守に取り組んでおります。
しかしながら、万が一、当社グループや当社グループ関連施設において食中毒等の衛生事故が発生した場合には、食品等の廃棄処分や、営業許可の取り消し、営業の禁止等の措置を命じられる可能性があります。これにより、金銭的な損失に加え、当社グループの社会的信用が低下すること等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 出店形態について
当社グループは、直営店の出店に際し、事業環境に応じて柔軟な出店が可能となるよう、事業用借地権、リースバック方式、不動産流動化スキーム等を適宜活用しております。各店舗の収益性や契約条件等を十分に考慮した上で契約を締結しておりますが、万が一、当社が想定していた運営期間よりも短期間で閉店せざるを得ない状況となった場合には、違約金等の支払いや固定資産の除却損等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 自然災害について
当社グループの設備や挙式・披露宴に影響を及ぼす大規模な自然災害の発生により長期間にわたり業務の中断を余儀なくされる等、想定を超える事態が生じた場合、保険等の補償が十分に受けられない可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 感染症その他の疫病
感染症その他の疫病の発生やまん延は、海外からの渡航規制や入国自粛による訪日外国人客の減少、または国内での不要不急の外出自粛や消費マインドの低下等、経済活動・社会活動の減速や停滞の要因となります。こうした経済活動・社会活動が制限される状況が長期に渡って続く場合には、業務の中断を余儀なくされる等、想定以上の事態が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 人材の確保・育成について
当社グループは、今後の事業展開において、人材の確保・育成が最も重要な課題の一つであると考えております。そのために当社グループでは人材採用活動を積極的に行う一方で、目標管理とその成果が適切に評価に反映される人事制度や手厚い教育研修制度を確立する等、優秀な人材育成と確保のための体制作りに注力しております。しかしながら、必要な人材が計画どおりに確保・育成できない場合には、各事業の業績拡大が計画どおりに進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 労務管理について
当社グループは、労働基準法をはじめとする関係法令を遵守し、労働時間や有給休暇の取得状況を適切に管理するなど、健全な労働環境の整備に努めております。また、労働衛生にも十分に配慮し、従業員が安心して働ける職場作りを推進しています。
しかしながら、万が一、当社グループにおいて、法令違反や労務管理の不備が生じた場合には、行政指導や制裁措置を受ける可能性があるほか、社会的信用の低下や人材確保・定着への悪影響が生じる恐れがあります。さらに、労働争議や訴訟等に発展した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 個人情報の取扱いについて
当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報あるいは機密情報を入手することがあります。これらの情報等については、個人情報保護法等の関連法令及び社内規程に基づき、厳格な管理体制を構築し、情報漏洩防止に努めております。しかしながら、サイバー攻撃や人的ミス、システム障害等、予期せぬ事態により情報漏洩等の事故が発生した場合には、社会的信用の低下や制裁措置を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 店舗設備について
当社グループが運営する婚礼施設やホテル、レストラン等店舗においては、建物及び附属設備を自社で所有又は賃借し、設備の安全性や機能性等に十分配慮した上で、経年劣化を考慮した修繕やリニューアル工事等を適宜実施しております。しかしながら、大規模な積雪や暴風雨など、従来の規模を上回る天候の変動や自然災害等により設備が損壊し、挙式・披露宴の施行や、ホテル、レストラン等の運営に必要な安全性、機能性が確保できなくなった場合には、挙式・披露宴の中止や営業の一時停止を余儀なくされる可能性があります。その結果、当社グループの社会的信用度の低下や損害賠償請求等の発生等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)財務面等に関するリスク
① 敷金保証金について
当社グループが運営する婚礼施設やホテル、レストラン等の店舗の一部はデベロッパー等からの賃借により運営しており、出店時には敷金保証金の差し入れを行っております。新規出店に際しては、与信管理を徹底するとともに、特定のデベロッパーへの出店が集中しないように配慮しております。しかしながら、賃借先の倒産等の事由により、敷金・保証金の全部又は一部が回収できなくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 有利子負債について
当社グループは、金融機関から、自己所有物件の取得・改修や子会社への投融資等を目的とした資金調達を行っております。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響による業績の悪化に伴い、追加の借入を実施した結果、有利子負債残高が大幅に増加しております。これらの借入金については、金融機関と合意した返済条件に従い、着実に返済を進めています。
各金融機関からは継続的な支援を受けており、当面の資金繰りに問題はないと判断しておりますが、今後の金融情勢の変動等により金利が大幅に上昇した場合には、支払利息の増加等当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 減損会計について
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損の測定等を実施しております。今後、保有資産から得られるキャッシュ・フローが悪化し、将来キャッシュ・フロー見込みの著しい低下等の事象が生じた場合には減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産について
当社グループは、「税効果会計に係る会計基準」に基づき、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上にあたっては、将来のタックスプランニングに基づき回収可能性を判断しております。しかしながら、将来の課税所得が当初の想定を下回った場合や、回収可能性の判断を見直す必要が生じた場合には、繰延税金資産の取り崩しを行う可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 建築コストの上昇について
当社グループは、長期経営方針においてホテル事業を成長戦略の柱として位置付けており、今後ホテルの出店を推進する方針です。しかしながら、建築コストが当社グループの想定を上回って上昇した場合、初期投資の負担増加やランニングコストの上昇を招く可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
当社は、2025年6月25日に開催された第27回定時株主総会において「定款一部変更の件」が承認されたことを受けて、2025年度より決算日を3月31日から12月31日に変更しております。決算期変更の経過期間となる当連結会計年度において当社及び当社の連結子会社は2025年4月1日から2025年12月31日の9か月間を連結対象期間とする変則的な決算となっております。このため、前年同期との比較分析は行っておりません。
当連結会計年度(2025年4月1日~2025年12月31日)におけるウェディング市場は、厚生労働省が公開している2025年10月の人口動態統計速報値によれば、2025年の婚姻組数が前年より約1万組増加しており、2024年を上回るペースで推移しているなど、緩やかな回復傾向を示しております。一方で、依然としてコロナ禍前の2019年(約60万組)には届かず、また初婚年齢の上昇や婚礼の多様化なども影響し、市場環境としては、なお慎重な対応が求められております。
また、ホテル市場においては、訪日外国人旅行者数がコロナ禍前を大きく上回る水準で推移しております。日本政府観光局(JNTO)による2025年の訪日外国人旅行者数(訪日外客数)についても前年同期比15.8%の増加となっており、引き続き堅調な動きを見せております。
このような事業環境の中、当社グループの主力である国内ウェディング事業において、引き続き婚礼単価は上昇したものの、主に昨年度実施した直営4店舗の戦略的再編の影響で売上高は35,709百万円に留まりました。利益面につきましては、来期以降も見据えた受注拡大を目的として、人材及び広告投資を積極化したことから、昨年度同時期を上回る水準で経費が増加し、営業利益は1,622百万円となりました。経常利益は借入金等の支払利息410百万円の支払い等があり1,214百万円となりました。特別損益においては、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき当社が運営する婚礼施設等の固定資産について、その収益性を保守的に評価した結果、当連結会計年度において特別損失として1,219百万円の減損損失を計上しました。従いまして、親会社株主に帰属する当期純損失は76百万円となりました。
当連結会計期間の業績結果は以下の通りであります。
(単位:百万円)
国内ウェディング事業
(ウェディング)
直営店婚礼(TRUNK含む)の婚礼施行件数は、昨年度において市場環境の変化に対応すべく、経営資源の最適活用を目的に直営4店舗6バンケットの統廃合を実施したこと、当第3四半期(10月~12月)の婚礼施行件数が想定を下回ったこと等により6,994組となりました。平均単価は、高価格帯の料理・ドリンク、アフターブーケ、装花・テーブルコーディネート等の付加価値の高い自社商品群の販売促進策が奏功し、婚礼単価を押し上げたことにより4,159千円となりました。また、他社運営の施設、シティホテル等におけるウェディング部門の業務受託(コンサルティング)が引き続き好調に推移し、取扱件数は1,988件と例年を上回る水準となりました。これらの結果、国内ウェディング事業の売上高は34,522百万円となりました。営業利益は、今後の受注拡大を目的とした人材及び広告等への投資を積極化したこと等により3,004百万円となりました。
当社は、近年の広告投資対効果の漸減に対し、前第1四半期より広告手法の最適化及び出稿量の適正化を図ってまいりました。しかしながら想定した効果を得られず、昨年度は問い合わせ及び受注数の減少を招く結果となりました。この影響が当第1四半期より顕在化しております。なお、当社は受注減少を受け、早期に対応すべく、前第2四半期より広告出稿を再度強化したことで、受注獲得につながる問い合わせ数は着実に増加傾向にあります。
さらに、当社では、これまで培ってきたウェディングビジネスのノウハウを最大限に活かし、付加価値の高いコンサルティングビジネスの拡大に積極的に取り組んでおります。2025年6月に三菱地所ホテルズ&リゾーツ株式会社と婚礼コンサルティング契約を締結したことに続き、2025年10月にはリーガロイヤルホテル京都を運営するRRH京都オペレーションズ合同会社と提携し、2026年1月より同ホテルの婚礼部門の営業を開始しました。また、同じく10月に香港の大手旅行会社「EGL Tours」とインバウンドウェディング領域で業務提携を行うとともに、大阪・中之島にカジュアルウェディング専門施設「UNWEDDING中之島」をオープンし、当社として新たにカジュアルウェディング事業にも参入いたしました。12月には株式会社エルフラットより名古屋にある2店舗を譲り受けました。
これらの取り組みにより、当社グループは既存事業のシェア増加を図るとともに、今までの枠を超えた新市場の開拓と事業領域の拡大を力強く推進しております。
(ホテル)
当社グループが運営する「TRUNK(HOTEL) CAT STREET」において、8月に戦略的プロモーションの一環として一部期間で宿泊利用を制限したこと、また「TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARK」で、当第1四半期にグレードアップ工事及び社員の働きやすい環境整備を目的としたバックスペース工事を実施したこと等により、一時的に稼働機会が減少しました。一方で、引き続き力強いインバウンド需要を背景に宿泊需要を取り込み、平均客室単価及び稼働率ともに高水準を維持しました。
その他事業
金融・クレジット事業においては、貸付残高が過去最高を記録し、さらには取引期間の長期化等で業績は好水準を維持しました。旅行事業においては、取扱組数は鈍化傾向にあるものの、売上単価上昇で売上高は例年を上回る水準で推移しました。その結果、売上高は1,186百万円、営業利益は356百万円となりました。
(単位:百万円)
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が46百万円となったことや事業譲受による支出、借入金の返済による支出等により、前連結会計年度末に比べ2,481百万円減少し、6,327百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
なお、当連結会計年度は、決算期変更に伴い、2025年4月1日から2025年12月31日の9か月間を連結対象期間とする変則的な決算としております。このため、前年同期の値については記載しておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,195百万円となりました。これは主に、減価償却費1,453百万円、減損損失1,219百万円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,042百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,078百万円、事業譲受による支出800百万円を計上したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は634百万円となりました。これは主に、配当金の支払額437百万円を計上したこと等によるものであります。
③ 財政状態の状況
当連結会計期間末における総資産は51,908百万円となり、前連結会計年度末と比較し1,332百万円の減少となりました。現金及び預金が2,487百万円減少したことが主な要因であります。
当連結会計期間末における負債は34,141百万円となり、前連結会計年度末と比較し888百万円の減少となりました。これは流動負債が1,105百万円増加した一方で、固定負債は1,994百万円減少したことによるものであります。主な増減要因は借入金の構成変動であり、短期借入金が2,250百万円増加し、長期借入金が2,043百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計期間末の純資産は、配当金の支払い等により利益剰余金が514百万円減少したこと等により、前連結会計年度末比で444百万円減少し、17,766百万円となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、婚礼施設及びホテル事業の運営に係る運転資金、既存施設の維持更新投資、ホテル開発・開業準備費用並びに有利子負債の返済であります。これらの資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により賄っております。
ホテル事業においては、一時的にML契約(賃貸借契約)に伴う開発及び開業に伴う初期費用が発生するものの、今後はMC契約(マネジメント契約)等を活用し、資産保有を抑制した効率的な事業スキームとすることを基本方針としております。
当社グループは、一定水準の現金及び預金残高を維持するとともに、資金繰り計画を適切に管理し、安定的な流動性の確保に努めております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たっては、決算日時点における資産・負債の計上額及び収益・費用の認識額に影響を与える各種の見積り及び仮定を用いております。
これらの見積りは、過去の実績や合理的と判断される前提条件に基づいて行っておりますが、将来の事業環境や経済情勢の変化等により不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。
特に、婚姻件数の中長期的な減少傾向、挙式規模や実施形態の多様化、競争環境の変化、人件費・食材価格・エネルギー価格の上昇等の影響は、将来の収益見通しに重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらの外部環境及び足元の受注動向等を総合的に勘案し、固定資産の減損損失の認識の要否判定、繰延税金資産の回収可能性の判断、資産除去債務の見積り等を行っております。
また、ホテル事業における新規開発案件については、将来の稼働率や平均客室単価、投資回収期間等に関する仮定を用いて事業計画を策定しており、これらの前提条件が変動した場合には、固定資産の評価や損益に影響を及ぼす可能性があります。
重要な会計上の見積りの内容及び当該見積りに用いた仮定の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
⑥ 仕入、受注及び販売の状況
当連結会計年度は、決算期変更に伴い、2025年4月1日から2025年12月31日の9か月間を連結対象期間とする変則的な決算としております。このため、前年同期との比較分析は行っておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. その他は、仕入実績がないため、記載しておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) その他は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載に馴染まないため、記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。