第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
回次
|
第17期
|
第18期
|
第19期
|
第20期
|
第21期
|
決算年月
|
2021年12月
|
2022年12月
|
2024年1月
|
2025年1月
|
2026年1月
|
売上高
|
(百万円)
|
29,966
|
45,100
|
48,043
|
31,047
|
3,630
|
経常利益又は 経常損失(△)
|
(百万円)
|
△3,411
|
8,294
|
4,600
|
△3,239
|
△11,412
|
親会社株主に帰属する当期純利益又は 親会社株主に帰属する当期純損失(△)
|
(百万円)
|
△2,943
|
4,413
|
939
|
△3,713
|
△12,465
|
包括利益
|
(百万円)
|
△1,789
|
13,820
|
11,540
|
2,429
|
△9,176
|
純資産額
|
(百万円)
|
50,433
|
113,264
|
123,797
|
49,674
|
40,933
|
総資産額
|
(百万円)
|
83,366
|
139,526
|
171,000
|
60,079
|
52,004
|
1株当たり純資産額
|
(円)
|
561.43
|
911.67
|
974.41
|
902.47
|
707.26
|
1株当たり 当期純利益金額又は 1株当たり 当期純損失金額(△)
|
(円)
|
△56.67
|
80.43
|
17.07
|
△67.60
|
△225.88
|
潜在株式調整後 1株当たり当期純利益金額
|
(円)
|
―
|
78.52
|
16.93
|
―
|
―
|
自己資本比率
|
(%)
|
36.7
|
36.1
|
31.3
|
82.5
|
78.5
|
自己資本利益率
|
(%)
|
△14.5
|
10.9
|
1.8
|
△7.5
|
△27.6
|
株価収益率
|
(倍)
|
―
|
16.5
|
45.1
|
―
|
―
|
営業活動による キャッシュ・フロー
|
(百万円)
|
2,264
|
6,597
|
13,215
|
4,008
|
745
|
投資活動による キャッシュ・フロー
|
(百万円)
|
△2,367
|
△28,328
|
△51,005
|
△28,748
|
△727
|
財務活動による キャッシュ・フロー
|
(百万円)
|
8,875
|
41,686
|
15,015
|
17,278
|
22
|
現金及び現金同等物 の期末残高
|
(百万円)
|
11,476
|
32,841
|
12,014
|
262
|
271
|
従業員数
|
(名)
|
1,321
|
1,391
|
1,508
|
314
|
274
|
(注) 1 第17期及び第20期並びに第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。
2 第17期及び第20期並びに第21期の株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載しておりません。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第18期の期首から適用しており、第18期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
4 2023年3月30日開催の第18期定時株主総会決議により、決算期を12月31日から1月31日に変更しました。従って、第19期は2023年1月1日から2024年1月31日の13か月間となっております。
5 第19期に比べ第20期の従業員数が1,194名減少しており、主な理由はW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.を連結の範囲から除外し、持分法適用関連会社としたことによるものです。第20期に比べ第21期の従業員数が40名減少しており、主な理由はW-SCOPE KOREA CO.,LTD.の稼働率低下に伴う退職によるものであります。
(2) 提出会社の経営指標等
回次
|
第17期
|
第18期
|
第19期
|
第20期
|
第21期
|
決算年月
|
2021年12月
|
2022年12月
|
2024年1月
|
2025年1月
|
2026年1月
|
売上高
|
(百万円)
|
490
|
1,355
|
454
|
577
|
225
|
経常損失(△)
|
(百万円)
|
△667
|
△113
|
△191
|
△236
|
△286
|
当期純利益又は 当期純損失(△)
|
(百万円)
|
8,333
|
623
|
△192
|
△237
|
△5,722
|
資本金
|
(百万円)
|
15,216
|
15,353
|
15,360
|
15,360
|
15,577
|
発行済株式総数
|
(株)
|
54,471,600
|
55,180,600
|
55,225,600
|
55,225,600
|
58,025,700
|
純資産額
|
(百万円)
|
30,299
|
31,273
|
30,756
|
30,518
|
25,230
|
総資産額
|
(百万円)
|
32,198
|
31,366
|
30,788
|
30,677
|
25,574
|
1株当たり純資産額
|
(円)
|
555.70
|
564.80
|
558.04
|
553.71
|
435.23
|
1株当たり配当額 (1株当たり中間配当額)
|
(円)
|
― (―)
|
― (―)
|
― (―)
|
― (―)
|
― (―)
|
1株当たり当期純利益金額又は 1株当たり当期純損失金額(△)
|
(円)
|
160.43
|
11.36
|
△3.50
|
△4.33
|
△103.69
|
潜在株式調整後 1株当たり当期純利益 金額
|
(円)
|
158.12
|
11.09
|
―
|
―
|
―
|
自己資本比率
|
(%)
|
94.0
|
99.4
|
99.5
|
99.1
|
98.2
|
自己資本利益率
|
(%)
|
36.2
|
2.0
|
△0.6
|
△0.8
|
△20.6
|
株価収益率
|
(倍)
|
5.0
|
116.8
|
―
|
―
|
―
|
配当性向
|
(%)
|
―
|
―
|
―
|
―
|
―
|
従業員数
|
(名)
|
9
|
9
|
8
|
8
|
6
|
株主総利回り
|
(%)
|
85.0
|
141.2
|
81.9
|
26.9
|
18.0
|
(比較指標:配当込みTOPIX)
|
(%)
|
(112.7)
|
(110.0)
|
(152.1)
|
(170.1)
|
(223.0)
|
最高株価
|
(円)
|
1,290
|
3,175
|
1,555
|
783
|
299
|
最低株価
|
(円)
|
568
|
687
|
758
|
241
|
147
|
(注) 1 第19期及び第20期並びに第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。
2 第19期及び第20期並びに第21期の株価収益率については、当期純損失であるため記載しておりません。
3 第17期から第21期の配当性向については、無配であるため記載しておりません。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第18期の期首から適用しており、第18期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
5 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
6 2023年3月30日開催の第18期定時株主総会決議により、決算期を12月31日から1月31日に変更しました。従って、第19期は2023年1月1日から2024年1月31日の13か月間となっております。
2 【沿革】
当社は、2005年にリチウムイオン二次電池用セパレータ(ポリオレフィン微多孔膜(注))(以下「リチウムイオン二次電池用セパレータ」という)の開発製造・販売を目的として設立されました。当社設立以後の企業集団に関わる経緯は次のとおりであります。
年月
|
概要
|
2005年10月
|
神奈川県横浜市港北区にリチウムイオン二次電池用セパレータの開発製造、販売会社として設立(資本金54,000千円) 同時に大韓民国忠清北道に子会社W-ABLE CO.,LTD.(現・連結子会社)を設立
|
2006年5月
|
本社を神奈川県川崎市高津区に移転
|
2007年3月
|
子会社W-ABLE CO.,LTD. がISO14001認証を取得
|
2007年8月
|
同社が韓国財政経済部よりリチウムイオン電池用隔離膜製造事業に対し租税減免決定を受ける
|
2008年2月
|
同社がW-SCOPE KOREA CO.,LTD.に社名変更
|
2008年12月
|
同社が韓国知識経済部の部品素材専門企業認証取得
|
2009年7月
|
同社がISO/TS16949認証取得
|
2010年10月
|
同社がベンチャー企業として地域経済発展に貢献したとして韓国中小企業庁長官賞及び韓国忠清北道知事賞授賞
|
2011年1月
|
香港に同社の子会社としてW-SCOPE HONGKONG CO.,LIMITED(現・連結子会社)を設立
|
2011年2月
|
中国深圳にW-SCOPE KOREA CO.,LTD.の駐在事務所を設立
|
2011年12月
|
東京証券取引所マザーズに株式を上場
|
2012年3月
|
台湾にW-SCOPE KOREA CO.,LTD.の駐在事務所を設立
|
2012年5月
|
本社を東京都品川区大崎に移転
|
2014年2月
|
中国深圳に同社の子会社としてW-SCOPE New Energy(Shenzhen) CO., Limited(現・連結子会社)を設立
|
2014年4月
|
台湾のW-SCOPE KOREA CO.,LTD.駐在事務所を閉鎖(W-SCOPE HONGKONG CO.,LIMITEDに移管)
|
2014年6月
|
中国深圳のW-SCOPE KOREA CO., LTD. 駐在事務所を閉鎖(W-SCOPE New Energy(Shenzhen) CO.,Limitedに移管)
|
2015年11月
|
東京証券取引所市場第一部に市場変更
|
2016年10月
|
大韓民国忠清北道に当社子会社として、W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO.,LTD.を設立
|
2021年10月
|
W-SCOPE HUNGARY PLANT Ltd.を設立
|
2022年4月
|
東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行
|
2022年9月
|
本社を東京都品川区東五反田に移転
|
|
W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO.,LTD.がKOSDAQに株式上場
|
2023年12月
|
W-SCOPE New Energy(Shenzhen) CO.,Limitedを閉鎖
|
2024年8月
|
W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.を持分法適用関連会社に変更
|
(注)ポリオレフィン微多孔膜
ポリオレフィン微多孔膜の性質は「無数の穴があって表面積が多いこと」であり、ポリオレフィン微多孔膜は物質の分離機能、隔膜機能等が生かされた用途に使用されています。
3 【事業の内容】
当社及び当社の関係会社は、当社と連結子会社2社(W-SCOPE KOREA CO.,LTD.、W-SCOPE HONGKONG CO.,LIMITED)並びに持分法適用関連会社2社(W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO.,LTD.、LIB Material Investment Fund 1)の合計5社(以下、「当社グループ」)で構成されております。当社グループはリチウムイオン二次電池用セパレータ及びイオン交換膜の製造・販売を主たる事業とし、アジア、欧州及び米国等に拠点を置くリチウムイオン二次電池メーカーやリチウム精製プラントを主要な顧客としております。
リチウムイオン二次電池の主要材料は、正極材、負極材、電解液、セパレータであり、4つの主要材料以外に、銅箔、バインダー、添加剤など関連部材は、20~30点ありますが、リチウムイオン二次電池の性能と価格は主要材料によってほとんど決定されております。
当社グループの主要製品のセパレータには、一般的にポリオレフィン製の微多孔膜が用いられており、正極材と負極材を隔離しつつ、正極・負極間のリチウムイオンの伝導性を確保する役割があります。また電池が異常発熱し高温状態になった場合、ポリオレフィンが溶融して孔を塞ぐ安全機構(シャットダウン特性)により、リチウムイオンの移動を阻止して安全に電池の機能を停止させる重要な役割があり、電池の安全性を担っています。
セパレータは、リチウムイオン二次電池の繰り返し充放電機能を支える中核部品であり、製造においては高分子設計、高分子材料加工(フィルム化、多孔質化)など複数の技術が必要とされております。具体的には、数ミクロンレベルでの厚さの作り分け及び厚さ管理が要求され、さらに直径100ナノメートル前後の微孔を均一に分布させる高い技術と製造ノウハウが必要とされております。
リチウムイオン二次電池用セパレータの最終製品への流れは、以下のとおりであります。
また、リチウムイオン二次電池用セパレータで培ったメンブレン技術を応用し、数年前からイオン交換膜の事業化に取り組んでおり、当期からイオン交換膜事業を新規事業として立ち上げました。
イオン交換膜とは陽イオン又は陰イオンのうち選択的移動分離機能をする合成樹脂膜で浄水、濃縮、抽出、脱塩、電気分解などに使用されます。
イオン交換膜には、機能別に、陽イオン交換膜(CEM: Cation Exchange Membrane)、陰イオン交換膜(AEM: Anion Exchange Membrane)及び双極交換膜(BEM: Bipolar Exchange Membrane)の3種類があります。W-SCOPE KOREA CO.,LTD.ではこの3種類のイオン交換膜及びこれらを組み合わせた双極電気透析(BPED)モジュールの量産販売を2024年より開始しております。
当社製品は、長年セパレータ事業にて蓄積された成膜技術を最大限に生かし、柔軟な製品設計と高い価格競争力を有し、すでにリチウム析出事業等に採用されています。今後はさらに水処理事業、水電解事業等に参入していくことを計画しております。
(当社グループの生産・販売・研究開発体制)
当社グループの製品(セパレータ、イオン交換膜)の製造は、連結子会社W-SCOPE KOREA CO., LTD.(以下、WSK)と持分法適用関連会社W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下、WCP)で行っております。当社グループでは当社にてアジア、米国市場及びグループ全体での営業活動を統括し、WSKからは主に民生向けセパレータ及びイオン交換膜をアジア、欧州市場へ、WCPからは車載向けセパレータをアジア、欧州市場へ、WSKの連結子会社W-SCOPE HONGKONG CO., LIMITEDは主に民生向けセパレータを中国、香港市場へ営業活動を展開しております。また、当社グループの研究開発活動は、WSK及びWCPの開発部門にて行っており、超薄膜化及び高耐熱セパレータの開発や新規メンブレンフィルムの開発に取組んでおります。
事業の系統図は、次のとおりであります。
(以下図示)
4 【関係会社の状況】
名称
|
住所
|
資本金又は 出資金
|
主要な事業 の内容
|
議決権の所有 割合(%)
|
関係内容
|
(連結子会社)
|
|
|
|
|
|
W-SCOPE KOREA CO., LTD.
|
大韓民国忠清北道清州市
|
5,300 百万ウォン
|
リチウムイオン二次電池用セパレータの開発製造及び販売
|
100
|
当社へ製品等を供給 当社による社債取得 役員の兼任あり (1名)
|
W-SCOPE HONGKONG CO., LIMITED
|
中華人民共和国 香港特別行政区 尖沙咀
|
100,000 香港ドル
|
リチウムイオン二次電池用セパレータの販売
|
100 (100)
|
―
|
(持分法適用関連会社)
|
|
|
|
|
|
W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.
|
大韓民国忠清北道忠州市
|
16,921 百万ウォン
|
リチウムイオン二次電池用セパレータの開発製造及び販売
|
35.52 (0.76)
|
役員の兼任あり (1名)
|
LIB Material Investment Fund 1
|
大韓民国ソウル特別市
|
3,041 百万ウォン
|
投資運用事業
|
33.08 (33.08)
|
―
|
(注)1 W-SCOPE KOREA CO.,LTD.(以下、WSK)は特定子会社であります。
2 「議決権の所有割合」欄の( )は間接所有割合で内数であります。
3 WSKは、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
<W-SCOPE KOREA CO., LTD.>
主要な損益情報等
|
①売上高
|
3,612百万円
|
④純資産額
|
6,270百万円
|
|
②経常損失(△)
|
△5,007百万円
|
⑤総資産額
|
17,049百万円
|
|
③当期純損失(△)
|
△5,591百万円
|
|
|
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2026年1月31日現在
区分
|
従業員数(名)
|
セパレータ事業
|
211
|
イオン交換膜事業
|
45
|
全社(共通)
|
18
|
合計
|
274
|
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員であります。
(2) 提出会社の状況
2026年1月31日現在
従業員数(名)
|
平均年齢(歳)
|
平均勤続年数(年)
|
平均年間給与(千円)
|
6
|
41.0
|
6.9
|
7,742
|
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 全社(共通)は、主に総務及び経理等の管理部門の従業員であります。
(3) 労働組合の状況
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は良好であります。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
名 称
|
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)
|
男性労働者の育児休業取得率(%)
|
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)
|
ダブル・スコープ株式会社
|
0.0
|
―
|
46.5
|
(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規程に基づき算出したものであります。