独立監査人の監査報告書

 

 

 

2026年4月27日

nms ホールディングス株式会社

 

 

取締役会 御中

 

 

 

有限責任 あずさ監査法人

 

 

東京事務所

 

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

開内 啓行

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

大谷 文隆

 

<連結財務諸表監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているnms ホールディングス株式会社の2024年4月1日から2025年3月31日までの連結会計年度の訂正後の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。

当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、nms ホールディングス株式会社及び連結子会社の2025年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

不適切な会計処理及びその原因等が連結財務諸表に与える影響の検討

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 注記事項(追加情報)に記載されているとおり、nms ホールディングス株式会社(以下「会社」という。)の連結子会社であるパワーサプライテクノロジー株式会社(以下「PST社」という。)において、過去に製造・販売した製品の不具合への対応として、販売先に発生した交換対応等に係る費用の一部をPST社が負担することになっていたにもかかわらず、当該負担に伴う損失が会計処理されていなかったことが判明した(以下「本件事案」という。)。

 そのため会社は、本件事案に係る事実関係及び類似事案の有無を調査し、財務諸表等への影響を検証するとともに、原因究明と再発防止を図るため、会社から独立した立場にある外部有識者のみで構成される特別調査委員会を2026年1月23日付で設置して調査を行うことを決定し、その後の調査を経て、2026年3月13日に同委員会より調査報告書を受領した。

 特別調査委員会による調査の結果、本件事案に関し上記の費用の一部をPST社が負担することによる損失は、2024年3月期において引当金として計上すべきであり、会社がこれを行っていなかった点は、会計上適切とはいえないと認定された(以下「不適切な会計処理」という。)。これを受けて会社は、過年度に提出した有価証券報告書に係る訂正報告書を提出し、不適切な会計処理の修正を行っている。当該修正により、PST社の負担額が確定した2025年3月期においては、連結貸借対照表に未払金143,303千円及び長期未払金573,214千円が追加計上されている。

 特別調査委員会は、不適切な会計処理が生じた直接的原因は、当時の特定の役員による引当金計上に向けた論点化や判断の先送りなど、対応が不十分であったことにあり、また、それを可能にした組織体制上の問題として、特定の役員への権限・情報の集中等にも原因があると分析している。会社は、特別調査委員会による調査結果を踏まえ、全社的な内部統制及び決算・財務報告に係る業務プロセスに開示すべき重要な不備が存在していたと評価している。

 有価証券報告書の訂正報告書に含まれる連結財務諸表の監査においては、不適切な会計処理の訂正のみならず、当該不適切な会計処理の原因等を踏まえ、連結財務諸表に影響を与える本件事案以外の事項による重要な虚偽表示の可能性を検討する必要がある。

 以上から、当監査法人は、不適切な会計処理及びその原因等が連結財務諸表に与える影響の検討が、有価証券報告書の訂正報告書に含まれる連結財務諸表の監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。

 当監査法人は、不適切な会計処理及びその原因等が連結財務諸表に与える影響を検討するため、当監査法人のネットワーク・ファームの不正調査の専門家を関与させたうえで、主に以下の手続を実施した。

(1)特別調査委員会による調査の妥当性の評価

 特別調査委員会の各委員の適性、能力及び客観性を評価した。そのうえで、同委員会による調査内容を理解し、調査方法の適切性や調査結果の妥当性を検討するため、主として以下の手続を実施した。

● 特別調査委員会の調査内容及び発見事項等についての質問並びに調査報告書の閲覧

● 特別調査委員会によるインタビュー議事録、調査資料及び関連証憑の閲覧

● 特別調査委員会が実施したデジタル・フォレンジック調査に関する調査対象の網羅性及び適切性、設定したキーワードの妥当性並びに検出された重要事項への対応の妥当性の評価

(2)本件事案以外の事項による重要な虚偽表示の可能性の検討

 本件事案以外の事項による重要な虚偽表示の可能性を検討するため、上記(1)の特別調査委員会による調査の妥当性の評価に加えて、不適切な会計処理の原因等が影響を及ぼす内部統制に関連する取引・事象等の範囲を検討したうえで、主に以下の手続を実施した。

● 顧客からの重要なクレームや品質問題に関する係争案件の有無を確かめるため、顧問弁護士に対して確認状を発送し、回答内容を検討した。

● 顧客からの重要なクレームや品質問題以外の非経常的な取引、事象等の有無を確認するため、主要な関係会社における各種会議体の議事録及び会議資料を閲覧した。そのうえで、該当する取引、事象等について、関連証憑に基づいてその会計処理の適切性を検討した。

● 主要な関係会社及び連結財務諸表の作成プロセスにおける費用計上及び取消仕訳から、一定の条件を満たす仕訳を抽出した。そのうえで、抽出した仕訳について、費用の期間帰属を含むその会計処理の適切性を評価するため、それぞれの会計処理の裏付けとなる証拠書類を確認した。

 

 

北米EMS事業の固定資産の減損の兆候の有無に関する判断の妥当性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

注記事項(重要な会計上の見積り)「連結子会社の固定資産の評価」に記載のとおり、nms ホールディングス株式会社の当連結会計年度の連結貸借対照表において、EMS事業に含まれるTKR USA, Inc.及びTKR de México S.A. de C.V.からなる北米EMS事業の固定資産828,495千円が計上されており、総資産の2.3%を占めている。

これらの固定資産に減損の兆候がある場合、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。減損の兆候には、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスの場合や経営環境の著しい悪化が認められる場合が含まれる。

北米EMS事業では、前連結会計年度において営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなっており、固定資産に減損の兆候が認められていたものの、当連結会計年度において営業損益がプラスに転じている。また、経営者が作成した北米EMS事業の中期事業計画では、翌連結会計年度以降の営業損益もプラスとなることが見込まれている。このため、経営者は、経営環境の著しい悪化も認められず、北米EMS事業の固定資産に減損の兆候はないと判断している。

減損の兆候、特に経営環境の著しい悪化の有無の判定に利用された中期事業計画の作成にあたっては、主に新規顧客の獲得及び既存顧客からの受注拡大の見込みに関する仮定が採用されている。当該中期事業計画に基づいた翌連結会計年度以降の営業損益の見込みには不確実性が認められ、上記の仮定に関する経営者による判断が、北米EMS事業の固定資産の減損の兆候の有無に重要な影響を及ぼす。

以上から、当監査法人は、北米EMS事業の固定資産の減損の兆候の有無に関する判断の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。

当監査法人は、北米EMS事業の固定資産の減損の兆候の有無に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の手続を実施した。

(1)内部統制の評価

 固定資産の減損の兆候の有無の判定に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。

(2)固定資産の減損の兆候の有無に関する判断の妥当性の評価

 北米EMS事業の中期事業計画の作成にあたって採用された主要な仮定の適切性を評価するため、その根拠を経営者及び子会社の責任者に質問したほか、主に以下の手続を実施した。

● 前連結会計年度に作成された当連結会計年度の営業損益の計画と実績との差異の原因を把握するとともに、当該差異の原因が翌連結会計年度以降の営業損益の見積りに与える影響について検討した。

● 新規顧客の獲得及び既存顧客からの受注拡大について、過年度の受注実績と比較するとともに、顧客との間で交わされた受注証憑及び交渉議事録を閲覧することで、中期事業計画の前提となるこれらの仮定の適切性を評価した。また、拡販施策の効果について、当該施策の内容を把握するとともに、北米EMS事業における過去の類似施策による売上の増加実績と比較し、仮定の適切性を評価した。

 

その他の事項

有価証券報告書の訂正報告書の提出理由に記載されているとおり、会社は、連結財務諸表を訂正している。なお、当監査法人は、訂正前の連結財務諸表に対し2025年6月26日に監査報告書を提出しているが、当該訂正に伴い、訂正後の連結財務諸表に対して本監査報告書を提出する。

 

その他の記載内容

その他の記載内容は、有価証券報告書の訂正報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

当監査法人の訂正後の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

連結財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

・連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手するために、連結財務諸表の監査を計画し実施する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指揮、監督及び査閲に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

<報酬関連情報>

当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等 (3)【監査の状況】に記載されている。

 

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

 

以 上

 

 

※1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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