当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月26日)現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは、「ニッポンのモノづくり品質を世界へ」をキーワードに、ともに成長をめざすという『経営理念』のもと、HS事業(人材ビジネス事業)・EMS事業・PS事業(カスタム電源事業)の3つの事業セグメントを国内外で事業展開しています。
この多様化した事業構造は、お客様に新たな価値を提供するための源泉となるものであり、当社グループの特長です。これをさらに進化させ、変化に対し柔軟かつ機動的に対応できる基盤を強化し、企業価値・株主価値のより一層の向上を図るため、2017年4月より持株会社体制へ移行しました。
当社(持株会社)の経営方針は以下のとおりです。
① グループ経営と事業執行の分離による意思決定スピードの向上・責任の明確化
② 事業間のシナジーの追求
③ 成長戦略としての迅速なM&A・グループ再編の実行
④ 間接部門の重複業務集約や事務効率改善によるコストの最適化
⑤ グループ各社の事業特性に応じた効率の良い事業運営と、グループ全体で高いパフォーマンスを発揮でき
る基盤づくり、この両輪による持続的成長の実現
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ウクライナ情勢の長期化や中東情勢による地政学リスクの高まり、世界的なインフレの進行や中国経済の低迷に加え、米国政権交代による保護主義政策強化の動きやこれに伴う生産地域の見直しの動きなど、世界経済の先行きは依然として不透明な状況が続いています。
当社においては、当連結会計年度において小野文明氏による不適切な経費の使用等の不正事案が明るみとなりました。当社は、本不正事案を厳粛に受け止めるとともに、健全な体質へ転換する好機と捉え、当社グループの企業価値向上に向けて再出発を切るべく、2025年5月15日、2025年度から2027年度を対象とする、新たな中期経営計画(以下「本中期経営計画」といいます。)を策定し、その取り組みを進めてまいります。
目標経営数値としては、本中期経営計画最終年度となる2027年度において、営業利益50億円超を計画するとともに、運転資金マネジメントを強化し、フリーキャッシュ・フロー80億円規模の創出、有利子負債50億円削減、自己資本比率20%、ネットD/Eレシオ1.5倍を目標とし、その実現をめざします。
(3) 経営戦略、事業上及び財務上の対処すべき課題
<私たちの約束(中期経営方針)>
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◆株主の皆様の利益を追求し、誠実な会社に生まれ変わります ◆さまざまな形で社員還元を行い、当社グループに集う人材が豊かさを実感できる会社に生まれ変わります ◆外部環境の変化に強い体質へ強化し、着実に利益成長することでステークホルダーの皆様の期待に応えます |
本中期経営計画では、上記方針のもと、目標経営数値達成に向けた重点実施事項として、次の4点を掲げ、その取り組みを進めております。
① 事業の成長に加え、商材/市場のポートフォリオ見直しや投資効率改善、不採算拠点の整理等を行い、運転資金マネジメントの実効性を上げ、利益体質を強化する
② 有利子負債の削減で財務体質改善を進めるとともに利払い額を減少させ、最終利益増加を図る
③ 株主還元は、有利子負債削減を進めながら、この中計期間は30%前後の配当性向とし、最終利益の増加で配当額の成長をめざす
④ 成長の源泉である人材の定着に向け、さまざまな形で将来設計ができるしくみをつくり、事業競争力を強化する
● 成長実現に向けた事業戦略
1)HS事業(ヒューマンソリューション事業:人材ビジネス事業)
人材ビジネス事業は、数年にわたり請負・受託比率の増加、営業力の強化、シニアエキスパート人材、海外人材、とさまざまな施策を手掛けてきましたが、業績への貢献は限定的な状況が続いています。また、海外事業においては、2011年以降、優先的に経営資源を投入してきたものの、未だ成果の現れていない拠点(インドネシア、カンボジア)もあり、運転資金が流れつづけている状況であり、現状打破が課題となります。
この現状打破の鍵となるのが、株式会社ワールドホールディングスとの業務提携となります。
常に事業環境が変化する中、マクロ環境の影響を受けやすい人材ビジネスにおいて、株式会社ワールドホールディングスと提携し、株式会社ワールドホールディングスの持つビジネスエリア、採用インフラ、市場分野等、さまざまな経営資源と、当社グループの持つ海外人材の採用や運用といった強みを掛け合わせることで、トップライン成長をめざすとともに、業務効率改善、不採算取引の見直し等により運転資金マネジメントを強化し利益率の向上を図ります。
人材ビジネス事業は、2025年度より「Reborn」を掲げ、始動しました。課題を成長への機会と捉え、新たな成長を実現し、「新生・nms」として強みを磨き、事業価値を上げていきます。
2)EMS事業(エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス事業)
EMS事業は、グローバル生産体制を確立すべく、戦略投資を行ってきたベトナム拠点、米国・メキシコ拠点は、コロナ禍や部材価格高騰などの厳しい環境を経て、ベトナム拠点につづき、米国・メキシコ拠点においても2024年度に営業利益黒字化への転換を実現しました。米国・メキシコ拠点は、米国政権交代による保護主義政策強化に伴う関税影響の見通しが難しい状況ですが、以前から導入している「マキラドーラ制度」(保税委託加工)の活用に加え、米国での生産ライン立ち上げも選択肢とし、事業影響を最小化すべく対応を行ってまいります。また、ベトナム拠点では、新規ビジネス立ち上げにあたり、お客様の現有の設備を活用し、初期投資を抑えつつ、必要な技能習得を行うなど、お客様との機能分担でビジネスエリア・参入市場の拡大を図る仕組みも取り入れています。
当社グループのEMS事業は、ASEAN地域に複数拠点を有しており、お客様のニーズに応じ生産拠点をグループ内で移管可能な環境を有しています。All Asia生産体制「TKRアジア」の枠組みを戦力化するとともに、米国・メキシコ事業で実績を積み上げ、新市場開拓を進めます。得意とするところに経営資源を投入し、あえてハイエンド市場を狙わず、大手製造業が持っていないアナログ技術を駆使し、ミドルレンジ市場で必然性のあるビジネスを追求してまいります。
3)PS事業(パワーサプライ事業:カスタム電源事業)
カスタム電源事業は、市場の成熟化が進む複合機・複写機などドキュメント関連市場向けを主軸としており、市場自体の継続的な成長を見込むことが難しい状況にあります。その一方で、電源製品自体は、技術的な参入障壁が高く、かつ、「脱炭素社会の実現」を背景とした産業機器の電動化のニーズは根強く、ここに商機があるものと見ています。主軸のドキュメント関連市場で確実に収益を上げながら、スマートファクトリーやロボティクス、医療・健康用機器、再生可能エネルギー関連等をターゲット分野として新規開発・新規量産ビジネスを展開することで、収益力の強化を図っていきます。
また、カスタム電源事業では、事業競争力を強化すべく、開発の高度化と生産拠点体制の整備を行っています。営業及び開発拠点として、松阪本社(三重県松阪市)、松阪工場(松阪本社敷地内)に加え、2023年5月からは、神奈川県横浜市に営業拠点を併設したR&Dセンターを開設しました。
生産拠点は、中宝華南電子(佛山)有限公司(中国・広東省)がありますが、2024年より新たに外部EMS企業を活用し、ベトナムでの生産もスタートさせています。
さらに、2025年4月からはグル-プ内EMS企業(株式会社志摩電子工業)を傘下に収め、生産体制の拡充も行っています。志摩電子工業の実装技術とカスタム電源事業が有する生産技術、設計開発機能との相乗効果に加え、志摩電子工業のマレーシア生産拠点も活用し、お客様のニーズに幅広くお応えしていく取り組みを進めています。
日本・中国・ASEANでの機動的な生産体制を着実に整えており、設計開発から試作・量産・販売に至る機動力を上げ、多様化するお客様のニーズにお応えし、事業全体の収益性向上を進めるとともに事業規模拡大に向けM&Aも選択肢とし、「Break Through」をキーワードに2027年度までに次の事業の柱を構築すべく対応を進めてまいります。
4)株式会社ワールドホールディングスとの連携
当社は、2025年3月10日付で株式会社ワールドホールディングスと資本業務提携契約を締結し、「両社の強み・弱みを相互に補完しあうベストパートナー戦略」を基本方針として、共通の事業である人材ビジネス事業を中心に、EMS事業及びカスタム電源事業も視野に入れ、広く協力体制を構築することにより、更なる企業価値の向上を実現することをめざしています。
少子高齢化が進む中、人材の確保が課題となりますが、両社共通の事業である人材ビジネス事業では、人材採用インフラの機能強化による多様な人材の確保及び顧客ニーズに応じた人材マッチングや、ビジネスエリアの補完による在籍人数の増加が見込めるほか、ものづくり系事業(EMS及びカスタム電源事業)においても、ものづくりノウハウの融合によるサービスラインナップの強化や、ものづくり人材の育成、高度専門領域を担うエンジニア人材の採用強化に向けた体制の整備が可能となります。
株式会社ワールドホールディングスとの横断的営業体制や、同社のシームレス戦略に基づく相互連携により、当社グループの顧客基盤の強化・拡大を実現するとともに、株式会社ワールドホールディングスにおいても、当社のものづくり系事業における工場運営や品質保証・品質管理などメーカーとしてのノウハウを取り入れることで、人材ビジネスにおける請負・受託の事業基盤強化が図れるものと考えております。
これらを効率よく進めていくため、両社代表をトップとし、業務執行を担う取締役及び任命されたメンバーによる、ステアリングコミッティーを設置し、さまざまな面における実効を上げていく所存です。特に事業親和性が高い人材ビジネス事業においては、即効性のある取り組み、また、中期戦略として実行していく取り組みそれぞれを、効率よく進めてまいります。
● 財務体質の改善
当社は、小野文明氏の不正事案により、金融機関における信用悪化懸念があり、その解消が喫緊の課題となります。株式会社ワールドホールディングスと資本業務提携を行い、企業価値に向けた施策を推進することが、当社信用の補完及び回復につながっていくものと考えています。
また、当社を取り巻く市場環境は、つねに変化することが想定され、今後継続的な成長投資及び事業拡大を進めていくためには、自己資本比率の改善を含め、財務体質の改善が急務となっています。このような背景のもと、2025年3月26日を効力発生日とし、株式会社ワールドホールディングスを処分先とする第三者割当による自己株式の処分(以下、本第三者割当)を実施しました。これにより調達した資金を2025年3月末に返済期限が到来する借入金の返済及び借換え費用へ充当することにより、財務基盤の改善及び資本増強を行い、2025年3月末の連結自己資本比率は 2024年3月末に対し5.7%増加し、12.6%となりました。
本中期経営計画においても、引き続きキャッシュマネジメントを強化し財務体質の改善を進めます。
具体的な取り組みとして、質が伴った事業収益創出基盤とすべく、運転資本マネジメントを強化し、キャッシュを生み出す仕組みの定着を進めます。これらにより、有利子負債の削減を進め、社外流出キャッシュの抑制を図るとともに、投資の採算性、効率性のモニタリングを強化し、投資回収までの効率を高め、フリーキャッシュ・フロー創出への取り組みを強化します。また、業績の変動要因となる、部材調達及び為替変動リスクについては、以下の取り組みを行ってまいります。
① 部材調達リスク
最先端の部材だけでなく、多岐にわたる部品・部材が調達難となる状況を想定し、部材調達リソースの多様化や顧客の生産変動に即応する当社グループのサプライチェーンマネジメント強化し、グループ全体で機動的かつ柔軟に対応できる体制を高度化させる
② 為替変動リスク
外貨建て資産・負債の増減によりグループ各社の為替持ち高(エクスポージャー)の圧縮を進めるべく、金融取引・商取引の双方からの取り組みを推進
● ガバナンスの強化
小野文明氏の不正事案に関し設置した特別調査委員会より、再発防止に向けた提言を受けており、当社は、2024年12月20日付で当該調査委員会の提言に基づく「再発防止策骨子」を公表しています。本中期経営計画期間においても、当該再発防止策を継続的に実行し、役員の規律を強化するとともに、企業倫理向上への取り組みを継続してまいります。
成長の原動力である人材の育成・定着、また、キャリア形成など、人的資本政策は急務であると考えており、再発防止策の実行を通じ、グループ各社の人材との対話やグループ会社間での社員相互コミュニケーション等も行い、事業戦略の推進力を上げる機会を創出していきます。特に、人材ビジネス事業は、当社グループで働く社員なしには成り立ちません。社員還元施策にも力を入れ、事業トップが各拠点を回り、社員と直接対話を重ね、考え方やめざす方向の共有を丁寧に行うなど、今回の不正事案について説明を行うとともに、社員からさまざまな意見を直接聞く等、働きやすい、安心して働くことのできる会社をめざします。企業風土改革は今後の事業成長に欠かせないものであり、グループ一丸となって、継続的に取り組みを進めてまいります。
特別調査委員会提言を踏まえた、2024年12月20日公表「再発防止策骨子」推進状況
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提言 |
対象者の影響力を排除ないし減殺する体制変更、グループ会社からの情報伝達を促進するための体制 社外役員の増員ならびに指名・報酬委員会の設置:グループ経営の高度化 |
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・経営体制変更 |
2024年12月20日付 代表者変更 |
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・社外役員の増員、指名・報酬委員会の設置 |
2025年4月18日 指名諮問委員会・ 報酬諮問委員会設置 |
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・次世代経営人材を育成、登用機会創出が可能となるしくみづくり |
各社執行役員登用増加 |
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・グループ合同会議(仮称)の定期的開催 |
2025年夏開催で準備中 |
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提言 |
役員に対する倫理研修の実施、役員の接待交際費の事前申請ルールや検証方法の検討: コンプライアンス |
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・グループ役員及び幹部人材層に対する、有識者による倫理・人権 研修・コンプライアンス研修の実施(次世代経営人材にも展開) |
2025年3月HDから開始 順次グループ内に展開 |
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・規程規則、経費使用におけるルール厳格化、運用プロセスの見直し |
HD規程から着手中 |
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提言 |
内部通報制度の拡充:リスク予防機能 |
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・グループ横断及び外部通報窓口の設置 |
2025年4月18日設置 |
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・定期的な不正調査アンケートの実施 |
2025年5月1日実施 |
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提言 |
HDの監査対象化:リスク予防機能 |
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・内部監査の範囲・手法見直し、品質向上 (2025年4月18日取締役会で計画報告) |
2025年度から実行 |
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提言 |
内部統制の担当部門の設置:リスク予防機能 |
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・規程規則の抜本的見直し、運用時誤認・独自解釈を起こさせない啓発 |
準備中 |
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・属人化している業務の見直し・高度化 |
人材ビジネス事業から 着手中 |
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・全体整備を行うコンプライアンス部門の設置 |
2025年6月設置 |
※ HD:nms ホールディングス株式会社を指します
(4) 経営環境
当連結会計年度においては、年度を通じて、お客様による減産、生産調整等の影響がありましたが、新規受注や量産開始などもあり、全体として需要は堅調に推移いたしました。
当社グループにおいては、慢性的な人材不足による採用難、米国政権交代による保護主義政策強化の動きによるお客様の生産地域の見直し等への対応が求められる状況が継続することが想定され、今後も不透明な事業環境が続く見通しです。
そのような状況のなか、当社グループは各事業において新市場への参入や新規需要の開拓等、次の成長への種まきを進めるとともに、事業基盤の強化を図るべく、人材ビジネス事業における多様な人材の活躍促進、また、EMS事業については、戦略投資拠点における売上、利益の増加、カスタム電源事業においては産業機器分野への参入及び安定収益の確保等、グループ全体で合理化、効率化を徹底的に進め、事業効率のよい体制への転換や抜本的コスト構造改革を行っており、今後もこの取り組みを推進していきます。
また、株式会社ワールドホールディングスとの資本業務提携により、両社の強みを掛け合わせることで、さらなる企業価値の向上をめざすべく、さまざまな施策を実行してまいります。
引き続き、グループ全体で事業基盤の強化を進めるとともに、変化に即応できる機動力を強化し、売上・利益の確保に努めてまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
サステナビリティへの取り組みは、企業が果たしていく社会的責任です。当社グループは、事業活動を通じ社会の持続的発展につながる価値を生み出していくことが責務であると認識しており、経営理念においてもこの考えを掲げており、今後もこの理念は不変です。
しかしながら、社会の持続的発展は永続的なテーマであり、一朝一夕で成し遂げられるものではありません。社会が求めるニーズは年々高度化していくことが考えられ、サステナビリティへの取り組みは、短期的思考ではなく、長期的思考でとらえたものとしていくとともに、この取り組みが当社グループの持続的成長につながっていくことが重要であると考えております。
したがい、当社グループの取り組みは、中期経営計画と同期化させ、期間(フェーズ)ごとにテーマを設定し、長期的視点で進めていくことを基本方針としております。2023年度から2025年度を対象とする中期経営計画では、取り組むテーマとして「環境」「社会」「ガバナンス」、この3つを柱として設定し、テーマに沿った対応を進めるための基盤づくりを中心に活動を進めており、2025年5月15日公表の、2025年度から2027年度を対象とする新・中期経営計画においても、引き続き同テーマを柱として対応を進めてまいります。なお、当社は、2023年度より、社会の持続的発展につながる取り組みの一環として、「科学技術創造立国」の実現を目指し、理工系学生、企業の若手研究者・技術者の育成を目的とし表彰を行う「独創性を拓く 先端技術大賞」の趣旨に賛同し、協賛を行っており、当連結会計年度においても引き続き協賛を行っています。
この取り組みを通じ、事業活動の高度化を後押しするとともに、企業価値創造の源泉である技術や知財資産、人的資本、新事業の開発等、価値創造につながるものに継続的に経営資源を振り向け、将来キャッシュ・フロー創出力を高める基盤の構築を進めてまいります。
(1)ガバナンス
当社は、当社グループにおけるサステナビリティ関連のリスクおよび機会は事業収益に直結することを鑑み、管理管掌取締役を統括責任者とするとともに、取締役会においてモニタリングを行う体制としております。取締役会において、課題事項の共有および取り組むテーマの設定や取り組み状況、課題事項の報告を行い、達成目標の設定、達成状況の管理を行っています。なお、事業収益拡大の機会としての課題解決に対する取り組みについては、各事業セグメントを管掌する取締役と管理管掌取締役とが協議・連携のうえ、対応してまいります。
(2)リスク管理
サステナビリティに関連する災害等の気候変動や人的資本関連の要素を含む全分野を対象とした範囲で、リスクの発生を防止し、リスクが発生した場合の損失の最小化を図ることを目的とし、管理管掌取締役の指揮のもと、当社コーポレート本部をサステナビリティ関連のリスクの抽出、進捗管理を行う責任部門とし対応を進めています。リスクの抽出、進捗管理に使用するモニタリング指標については、各事業セグメントを管掌する取締役と共有し、当社グループ事業に与える影響について、討議・確認する対応としています。
(3)戦略
①サステナビリティ関連のリスクおよび機会に対処するための取組
・環境(Environment)
「環境負荷低減を実現するモノづくり」「環境性能の高度化に貢献する製品の設計開発・市場投入」を主眼とし、生産ラインの環境負荷状況可視化や、生産副資材を含む使用部品・部材の環境対応推進、電動化ニーズのさらなる取り込みによる製品ポートフォリオの高度化等、中期経営計画における事業戦略とも連動させ、取り組みを進めてまいります。また、先端技術を駆使し、様々な最終製品の環境性能高度化が進む中、製品の安全性、信頼性を高めるには、設計や部品モジュールにおける高度なアナログ技術の集積が必要であり、当社グループの強みを活かせる分野となります。こういったことを組み合わせながら、市場に投入される最終製品を通じ、環境対応製品の拡大および進化に貢献するとともに、お客様やサプライヤーとの連携でその取り組みの高度化を進めてまいります。
・社会(Social)
「安心して働くことができる職場環境づくり」「人権侵害の排除」「ダイバーシティ&インクルージョン」、この3点を主眼とし、取り組みを進めています。
少子高齢化の進む日本における人材リソースとしての外国人材の重要性の高まり、また、当社グループのASEAN、北中米における事業展開推進に伴い、文化風習の相互理解、人権への配慮は、当社グループが対応しなければならない重要課題のひとつと認識しています。
人権への対応は、国内外で事業を行う上で、最重要かつ最優先で対応すべき事項であり、全社員で人権への感度を上げていくことが必要です。当社グループに関係するすべての人々との信頼を築く基盤であり、意識の欠如は当社グループのレピュテーションリスクとなり、ビジネスにも影響を及ぼすものとなります。
したがい、当社グループでは、その取り組みのひとつとして、当社グループが立脚するエレクトロニクス産業分野の事業者がその行動規範として採用しているレスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA:Responsible Business Alliance)行動規範を支持し、人権尊重への対応を進めるものとし、当社グループの役職員が遵守すべき基本的な規範として、①nms ホールディングスグループ 人権ポリシー、②nms ホールディングスグループ行動規範、③障がいのある社員の保護に関する指針を制定し、当社およびグループ各社のウェブサイトにおいて公開するなど、倫理的で責任ある事業活動の推進に向け、取り組みを強化しています。また、取り組みの実効性を検証するべく、制定した各指針を踏まえた労務管理の状況を重点監査項目として反映し、内部監査部門によるモニタリングを実施しています。
これに加え、「安心して働くことのできる職場づくり」への取り組みとして、内部通報制度の拡充を段階的に進め、当事業年度においては、内部通報窓口の独立性確保を目的として、内部通報事案の処理に対する監査等委員会の監督を強化したほか、2025年4月18日付で外部の通報窓口の設置も行い、社内外に周知しています。また、グループ役員及び幹部人材層に対する、有識者による倫理・人権研修、コンプライアンス研修も計画しています。まずは当社において2025年3月より実施を開始したほか、順次グループ内へ展開を図る予定です。
・ガバナンス(Governance)
「不正を起こさない、起こさせない組織づくり、しくみづくり」「誠実・公正な取引の徹底」を主眼とし、
不正行為の早期発見のしくみや継続的啓発、赤字取引の撲滅に加え、意思決定プロセスの透明化や承認プロセスの見直し、ルールの形骸化チェックなど、しくみも高度化させコンプライアンス意識の徹底に向けた取り組みを行っています。
当連結会計年度においては、小野文明氏における不適切な経費の使用等の不正事案が明るみとなり、当該不正事案の調査のため設置した特別調査委員会より、再発防止に向けた提言を受け、2024年12月20日付で当該調査委員会の提言に基づく「再発防止策骨子」を公表いたしました。今後も再発防止策を継続的に実行し、役員の規律を強化するとともに、企業倫理向上への取り組みを継続してまいります。具体的な取り組み内容については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営戦略、事業上及び財務上の対処すべき課題」の記載もご参照ください。
また、当社グループは、海外における事業展開を積極的に推進しており、グループ全体の売上高に占める海外拠点売上高の割合は、現在60%を超える状況であり、今後もその割合は増えていく見込みです。海外拠点については、競争力強化に向け、ローカルスタッフの育成・キャリア開発・登用を継続的に行いながら、経営における多様性も追求、現地法人トップを含む経営層のローカライゼーションを進めていく方針です。ローカライゼーションにおいては、機動的かつ効率的な事業運営を実現するとともに、コンプライアンス違反を発生させないための規律維持をいかに継続、定着させていくかが重要課題であると認識しており、意思決定プロセスに関する規程の整備などガバナンス体制の構築・整備を進めるべく、対応を進めてまいります。上記「社会(Social)」において述べた、人権ポリシーや行動規範を海外拠点において浸透させるための対応を進めており、これもガバナンスに対する取り組みの一つとなります。進出国・地域における法令遵守を徹底し、正道を歩むという価値観の共有を継続的に行ってまいります。
②人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針
当社グループでは、「一人一人の成長が会社の発展につながる」との考えのもと、企業文化を発展させてきました。さまざまな国・国地域で活躍する社員一人ひとりの活躍・成長が、お客様への価値創出の源泉であり我々の成長を支えています。社員の能力発揮への取り組みを深化・加速させるべく、「ダイバーシティ&インクルージョン」を取り組みの主眼に据え、多様な価値観を共有し、その違いを積極的に活かすことにより、個人のアイデアや社会のニーズを経営に取り込み、変革への対応力を強化するとともに、社員とその家族の安定した心豊かな生活実現に向け、社員それぞれのワークライフバランス、やりがいや一人ひとりのキャリア志向にあわせた活躍の場・能力発揮の場を提供すべく、その対応を進めています。
具体的取り組みとして、連携強化を目的としたグループ会社間での出向による人材交流、ミッショングレードの明確化や「成長」の観点からチーム目標、個人目標の設定を取り入れるなどの人事評価制度の見直し、さらに当社一般職社員が中心として活躍する、事業規模拡大に対応する基盤づくりを目的とした業務効率改善プロジェクトの実行などを行っています。
さらに、前述の再発防止策の実行を通じ、グループ各社の人材との対話、また、グループ会社間での社員相互コミュニケーション等も行い、事業戦略の推進力を上げる機会ともしていきます。特に、人材ビジネス事業は、当社グループで働く社員なしには成り立ちません。社員還元施策にも力を入れ、事業トップが各拠点を回り、社員と直接会話を重ね、考え方やめざす方向の共有を丁寧に行うなど、今回の不正事案について説明を行うとともに、社員から様々な意見を直接聞くなどの形で、働きやすい、安心して働くことのできる会社をめざします。企業風土改革は今後の事業成長に欠かせないものであり、グループ一丸となって、継続的に取り組みを進めてまいります。
(4)指標および目標
当社が、サステナビリティへの取り組みについて用いる指標、および当該指標に関する目標および実績は下表に記載のとおりです。当社コーポレート本部内に設置されている、「ダイバーシティ&インクルージョン推進グループ」を責任部署とし、当該部署を基軸として、個々の社員の能力を発揮に向けた施策を検討・実行し、その取り組みをグループ全体へ波及させるべく活動を進めています。
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カテゴリ |
指標 |
2024年度実績 |
2025年度達成目標 |
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女性の活躍推進 |
女性管理職比率 |
9.1% |
(注1) |
10%以上 |
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外国人材の活躍促進 |
海外現地法人ローカル幹部比率 |
44.4% |
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50%以上 |
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働き方改革 |
年次有給休暇取得率(注2) |
40.4% |
(注1) |
60%以上 |
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人権対応 |
人権デューデリジェンスの導入と実施 |
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-- |
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(注)1.当社および「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき
公表義務を有する以下の国内連結グループ会社5社の平均値です。
・日本マニュファクチャリングサービス株式会社
・nms エンジニアリング株式会社
・株式会社TKR
・株式会社志摩電子工業
・パワーサプライテクノロジー株式会社
2.年次有給休暇取得率は、前年度繰越分を含めた当年度の付与日数に対し、当年度に取得された日数の割合を算定しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月26日)現在において当社グループが判断したものです。
(1) 方針
当社グループは、独自のビジネスモデルである「人材ビジネスとモノづくりの融合」を基に、持続的成長を実現すべく、各種施策を進めています。当社グループにおける3つの事業セグメントそれぞれ特有のリスク事象はありますが、人材とモノづくりは有機的に連動するものと捉え、全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進することを目的に、あらゆるリスク情報を当社経営層に集約し、的確な初動対応、施策の実施を行うことにより、リスク発生および影響拡大の防止に努めています。
(2) 事業展開上のリスク
① 顧客の生産変動に係るリスク
当社グループの事業は、顧客に対し請負・受託機能の提供を行っており、増産、減産といった生産変動にあわせてソリューションサービスを提供することで、顧客のコスト構造をより変動費化する役割を担っています。
当社グループの現在の主要取引業種である半導体・電子部品などエレクトロニクス分野や自動車関連分野いずれにおいても、世界経済の動向に生産水準が大きく左右されることが想定され、かつ、依然として続く米中貿易摩擦やウクライナ情勢の影響のほか、経済安全保障上の観点による生産地域および品目の変更等がなされることも想定されます。
当社グループは、各業種、各国・地域における取引先の生産変動、拠点変更の動向を注視し、また、各事業セグメントから得られる情報を活用し、グループ全体で機動的かつ柔軟に生産変動に対応できるよう事業体制を整えてまいります。しかしながら、顧客の大規模かつ急激な生産変動、生産地域および品目の変更等が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 顧客の経営破綻・操業停止等に係るリスク
当社グループは、顧客の与信管理には万全を期していますが、仮に顧客が倒産し、多額の売上債権が回収不能となる場合、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、上述のとおり、当社グループの事業は、顧客の操業状態に大きく影響を受けます。人材リソースの有効的な配置による余剰人員コストの発生低減、適正在庫管理による受託製造品目の滞留在庫化防止を図ってまいりますが、何らかの理由により顧客の操業が停止となった場合や生産規模の大幅な縮小があった場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替変動に係るリスク
当社グループは、北中米、中国、ASEAN諸国に海外連結子会社を有しており、連結財務諸表を作成するにあたっては、現地通貨建て財務諸表を円換算しています。そのため、変換時の為替レートにより、円換算後の数値が影響を受ける可能性があります。当社グループにおける海外通貨取引は、仕入、製造、販売といった一連の製造プロセス全体に関わるものであり、当社グループでは、グループ内において外国通貨の融通を行う、顧客・取引先との間では同一通貨での取引を実施する等の対応を行っています。これに加え、為替変動リスクの構成要素である、グループ各社の為替持ち高(エクスポージャー)の圧縮を進めるなど為替変動のリスクを最小限に抑えるヘッジ手段を実行していますが、急激な為替変動が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 原材料・部材の調達・価格の変動に係るリスク
当社グループは、国内外において原材料、部材の調達を行っており、これらは市況によって流通量、価格が急激に変動する可能性があるほか、流通量が産出・生産国における資源政策その他の事情の影響を受ける可能性があります。
原材料および部材価格の高騰に対しては、販売価格に反映させる取り組みを行っていますが、原材料価格上昇と販売価格改定にタイムラグがあり、また、原材料および部材価格上昇部分を全て販売価格に反映できる保証はなく、原材料や部材価格の高騰が当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客において原材料・部材の入手が困難となり生産調整が行われる場合、当社グループの事業においても稼働率低下、売上減少を招くこととなり、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 減損損失等に係るリスク
当社グループは、北中米、中国、ASEAN諸国に海外連結子会社を有しており、これら子会社は事業の維持・成長または新たな事業機会の獲得のために、継続的な設備投資を行っているほか、他社の事業買収等も必要に応じて実施しています。当社グループは過去において行った設備投資や他社の事業買収に伴い多額の固定資産を保有し、また、将来においても設備投資を行う可能性があります。設備投資や事業買収等にあたっては、その効果の早期刈り取りを行うよう、慎重に判断をしたうえで実行していますが、外部環境の変化等により回収が見込めなくなった場合には、減損損失として計上する可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は持株会社として、当社グループ各社の株式を直接的または間接的に保有していますが、当社グループ各社の株式の実質価格が著しく下落した場合には、その程度によっては、評価損の計上を行う可能性があり、当社の財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 環境・人権に係るリスク
当社グループの事業は、顧客に対し請負・受託機能の提供を行っており、顧客の環境方針、人権方針、サプライチェーンの行動指針に準拠した対応を求められることがあります。当社グループでは適切な対応を図るよう努めていますが、国・地域や業種により対応には差がみられ、万一当社グループにおける対応が、顧客のこれら方針に準拠していないと判断された場合、一定期間の取引停止はもちろんのこと、顧客の減少を招く可能性があります。また、これらへの準拠対応のため運用上の大きな変更が強いられることとなった場合には、当社グループの運営コストを押し上げる要因となり、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 資金調達に係るリスク
当社グループは、グループ内資金を一元管理し資金の効率化を図るため、国内の銀行借入窓口を原則として当社に一本化し、安定的資金調達を行っています。金利影響も考慮し、資金需要に応じて長期・短期の借り換え、借入通貨変更等も行いバランスをとりつつ借入を行っていますが、市場金利が大幅に変動した場合や、当社に対する金融機関からの信用が低下した場合には、調達コストが上昇し、当社グループの財務状態等に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの事業活動、財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの事業基盤と収益力の拡充による中長期的な企業価値の向上のため、設備投資やM&Aのための資金需要は引き続き存在しており、今後、借入金等が大幅に増加した場合、金利負担増加により当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 法的規制等への対応に係るリスク
当社グループは、HS事業において製造派遣事業を行っており、当該事業は、労働者派遣法およびその他関係法令に基づく規制を受けます。労働者派遣法はたびたび改正され、近年の改正においては労働者の権利保護を目的とした規制、施策の強化が図られています。当社グループは、法改正情報を早期に確認し、適切な対応を図るよう努めていますが、万一法規制の遵守ができなかった場合、一定期間の稼働停止はもちろんのこと、顧客の減少も招く可能性があり、法改正により運用上の大きな変更が強いられることとなった場合には、当社グループの運営コストを押し上げる要因となり、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、北中米、中国、ASEAN諸国に海外連結子会社を有しており、当該国における事業活動は、当該国の法令の規制対象となります。現地における法令等を含む諸制度が日本国内におけるものと異なることにより、日本国内における事業展開では発生することのない費用や損失計上を伴うリスクがあります。海外における事業展開に伴う法令等については、事前に十分な調査・検証を行い対応していますが、これら法令の制定改廃は、当社グループの事業活動への制限や事業機会の損失につながる要因となり、さらに、万一法規制の遵守が認められなかった場合には罰金等を科されることも想定され、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 海外への事業展開に係るリスク
当社グループは、コスト削減や顧客の海外進出に対応するため、北中米、中国、ASEAN諸国での事業展開を積極的に行っています。
当社グループが海外に事業を展開する場合、製造設備等多額の初期投資を必要とするとともに、稼動開始まで時間を要する場合が多くなっています。
また、海外への事業展開では、①法律や税制上の諸規制の変更、②未整備な社会制度・社会基盤、③その他の経済的、社会的、政治的な事情等に起因する事業活動に対する障害が顕在化するリスクが内在し、これらの問題が発生した場合、海外における事業活動に支障を来し、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 品質クレームに係るリスク
当社グループは、顧客が求める品質の確保に努めていますが、当社グループが供給した製品に品質不良があった場合、多額の損害賠償責任を負う可能性や多大な対策費用(製品の補修、交換、回収等にかかる費用)を負担する可能性があります。また、当該問題が生じることにより、当社グループのイメージ・評判の低下、受注減少を招き、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 競争優位性および新技術・新製品の開発・事業化に係るリスク
当社グループが展開する各事業においては、同種の製品・サービスを供給する競合会社が存在しており、また、一部の製品については市場の成熟化が進み、市場が縮小する可能性もあり、厳しい競争にさらされています。
当社グループでは、競争優位性を維持できるよう、顧客ニーズの把握、新技術・新製品の開発・事業化に努めていますが、技術や顧客ニーズの変化に適切に対応できなかった場合や新技術・新製品の開発・事業化に要する期間が長期化した場合には、当社グループの成長性や収益性を低下させ、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 環境規制等に係るリスク
当社グループの顧客・取引先は、事業展開に当たり環境その他について広範囲にわたる規制を受けており、これらの規制は、より厳しくなる方向にあります。この影響を受け、当社グループが製品を製造する際に使用する材料、部品も規制への対応を行うべく、費用の支出を余儀なくされる可能性があります。
また、当社グループにおける事業には、自社工場における製品製造を含んでおり、当該事業においては、当社グループが様々な環境関連法令、労働安全衛生関連法令の適用を受け、自ら対応する責任を有しています。関係法令の規制が厳しくなり、これに対応する義務が追加された場合には、当該対応に係る費用の支出を余儀なくされ、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 人材の育成・確保に係るリスク
当社グループは、請負・受託拡大を進めており、これには、有能なモノづくり人材を確保することが大前提となり、一定水準以上の技能を有する人員の確保、育成を一層推し進めていく必要があります。当社グループでは、人材の育成・確保のための施策を的確に展開してまいりますが、当該施策が目論見どおり機能せず、人材の育成・確保が計画通りに進まない場合には、受注機会の損失や採用コストの増加等の発生により、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、HS事業における製造派遣および製造請負を担う人材については、多様化が進み、日本国内で就業する海外人材の割合が増加しています。当該人材の送り出しを行う国・地域での情勢不安等により、出国準備の遅れが生じる場合には、待機費用や配属遅れによる事業機会の損失等を招き、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 大規模な自然災害・事故等に係るリスク
当社グループは、グローバル市場において事業展開を行っていますが、HS事業における製造派遣および製造請負、EMS事業における製造受託、PS事業における製造のいずれも、生産機能を有する拠点での就業を前提としていることから、当該拠点機能の損壊、または当該拠点において就業する人員の生活基盤となる住居の損害等をもたらすような大規模な自然災害、火災・爆発事故、戦争、テロ行為が生じた場合、当社グループの拠点の人員、設備等が大きな損害を被り生産稼働停止、就業維持困難といった状況に至る可能性があり、これに加え、感染症の蔓延等による外出制限の長期化によっても同様の状態に陥るほか、人の移動制限や工場の稼働停止などにより、顧客における新規製品の開発や生産計画に影響が及び、これに伴い当社グループの事業計画も後ろ倒しを余儀なくされる恐れがあります。その結果、操業中断、生産・出荷の遅延による収益悪化、損害を被った設備等の修復費用の発生、事業計画の遅れに伴う投資計画の見直しなどにより、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 情報セキュリティに係るリスク
当社グループは、製造派遣、製造請負を担う人員の個人情報ならびに当社グループおよび顧客の技術、研究開発、製造、販売および営業活動に関する機密情報を様々な形態で保持および管理しています。
当社グループにおいては、これらの機密情報を保護するために、入社時において機密保持の誓約書を提出させ、その上で当社グループに対して取引先が求める機密保持のための情報管理レベルを満たす運用を行い、その管理の徹底に努めていますが、当初想定していない事態が発生した場合には、有効に機能しなくなる可能性があります。万一、これらの情報が権限なく開示された場合には、当社グループが損害賠償を請求されまたは訴訟を提起される可能性があり、また、情報漏洩があった場合には、その事実自体が当社グループのイメージ・評判の低下、受注減少を招くことにもつながり、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 社会的な信用に係るリスク
企業が社会的な存在である以上、その企業活動は常に公の活動であり、その活動は広く社会に評価されることとなります。しかしながら、コーポレート・ガバナンスに関する基本方針に背く行為、コンプライアンスの軽視や社会的倫理に反する行為等により、企業の社会的な信用等を失墜させた場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、2024年10月22日付にて公表したとおり、小野文明氏の経費使用に関する特別調査委員会を設置し、調査を実施いたしました(当該調査結果は2024年12月16日付にて公表)。
当社グループは、特別調査委員会より受領した調査結果を真摯に受け止め、再発防止策の提言に沿って、指名・報酬委員会の設置やコンプライアンスに関する定期的な研修の実施等の再発防止策を策定し、実施しております。
しかしながら、再発防止策を実施してもコーポレート・ガバナンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、不測の事態が発生する恐れがあります。万が一、当社グループが的確に対応できなかった場合、訴訟や損害賠償等による費用等の発生や当社グループのイメージ・評判の低下、金融機関との関係悪化や受注減少を招き、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、長期化するウクライナ情勢や中東情勢による地政学的リスクの高まり、世界的なインフレの進行や中国経済の低迷に加え、米国政権交代による保護主義政策強化の動きも見られ、依然として不透明な状況が続きました。
わが国経済においても雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により景気は緩やかな回復基調となりましたが、不安定な国際情勢の中、円安傾向の継続、資源・エネルギー価格の高騰に伴う物価の上昇がさらに進行し、引き続き注視が必要な状況にあります。
このような状況のもと、当社グループは、各事業において新市場への参入や新規需要の開拓等、次の成長への種まきを進めるとともに、事業基盤の強化を図るべく、グループ全体で合理化、効率化を徹底的に進め、事業効率のよい体制への転換や抜本的コスト構造改革を行ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は75,707百万円(前年同期比3.9%増)となり、営業利益はHS事業の減益影響があり1,771百万円(前年同期比1.9%増)となりました。また、営業外収益において海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替え及び海外子会社間の取引等による為替差益517百万円の発生もあり、経常利益は1,771百万円(前年同期比24.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別調査等関連損失として特別損失244百万円を計上したこと等から、779百万円(前年同期は130百万円の損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ423百万円減少し3,779百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。また、現金及び現金同等物に係る換算差額を357百万円計上しております。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、1,371百万円の収入(前年同期は4,772百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益1,587百万円(前年同期は659百万円)、減価償却費1,514百万円(前年同期は1,423百万円)、棚卸資産の減少額1,573百万円(前年同期は3,976百万円の減少額)等となり、主なマイナス要因は、売上債権の増加額262百万円(前年同期は2,228百万円の減少額)、為替差益743百万円(前年同期は458百万円の為替差益)、仕入債務の減少額245百万円(前年同期は2,915百万円の減少額)、法人税等の支払額1,025百万円(前年同期は868百万円)等によるものです。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、899百万円の支出(前年同期は1,052百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出954百万円(前年同期は941百万円の支出)、無形固定資産の取得による支出53百万円(前年同期は65百万円の支出)等によるものです。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、1,252百万円の支出(前年同期は3,092百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、短期借入金の純増額2,024百万円(前年同期は2,709百万円の純減額)、自己株式の処分による収入1,383百万円等となり、主なマイナス要因は、長期借入金の返済による支出1,934百万円(前年同期は887百万円の支出)、社債の償還による支出2,000百万円等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、製造アウトソーシング事業を主な事業として営んでいます。HS事業につきましては、その大部分が、請負業務・派遣業務であり、重要性が乏しいため、記載を省略しています。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年度比(%) |
|
EMS事業 (千円) |
33,150,944 |
104.13 |
|
PS事業 (千円) |
13,356,191 |
106.01 |
|
合計(千円) |
46,507,136 |
104.66 |
(注)金額は、製造原価によっています。
b. 受注実績
当社グループは、受注から生産までの期間が短く受注管理を行う必要性が乏しく、受注実績と販売実績の差異が僅少のため、受注実績の記載を省略しています。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年度比(%) |
|
HS事業 (千円) |
23,172,234 |
102.10 |
|
EMS事業 (千円) |
36,132,397 |
105.37 |
|
PS事業 (千円) |
16,402,962 |
103.24 |
|
合計(千円) |
75,707,594 |
103.89 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月26日)現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、長期化するウクライナ情勢や中東情勢による地政学的リスクの高まり、世界的なインフレの進行や中国経済の低迷等がありました。加えて、米国の関税引き上げ政策による経済減速リスクなど、依然として不透明な状況が続きました。 わが国経済においても、インバウンド需要の回復や賃金・雇用情勢の改善がみられるものの、原材料・エネルギー価格の高騰や世界的な金融引き締め環境における為替市場の急激な円安進行など、国内経済への影響や物価上昇等、景気後退への懸念により先行き不透明な状況が続いております。
その結果、事業環境変化を背景としたお客様における減産影響等もあったものの、新規受注の立ち上げや量産開始等により各セグメントで増収を達成し、売上高は75,707百万円(前年同期比3.9%増)となりました。一方、利益につきましては、前年に引き続きグループ全体および各拠点において合理化、効率化を徹底的に進め、事業効率のよい体制への転換や抜本的コスト構造改革を行うなど、収益性改善への取り組みを着実に進めてきたものの、HS事業の減益影響により営業利益は1,771百万円(前年同期比1.9%増)となりました。他方で経常利益については、下期以降の円高進行による為替影響があったものの、キャッシュマネジメント強化による有利子負債削減の効果により1,771百万円(前年同期比24.8%増)となりました。しかし、小野文明氏による不適切な経費の使用等に係る特別調査等関連損失として特別損失244百万円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は779百万円(前年同期は130百万円の損失)となりました。
■資産・負債及び純資産
1)資産
当連結会計年度末の資産合計は36,228百万円となり、前連結会計年度末に比べ、403百万円増加いたしました。
流動資産合計は26,063百万円となり、前連結会計年度末に比べ35百万円増加いたしました。これは主に、売掛金が983百万円、製品が310百万円、仕掛品が203百万円増加したものの、原材料及び貯蔵品が1,527百万円減少したことによるものです。
固定資産合計は10,165百万円となり、前連結会計年度末に比べ380百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が372百万円増加したことによるものです。
2)負債及び純資産
当連結会計年度末の負債合計は31,663百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,684百万円減少いたしました。
流動負債合計は28,091百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,127百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が510百万円、短期借入金が679百万円増加したものの、1年内償還予定の社債が2,000百万円、未払消費税等が149百万円、預り金が250百万円減少したことによるものです。
固定負債合計は3,571百万円となり、前連結会計年度末に比べ556百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が311百万円、リース債務が113百万円減少したことによるものです。
純資産合計は4,565百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,087百万円増加いたしました。これは主に資本剰余金が588百万円、利益剰余金が670百万円増加し、自己株式が795百万円減少したことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は、5.7ポイント上昇し12.6%となりました。
持続的成長をめざす中、その基盤となる財務体質の改善は重要課題と認識しており、中期経営計画においてキャッシュマネジメントを強化、有利子負債の削減を計画しております。
具体的には、質が伴った事業収益創出基盤とすべく、運転資本マネジメントを強化し、キャッシュを生み出す仕組みの定着を進めます。これらにより、有利子負債の削減を進め、社外流出キャッシュの抑制を図るとともに、投資の採算性、効率性のモニタリングを強化し、投資回収までの効率を高め、フリーキャッシュ・フロー創出への取り組みを強化してまいります。
|
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 |
当連結会計年度末 |
増減 |
|
|
流動資産 |
26,027 |
26,063 |
35 |
|
|
固定資産 |
9,784 |
10,165 |
380 |
|
|
|
有形固定資産 |
7,981 |
8,354 |
372 |
|
|
無形固定資産 |
605 |
551 |
△54 |
|
|
投資その他の資産 |
1,197 |
1,259 |
62 |
|
繰延資産 |
13 |
- |
△13 |
|
|
資産合計 |
35,824 |
36,228 |
403 |
|
|
負債合計 |
33,347 |
31,663 |
△1,684 |
|
|
|
流動負債 |
29,219 |
28,091 |
△1,127 |
|
|
固定負債 |
4,128 |
3,571 |
△556 |
|
純資産合計 |
2,477 |
4,565 |
2,087 |
|
|
負債・純資産合計 |
35,824 |
36,228 |
403 |
|
■売上高・利益
1)売上高
売上高は、新規受注の立ち上げや量産開始等により各セグメント全体で需要が堅調に推移し、前年同期比3.9%増の75,707百万円となりました。
国内売上高は、前年度比7.0%減の26,510百万円、海外売上高は前年同期比10.9%増の49,196百万円となりました。お客様の生産調整による影響はありましたが、全体として需要は堅調に推移、新規受注の立ち上げや量産開始などこれまで進めてきた事業規模拡大のための施策効果により、販売が増加しました。海外売上高比率については前連結会計年度の60.9%から4.1ポイント増加し、65.0%となりました。
2)売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
売上原価は、売上高の増加による影響もあり前年同期比2.9%増の65,575百万円となりましたが、収益確保に向けた施策の実行により売上原価対売上高比率は前年同期比0.8ポイント減の86.6%となり、売上総利益は前年同期比10.5%増の10,132百万円となりました。
販売費及び一般管理費については、コスト構造改革の影響はあったものの、主に物価上昇に伴う人件費および業務委託コストの増加、HS事業の基盤づくりに係るブランドプロモーション等により前年同期比12.5%増の8,361百万円となり、販売費及び一般管理費対売上高比率は、前年同期比0.8ポイント増の11.0%となりました。
この結果、営業利益は前年同期比33百万円増の1,771百万円となりました。
3)経常利益、税金等調整前当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の経常利益は前年同期比352百万円増の1,771百万円となりました。
受取利息及び受取配当金から支払利息、社債関連費用を控除した金融収支の純額費用は、前連結会計年度から242百万円費用が減少し、466百万円の負担となりました。
また、営業外収益においては、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する為替差益の発生が前連結会計年度から25百万円増加し517百万円となったこと等により、前年同期比27百万円増の662百万円となりました。
営業外費用については、支払利息が前連結会計年度から222百万円減少し516百万円となったこと等により、前年同期比290百万円減の662百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、小野文明氏による不適切な経費の使用等に係る特別調査等関連損失として特別損失244百万円を計上したことにより、779百万円となりました。(前年同期は130百万円の損失)
当連結会計年度に実施した事業構造改革の効果や需要拡大等を背景に次年度も引き続き経営基盤の強化を図りながら、当期純利益の増加につなげてまいります。
|
(単位:百万円) |
前連結 会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
実績 |
前年度比 |
主なポイント |
||
|
売上高 |
72,874 |
75,707 |
3.9% |
HS事業 :国内は、一部事業所でお客様の生産調整があり、利益面でも戦略投資における初期費用が発生。海外は、基盤強化策の効果に加え、売上増加がありましたが利益はタイの新規取引先立ち上げコストの影響で横ばい EMS事業:ベトナム・北米の戦略拠点で新規受注立ち上げや量産開始に加え、マレーシア拠点における販売増加もあり堅調に推移。利益面では、各拠点における生産性改善やコスト構造見直しの成果もあり前年同期に対して増益 PS事業 :お客様の減産及び一部商品の前倒し影響がありましたが、国内需要は高い水準を維持し、第2四半期以降は国内販売向け増加、為替影響もあり、前年同期比に対し増益 [経常利益] 営業外収益 662百万円(前年同期比 27百万円増) 営業外費用 662百万円(前年同期比 290百万円減)
[特別利益] 65百万円 [特別損失] 249百万円 |
|
営業利益 |
1,737 |
1,771 |
1.9% |
|
|
経常利益 |
1,419 |
1,771 |
24.8% |
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
△130 |
779 |
- |
|
■当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当連結会計年度は、感染症の拡大を経てサプライチェーンを含む市場構造は変化し、加えてウクライナ情勢の長期化や中国の経済成長の減速、また、インフレリスクに対応した欧米諸国での政策金利の引き上げやこれに伴う為替変動など、世界経済の先行きは依然として不透明な状況が続いています。
1)金融市場の環境
足もとでは金融市場の先行きをめぐる不確実性が拡大しています。米国の関税引き上げ政策、ウクライナ情勢や中東情勢など、各国を巡る対立による世界経済の景気減速懸念から金利低下を見込む期待がある一方、インフレの再加速による金利高止まりの視点も存在し、金融市場の先行きは不透明な状況にあります。加えて、日本国内においては、2024年3月の日銀マイナス金利解除以降、市場金利などの上昇に伴い貸出金利は上昇傾向にあります。
当社グループ事業においても、財務体質改善を着実に進めているものの、利上げに対してネガティブな影響を受けるため、留意が必要な状況が続く模様です。
2)事業環境
アフターコロナ、各国情勢や米国の関税引き上げ政策など、サプライチェーンをはじめとする市場構造の変化が見込まれる環境にあり、製造業における在庫の増産・調整というサイクルが、従来よりも不透明な状況にあります。
これらを背景に、世界経済の動向や金利・為替の変動が想定され、市場環境・ニーズもこれまで以上に変化することが見込まれ、製造業のファブレス化や外注比率の拡大等、機能分担がさらに加速していくものと見ています。
一方で、生産拠点の調整が行われる環境は、グローバルに複数の生産拠点を有する当社グループにおいて、お客様の生産課題に即応することで事業拡大の起点となる可能性も含んでおり、この環境を好機と捉え、事業戦略の策定・実行に臨むことが肝要であると考えております。
当社グループ事業は、景況変化においても、確実に利益をだせる体質に転換しつつありますが、市場環境や顧客の販売戦略変化により、端境期を迎えている製品もあり、内部資源の活用だけでなく、M&Aによる事業規模・技術・商圏・人材等を取り込んでいく戦略も必要と認識しております。
また、脱炭素社会の実現に向けた新たな技術開発や、仕組みの導入が世界各国で進められており、様々な産業分野において電動化への転換が加速していくことが見込まれます。
したがい、成長戦略実行のための資金調達を含む、持続的発展を生み出す財務体質改善への仕組みづくりも着実に進めるとともに、業績の変動要因となる、部品・部材調達リスクおよび為替変動リスクについては、以下の取り組みを行ってまいります。
・部品・部材調達リスクについて
製造業各社においてグローバルでサプライチェーンの見直しが進められているものの、当連結会計年度においては、最先端の部材だけでなく、多岐にわたる部品・部材が調達難となった状況を踏まえ、これらの影響を最小限に抑えるため、部材調達リソースの多様化、顧客の生産変動に即応する当社グループのサプライチェーンマネジメントを強化し、グループ全体で機動的かつ柔軟に対応できる体制を高度化させてまいります。
・為替変動について
当社グループはすべての事業セグメントにおいて、グローバル市場におけるビジネスを展開しており、為替変動リスクの構成要素である、グループ各社の為替持ち高(エクスポージャー)の圧縮を進めます。為替持ち高の圧縮は外貨建て資産・負債の増減により一定程度の圧縮が可能であり、金融取引・商取引の双方からの取り組みを進め、為替変動リスクの抑制に努めてまいります。
■セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
HS事業
国内事業については、原価率改善や適正販管費の管理強化等、基盤強化策を継続して実行したことに加え、高度エンジニア人材の育成を目的とした技術センターの開設も実行し、事業成長への種まきを進めました。一方で、事業環境においては、半導体関連や自動車関連など一部のお客様における減産の影響等があり、戦略投資における初期費用の発生がありました。海外事業については、これまでの基盤強化策の効果に加え、中国やタイ、ラオスにおける売上増加がありましたが、利益面ではタイにおける新規取引先の立ち上げコスト等の負担もあり前年同期に対しほぼ横ばいとなりました。
この結果、当セグメントの売上高は23,172百万円(前年同期比2.1%増)、セグメント利益は、734百万円(前年同期比33.9%減)となりました。
EMS事業
EMS事業は、中国・ASEAN・北米において生産活動を展開しており、戦略投資の実行期にあります。当連結会計年度においては、半導体関連投資の後ろ倒しによる、お客様の生産調整影響があったものの、戦略投資先であるベトナムおよび北米において、新規受注の立ち上げや量産開始等、需要は堅調に推移し、マレーシア拠点においてもエアコン関連部品を中心に需要は底堅く推移しました。利益面でも各拠点における生産性改善やコスト構造見直しの成果もあり、前年同期に対し増益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は、36,132百万円(前年同期比5.4%増)、セグメント利益は、800百万円(前年同期比88.9%増)となりました。
PS事業
当連結会計年度においては、年度を通じて需要は高い水準を維持しました。期首にはサプライチェーンの構造変化による在庫調整や、お客様における減産及び事業環境変化に伴う一部商品の販売後ろ倒し影響がありましたが、第2四半期以降は国内向け販売の増加など主力機種の受注が回復、為替影響もあり、前年同期に対し売上、利益とも増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は、16,402百万円(前年同期比3.2%増)、セグメント利益は、1,120百万円(前年同期比42.6%増)となりました。
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(単位:百万円) |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年度比 |
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HS事業 |
売上高 |
22,695 |
23,172 |
2.1% |
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セグメント利益 |
1,110 |
734 |
△33.9% |
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EMS事業 |
売上高 |
34,290 |
36,132 |
5.4% |
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セグメント利益 |
423 |
800 |
88.9% |
|
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PS事業 |
売上高 |
15,888 |
16,402 |
3.2% |
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セグメント利益 |
785 |
1,120 |
42.6% |
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調整額 |
セグメント利益 |
△582 |
△884 |
- |
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合計 |
売上高 |
72,874 |
75,707 |
3.9% |
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セグメント利益 |
1,737 |
1,771 |
1.9% |
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■設備投資および減価償却費
当社グループは、グローバル市場における次の成長機会の創出および事業競争力強化に向け、戦略投資を行っています。
当連結会計年度の設備投資額は、前年度比9.5%増の1,215百万円となりました。これは、主にEMS事業及びPS事業にて実施した、海外生産拠点における能力拡充及び合理化を目的とした設備投資によるものです。
また、当連結会計年度の減価償却費は、前年度比6.4%増の1,514百万円となりました。
翌連結会計年度以降の設備投資(新規・拡充)については、HS事業における高度エンジニア人材ビジネス拡大に向けた社内インフラ関連、EMS事業においては、メキシコ拠点における生産力増強投資およびベトナム拠点における合理化投資、PS事業においては中国及び国内の合理化投資、タイ拠点の生産能力増強投資を計画しております。
投資内容および投資実行のタイミングについては、案件ごとに投資後の事業環境や将来キャッシュ・フロー観点による計画策定を行っております。投資計画は当社コーポレート本部にてその内容を確認し、将来キャッシュ・フローにおいて課題があると認識した場合は、投資内容だけでなく、固定費、変動費の状況や売上拡大余地など、計画前提の抜本的見直しを行い、取締役会にて実行要否の判断を行っております。
また、既存・新規を問わず、実行していく投資案件については、投下資本利益率(ROI)の引き上げを行い、投資効果の早期発現をめざすしくみとしております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループにおけるキャッシュ・フローは、事業活動の資金需要、設備投資資金のための基本的財源となっています。また、当社グループのキャッシュ・フローの状況に影響を与える事項として、売上債権及び棚卸資産等による運転資金の変動、また、戦略投資の実行があります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ423百万円減少し3,779百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
営業キャッシュ・フローについて、前連結会計年度は、税金等調整前当期純利益の増加に加え、運転資金マネジメントの強化に注力した結果、売上債権の減少2,228百万円及び棚卸資産の減少3,976百万円を達成し、4,772百万円の営業キャッシュ・フローを創出いたしました。当連結会計年度も、引き続き運転資金マネジメントに取り組んだ結果、棚卸資産の減少1,573百万円による運転資金負担の軽減などにより、営業キャッシュ・フローは1,371百万円の収入となりました。引き続き収益性の改善とともに適正な売上債権、在庫水準管理に取り組む体制を強化し、キャッシュ・フロー・マージンの向上を図ってまいります。
投資キャッシュ・フローは、主にEMS事業及びPS事業における能力拡充及び合理化を目的とした設備投資の実行により、899百万円の支出(前年同期は1,052百万円の支出)となりました。キャッシュ循環性を活かした、グループ基盤の構築及び持続的な事業成長、お客様へのさらなる価値提供を行ってまいります。
財務キャッシュ・フローについて、当連結会計年度は、2025年3月26日にワールドホールディングス株式会社に対する第三者割当による自己株式の処分により1,383百万円の収入がありました。また、当社の経営課題の1つである有利子負債の削減として、長期借入金の返済1,934百万円および社債の償還2,000百万円の支出を行った結果、1,252百万円の支出(前年同期は3,092百万円の支出)となりました。
今後も引き続き運転資金マネジメントを強化しキャッシュの創出を行うことで、有利子負債削減による収益性の向上及び適切な戦略投資による事業成長を通じて、中期経営計画の達成をめざしてまいります。
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(単位:百万円) |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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税金等調整前当期純利益 |
659 |
1,587 |
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減価償却費 |
1,423 |
1,514 |
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運転資金の増減 |
3,288 |
1,066 |
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その他 |
△598 |
△2,797 |
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営業キャッシュ・フロー |
4,772 |
1,371 |
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固定資産の取得・売却 |
△1,003 |
△942 |
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その他 |
△48 |
42 |
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投資キャッシュ・フロー |
△1,052 |
△899 |
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フリーキャッシュ・フロー |
3,720 |
471 |
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借入金の増減 |
△2,396 |
90 |
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配当金支払 他 |
△695 |
△1,342 |
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財務キャッシュ・フロー |
△3,092 |
△1,252 |
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現金及び現金同等物期末残高 |
4,203 |
3,779 |
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■資本の財源および資金の流動性の分析
当社の資金需要の主なものは運転資金、設備資金および法人税等の支払です。これに対しては、営業キャッシュ・フローから産み出した内部資金の活用を優先し、内部資金では不足する場合に外部からの借入や資本性の資金調達で対応することを原則としています。
借入を行なう場合は、低コスト、長短のバランスの勘案、安定的な資金確保を方針としています。長短のバランスについては、運転資金等の短期資金需要については短期借入金で、設備資金やM&Aなどの長期資金需要については長期借入金で調達を行なうこととしています。
グループにおける資金調達は当社(持株会社)に原則一元化し資金効率を高めるようにし、グループ会社の運営資金は、事業戦略に基づき必要と判断した額を、取締役会で決議の上、貸付を行っています。
当連結会計年度においては、新規事業における投資回収並びに自己株式の処分による資金調達の結果、外部からの借入金及び社債は1,632百万円の減少(純額)となっております。引き続き、運転資本の効率化を図り借入金を減少させ、これにより自己資本比率等の財務体質改善を目指します。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っております。重要な資産の評価基準および評価方法、重要な減価償却資産の減価償却の方法、重要な引当金の計上基準等において、継続性・網羅性・厳格性を重視して処理計上しており、繰延税金資産につきましては、将来の回収可能性を十分に検討したうえで計上しております。
特に、有形固定資産および無形固定資産の減損損失については重要な会計上の見積りが必要となります。当該見積りおよび仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(資本提携を伴う事業提携契約)
当社は、2025年3月10日開催の取締役会において、株式会社ワールドホールディングス(以下、ワールドホールディングス)との間で資本業務提携(以下、本資本業務提携)を行うこと、また本資本業務提携を定める契約(以下、本資本業務提携契約)を締結することについて決議しました。
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契約締結日 |
相手先の名称 |
相手先の住所 |
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2025年3月10日 |
株式会社ワールドホールディングス |
福岡県北九州市小倉北区大手町11番2号 |
なお、2025年6月20日開催の取締役会において、本資本業務提携契約の一部内容について変更を行う旨を決議し、同日付で変更契約を締結しています。変更内容は下記(2)①に記載のとおりです。
(1)本契約の目的
本資本業務提携は、当社がワールドホールディングスを引受人として行う自己株式の処分を通じて、当社の財務体質の改善に必要な資金の調達を行うとともに、「両社の強み・弱みを相互に補完しあうベストパートナー戦略」を基本方針とし、両社共通の事業である人材ビジネス事業を中心として、多様な人材の確保及び顧客ニーズに応じた人材マッチングや、西日本エリアに強みを持つワールドホールディングスと、東日本エリアに強みを持つ当社グループとのビジネスエリアの補完、当社グループのEMS事業及びPS事業が有する工場運営ノウハウの共有やこれを活かしたものづくり人材の育成など、広く協力体制を構築することにより、両社の更なる企業価値の向上を実現することを目的としています。
また、本資本業務提携においては、ワールドホールディングスが一定の持株比率を維持することが前提となっていることから、本資本業務提携契約において下記(2)①に記載の当社株式の譲渡制限が定められ、また、本資本業務提携を効果的に進めるため、本資本業務提携契約において下記(2)③に記載の取締役の指名等に関する合意が定められております。
(2)本契約の内容
① 資本提携の内容
・当社は、下記の要領で当社の保有する自己株式について、ワールドホールディングスに対する第三者割当の方法による処分を行い、ワールドホールディングスはその総数を引き受ける。
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払込期日 |
2025年3月26日 |
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処分する株式の種類及び数 |
普通株式3,719,700株 |
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処分価格 |
1株につき372円 |
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調達資金の額 |
1,383,728,400円 |
・ワールドホールディングスは、上記払込期日以降2年間、当社の事前の書面による同意なくして、その保有する当社の株式(以下、対象株式)の譲渡(取引所金融商品市場内外を問わない)、担保提供その他の処分(以下、譲渡等)をしてはならない。ワールドホールディングスは、上記払込期日から2年を経過した日以降、対象株式の譲渡等をしようとする場合、譲渡等の方法及び相手方等について、商業的に合理的な範囲において、当社と事前に協議するものとする。
・なお、2025年3月10日付で締結した本資本業務提携契約においては、当初ワールドホールディングスが当社の事前の同意なく当社株式の買増しを行うことを制限する旨の合意を行っておりましたが、2025年5月15日に公表した、新たな中期経営計画で掲げた目標を達成するためには、ガバナンス体制の強化を図りつつ、当社グループにおける3つの事業(人材ビジネス事業、EMS事業及びカスタム電源事業)における利益成長とワールドホールディングスとの本資本業務提携を着実に推進していくことが重要であると考えており、当該観点も踏まえ、上記合意について、2025年6月20日付で、ワールドホールディングスが当社株式の買増しを行う場合には、適用ある法令等を遵守することを求める旨の合意に変更いたしました。
② 業務提携の内容
当社とワールドホールディングスは以下に掲げる事項に関する業務提携を行う。
・人材ビジネス事業におけるエリア補完
それぞれが持つ商圏(当社:東日本、ワールドホールディングス:西日本)を相互に連携させることで、国内を網羅的にカバーし、機動的な拠点戦略を実行する。
・多様な人材の採用強化・連携
両社が持つ採用ツールやインフラ等を連携させ、人材採用のマッチング効率をあげる事によって、両社の従業員及び求職者の視点に立った適材適所への配属を実現させる。
・ものづくりノウハウの融合によるサービスラインナップの強化、ものづくり人材の育成
両社人材ビジネス事業における、構内請負のノウハウの融合、並びに当社EMS事業及びPS事業における工場運営や品質保証・品質管理などメーカーとしてのノウハウを取り入れることで、人材ビジネスにおける請負・受託の事業基盤強化、収益性向上を図る。
・事業セグメントの垣根を超えた横断的営業体制の確立
様々な分野・領域においてグループ会社を持つ、ワールドホールディングスの経営資源活用により、当社グループ各事業における横断的営業活動を実施。さらに、ワールドホールディングスが展開するシームレス戦略によって両社間の有機的連携が可能となり、サービス領域の拡充によって、クライアントニーズにワンストップで応えられる体制を確立する。
・外国人材に対するノウハウの活用、及び規模の拡大
国内における外国人材ニーズに対し、受入れから教育、就業支援など、当社が有するノウハウを活かし、両社における潜在需要の掘り起こしを実施。将来さらなる需要が見込まれる外国人材への対応について協業を通じて強化する。
③ 取締役の指名等に関する合意内容
ワールドホールディングスの当社の総議決権数に対する議決権保有割合が 0.1(10%)以上であることを条件に、ワールドホールディングスは、当社の取締役1名(但し、会社法第2条第15号に定める社外取締役の要件を充足する者に限る。)を指名する権利を有するものとし、当社は、株主総会において、ワールドホールディングスの指名する者1名が取締役に選任されるように最大限努力する。
(3)意思決定に至る過程及び企業統治に及ぼす影響
当社はHS・EMS・PSの3つの事業セグメントを展開するという、特長ある事業構成でグローバル成長を目指し、HS事業における採用戦略の見直し及び国内外における拠点戦略の見直し並びにEMS事業の生産能力増強投資を進める方針である一方、さらなる企業価値の向上のためには、その基盤となる財務体質の改善、資本増強が経営課題となっており、その課題に対する方策を検討してまいりました。
そのような中、当社は、かねてより、共に人材ビジネスを共通の事業として営むワールドホールディングスと事業上の連携について意見交換等を行っておりましたが、2025年1月中旬より、より具体的に、当社の足元の状況も踏まえ、当社の経営課題を解決するとともに、事業戦略をいかに実現するかについて、両社において具体的な検討を開始することとなりました。
ワールドホールディングスは、コア事業である人材教育事業において、研究開発から設計開発、製造、物流、販売、修理、アフターサービス等「ものづくり」の川上から川下までの幅広い領域において請負・受託等の人材ソリューションを展開しています。また、半導体、電気電子部品、自動車、機械、システム、医薬、バイオ、化学、ロジスティクス、ツーリズム、接客販売など、お客様の様々なニーズに応え、サポートするサービスのフルラインナップ化を図っており、当社グループ事業にはない事業リソースを有しています。そして、当社が有する3つの事業セグメントと繋がる部分も多く、特に当社HS事業とは、ビジネスエリアの補完や人材採用の連携、同社が有するエンジニア人材の層の厚さなど、当社HS事業の事業基盤拡大に繋がる特長を有しております。ワールドホールディングスと連携することにより、請負・受託における相互ノウハウの融合により人材採用のマッチング効率をあげることによるものづくり人材及び高度専門領域を担うエンジニア人材の採用の強化のための体制の整備が可能となるとも見込まれます。加えて、ワールドホールディングスが有する、グループ内企業が有機的連携を行う横断的営業体制、シームレス戦略に基づく相互連携によって、当社EMS事業及びPS事業においても、その顧客基盤の強化・拡大が期待できます。
そして、上記のようなワールドホールディングスが有する特長と連携することで、当社の事業基盤拡大に繋がることが見込まれるところ、規模・資金力・人員リソース・技術力等、それぞれの経営リソースの共有によって、技術力・提案力の強化など両社の成長に資するシナジー効果の創出が可能であるとの共通認識に至りました。
当社としては、当社事業との親和性が見込め、特にHS事業において大きなシナジーを見込むことができるワールドホールディングスと上記「(2)②業務提携の内容」記載の施策を内容とする業務提携を行うことで、当社の事業戦略の実現に大いに貢献できると判断いたしました。また、かかる業務提携により企業価値向上に向けた施策を推進していくことは、当社信用の補完及び回復にも繋がると考えております。
加えて、財務基盤の改善が当社の経営課題であり、また、自己株式の活用も継続的に検討されていたことから、ワールドホールディングスに対して自己株式処分を行い、資本性のある資金調達を行うことで、調達資金を借入金の返済及び借換え費用に充当し財務基盤の改善を図るとともに、当社純資産及び自己資本比率の改善が見込め、ワールドホールディングスとの業務提携を踏まえた次の成長への種まきとなる投資の資金需要に対応することが可能となると考えました。
なお、当社は昨年来小野文明氏の不適切な経費使用等により特別調査委員会を設置する等しており、取引先及び金融機関における信用悪化が懸念されるところ、当社と同業かつ上場会社であるワールドホールディングスと資本業務提携を行い、企業価値に向けた施策を推進していくことが当社信用の補完及び回復にも繋がると考えております。
以上のことから、ワールドホールディングスとの間で協議を行い、2025年3月10日開催の取締役会において、ワールドホールディングスとの間で本資本業務提携契約を締結することを決議いたしました。なお、当社といたしましては、ワールドホールディングスによる当社経営への寄与によりガバナンス体制の向上が図れるものと考えております。
(財務上の特約を付されたコミットメントライン契約)
当社は、2025年3月21日開催の取締役会において、機動的かつ安定的な資金調達を行うため、以下のとおり、コミットメントラインの設定に関する契約を締結することを決議し、2025年3月27日付で締結いたしました。なお、当該契約には、財務上の特約が付されています。
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契約の名称 |
相対型コミットメントライン契約書 |
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契約の相手方 |
株式会社りそな銀行 |
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契約締結日 |
2025年3月27日 |
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貸越元本極度額 |
14億円 |
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契約期間 |
2025年3月31日から2026年3月31日まで |
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特約の内容 |
財務制限条項として、次のとおり利益維持特約が付されており、当該条項に抵触債権者の要請があった場合には、借入債務の一括弁済をする可能性があります。なお、当連結会計年度末において、当該財務制限条項を遵守しています。 ①契約締結日以降の各第1四半期における連結の損益計算書に示される ②契約締結日以降の各四半期(第1四半期を除く)における連結の損益 |
注 当連結会計年度末時点の借入実行残高は14億円となります。