第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社では、「世界をデザインする」というビジョンと「カッコいい会社を増やす」というミッションを掲げ、「世の中にまだない新しい価値を提供する」コンサルティング会社を目指しております。

ビジョンとミッションには、当社のコンサルティングサービスを通じて、お客様の従業員がより活き活きとカッコよく働くようになることで、お客様全体もカッコよくなり、社会をよりよいものにデザインしていくとの想いが込められております。

また、創業以来、コンサルティングの「スキル」ではなく、コンサルタントという「人」にフォーカスしてまいりました。コンサルティング会社でありながらコンサルタントらしくない、「愛嬌」があって、「素直」で、「しつこい」、人間力のある人が多い会社だからこそ、他社にないノースサンドらしい「痒いところに手が届く」ような、おもてなしのサービスを提供することができていると考えております。このような人間力をさらに磨きあげるための行動指針が「8RULES」です。その一つひとつは、一見当たり前に思える内容ですが、全従業員の共通言語として徹底的に浸透を図ってまいりました。その結果、従業員一人ひとりが業務遂行において、誠意と熱意をもって指針を体現しながら業務に邁進する姿勢が、お客様から高く評価されております。これにより、当社のファンを増やし、継続的な受注や新規案件の獲得につながる好循環が生まれております。このように、当社の行動指針は社内浸透から始まり、お客様への価値提供、さらには新たなビジネス機会の創出へとつながり、当社がお客様と共に持続的な成長を実現する原動力となっております。

 


 

 

(2) 経営戦略

当社の強みは、「ファンづくりサイクル」という仕組みを使って再現性の高い成果を生み出し続けていることです。「ファン」とは、当社の理念や考え方に対して好意を示していただける人のことと定義しております。採用活動や自社の組織運営、営業・コンサルティングサービスを通じて、関わる人を当社のファンにしていくことが「ファンづくりサイクル」であり、当社の競争優位の源泉となっております。

この「ファンづくりサイクル」は4つの段階で構成されており、これを繰り返し循環させることで、当社のファンを増やし続ける仕組みとなっております。このサイクルが回り続け、再現性のある仕組みとして機能しております。

 


 

 

<ファンづくりサイクル>
① 採用におけるファンづくり

当社の採用活動では、候補者の方に加えて、日頃から当社に人材を紹介いただいている人材エージェントの方もファンづくりの対象となっております。当社では、コンサルティングスキル重視ではなく、当社の理念に深く共感し、「愛嬌・素直さ・しつこさ」を兼ね備えた人材を重視するカルチャーマッチ採用を行っておりますが、カルチャーマッチ採用を行う上では当社の理念や魅力を伝えるための機会を多く提供することが重要であると考えており、そのために多様な施策を実施しております。

例えば、採用候補者については会社説明会だけではなく実際に従業員と交流ができる「NS Meet-Up」をはじめとしたイベント、人材エージェントの方々向けに日頃の感謝を伝えるイベントとして「エージェント感謝祭」や「リクルーターアワーズ」を独自に開催しており、これらの施策を通じ、「ノースサンドで働きたい」、「ノースサンドに候補者を紹介したい」と感じていただくことで、当社のファンを増やせるよう取り組んでおります。これらの結果として、当社と取引のある人材エージェント数は2023年1月期~2026年1月期でそれぞれ127社、225社、312社、393社、人材エージェント経由の採用候補者数は同時期にかけて3,631名、10,401名、16,110名、21,433名と増加しており、コンサルタント数の増加に貢献しております。以下、過年度におけるコンサルタント数の推移となります。

 


 

 

② 組織運営におけるファンづくり

当社の組織運営では、従業員をファンづくりの対象として、理念を浸透させるための様々な施策を実施しております。例えば、社長から全従業員に向けて、毎営業日、始業前に理念に関するメッセージが発信されており、日常的に当社の理念に触れる機会を増やすことで浸透を図っております。また、月に1度の全社員集会や経営陣による理念に基づいたパネルディスカッション(「フィロソフィー会」)等、社内交流イベントを積極的に開催しております。

さらに、理念浸透に加え、スキルアップやキャリア形成、お客様対応等、コンサルタントが抱える様々な悩みに寄り添う支援体制を強化しております。これにより、コンサルタントの品質向上とエンゲージメント向上の両立を図っております。

これらの取り組みにより従業員が当社のファンとなることで、従業員数が2,000名を超える現在も、高いエンゲージメントを維持しております。その結果、当社の離職率(注1)は直近6期連続で10.0%未満となっており、一般的に離職率が高いと言われているコンサルティング業界において、日本国内全産業の離職率14.2%(注2)と比べても低い水準となっております。以下、過年度における従業員数と離職率の推移となります。

 


(注1) 離職率=期中退職者数÷(期首時点の従業員数+期中入社者数)
なお、2025年1月期に単体決算会社に移行しており、現在の事業内容に係る指標との比較を可能とするため、2024年1月期以前も単体ベースの離職率を記載しております。 

(注2) 厚生労働省『-令和6年雇用動向調査結果の概況-』より抜粋。

 

 

③ 営業活動及びコンサルティングサービスにおけるファンづくり

当社の営業活動及びコンサルティングサービスでは、人間力を基盤に当社の行動指針である「8RULES」に基づく徹底した行動を通じてお客様のファンを増やしております。

具体的には、プロジェクト推進において関係者間の利害や立場を踏まえた調整機能を発揮し、円滑な意思疎通及び合意形成を支援するとともに、お客様が対応しきれない業務上の空白領域に対して主体的に関与することで、業務全体の前進及び成果の創出に貢献しております。

これらは当社の取り組みの一端であり、人間力を駆使した目に見えにくい価値提供を継続的に積み重ねることにより、お客様からの信頼を獲得し、その結果、お客様と長期的な関係を構築することができております。

 


 

 

以下、当社の四半期ごとの売上高及び営業利益の推移並びに契約年別のお客様からの売上割合(注)となります。このうち、2023年以前から契約しているお客様の売上割合は、2024年1月期から2026年1月期までの2年間で全体の約8割を占めております。お客様との継続的な契約が、当社の収益基盤として安定的な売上成長及び高いロイヤリティ実現につながっております。

 


 


(注) 直近3期(2024年1月期~2026年1月期)の売上高について、契約開始年ごとにお客様を分類し、各年度の過去から継続して契約している売上高の規模を示したグラフ。

 

 

(3) 経営環境

① 国内ITサービス市場・ビジネスコンサルティング市場

当社は、ITコンサルティング及びビジネスコンサルティングを提供しており、IDC Japanの調査によりますと、当社が属する国内ITサービス市場及び国内ビジネスコンサルティング市場の市場規模は、今後も継続的に成長するものと予測されております。(注1・注2)

国内ITサービス市場は、既存システムのモダナイゼーション(注3)やクラウド移行に加え、データ及びAIの活用に向けた基盤整備や新システムの構築に関連した需要の拡大が見られ、2025年以降2030年に向けて年平均成長率6.2%で推移し、市場の拡大が継続すると予測されております。(注1)

また、国内ビジネスコンサルティング市場においても、従来のデジタルビジネス化に向けた変革支援需要を基盤として拡大してきており、これに加えて企業によるAI導入の加速がさらなる成長を後押ししていると見られます。今後も、デジタルビジネス化及びAI適応に向けた業務変革の推進や、AIを活用した新たな価値創出に対する支援需要の拡大を背景に、2024年以降2029年に向けて年平均成長率9.9%と、市場の拡大が継続すると予測されております。(注2)

(注1) IDC Japan株式会社『国内ITサービス市場予測を発表 ~データ・AI活用を含むデジタルビジネス化への支出が牽引し、2030年に10兆円を超える規模へ拡大~』(2026年3月9日)

(注2) IDC Japan株式会社プレスリリース『国内ビジネスコンサルティング市場予測を発表~企業のAI適応は市場成長の促進要因に~』(2025年12月10日)

(注3) 老朽化したシステムや古いプロセス等のIT資産を、ビジネス的な視点から、近代化もしくは最適化する考え方。移行後のシステムをより効率的で柔軟なインフラに改善し、企業の競争力向上に寄与することを目指す。

 


出所:IDC Japan株式会社プレスリリース『国内ビジネスコンサルティング市場予測を発表~企業のAI適応は市場成長の促進要因に~』(2025年12月10日)、『国内ITサービス市場予測を発表 ~データ・AI活用を含むデジタルビジネス化への支出が牽引し、2030年に10兆円を超える規模へ拡大~』(2026年3月9日)より当社にて2029年までを集計対象として作成

(注) ITサービス市場:基幹系システムの刷新やクラウド移行、企業のビジネス強化に向けたシステム開発等の案件に関する需要
ビジネスコンサルティング市場:戦略、財務/経理、業務改善等の案件に関する需要

 

② AIの進展とコンサルティングサービス

AIの急速な進展に伴い、IT業界及びコンサルティング業界の構造変化に対する関心が高まっておりますが、前述のとおり、これらの市場はAIの進展も含めて拡大が見込まれており、当社は、こうした環境変化が当社の業績及び事業機会の拡大につながるものと考えております。

また、当社は、AIの発展によりコンサルティング需要が減少するものではないと認識しております。コンサルティング業務は、「高信頼・高文脈・高責任」(注1)の領域に該当し、お客様との信頼関係や組織内の暗黙知の理解、重要な意思決定を伴う非定型業務が中心であることから、「この人だから任せられる」といった人に依拠する要素が大きい特性を有しております。実際に、海外においても「大規模なプロジェクトでは、高度な対人スキルや洞察力、繊細な配慮が必要」との指摘(注2)がなされており、AI単体による代替は構造的に限定的であると考えております。

 

さらに、日本においては、雇用慣行や独自の組織構造(注3)を背景として、コンサルティング需要が高まりやすい環境にあると認識しております。メンバーシップ型雇用やハイコンテキストなコミュニケーション文化により、部門間の調整コストが構造的に大きく、欧米のような急速な内製化が進みにくい傾向があります。加えて、IT人材の不足も継続すると見込まれる(注4)中、組織内の橋渡し役として変革を推進するコンサルティングサービスへの需要は、今後も継続するものと考えております。

当社は、こうした需要の拡大及び人材不足の状況を踏まえ、当社の理念を体現できる人材の確保及び育成に注力し、市場のニーズに対応した事業拡大を推進してまいります。

 

(注1) AI時代において人間性が求められる仕事に関する出典
江崎貴裕 『生成AIが変える世界を紐解く INFRA MECHANISM ―時代を生き残るための7つの戦略―』 (2026) ソシム
「『生成AIではなく人間でないと任せられない仕事』には、どういう要素があるでしょうか?それは、以下の3つです。1.高信頼(信頼関係が成果そのものになる領域)2.高文脈(暗黙知や例外が多い・データ化されない情報が重要な領域)3.高責任(生命・金銭・権利・信用に直結する領域)」 p.311
「まず1つ目が、高信頼な仕事です。これは『この人なら任せられる』『この人になら話せる』といった信頼関係を前提としないと成立しない仕事です。」 p.312
「高文脈の仕事は、同じルールの当てはめでは対応できない、『この現場では』『この相手では』『今このタイミングでは』という条件によって正解が変わるようなものを指します。」 p.314
「最後が、『高責任』な仕事です。AIがどれほど高度な提案を行ったとしても、その判断を『確定』させ、結果に対して社会的な責任を負うのは常に人間です。」 p.318
「以上の『高信頼』『高文脈』『高責任』な要素を持つ仕事は、今後もそう簡単には代替されず、むしろその価値を相対的に上げていくことになるでしょう。」 p.321

(注2) プロジェクト推進における対人能力の重要性に関する出典
Lynn Crawford, and Hassner, Nahmias, A. "Competencies for Managing Change" (2010), International Journal of Project Management.
https://pure.bond.edu.au/ws/files/29059103/Competencies_for_managing_change.pdf (参照日2026年3月31日)
"others (Partington et al. 2005) consider that projects or programs that require significant amounts of behavioural and organisational change […] demand high levels of interpersonal skill, astuteness and sensitivity and a fundamentally different approach to the candid, direct, and rational style valued in competent project managers."

(注3) 日本の組織構造の特徴に関する出典
小林祐児 『罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法』 (2024) 集英社インターナショナル
「組織と組織をつないでいる指揮・指示のコミュニケーションが『入れ子』構造になっているという特徴が見られます。」 p.119
 
Aoki, Masahiko. Horizontal vs. Vertical Information Structure of the Firm (1988), American Economic Association.
 https://www.wiwi.uni-bonn.de/kraehmer/Lehre/SeminarSS09/Papiere/Aoki_Horizonal_vs_Vertical_ info_structure.pdf (参照日2026年3月31日)
 "In contrast, in the J firm (Japanese firm), workers' jobs are not specified in detail and workers rotate among various jobs with some frequency within, as well as beyond, workshops. Through this practice, workers are gradually made familiar with the whole work process and become capable of coping with unexpected emergencies." 

(注4) 日本国内のIT人材不足に関する出典
経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 「IT分野について」 (2017) https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_06_00.pdf (参照日2026年3月31日)
「IT人材の不足は、現状約17万人から2020年には約37万人、2030年には約79万人に拡大すると予測され、今後ますます深刻化すると考えられている。」
 

③ 採用マーケット

コンサルティングニーズの増大に伴い、業界内での人材争奪戦が激化しており、特にコンサルティング業界の経験者採用に係る費用、人件費は高騰している傾向にあると考えております。しかし、前述のとおり、当社では、コンサルタントとしてのスキル・経験よりも、「愛嬌・素直さ・しつこさ」を兼ね備えた、当社の理念に共感する人材の採用を重視しており、幅広い人材マーケットにアプローチすることができております。業界内の人材争奪は激化していきますが、当社は独自の戦略によって、引き続き着実に採用実績を積んでまいります。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等

当社は、売上高の成長を目指す上で、コンサルタントの人数、稼働率(注1)、平均単価(注2)の3つの指標を重要視しております。2026年3月13日付で策定した「中長期経営目標」においても、前述の3つの指標を経営目標の達成状況を客観的に判断するための主要指標として掲げております。

コンサルタントの人数については、前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略」にて記載のとおり、当社の「ファンづくりサイクル」という仕組みを使って足元2026年1月期においては1,453名まで増員を実現できております。今後においても同等程度の人員拡大を目指し、積極的な採用活動を進めてまいります。

また、当社の稼働率は、創業以来90%以上と高水準を維持しております。今後も高水準を維持できるよう、人間力を基盤に、当社の行動指針である「8RULES」に基づく徹底した営業活動・コンサルティングサービスを継続していくとともに、これらサービス提供の結果として、平均単価の向上を目指しております。

なお、平均単価は2023年1月期から2026年1月期にかけて、前事業年度対比で毎年向上をしております。

(注1) 稼働率=稼働中の当社所属コンサルタント数÷稼働可能な当社所属コンサルタント数(休職者を除く。)

(注2) 平均単価(月額)=稼働中のコンサルタントの平均サービス価格

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 当社にマッチする人材の確保及び育成の強化

当社の持続的な成長に向けては、当社のカルチャーにマッチした人材の採用が重要であると認識しております。当社では、サービス提供にあたって、何よりも理念の理解と共感を重視しており、「愛嬌・素直さ・しつこさ」のある人材の採用が必要不可欠であります。そのためには、母集団の形成から、選考、クロージングまで、採用担当者の対人洞察力や内定に向けた魅力付けが重要であり、今後も、エージェントとの緊密な連携や広報活動におけるブランディング強化を図っていく等、前述の「ファンづくりサイクル」施策を推進していくことで当社にマッチする人材の確保を目指してまいります。

また、当社が事業を持続的に拡大するためには、高度化・複雑化する企業の多様な課題に対応できるコンサルタントの育成が不可欠であると認識しております。そのため、プロジェクト現場でのコミュニケーションの強化や、ナレッジの共有・OJTを徹底することで、個人が組織とともに成長できる環境を整備しております。また、マネジメント人材の育成を見据え、職位別研修やベーススキル研修を設けており、コンサルタントとして必要なスキルを体系的に学べるコンテンツを通じて、未経験者でも着実にスキルアップできる環境を整えております。さらに、従業員同士が競い合う提案会や、コンサルタントが立候補制で社内プロジェクトに参加し、自身のスキルやナレッジを活用できる社内クラウドソーシング制度(「クエスト制度(注)」)等、お客様先以外でもコンサルタントとしてのスキル向上につながる機会を提供しております。今後も、従業員のスキル向上に対するモチベーション維持に資する制度や環境整備にも積極的に取り組んでまいります。

(注) コーポレート制度の設計・整備、新卒社員向け研修やその他研修の資料作成等の社内業務に対し、社内で担当者を公募する業務支援制度

 

② 安定した稼働率の維持

当社においては、高い収益性を維持しつつ、持続的に売上を拡大させていくために、安定した稼働率を維持することが重要であると認識しております。前記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (2) 事業の特徴 ② サービス提供と案件開拓の分業体制」に記載のとおり、当社はコンサルタントとは別に営業要員と案件開拓を支援する専任のチームを設置しており、お客様ごとにきめ細やかなアカウント管理を行っております。また、コンサルタントと分業を図ることで、プロジェクトと要員の提案を円滑に行うことができております。さらに、事業の拡大に伴い、コンサルティング事業部を複数のユニットに分け、新規提案やプロジェクトサポート、大規模アカウント開発を行う要員を配置する等、業務の分担とフォロー体制を強化し、情報共有と迅速な対応を行える体制を整備しております。今後も、営業要員の増強やお客様との関係を深めることで、新規開拓・案件拡大を実現し、コンサルタントが活躍できる場を増やしていくための取り組みを積極的に行ってまいります。

 

 

③ 営業利益率の更なる向上

当社は成長戦略を着実に実行していくことで売上高の成長を実現するとともに、営業利益率の向上を図ることが重要であると認識しております。当社では、コンサルティング単価の向上や安定した稼働率の維持により売上高の成長及び売上総利益率の向上を図るとともに、売上高の成長に応じたオフィス賃料や人件費等の固定費割合の低下の結果として営業利益率の向上を図っていく方針です。なお、2024年1月期から2026年1月期における売上総利益率及び販管費率は以下のとおりであり、当該方針のもと営業利益率の上昇を実現しております。

 

 

2024年1月

2025年1月

2026年1月

売上総利益率

45.3%

46.4%

48.8%

販管費率

33.3%

29.5%

27.6%

営業利益率

12.0%

16.9%

21.2%

 

(注) 2025年1月期に単体決算会社に移行しており、本書提出日現在の事業内容に係る業績との比較を可能にするため、単体ベースの財務数値を使用して以下の計算式にて算出

・ 売上総利益率 = 売上総利益 ÷ 売上高

・ 販管費率   = 販売費及び一般管理費 ÷ 売上高

・ 営業利益率  = 営業利益 ÷ 売上高

 

④ 内部管理体制の強化

当社は現在、成長段階にあり、業務運営の効率化及びリスク管理の観点から、内部管理体制の強化を重要な課題として認識しております。当社の事業拡大に対応できる体制の確立に向けて、コンプライアンスの徹底及び内部統制の強化に継続的に取り組んでまいりました。今後も、事業規模の拡大に応じて人的体制の充実を図るとともに、定期的な内部監査の実施等を通じて、より一層の内部管理体制の強化に努めてまいります。

 

⑤ 財務戦略の多様化

当社は現状において安定的に利益を計上しており、事業継続に支障をきたすような財務上の課題は認識しておりません。資金需要が生じた場合は自己資金を充当する方針でありますが、金融機関からの借入や、資本市場でのエクイティファイナンスの実施等も選択肢として検討していく方針であります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社は、持続的な企業価値向上を目指すにあたり、サステナビリティ課題への対応を経営上の重要事項と認識しております。「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のガバナンス体制の下、持続可能な社会の実現と当社の継続的な企業価値向上の両立に努めてまいります。今後は、ステークホルダーとの対話を通じて社会からの期待や要請を的確に把握し、環境保全、社会貢献、ガバナンス強化等の分野において、より積極的かつ具体的な取り組みを展開してまいります。これらの取り組みにより、サステナビリティ経営をさらに推進し、社会と企業の持続的な成長を実現してまいります。

 

(2) 戦略

当社は、「『人』にフォーカスを当てた唯一のコンサルティング会社」として、「人」を大切にする価値観を創業期より経営理念の中核に掲げております。この理念に基づき、企業価値向上の源泉となる「人」への投資を経営上の最重要課題の一つと位置づけ、持続可能な人的資本経営の実現に向けて積極的に取り組んでおります。

当社では、人間力を高めるための行動指針として「8RULES」を掲げております。この「8RULES」の浸透により、従業員が熱意と一貫性をもって行動することで、お客様や組織に対する自身の貢献を実感することができ、エンゲージメントの強化につながっております。経営理念の浸透を基盤として、従業員が共に働き、学び、絆を深める環境を整備し、お客様に対する価値提供や信頼性を高めることにより、さらなる企業価値の向上を図ってまいります。

 

なお、当社は人的資本経営の方針及び取組を纏めた「NORTHSAND Human Capital Report 2025」(当社ホームページhttps://northsand.co.jp/guideline/iso/)を発行しております。

 

① 人材の獲得

当社は、持続的な企業価値向上を実現するため、人間力を重視した採用を徹底しております。これにより、特定の業界・職種にとらわれず、それらの垣根を越えた多種多様な人材の確保を実現できております。当社の従業員(2026年1月期末時点在籍の中途入社の従業員)の出身企業の内訳は、IT関連企業を含む事業会社(注1)が88.5%、コンサルティング会社が11.5%となっております。当社はコンサルティング会社でありながら、多様なバックグラウンドを持つ人材を擁しており、これにより幅広い知見と経験を活用したサービス提供が可能となっております。この多様な人材構成は、お客様に対する革新的なソリューションの創出や、業界の垣根を越えた実践的なアプローチの実現に寄与しております。

会社説明会やウェブサイトでは、従業員の成長ストーリーや日常の様子を紹介し、人間力が育まれる職場環境に関する情報発信を行っております。また、採用においては、スキルだけではなく人間力の評価を重視しており、面接時に候補者の価値観や仕事に対する姿勢について丁寧に確認するほか、当社が独自に開発した人間力診断ツール(Northsand Quotient、通称NQ)を活用しております。NQは、当社で活躍するコンサルタントの行動特性を言語化したデータベースを基に作成されており、採用候補者の人間力を定量的に判断することが可能です。NQによる診断結果と面接時のコミュニケーションを総合的に評価することで、入社後のミスマッチを低減し、長期的に活躍できる人材の採用を実現しております。なお、2026年1月期の採用活動における実績は、応募者数26,029名、選考倍率35.3倍(注2)、入社者数は738名となっております。内訳として新卒採用は、応募者数4,138名、選考倍率33.9倍、入社者数122名、中途採用は、応募者数21,891名、選考倍率35.5倍、入社者数616名となりました。

 

過年度における採用人数推移は以下のとおりです。

 

 

 

(単位:名)

 

2024年1月

2025年1月

2026年1月

新卒採用人数

82

107

122

中途採用人数

358

434

616

 

 

中途入社は、コンサルティング業界出身者以外からの応募割合(注3)は96.2%となっており、今後も、「スキル」だけでなく「人」にフォーカスすることを大切にする企業として、当社のカルチャーや価値観に共鳴する人材の獲得に向けた取り組みを継続し、様々な視点やアイデアを取り入れることで、より多様性に富んだ仲間の獲得に注力してまいります。

(注1) 製造業、金融業、サービス業、情報通信業等

(注2) 選考倍率 = 応募者数 ÷ 採用者数

なお、新卒採用の集計対象は2025年4月入社者、中途採用の集計対象は2026年1月期応募者となっております。

(注3) 2026年1月期におけるコンサルティング業界出身者以外の応募人数 ÷ 同期間の応募人数
なお、応募人数は、中途応募者のうち、転職エージェントサイトに前職の登録があったものと対象として集計しております。

 

(当社の採用活動における主な取り組み)
・リファラル採用

当社は、従業員の推薦によるリファラル採用を推進しております。カルチャーマッチが高く信頼性のある応募者が集まりやすいことに加え、コンサルティング会社だけではなく、IT関連企業や事業会社等、多様なバックグラウンドを持った人材が入社しております。また、従業員が推薦した人材が仲間になることで、エンゲージメントやロイヤリティが向上し、組織全体の士気が高まることにも寄与しております。

 

・内定者交流イベントの実施

当社は、入社前に内定者交流イベントを開催しております。内定者同士の仲間意識を醸成し、入社への不安を軽減することで内定辞退を防ぐ効果が期待できます。また、当社のカルチャーを直接伝える機会となり、内定者の理解を深めることもできます。従業員との交流を通じて、入社後の業務内容や職場の雰囲気を事前に把握できるため、早期定着の促進が可能となります。

 

・公式YouTubeチャンネルでの情報発信

当社は、行動指針を含む重要な価値観や職場の雰囲気を的確に伝える動画を配信しております。経営層から新卒入社者まで幅広い役職員が出演しており、応募者の視点を考慮した動画も多数取り揃えております。当社のカルチャーの理解を深め、採用後のミスマッチを抑止することに寄与しております。

 

② 人材の育成

当社は、コンサルティングにおける「スキル」ではなく、「人」に焦点を当てた採用活動を実施しており、未経験からスタートするコンサルタントも多く在籍しております。そのため、コンサルタントとして必要なスキルを体系的に学べるコンテンツを用意し、未経験者でも着実にスキルアップできる研修制度を整えております。これにより、コンサルティング業界以外での多様なバックグラウンドを持つ人材が積極的に活躍できる環境を実現しております。

また、研修制度以外にも社内提案会等、お客様先以外でコンサルタントスキルを活用できるアウトプットの機会も豊富に提供し、従業員のさらなる成長を支援しております。

 

(当社の人材育成における主な取り組み)
・各種研修制度

コンサルタントとしての基本的なスキルから、職位別の研修まで多種多様なコンテンツを用意しております。

 

・社内提案会

提案力の向上を目的とした従業員同士が競い合う社内イベントを実施しております。テーマに沿った提案書を作成・発表することで、コンサルタントとしての情報分析力や資料作成力の向上を図っております。

 

 

・社内クラウドソーシング制度

「クエスト制度」と呼ばれる社内のクラウドソーシング制度を設けております。お客様先だけではなく、社内プロジェクトに立候補制で参加し、コンサルタント自身のスキルやナレッジを活用する機会を提供しております。

 

当社は、メンバー層の人数の増加に伴い、次期マネージャー層の計画的な育成を進めており、組織全体の拡大に伴う管理体制の強化を図り、マネージャー層とメンバー層のバランスの取れた人員構成を実現しております。今後も、適切な人員配置と育成施策を継続し、持続的な成長に対応できる組織基盤の構築を図ってまいります。

 

③ 人材の定着率向上

当社は、従業員一人ひとりが会社の最も重要な財産であり、持続的成長と革新の源泉であることを深く認識しております。そのため、全ての従業員が長期的に安心して働くことができる環境整備に注力しております。特に、当社ではコンサルタントの悩みに寄り添う支援体制を構築することで、従業員のエンゲージメント向上を実現しております。

 


(注) 株式会社リンクアンドモチベーションが提供する「モチベーションクラウド」によって算出されるエンゲージメントスコア(従業員のエンゲージメントを偏差値で数値化し、DD~AAAまでの11段階にランク付けされ、エンゲージメントスコアが偏差値67以上でAAA評価となります)。
当社では、2018年より四半期ごとに調査を実施し、各期の数値は年間の平均としております。

 

この支援体制は主に4つのチームで構成されております。まず、育成チームは、コンサルタントのスキルの悩みに寄り添い、品質向上とモチベーションアップを目指した各種研修やフォローを提供しております。このチームの活動により、コンサルタントは継続的にスキルを向上させ、お客様のニーズに応じた質の高いサービスを提供することを目指しております。次に、フォローアップチームは、コンサルタントのキャリアの悩みの解決をサポートする役割を担っております。各コンサルタントのキャリア相談に応じるだけでなく、人の感情に寄り添う動き方のアドバイスも行っております。これにより、コンサルタントは自身のキャリアパスを明確に描きながら、お客様との良好な関係構築にも注力できる環境が整っております。さらに、案件開拓支援チームは、顧客対応の悩みに寄り添う重要な役割を果たしております。お客様への提案に向けた資料作成支援やナレッジ共有、提案への同行、さらにはお客様からのご要望の対応まで、幅広くサポートを行っております。この体制により、コンサルタントはお客様の満足度向上に集中し、より効果的な提案や問題解決を実現することが可能となっております。加えて、産業医、保健師、労務担当からなるチームが、従業員の心身の健康をサポートし、働きやすい環境づくりに貢献しております。

 

 


 

この包括的な支援体制に加え、多種多様な社内イベントの実施によるコミュニケーションの促進を図り、健康経営にも力を入れることで、従業員が心身ともに健康で働ける環境づくりを進めております。

 

(当社の定着率向上に向けた主な取り組み)
・全社員集会の実施

毎月1回、全従業員が参加する集会を開催し、指針に基づく顕著な成果を上げた従業員の表彰や、経営層による行動指針に関連した発信を行っております。また、集会終了後には懇親会を実施し、役職員の交流を深める機会を提供しております。

 

・多様な社内イベントの開催

ボランティア活動や従業員間の交流会等、多様な社内イベントが日常的に従業員自らの発案で開催されております。これらの活動を通じて、従業員間の結束がより強化され、エンゲージメントの向上につながっております。

 

・健康経営の推進

当社は、雇用形態に関わらず、全ての従業員の心身の健康を最優先事項として位置づけ、定期健康診断の実施やストレスチェックの導入、健康に関わる研修や外部講師によるセミナーの開催等、様々な取り組みを積極的に推進しております。当社は、多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮できる職場環境の実現が、企業の持続的な成長と社会貢献につながると確信しております。この信念のもと、従業員の健康と幸福を最優先に考え、柔軟な働き方を支援する制度の整備や、ワークライフバランスの推進に努めており、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2026(大規模部門)」に認定(2年連続2回目)されました。今後も、全ての従業員が健康で活き活きと働ける、より良い職場環境の構築に継続的に取り組んでまいります。これらの取り組みを通じて、従業員の満足度向上と企業価値の創造を同時に実現し、社会に貢献する企業として成長し続けることを目指してまいります。

 

 

(3) ガバナンス及びリスク管理

当社は、経営上発生し得る多様なリスクに対処するため、「リスク管理規程」に基づき、コーポレート本部管掌役員を委員長とするリスク管理委員会を設置しております。この委員会は四半期ごとに開催され、リスクの特定と評価を行った後、リスクへの対応策(回避・低減・移転・受容)を検討し、モニタリングを実施しております。加えて、企業倫理と法令遵守の徹底等を目的として、「コンプライアンス規程」に基づき代表取締役社長を委員長、コーポレート本部管掌役員を副委員長としてコンプライアンス委員会を設置しております。これらの委員会開催を通じて、当社はリスクを適切に管理し、法令遵守を徹底することで、持続可能な成長を実現することを目指しております。

リスク管理とコンプライアンスの強化は、企業の信頼性を高め、ステークホルダーとの良好な関係を築くための基盤と認識しております。今後も、これらの取り組みを継続的に推進し、社会的企業としての責任を果たしてまいります。

詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(4) 指標及び目標

当社は、(2)戦略に記述のとおり、人的資本経営に関する多様な取り組みを積極的に推進しております。2024年11月には、人的資本に関する情報開示の国際的なガイドラインであるISO30414の認証を取得いたしました。現時点での数値指標は以下のとおりです。なお、具体的な数値目標の設定には至っておりませんが、実効性のある人的資本の活用及び成果のモニタリングを目的として、今後はガイドラインに準じた適切な目標設定と情報開示の実現を検討してまいります。

 

指標

数値

多様性

男女比率

男性:73.8%  女性:26.2%(注2)

組織風土

エンゲージメントレーティング(注1)

AAA(注2)

採用・異動・離職

離職率

7.6(注2)

労働力

総従業員数

1,762(注2)

 

(注1) 株式会社リンクアンドモチベーションの「モチベーションクラウド」によって算出されるエンゲージメントスコアに基づき、DD~AAAまでの全11段階にランク付けされます。AAAは最上位の評価であります。

(注2) 2026年1月期のデータであります。

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資家の投資判断上、有用であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載をしております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

また、当社ではリスクの特定及び評価、並びに当該リスクへの対応策を行うためにリスク管理委員会を設置しておりますが、当該委員会の詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」」をご参照ください。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 人材の採用・確保・育成について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、持続的な成長に向けて、当社のカルチャーにマッチした人材の獲得と顧客のニーズに応えるコンサルタントの育成に注力しております。しかしながら、コンサルティング業界における激しい人材競争の中で、計画どおりに人材を確保し育成することが困難な場合や、他社に人材が流出するリスクがあります。これにより、競争力の低下や事業拡大の制約、さらには顧客へのサービス品質の低下が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

このリスクに対する対応策として、採用活動における交流イベントや広報活動におけるブランディング強化を通じて、引き続き人材エージェントの方々や採用候補者に当社のファンになっていただける取り組みを継続していきます。また、従業員がさらに理念に共感し、行動指針を体現できるよう情報発信・交流の機会を継続するとともに、従業員同士がお互いを高め合い、助け合い、絆を深めることができる環境の創出を通じてエンゲージメントを強化し、従業員のモチベーションと定着率を向上させてまいります。

 

(2) 特定顧客への依存に関するリスクについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

2026年1月期において、売上高上位20社に対する売上高が占める割合は57.4%となっており、主要顧客との良好な関係維持と新規取引開拓をバランスよく進めることで、顧客ポートフォリオの多様化を図ることができております。しかしながら、これら上位の特定顧客の経営方針の変更や業績の悪化等が生じた場合、当社の財務状況や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 中期経営目標及び長期目標に関するリスク(発生可能性:中、発生時期:数年以内、影響度:中)

当社は2026年1月期から2028年1月期までの中期経営目標及び長期目標を策定しております。当社は、売上高の成長と営業利益率の向上を目指す上で、コンサルタントの人数/稼働率/平均単価の3つの指標を重要視しております。経営目標達成に向けて、当社では、これまで行ってきた「ファンづくりサイクル」という仕組みを引き続き活用し、採用活動/組織運営/営業活動・コンサルティングサービスそれぞれにおいて、当社のファンを増やし、ビジネスのストック性を向上させ、競争優位性をさらに高めてまいります。

しかしながら、社会経済環境、競争環境、技術革新、その他経営環境等により、中期経営目標及び長期目標を達成できない可能性があります。

 

(4) 競合リスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

当社が手掛けるコンサルティングサービス事業は、多くのコンサルティング企業が事業展開しているため、競争の激化により当社の取引や収益性に影響を及ぼすリスクが存在します。このリスクに対処するため、当社では引き続き人間力の高いコンサルタントによる「痒いところに手が届く」コンサルティングを提供することで、競合他社との差別化を図り、顧客に寄り添ってあらゆるニーズに応えることで競争優位性を追求しておりますが、こうした競合他社とのサービス競争に適切に対応できない場合には、当社の財務状況や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 外注に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

当社は、顧客のニーズにお応えするため、外部の知見も組み合わせてサービスを提供しており、コンサルティング業務の一部を外部委託しております。

委託先の選定や当社従業員による管理により安定した品質の維持に努めておりますが、委託先において予想外の事態が発生した場合には、品質保持のためのコスト増、納期遅れに伴う顧客への損害賠償等が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 情報セキュリティリスクについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社では、コンサルティングサービスの提供において顧客の機密情報や個人情報を取り扱うため、システム上のセキュリティ対策、アクセス権限管理の徹底等、厳格な情報管理を図ると同時に、役職員に対して定期的に教育を実施しております。また、情報セキュリティマネジメントシステム「ISO27001」の認証を取得し、当該公的認証に準拠した規程・マニュアルの整備・運用等を行うことで情報管理体制の強化に努めておりますが、万が一これらの機密情報が外部に漏洩した場合、社会的信用の低下や損害賠償の発生等、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) コンピューターウイルス感染のリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社の事業で利用が欠かせないパソコンや携帯端末は、常にコンピューターウイルス感染のリスクにさらされております。外部からの攻撃によるセキュリティリスクが増大している中、当社では全端末にセキュリティ対策を施しておりますが、万が一ウイルス感染が発生した場合、事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 内部管理体制に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

当社は、企業価値の持続的な増大を図るためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識の下、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、及び健全な倫理観に基づく法令順守の徹底が必要と考えており、内部管理体制の充実に継続的に努めております。しかしながら、急速な拡大により管理体制の整備が追いつかず、業務の非効率化や不備が生じた場合は、内部管理体制に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) コンプライアンスリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、事業活動を行うにあたり「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」、「個人情報の保護に関する法律」、「中小受託取引適正化法(旧下請代金支払遅延等防止法)」、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」等による規制を受けております。当社では、これら法令遵守の徹底を図るため、行動規範の策定及び定期的な社内教育を実施しており、コンプライアンス意識の向上に努めておりますが、万が一役職員が法令に違反する行為を行った場合、当社の社会的信用を損ない、売上の減少や罰則の適用等、当社の事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 風評リスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、品質の高いサービスを提供することを最優先とし、法令遵守、情報管理及びコンプライアンスの強化に努めております。しかし、企業に対する根拠のない情報や悪意のある評価がインターネットやSNSを通じて瞬時に拡散されるリスクが増大しており、このような風評被害が発生した場合、当社の社会的信用や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

このリスクに対する対応策として、当社ではSNSの利用に関するガイドラインを制定・周知し、従業員に対して節度ある利用を促すことで、トラブルの未然防止及び信用維持を図り、内部からのリスクを低減しております。また、インターネット監視システムにより誹謗中傷等の書き込みを監視しており、万が一根拠のない誹謗中傷が確認された場合には、毅然とした態度で適切な措置を検討し、企業の信用を守るため迅速に対応できる体制を整えております。

 

 

(11) 訴訟等のリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社では、事業展開していく上で顧客との間で訴訟やその他トラブルに直面する可能性に対し、顧客との契約締結時にトラブル発生時の責任分担を明確にし、過大な損害賠償請求を避けるためのリスク管理を行っております。現時点において損害賠償請求や訴訟提起の事実はございませんが、万が一予期しないトラブルが発生した場合等は、これらに起因して損害賠償の請求や訴訟を提起されるリスクがあります。当社に対して訴訟が提起された場合には、その訴訟の内容及び結果によっては訴訟対応費用や企業ブランドイメージ等の悪化等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 景気変動リスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社がコンサルティングサービスを提供する顧客の業界は多岐にわたり、国内外に広く事業を展開しております。当社では顧客との関係を深化させ、新規顧客の開拓等によりリスク低減に努めておりますが、国内外の景気動向や為替相場の変動、税制や法令の改正等の外部環境要因により顧客の経営状態や業績が悪化し、事業投資やIT投資を抑制した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 自然災害や感染症に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

当社では、自然災害発生や感染症の流行等のリスクに備え、業務継続計画(BCP)の策定や管理体制の強化を図っており、従業員の安全確保や事業の早期復旧を目指し、定期的な対策を講じております。しかし、大規模な地震、台風や火災、感染症のパンデミック等の予期しない事態が発生した場合、それに伴う社会インフラの混乱や取引先の被災等が当社の業務に支障をきたし、業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(14) 配当政策について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けており、今後の業績見通し、財務状況等を総合的に勘案した結果、一定の事業基盤が整ったものと判断し、2027年1月期末より配当を開始する方針としております。配当実施後は、配当性向30~40%を目安として、継続して配当を実施してまいりたいと考えております。しかしながら、当社の業績や財務状況、資金需要の変化等により、配当方針や配当水準が見直される可能性があります。

 

(15) 当社の代表取締役について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の代表取締役である前田知紘は、創業者及び大株主であると同時に、創業以来当社の事業推進において重要な役割を担っております。当社は、取締役会や経営執行会議等の事業運営のための会議体において、役員及び幹部社員への情報共有や権限委譲を進める等、経営組織の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めてまいりました。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(16) 大株主について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の代表取締役である前田知紘は、自身の資産管理会社である株式会社グーニーズの所有株式数を含め当社株式を49.5%保有しており、本書提出日時点では当社の大株主であります。同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針としております。当社といたしましても、同氏は当社の創業者かつ代表取締役であるため、安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:高、発生時期:数年以内、影響度:小)

当社は、当社の役職員を対象に、長期的な企業価値向上に対するインセンティブを目的として、将来、新株予約権を付与できる制度を導入しております。これらの新株予約権が権利行使されることにより、当社の普通株式の発行済株式数が増加するため、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。当社においては、新株予約権の行使による株式価値の希薄化を解消できるよう、今後の業績向上に努めてまいります。

なお、本書提出日現在における新株予約権に係る潜在株式数は3,000,000株であり、発行済株式総数69,000,000株の4.3%に相当しております。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、企業業績や雇用・所得環境の改善に支えられ、緩やかな回復基調にあります。しかしながら、国際通商政策の動向や、物価や為替の変動等のリスク要因により、依然として不透明な経済状況が続いております。このような環境下で、競争力強化や成長戦略の実現を図る企業の活動を支援するコンサルティング業界への需要は堅調に推移すると見込まれます。

このような経済状況の下、当社では新規コンサルタントの人材獲得が順調に進んだことに加え、引き続き高稼働率を維持することができた結果、当事業年度の経営成績は、売上高は26,185百万円(前期比59.5%増)、営業利益は5,547百万円(前期比100.0%増)、経常利益は5,479百万円(前期比95.8%増)、当期純利益は4,046百万円(前期比105.0%増)となりました。

なお、当社はコンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績の記載を省略しております。

 

(流動資産)

当事業年度末における流動資産は、18,598百万円となり、前事業年度末に比べ、12,955百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金11,326百万円の増加、売掛金1,229百万円の増加によるものであります。

 

(固定資産)

当事業年度末における固定資産は、3,263百万円となり、前事業年度末に比べ、1,902百万円増加いたしました。これは主に、敷金及び保証金1,819百万円の増加によるものであります。

 

(流動負債)

当事業年度末における流動負債は、4,735百万円となり、前事業年度末に比べ、1,684百万円増加いたしました。これは主に、未払法人税等616百万円の増加、未払消費税等301百万円の増加、契約負債294百万円の増加によるものであります。

 

(固定負債)

当事業年度末における固定負債は、670百万円となり、前事業年度末に比べ、247百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金240百万円の減少によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、16,455百万円となり、前事業年度末に比べ、13,421百万円増加いたしました。これは、資本金4,687百万円の増加、資本準備金4,687百万円の増加、利益剰余金4,046百万円の増加によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて11,326百万円増加し、14,597百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動による資金の増加は4,286百万円(前事業年度は1,934百万円の資金増加)となりました。主な資金の増加要因は税引前当期純利益5,477百万円の計上及び未払消費税等の増加301百万円であります。また、主な資金の減少要因は売上債権の増加1,229百万円及び前払費用の増加334百万円であります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動による資金の減少は1,871百万円(前事業年度は379百万円の資金減少)となりました。主な資金の減少要因は敷金及び保証金の差入による支出1,852百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動による資金の増加は8,912百万円(前事業年度は127百万円の資金増加)となりました。主な資金の増加要因は株式の発行による収入9,374百万円であります。また、主な資金の減少要因は短期借入金の返済による支出663百万円であります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当社の事業は、コンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

 

a.生産実績

生産活動を行っていませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(セグメントごとの販売実績)

 

セグメントの名称

当事業年度

(自 2025年2月1日

至 2026年1月31日)

金額(百万円)

前事業年度比(%)

コンサルティング事業

26,185

159.5

合計

26,185

159.5

 

(注) 1.当社の事業区分は「コンサルティング事業」の単一セグメントであります。

2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

(自 2024年2月1日

至 2025年1月31日)

当事業年度

(自 2025年2月1日

至 2026年1月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社日立製作所

1,667

10.2

2,715

10.4

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態、経営成績の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の主な資金需要は、運転資金及び設備投資資金であります。運転資金は主に、従業員の人件費及び事業規模拡大のための採用活動費用等であります。設備投資資金は主に、コンサルタントの本社及び地方拠点の開設等であります。これらの資金需要は、原則として「営業活動によるキャッシュ・フロー」により獲得した資金で賄う方針でありますが、必要に応じて株式市場からの資金の獲得や銀行からの借入を活用することを考えております。キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

なお、当社の当事業年度末における現金及び預金の残高は14,602百万円、流動比率は392.7%であり、事業運営上十分な流動性が確保されているものと認識しております。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社では、当該仮定の下、主に有形固定資産の評価、繰延税金資産の見積り等の会計上の見積りについて継続的に検討を行っておりますが、現時点において翌事業年度以降の経営成績及び財政状態に及ぼす重要な影響は認識しておりません。

④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

当社では、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、コンサルタントの人数、稼働率、平均単価の3つの指標を重視しております。過年度におけるこれら指標の推移については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。