第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、企業理念「いつでも想像以上に満足のできる商品・サービスを提供します。」の下に、株主をはじめ、顧客、取引先、従業員ひいては社会全体との共栄及び当社グループの持続的な成長と企業価値の最大化を目指して事業展開を行っております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、婦人靴及び婦人服を中心とした自社商品の企画開発及び販売を主な事業としており、仕入コスト及び物流コストの圧縮と、販売チャネルの拡大及び販売促進プロモーションの強化等の取組みが業績に大きく影響いたします。そのため、当社グループは、創業以来、靴業界における既存サプライチェーンの見直しを図り極力省力化させることで、販売価格に転嫁される中間マージンの低減に努めてまいりました。今後は、それらの一層の効率化を図るとともに、各販売チャネルの特性に合わせたブランドポートフォリオの最適化に留意しながら、持続可能なビジネスの展開に取り組んでまいります。

 

(3)経営環境

 今後の当社グループを取り巻く経営環境を展望しますと、インバウンド需要の高まりや賃金上昇等に端を発する雇用・所得環境の改善などにより景気は穏やかに回復基調にある一方、世界的な資源価格の高騰や日米金利差拡大を背景とした為替相場の不安定な変動、人手不足の深刻化など依然として先行き不透明な状況が続いております。

 靴業界におきましては、スニーカーを中心としたカジュアル志向のスポーツ系シューズの需要は依然として拡大傾向にあるほか、社会経済活動の再開に伴いオケージョン需要が回復傾向にあると認識しております。また、今年度の春闘における各企業の賃金引き上げや、新入社員に対する初任給引き上げの動きも今後の消費回復を下支えすると期待されております。

 当社グループは、このような環境変化の中、企業理念である「いつでも想像以上に満足のできる商品・サービスを提供します。」を実現し続けるべく、以下の事項を経営上の重点的な課題として取り組むことで、経営基盤の強化を図ってまいります。

 

(4)優先すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、靴業界におけるイノベーターカンパニーとして、「ORiental TRaffic」「卑弥呼」などの主力ブランドにおける顧客層の拡大を基本戦略とし、事業領域の拡張と収益力の強化を推進しております。また、婦人服の企画・販売事業においては、「MISCH MASCH」の吸収合併を契機にアパレル事業へ本格参入し、さらに2025年4月には31 son de mode(トランテアン ソン ドゥ モード)の事業譲受によりブランドポートフォリオを拡充しました。これにより、ファッション小売企業としての競争力向上を実現し、持続的な事業成長を目指しております。

 当社グループは、お客様満足度の向上を追求し、高品質な商品及びサービスの企画・開発に注力するとともに、当社が展開する高付加価値ブランドの認知拡大に積極的に取り組んでおります。加えて、販売チャネル及び事業規模の拡大を推進し、他社ブランドとのコラボレーション事業を通じて、より多くのお客様との中長期的な関係構築を図ってまいります。

 当社グループの商品は、自社にて企画・開発を行い、パートナー工場において生産・仕入を行っております。商品企画担当者が販売スタッフとして店頭に立ち、お客様の声を直接商品開発に反映するとともに、同一担当者が検品・品質管理業務として生産工場を巡回し、品質指導を行う体制を構築しております。企画開発から生産、品質管理、販売までを一気通貫で担うことで、当社グループオリジナルの魅力的な商品提供を可能にしております。

 

 また、サステナビリティへの取り組みを重要な経営テーマの一つと位置づけ、環境配慮型の商品開発を推進しております。具体的には、廃材を活用したソールの製造、再生紙を用いた靴箱の採用、繰り返し使用可能なエコバッグ仕様のショッピングバッグの導入など、環境負荷の低減に資する施策に取り組んでおります。

これらの取り組みを通じて、企業理念である「いつでも想像以上に満足のできる商品・サービスを提供します。」の実現に全力を尽くしております。

 このようなお客様に寄り添った商品及びサービスの提供を行い続けながら、企業価値の向上に向け、具体的には以下の課題に取り組んでまいります。

 

①商品企画開発力の向上

 日々めまぐるしく変化する社会において価値観やライフスタイルが多様化し消費者に求められる商品基準も高まっています。当社グループは、企業理念である「いつでも想像以上に満足のできる商品・サービスを提供します。」を実現するため、従来から消費者の嗜好に寄り添った商品を提供することで成長してまいりました。今後におきましても、今まで以上に消費者の声に耳を傾け、消費者動向や競合他社の把握・分析のほか、市場全体のニーズ・トレンドを迅速に捉え、タイムリーに消費者とのコミュニケーションを密に重ねることで、より顧客満足度の高い商品・サービスを提供するために企画開発力の向上に取り組んでまいります。

 

②戦略的店舗展開

 当社は、従来の単一的・画一的な店舗展開には依らず、各地域・ブランドに最適化した店舗フォーマットを設計し戦略的店舗展開を推進してまいります。従来の店舗戦略では十分に対応できなかった多様な顧客層や地域特性を踏まえ、ファッション性の高い商品を中心に取り扱う店舗や、機能性・履き心地に優れ、お得感のある商品を中心とした店舗など、ターゲットや地域特性に最適化した多様な店舗フォーマットを設計・運営してまいります。

 さらに、未出店地域への出店により、当該地域におけるブランド認知の向上とオンライン販売の拡大を同時に推進してまいります。地方店舗においては、店舗面積を活かした十分な在庫確保と、柔軟な人員配置体制の構築により、効率的かつ安定的な店舗運営を実現してまいります。

 これらの施策により、地域に根ざした販売網の強化と、オフライン・オンライン双方での売上拡大を推進し、持続的な成長を図ってまいります。

 

③スニーカーブランド「ORTR」の再構築

 当社は、スニーカーブランドである「ORTR」の価値向上及び市場認知の拡大を目的として、ブランド再構築に向けた各種施策を推進してまいります。テレビCMを中心としたマスメディアによる認知拡大施策に加え、SNSを活用したデジタルコミュニケーションを強化することで、ブランドの存在感を高める取り組みを進めてまいります。

 商品開発及び販売戦略においては、まず、デザイン性と高い機能性を両立させた商品を提供することで、多様化する消費者ニーズに的確に対応し、ブランドの競争力を一段と強化してまいります。また、高品質を維持しつつ適正な価格設定を行うことで、消費者が手に取りやすい商品ラインを確保し、購買機会の拡大と売上成長の促進を図ります。さらに、幅広い年齢層に訴求可能な商品ラインナップを整備することで、長期的なブランド成長と市場シェアの拡大を実現してまいります。

 これらの取り組みを通じて「ORTR」ブランドの市場競争力を高め、中長期的な企業価値の向上に資する成果を創出していく方針です。

 

④事業構造のデジタル化の推進

 ファッション業界におけるテクノロジーの進化は著しく、オンライン販売のみならずオフライン販売におきましても、アプリ連携等による付加サービスに対応しなければ事業の停滞を余儀なくされます。当社グループにおきましても、常に利便性の高いアプリ・サイトの構築及び顧客サービスの拡充に努めておりますが、今後ますます進むデジタル化の波に乗り遅れることがないように、今まで以上に売場最適な顧客リレーションの実現に取り組んでまいります。

 

⑤グローバル・サプライチェーンの最適化と為替変動リスク対応力の強化

 当社グループにおける商品の企画開発・発注仕入プロセスにつきましては、日本国内のみならず中国・香港等を含む全社的な商品供給体制を支えるべく、グローバルな視点に基づくサプライチェーンマネジメントの高度化を進めております。

 その一環として、現地パートナー工場等との価格・技術力・品質面を総合的に勘案した新規取引先の開拓を推進するとともに、為替相場の変動が調達コスト及び収益に及ぼす影響を適切に管理するため、為替予約取引や通貨オプション取引の活用など、複数の手法を組み合わせたリスクヘッジ体制を強化しております。

 これらの取り組みにより、外部環境の変動に左右されない安定的な調達基盤を確保し、企業グループ全体として適時適切な商品仕入を実現してまいります。

 

⑥アパレル事業の競争力強化

 2023年3月に株式会社ミッシュマッシュを吸収合併し、アパレル事業へ本格的に参入いたしました。2025年4月には、アパレルブランドである31 son de mode(トランテアン ソン ドゥ モード)を事業譲受により取得し、アパレル事業の更なる強化を図っております。事業譲受後は、不採算店舗の閉鎖を含む経営資源の再配分を推進するとともに、MISCH MASCHブランドにおいて培ったリブランディングの知見を活用し、ブランド戦略及び商品企画の再構築を行うことで、31 son de mode(トランテアン ソン ドゥ モード)のブランド価値向上及び収益基盤の強化に取り組んでおります。

 今後は、蓄積したブランド再構築のノウハウを活かし、商品企画力及びブランド運営力の一層の高度化を図るとともに、店舗運営の効率化や在庫管理の最適化を通じて収益性の改善を推進してまいります。加えて、複数ブランド展開による事業運営上のシナジーを創出し、デジタル販売チャネル活用による顧客接点拡大を通じ、アパレル事業全体の競争力強化を図ることで、持続的な収益成長の実現に努めてまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、収益性と資本効率を重視しております。当該指標として、売上高及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付け、経営課題に取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、中長期的な企業価値の向上のため、サステナビリティを巡る課題への対応は経営の重要課題であると認識しております。当社グループにおける、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視・管理するためのガバナンスに関しては、コーポレート・ガバナンス体制と同様になります。

 当社グループのコーポレート・ガバナンスの状況の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。

 

(2)戦略

 当社グループは、持続可能な社会への貢献と継続的な事業成長を確保するべく、人的資本戦略を重要な経営戦略として位置付けており、待遇や業務内容等において男女の区別なく機会の平等を確保するとともに、能力や職責等に応じた適切な人事評価を行っております。また、労働安全衛生面においても、働く環境を良好に保ち労働環境の改善と向上を図るとともに、定期的なストレスチェックの実施など、社員の心身の健康を維持できるよう努めているほか、定期的なコンプライアンス研修や各種のハラスメント防止策を講じ、社員の教育・研修、組織体としての能力向上のための投資を行うことで、人材価値の向上とともに就業環境の整備に取り組んでおります。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、不測の事態または危機の発生に備え「リスクマネジメント規程」を定め、子会社を含む企業集団全体のリスクを把握・管理する体制の構築を行っており、サステナビリティに関連するリスクにつきましても当該規程に則したリスク管理を行っております。

 サステナビリティ関連のリスク及び発生の機会につきましては、経営会議において当社グループに関連するものを識別・評価し、その結果として当社グループの経営方針に重要な影響を与えると考えられる内容について管理を行うとともに、当該重要性に応じて取締役会への報告及び対処を行っております。

 

(4)指標及び目標

 サステナビリティに係る指標及び目標につきましては、当社グループとして中長期的な検討課題の1つと考え、今後の取締役会や各種委員会等において議論を重ね定めてまいります。

 人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標及び目標に係る具体的な指標としましては、人材育成の対象である従業員の満足度を一義的に捉えるとともに、勤続年数が重要な指標の一部であると認識しております。

 また、管理職に占める女性労働者の割合および男性労働者の育児休業取得率ならびに労働者の男女の賃金の差異を指標として用いておりますが、現状、当該指標に関する目標は定めていないため、具体的な目標設定や状況の開示につきまして、今後の課題として検討してまいります。

 当該指標の実績の詳細は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況(4)」に記載のとおりであります。なお、当該指標の実績につきましては、連結グループにおける記載が困難なため提出会社を対象に記載しております。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)自然災害及び戦争等の発生について

 当社グループは、国内外に店舗及び物流センター等を保有しております。また、商品は、主として海外のパートナー工場及び貿易会社へ発注し仕入しております。そのため、地震、台風、洪水、津波、気候変動に伴う異常気象の頻発等の自然災害、新型インフルエンザウイルス等感染症の流行、火災、停電、発電所事故、戦争、テロ行為等の違法行為等により、事業活動の停止、流通インフラの断絶、施設の損壊等が発生し、当社グループの事業運営に重大な支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)情報セキュリティについて

 当社グループは、インターネット取引等をはじめとした販売活動によって、相当数の個人情報を保有しております。また、商品の企画開発に係わる営業機密情報を保有しております。これらの重要な情報の管理は、情報セキュリティ管理体制を整備し厳重に業務執行をしておりますが、万一情報が流出・紛失するような事態となった場合には、社会的信用の失墜による売上高の減少または損害賠償による多額の費用の発生等が考えられ、その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)海外サプライチェーンについて

 当社グループは、自社で生産拠点を保有しておりません。そのため、当社グループでの商品仕入は自社で企画開発した商品のデザインを、海外を含むパートナー工場及び貿易会社に発注・仕入しております。

① 輸入コストの安定化を図るために為替予約取引及び通貨オプション取引を導入しております。しかしながら、海外の政治経済の動向または通貨政策により為替相場に急激な変動が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 国内へ商品を輸送するうえで輸出入申告手続きを通関業者に業務委託しております。関税等の通関手続きについては、社会情勢の変化に応じて法制度の改正、強化、解釈の変更などが想定され、その対応により新たな負担の発生や事業展開の変更を求められることも予測されます。その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 現地工場の人件費及び物価の高騰等による影響が仕入原価の上昇に繋がるおそれがあります。また、政治的・社会的な不安定要素も存在し、当該影響により経済情勢に著しい変化が生じるおそれがあります。その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)特定の企業への物流業務の依存について

 当社グループは、商品の仕入または出荷に係る倉庫および物流業務について特定の外部業者に委託しております。現在、当該業務委託先との間で何ら問題は生じておりませんが、今後、事業方針や戦略等の見直し、経営状況の変化や財務内容の悪化並びに取引条件の変更等があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)特定の企業が運営する商業施設への出店集中について

 当社グループは、全国のルミネ・アトレ等の駅ビル、ららぽーと・イオンモール等の大型ショッピングセンター、三越・髙島屋等の百貨店への出店により、安定した集客と費用対効果の高い販促施策を展開しております。しかしながら、出店先を取り巻く環境の変化等により、当社グループの出店条件に合致した物件がないなど計画通りに出店が進まない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)ファッショントレンドの転換について

 当社グループが取り扱う婦人靴及び婦人服を中心とした商品は、流行性・季節性が高く、かつ気候・気温の変化による影響を受けやすい商品財に分類されます。現在、消費者の支持を受け事業展開を進めておりますが、ファッショントレンドの変化に適応できず消費者の嗜好に対応する商品の提供ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)働き方の多様化について

 政府が推奨する働き方改革の1つであるカジュアルワーク(業務中の服装自由化)の普及により、スニーカーをはじめとしたオフィスカジュアルに対応した靴へと消費者の嗜好の変化が見受けられます。一方で、働く場所に縛られないテレワークの活用拡大に伴い、都心部から地方へ移転する企業も増加しており、そのような働き方の変化に対応する商品・サービスの提供ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)景気の悪化について

 当社グループが取り扱う婦人靴及び婦人服を中心とした商品は、いわゆる「衣食住」の「衣」に含まれており、生活必需品の1つに数えられるため、将来にわたってそれらの利用価値が失われ代替製品に取って代わられることは想定し難いと考えております。一方で、婦人靴及び婦人服はファッションアイテムの一つに位置付けられており、景気に係る個人消費の動向に大きく左右されるため、需要に対してタイムリーに商品供給ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)人口分布の変化について

 今後の日本の人口減少及び少子高齢化の進行により、国内の小売市場が低調に推移していくことが予想されます。そのため当該市場縮小が及ぼす影響に対して、新市場の開拓や新業態への進出、実効性の高い商品企画や営業施策を適切に展開し、消費者の支持を得ることができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)市場競争による販売シェア及び利益率の低下について

 近年、各種SNSやオンライン等の販売チャネルの多様化により、同業他社との競争が一層激しくなることが予想されます。そのため、今後、販売価格の見直しや広告宣伝費の増加といった諸活動を伴う競合他社との市場競争により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)商品の過剰在庫について

 当社グループは、適正な商品在庫水準の維持と滞留在庫の発生を防止するよう努めております。しかしながら、消費者需要や市況の変化、天候の変化などの影響により、当初予測した需要が実現せず、商品の過剰在庫となるおそれがあります。その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)人材確保の困難について

 当社グループは、継続的な事業拡大及び収益基盤の確立のために優秀な人材の確保及び育成が最も重要な経営資源と位置付けております。しかしながら、採用活動の展開、教育研修制度の充実、人事制度の整備運用がうまく機能せず、当社グループが求める人材の確保、育成が計画通りに進捗しない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当社グループは、第1四半期連結会計期間においてヒロタ株式会社より31 Sons de mode(トランテアン ソンドゥ モード)の事業譲受を行ったため、当期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの概況に影響を及ぼしております。

 

①財政状態の状況

(資産)

 総資産は、前連結会計年度末に比べて、322,353千円増加して13,457,251千円となりました。これは主に、棚卸資産が411,677千円、店舗の新規出店及びリニューアル等により有形固定資産が142,055千円、事業譲受等の影響により敷金及び保証金が84,792千円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が272,319千円減少したことによるものです。

 

(負債)

 負債は、前連結会計年度末に比べて、8,073千円増加して2,393,278千円となりました。これは主に、買掛金が59,381千円、株主優待引当金が55,968千円それぞれ増加した一方で、未払消費税等(その他流動負債)が110,750千円減少したことによるものです。

 

(純資産)

 純資産は、前連結会計年度末に比べて、314,280千円増加して11,063,972千円となりました。これは主に、配当金372,011千円の支払により利益剰余金が減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が688,073千円増加したことによるものです。

 

②経営成績の状況

 当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高が23,327,358千円(前期比2.3%増)、営業利益が1,066,414千円(前期比36.2%減)、経常利益が1,187,392千円(前期比25.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が688,073千円(前期比31.0%減)という結果となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前期に比べて、28,565千円増加して2,558,107千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、968,552千円(前期は918,980千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,120,408千円、減価償却費が606,871千円、減損損失が52,477千円、売上債権の減少額が38,240千円、仕入債務の増加額が57,168千円それぞれあった一方で、棚卸資産の増加額が326,434千円、法人税等の支払額が685,196千円それぞれあったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、469,248千円(前期は653,535千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が442,647千円、事業譲受による支出が131,248千円それぞれあった一方で、敷金及び保証金の回収による収入が133,707千円あったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、680,209千円(前期は624,060千円の使用)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出が309,135千円、配当金の支払額が372,011千円それぞれあったことによるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

 

当連結会計年度

(自 2025年2月1日

至 2026年1月31日)

前年同期比(%)

婦人靴の企画・販売事業

(千円)

8,190,284

103.0

婦人服の企画・販売事業

(千円)

1,342,661

129.5

合計

(千円)

9,532,946

106.1

(注)金額は、仕入価格によっております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年2月1日

至 2026年1月31日)

前年同期比(%)

婦人靴の企画・販売事業

(千円)

20,347,988

99.4

婦人服の企画・販売事業

(千円)

2,979,370

127.5

合計

(千円)

23,327,358

102.3

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度におけるわが国経済は、大手企業を中心とする雇用・所得環境の改善や堅調なインバウンド需要、各種の政策効果等により、景気は緩やかな回復基調となりました。しかしながら海外におきましては、米国の通商政策に端を発する関税協議や不安定な国際政治情勢、原材料やエネルギー等のコスト高、長期化する円安進行の影響など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 当社グループが所属する靴業界におきましては、業界全体の市場規模は減少傾向にあるものの、スニーカーを中心としたカジュアル志向の靴や履き心地等の機能性を重視した靴は、底堅い需要のもと拡大傾向にあります。また、社会経済活動の正常化に伴い、フォーマルシーンにおけるオケージョン需要が好調であります。

 このような状況の中、当社グループは、「いつでも想像以上に満足のできる商品・サービスを提供します。」の企業理念のもと、引き続き好立地かつ好条件の店舗展開と、更なる成長が期待されるオンライン販売の拡大に取り組んでまいりました。

 

 当連結会計年度におきましては、新規出店に加え、31 Sons de mode(トランテアン ソン ドゥ モード)の事業譲受に伴う店舗数の増加やオンライン専用商品の拡充によるオンライン販売の強化等により、売上高は前期を上回りました。一方で、賃上げの実施に伴う人件費の増加に加え、エネルギー価格の高騰及び円安の進行に伴う物価上昇を背景とした仕入原価や物流費等のコスト上昇、香港の景気悪化に伴う香港子会社の業績低迷等の影響などにより、営業利益は前期を下回りました。また、為替対策の奏功により為替差益を計上したものの、営業利益の減少の影響に伴い、経常利益につきましても前期を下回りました。

 当社につきましては、消費者の購買行動やインバウンド需要の高まり、31 Sons de mode(トランテアン ソンドゥ モード)の事業譲受によるアパレル事業の拡大に伴い、前連結会計年度に引き続き増収を果たしました。

 出店状況としましては、新規出店は12店舗、31 Sons de mode(トランテアン ソンドゥ モード)の事業譲受による承継が16店舗、退店は12店舗となり、当連結会計年度末における店舗数は158店舗(純増16店舗)となりました。

 オンライン販売につきましては、デジタルマーケティング活動の推進や、SNS等を通じたインフルエンサーとのコラボ商品企画・タイアップ活動により、前連結会計年度に引き続き好調に推移いたしました。

 子会社卑弥呼につきましては、新規ラインナップ商品の展開の推進やオンライン販売の好調な推移に伴い、前事業年度に引き続き売上高が伸長いたしました。出店状況としましては、新規出店は3店舗、退店は6店舗となり、当連結会計年度末における店舗数は59店舗(純減3店舗)となりました。

 海外子会社につきましては、香港が新規出店1店舗、退店は1店舗となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は、前期比2.3%増加の23,327,358千円となりました。当社グループの報告セグメントごとの内訳は、婦人靴の企画・販売事業が20,347,988千円、婦人服の企画・販売事業が2,979,370千円となっております。

 販売費及び一般管理費につきましては、売上高の増加に伴う変動費の増加のほか、人件費や物流費等の増加に伴い前期比で6.2%増加の13,118,851千円となり、売上高販管費率は56.2%(前期比2.1ポイント増加)となりました。

 当連結会計年度における営業利益は、円安基調による為替相場の影響に伴う仕入原価の高騰や、賃上げによる人件費の増加等の要因により前期比36.2%減少の1,066,414千円となり、営業利益率は4.6%(前期比2.8ポイント減少)となりました。当社グループの報告セグメントごとの内訳は、婦人靴の企画・販売事業のセグメント利益3,093,678千円、婦人服の企画・販売事業のセグメント損失94,482千円となり、合計でセグメント利益2,999,196千円となっております(営業利益との差額はセグメントに帰属しない全社費用の連結上の調整額によるものです)。

 営業外損益につきましては、営業外収益は、為替差益等が発生した結果、前期比101,615千円増加の137,625千円となりました。営業外費用は、仕入債務決済等に係る為替差損が減少した結果、前期比102,831千円減少の16,647千円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、1,187,392千円(前期比25.2%減少)となり、経常利益率は5.1%(前期比1.9ポイント減少)となりました。

 特別損益につきましては、特別利益は、補助金収入等が発生した結果、前期比10,312千円増加の15,363千円となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べ固定資産除却損及び減損損失が増加した結果、前期比39,854千円増加の82,347千円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、688,073千円(前期比31.0%減少)となりました。

 なお、店舗の出退店等の状況は、次のとおりであります。

店舗・地域

店舗数

前連結
会計年度末

当連結会計年度

当連結

会計年度末

出店

退店

その他

増減

 

ORiental TRaffic

51

2

△3

△1

50

WA ORiental TRaffic

40

6

△1

5

45

ORiental TRaffic OUTLET

15

15

 

NICAL

4

△2

△2

2

 

卑弥呼

49

3

△4

△1

48

 

MISCH MASCH

16

2

△3

△1

15

 

31 Sons de mode

△5

12

7

7

国内合計

175

13

△18

12

7

182

 

香港

20

1

△1

20

 

マカオ

2

2

海外合計

22

1

△1

22

 

ダブルエー

20

2

4

6

26

 

卑弥呼

9

9

国内EC合計

29

2

4

6

35

 

香港

1

1

 

中国

2

2

海外EC合計

3

3

グループ合計

229

16

△19

16

13

242

 (注)1.運営管理及び運営代行管理している店舗・地域別に集計しております。

2.店舗数は、他社EC店舗、自社EC店舗を含めて集計しております。

3.海外販売ライセンス契約に基づき展開されている台湾12店舗及びEC2サイトは含めておりません。

4.第1四半期連結会計期間において、31 Sons de mode(トランテアン ソン ドゥ モード)の事業譲受により増加した店舗数を「その他」に含めております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、店舗の設備投資、システム投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金及び設備資金につきましては、まず営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については金融機関からの有利子負債の調達を実施しております。事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存有利子負債の返済時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適時判断していくこととしております。

 当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計2,100,000千円の当座貸越契約を締結し、資金需要に備えております(借入未実行残高2,100,000千円)。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,558,107千円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。