当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、企業パーパス「Activate Your Life」に基づき、経営ビジョンとして「世界中のお客様から最も信頼されるイノベーションカンパニー」を掲げております。当パーパス・ビジョンのもと策定した「中期経営計画 INNOVATION25」に取り組む中、より資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、2024年7月に「中長期グループ成長シナリオ」を策定しました。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は今後も不透明な状況が続くものと考えております。環境規制強化、資源制約、地政学リスクの常態化によりサステナブル対応が産業競争力に直結、健康寿命の延伸に加え、未知のウイルスによる脅威など人々の快適なくらしに対する意識が拡大、AI・デジタル技術の急速な発展により、あらゆる産業で工程革新が加速するなどのマクロ環境下において、「環境」、「健康・衛生」、「デジタル、先端材料」領域に対して当社技術力による社会課題解決の機会が増加しており、引き続き「EHD*集中戦略」により新たな付加価値を提供していくことが重要であると認識しております。
(3)経営戦略
当社グループは、企業パーパス「Activate Your Life」および経営ビジョン「世界中のお客様から最も信頼されるイノベーションカンパニー」のもと、より資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、2024年7月に「中長期グループ成長シナリオ」を策定し、2035年までに目指したい姿として「ROE10%以上」を重点目標としたほか、新たな経営目標指標として「PBR」と「DOE」を導入いたしました。また、今般その前半フェーズとして2030年までの具体的な戦略等を示した中期経営計画「INNOVATION30」(2026年~2030年)を策定いたしました。2030年を最終年度とする中期経営計画では、不確実性の高い経営環境でも着実に成長するため、3つの全社基本戦略に取り組んでまいります。
<INNOVATION30(基本戦略)>
① 事業拡大と成長投資:化粧品事業の拡大、化学品EHD*領域への傾注
② 財務・資本戦略の強化:バランスのよいキャッシュフローアロケーションの実行
③ サステナビリティ経営:経営基盤の強化、エンゲージメント向上、CO2削減
※Environment(環境)、Health(健康・衛生)、Digital(デジタル、先端材料)の頭文字を取った当社独自の基本戦略。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「INNOVATION30」は「中長期グループ成長シナリオ」の前半フェーズとして、事業拡大と成長投資により、これまでに無い飛躍的な成長とEBITDAの増大を同時に実行する5年間と位置付けております。また、PBR1倍の早期実現に向けて、株主資本コストを安定的に上回るROEの継続的な向上を重点目標として設定しております。
<INNOVATION30(2030年目標)>
売上高:700億円 化学品、化粧品ともに成長
営業利益:56億円 高付加価値事業へ傾注
営業利益率:8.0% 安定的に8%以上
EBITDA: 90億円 「稼ぐ力」を成長させる
EBITDA率:12.8% ROS以上の成長
ROE:8.0% 株主資本コストを安定的に上回る
ROIC:6.0% WACCを安定的に上回る
PBR:1.0倍以上 早期達成を目指す
DOE:3.0%以上 3%以上かつ継続的に向上を検討
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
当社グループは、当社グループの象徴である「Activate」という言葉に、2つの想いをこめています。
ひとつめは、当社グループが製造・販売している界面活性剤は surface active agent といい、その技術で、人々のくらし、社会を豊かにし、輝く未来を作っていきたい、という想い。
ふたつめは「活性化する」「輝かせる」という意味から、お客様やビジネスパートナー、社員、一人ひとりの暮らしや人生(Your Life)が活き活きと輝くものにしていける、activateな存在でありたい、という想い。
当社グループはこの想いを実現し続けることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
①ガバナンス
当社グループでは経営軸の一つにサステナビリティを定め、「EHD(Environment:環境・Health:健康/衛生・ Digital:デジタル、先端材料)」の3つの領域を軸足に、社会課題の解決に貢献することを目指しておりますが、当社グループにおける環境に関する重要課題の審議検討を行う組織として、サステナビリティ委員会(委員長:代表取締役社長、委員:経営会議メンバー)を設置しております。
当委員会では気候変動への対応を含む環境課題をはじめ持続可能な社会の実現に係る諸課題を総合的に評価し、その審議内容は定期的に取締役会へ報告の上、決議を得ることとしています。また、全社的な取り組みの進捗管理をはじめとした気候変動等に関する計画立案等を行う事務局として、当委員会下にサステナビリティ統括部会を設け、当部会が取締役会での決議事項等をグループ各社へ伝達・管理を行うことで、全社的なサステナビリティ経営への統合を図ることとしています。
(体制図)
②戦略
当社グループでは、気候変動が事業経営にどのような影響を与えるのかを検討し対応を経営戦略へと反映させることを目的として、シナリオ分析を通じた気候変動による影響評価を実施しています。現在実施済みのシナリオ分析では当社の化学品事業セクターを対象とし、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の公表する複数のシナリオを参考に2030年時点での影響についてリスクと機会を定量・定性の両面で評価しています。
なお、分析にあたって設定したシナリオは以下のように定義しています。
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4℃シナリオ |
1.5℃シナリオ |
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産業革命期と比較して21世紀末頃に世界平均気温が4℃上昇するシナリオ。経済成長を優先課題とし、気候変動政策は2021年時点で施行されている規制以上に強化されない。 |
産業革命期と比較して21世紀末頃の世界平均気温の上昇幅が1.5℃に抑制されるシナリオ。カーボンニュートラルの実現に向けて、積極的な環境政策が推進される。 |
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参 IPCC:RCP8.5 |
参 IPCC:RCP2.6 |
(主なリスクと機会)
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区分 |
要因と事象 |
評価 |
現在の取り組み状況 |
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影響種別 |
4℃ シナリオ |
1.5℃ シナリオ |
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脱炭素化社会への移行による影響 |
カーボン プライシング |
炭素税の導入をはじめとする事業運営コストの増加 |
リスク |
小 |
大 |
・CO2排出量削減目標の設定 ・再生可能エネルギー由来電力への切り替え ・ボイラー更新による環境負荷低減 |
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エネルギー コストの変化 |
再生可能エネルギー由来発電への切り替え等による購買電力価格の高騰 |
リスク |
小 |
中 |
・太陽光発電設備の設置導入 |
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低炭素技術の 進展 |
低炭素技術の開発及び脱炭素化を見据えたDX化の推進に伴う関連製品の需要拡大(フッ素化学品、水系ウレタン樹脂、ほか) |
機会 |
中 |
大 |
・先端情報技術分野における技術応用及び事業推進 |
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|
顧客行動 変化 |
サプライチェーン全体での脱炭素化ニーズ拡大による環境負荷低減ニーズの拡大 |
機会 |
小 |
大 |
・環境系第三者認証の取得 ・環境対応型製品開発に向けた技術投資 ・Smart Dyeing Processの提案 |
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|
地球温暖化に伴う物理的影響 |
異常気象の発生 |
自社拠点及び物流網の被災による被害規模の拡大 |
リスク |
大 |
大 |
・BCPの定期的見直し ・拠点別防災訓練・教育の実施 |
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原材料価格への影響 |
原油価格高騰による石油由来原材料の需要変化、パーム油などの農作物系原材料の収穫不良に伴う価格高騰 |
リスク |
大 |
中 |
・RSPO対応パーム油の使用推進 ・自然由来原料、天然系素材、バイオ系原料を用いた製品開発 |
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平均気温の上昇 |
年間を通じた気温上昇をはじめとした適応ニーズの拡大(冬物衣服需要の低下による化学繊維需要の縮小) |
リスク/機会 |
中 |
中 |
・環境衛生、高機能加工ニーズに対応した技術・製品開発 |
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評価指標
大:将来の営業利益予想に対して、±3%以上の影響を試算した項目
中:将来の営業利益予想に対して、±3%未満の影響を試算した項目
小:試算した影響額が極小、もしくは影響が無いと思われる項目
※定量評価が困難な影響は定性的な考察を踏まえて評価し、当該項目はグレー塗りで示しています。
経済成長を優先課題とし、気候変動政策が推進されない4℃シナリオでは、異常気象災害の激甚化と頻発化による重大な物理的被害が予想され、洪水や高潮による各営業所や工場への直接的被害や営業停止による損失が拡大することを試算しています。一方で当社は拠点の分散化を図っており(国内:12拠点、海外:18拠点※2025年12月現在)、激甚的な気象災害の発災時にも事業継続に支障を及ぼすことの無いようリスクの分散化にも注力し、リスク低減を図っています。また社会への影響として災害発生時の避難生活時における健康被害が予測される中、当社は抗菌・防臭・抗ウイルス技術及び消毒剤等の衛生商品を開発しており、これらの取り組みが当該シナリオにおける社会貢献に繋がるものと評価しています。
低炭素社会の実現に向けて積極的な環境政策が推進される1.5℃シナリオでは、脱炭素化に伴う法規制の導入や社会の意識変革による影響が顕著となると想定しています。支出の側面では、炭素税や排出権取引制度の拡大が操業コストを増加させるだけでなく、国内外における拠点の国の政策状況や地域特性に応じた対応も迫られることが考えられるほか、エネルギー政策によるエネルギー需給の変容により、各国拠点共に購買電力の価格高騰も予想されます。収益面では社会の環境意識の高まりによる環境配慮型資材の使用に対する要請や服飾製品の循環利用及び長時間利用による販売数量の減少も懸念されますが、当社の「EHD(Environment:環境・Health:健康/衛生・ Digital:デジタル、先端材料)」への貢献を開発コンセプトに掲げた製品開発の推進は、そうした社会からの要請の強まりを見据えた取り組みであり、今後想定される脱炭素化を見据えた需要にも応え得る取り組みとして、事業機会となる可能性を認識しています。
当社グループでは想定したシナリオが双方ともに現実となる可能性を踏まえ、物理的被害の拡大にあたってはBCP対策、脱炭素化への移行へ向けては「EHD」を軸足とする事業構造の転換の推進などを進め、気候変動に対してもレジリエントな経営の実現を目指して取り組んでまいります。またカーボンニュートラルの達成に向けては、既に当社では自社の環境負荷低減に向けてCO2削減努力の推進や繊維加工におけるサプライチェーン全体での環境負荷低減も見据えたSmart Dyeing Processの提案など、事業活動全体を通して脱炭素化の推進に注力しておりますが、これらの取り組みもこの分析を踏まえ特定したリスクの低減や緩和、企業価値向上や成長機会に繋がるものと考え、さらにその取り組みを推進しているところであります。
今後は当社の化粧品事業セクターにも考察範囲を広げ分析を深化させると共に、環境や社会の変化に積極的に対応し、ケミカルグリーンコンセプト「全員参加で自ら築くやさしい環境」を実践しながら、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。なお、現在実施中の個別具体的な取り組みについては、当社の環境・社会活動報告書にて報告しております。
③リスク管理
当社グループにおける気候変動をはじめとしたサステナビリティに関するリスクの管理及び統括は、サステナビリティ委員会が担っています。サステナビリティ委員会下のサステナビリティ統括部会がリスクの識別、評価、及び管理監督の実働を担っており、気候変動リスクについてはシナリオ分析の手法を通して事業へ重大な影響を及ぼす重要リスクを評価特定しています。特定した重要課題はサステナビリティ委員会に報告し、持続可能な社会の実現に係る諸課題も含め総合的に評価した上で取締役会へ報告の上、決議を得ることとしています。
以上のプロセスを通じて特定した重大課題については、サステナビリティ統括部会が事務局となり、リスク発生の未然防止策と、問題が発生した場合の早期発見及び損失の最小化のための対策が講じられ、各部門及び各グループ会社へ指示監督、進捗管理を行うこととしています。
④指標と目標
当社グループは、SDGsへの取り組みの一環として2021年から中期経営計画「INNOVATION25」において、「2030年にグループ全体のCO2実質排出量(Scope1,2)30%削減※2018年度比」を経営目標の1つとして設定しておりましたが、2026年2月に策定いたしました2030年度を最終年度とする新中期経営計画「INNOVATION30」におきましても、同一削減量および時期にて経営目標の一つとして設定いたしました。当社グループの気候変動対応の取り組み状況の評価指標として引き続きその進捗を追ってまいります。
CO2排出量削減に向けての取り組みとしては、福井県内の事業所(本社・鯖江工場)においては、北陸電力の「かがやきGREENピュア」を導入し再エネ100%の電力使用としたことで電力由来のCO2排出量ゼロを実現しており、グループ会社においても、新たに国内外の工場の一部において再エネルギー電力利用に切り替えております。また、化石燃料使用に伴うCO2排出量の削減につきましても、ボイラー老朽化対応の際、従来の重油燃料ボイラーからLNGボイラーへ更新しております。この他、生産工程削減の検討や省エネルギータイプ設備への変換、太陽光発電システムの設置やLED化の促進などに取り組むことで、環境負荷の低減を図っております。
これらの結果、2025年度のグループ全体のCO2実質排出量(Scope1,2)は、2018年度比で38.9%減となりました。
(CO2排出量)
算定範囲:Scope1,2,3とも全て当社連結
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CO2排出量 実績 |
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2018年(基準年) |
2024年 |
2025年 |
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CO2総排出量 |
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内訳 |
Scope1排出量 |
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Scope2排出量 |
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2024年 |
2025年 |
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Scope3総排出量 |
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484,133t-CO2 |
算定中 |
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|
内訳 |
カテゴリー① |
購入した製品・サービス |
426,935t-CO2 |
算定中 |
|
カテゴリー② |
資本財 |
11,664t-CO2 |
算定中 |
|
|
カテゴリー③ |
Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動 |
3,649t-CO2 |
算定中 |
|
|
カテゴリー④ |
輸送・配送(上流) |
15,301t-CO2 |
算定中 |
|
|
カテゴリー⑤ |
事業から出る廃棄物 |
2,389t-CO2 |
算定中 |
|
|
カテゴリー⑥ |
出張 |
1,938t-CO2 |
算定中 |
|
|
カテゴリー⑦ |
雇用者の通勤 |
796t-CO2 |
算定中 |
|
|
カテゴリー⑧ |
リース資産(上流) |
2,552t-CO2 |
算定中 |
|
|
カテゴリー⑨ |
輸送・配送(下流) |
47t-CO2 |
算定中 |
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|
カテゴリー⑩(注)1 |
販売した製品の加工 |
- |
- |
|
|
カテゴリー⑪(注)1 |
販売した製品の使用 |
- |
- |
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|
カテゴリー⑫ |
販売した製品の廃棄 |
16,272t-CO2 |
算定中 |
|
|
カテゴリー⑬ |
リース資産(下流) |
2,592t-CO2 |
算定中 |
|
|
カテゴリー⑭(注)2 |
フランチャイズ |
- |
- |
|
|
カテゴリー⑮(注)2 |
投資 |
- |
- |
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(注) Scope3の算定については、環境省が発行する『サプライチェーン排出量算定の考え方』(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/supply_chain_201711_all.pdf)に基づき、産業技術総合研究所「LCI(ライフサイクルインベントリ)データベース IDEA Ver2.3」等を参考に2023年度分より算定開始。
2025年のScope3排出量は算定中のため記載しておりません。当該値が確定いたしましたら、当社ウェブサイトにおける「TCFD提言による情報開示」内に記載する予定です。
1.(化学品)当社製品は中間製品であり最終製品を製造するための原料として多用な用途で使用されていることに加え、最終製品における当社製品の使用量は非常に少量であるため、合理的算定の対象外としています。
(化粧品)当社製品は最終製品であるが、当社製品使用によるCO2排出量は少量であるため対象外としています。
2.該当する活動がなく、対象外としています。
(2)人的資本
当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
①人材育成に関する方針
当社グループは、多様な人材が世界中から集い、高いモチベーションで持てる能力を最大限に発揮しグローバルに活躍出来る企業集団を目指して、「人材」と「働き方」の多様性を高めると同時に、全グループ社員の仕事のやりがいと、貢献度の高い社員の満足度を向上させていくことで、当社グループの重要な経営フィロソフィーである「大家族主義」を進化させてまいります。
②社内環境整備に関する方針
a. 人材育成への取り組み
・選抜型次世代リーダー育成研修を実施し、経営的発想と事業構想力を習得させ将来を担える中核人材の育成を図っております。
・海外語学留学、マンツーマンの英会話レッスン、e-learning等の手段を用いて従業員の語学力向上に努めております。
・若手から中堅社員を海外現地法人へ派遣することで、海外勤務の経験と経営者としての育成を図っております。
・入社から退職まで、年代や役割に応じた各ステージで階層別研修を実施しております。
・内定者へは、入社前より社員の一員であるとの認識のもと、内定式や内定者懇親イベントの機会を通じ、入社後の不安払拭や定着に向けた取り組みを実施しております。
・ブラザーシスター制度では、新人一人につき若手の先輩が一人、メンター的存在として担当し、指導やアドバイスをしております。同時にプライベートの相談相手となるなど、入社初期段階のスムーズな成長を促進するべくサポートしております。また、ブラザーシスター制度は、ブラザーシスターを担当した社員の成長促進にも寄与しております。
・2018年4月から、管理職に対して役割等級制度を導入し、評価制度、賃金体系を変更しております。年功要素を廃し、責任の重さ、役割の達成度、能力の進展のみに焦点を当て、会社への貢献度合いによって処遇を決めることとしております。
・同じく、一般社員についても、育成視点に立った制度の見直しを図っております。会社の発展には社員一人一人の成長が必要であるということを念頭に、成長を促す制度としております。具体的には、チヤレンジングな目標を設定し果敢に挑戦する環境を整え、上司は部下の成長に責任を持つことを求めると同時に、評価と賃金にメリハリをつけて管理職と同様に能力の発揮度合いによって処遇を決めることとしました。これらの制度改革は人事面から経営目標の達成へアプローチするものであり、今後も新人事制度が確実に機能するよう定着と運用に努めてまいります。
・2023年には、全職層を対象としてキャリアプランシートを導入しております。社員一人ひとりの自身を高めたいという思いを支援する取り組みであり、ありたい自分の将来を考え具体的な目標とし、積極果敢に挑んでもらいます。職場や上司は、面談や日々の業務の中で成長の促進役となり、管理職では複線化されているマネジメント職、プロフェッショナル職の選択においても早い段階から意識し目指すことでキャリアのミスマッチの防止にも努めてまいります。
b. 働き方改革
・当社グループでは、「女性、障害者、高齢者や外国人等多様な社員一人ひとりの活躍が、会社の成長に結びつく」という経営ポリシーを基に、2021年からの中期経営計画「INNOVATION25」においてもダイバーシティ経営への取り組みを進め、その中でもとりわけ「女性の活躍」については、当社の"成長戦略"として位置づけております。
・これまでも、フレックスタイム制度や在宅勤務を含めたテレワーク制度などの導入により、時間や場所にとらわれない多様な働き方が可能となったこと、また、2020年度には出産休業・育児休業取得者を対象とした就労支援制度を導入するなど、仕事と子育てを両立しやすい風土づくり・環境整備を進めてまいりました。
・今後も多様な働き方を選択できる環境下において、社員一人ひとりが現状に満足せず、高い目標に向かってチャレンジし続けられる職場環境の提供に取り組んでまいります。
③指標及び目標
当社グループでは、中期経営計画「INNOVATION25」において、人財育成の推進を掲げております。また、女性活躍推進法に則り、一般事業主行動計画に策定・届出を行っており、以下の定量目標を設けて取り組みを進めております。
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目標 |
2023年度実績 |
2024年度実績 |
2025年度実績 |
結果 |
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31.5% |
33.7% |
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達成 |
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100% |
100% |
|
達成 |
④報酬制度の見直し
当社グループでは、優秀な人材の確保および経営人材の中長期的な企業価値向上へのコミットメント強化を目的として、報酬制度の見直しを実施いたしました。
・2025年4月には、昨年に引き続き初任給の改定を行い、前年比約10%の引き上げを実施しております。将来を担う多様で優秀な人材の獲得競争が高まる中、競争力ある処遇水準の確保を図るものであります。
・また、経営職層を対象として株式報酬制度を導入いたしました。経営陣と株主の皆様との価値共有を一層促進するとともに、中長期的な業績向上および企業価値最大化への意識を高めることを目的としております。これらの見直しにより、経営職1人あたりの年収水準は前年比平均約5%の増加となっております。
・今後も、人的資本戦略と連動した報酬体系の高度化を図り、持続的成長を支える人材基盤の強化に取り組んでまいります。
⑤福利厚生の拡充
当社グループでは、従業員の中長期的な資産形成支援およびエンゲージメント向上を目的として、福利厚生制度の拡充を実施いたしました。
・2025年4月より、従業員持株会の奨励金率を従来の6%から10%へ引き上げ、従業員の自社株式取得を通じた中長期的な財産形成および企業価値向上への参画意識の一層の醸成を図っております。
・また、2025年7月には職場積み立てNISA制度を導入し、従業員の計画的な資産形成を支援する環境整備を行いました。
・制度導入にあたっては、資産形成に関する基礎知識の習得および金融リテラシー向上を目的とした投資教育を実施し、従業員が主体的に将来設計を行うための支援体制を整備しております。
⑥健康経営について
a.健康経営についての考え方
当社グループのパーパス「Activate Your Life」の実現には、社員一人ひとりが活き活きと働き、イノベーションを創発し続けることが不可欠です。会社の成長を支える社員とその家族の心身の健康を重要な経営資源と捉え、健康の維持・増進を図り、個性や能力を最大限に発揮できる環境づくりを行うことが会社そして社会の持続的な発展につながると考えております。
当社では健康経営を会社経営の最重要事項の一つとして積極的に取り組み、継続的に力強く推進してまいります。
b.健康経営の推進体制について
「NICCA健康経営宣言」の達成に向けて、従業員の健康増進活動を永続的に推進していくために、経営トップを健康経営最高責任者とする推進体制を組織しております。
実務を担当する総務を中心に、ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)に関連する社内組織や労働組合、医療専門職、健康保険組合などの関係者が連携の輪をつくり、定期的な労働安全衛生の会議体などで議論しながら、健康増進活動に取り組んでおります。
なお、推進体制図につきましては、当社コーポレートウェブサイトをご覧ください。
https://www.nicca.co.jp/sustainable/society/health-management.html
c.健康経営戦略マップ
健康経営で解決したい課題に対し、施策の実施により期待する効果や具体的な取組などのつながりを認識し取り組んでいます。
なお、戦略マップの詳細につきましては、当社コーポレートウェブサイトをご覧ください。
https://www.nicca.co.jp/sustainable/society/health-management.html
d.健康経営に関する指標及び目標
健康診断による疾病の早期発見と医療専門家の指導による早期治療の促進、またメンタル不調による休業・休職者数に加え、長時間労働による疲労の蓄積を重点課題と捉え、諸課題とともに取り組みを進めております。健康な職場づくり活動(健康経営)の一層の推進に向けて、具体的な指標を制定しており、年度ごとに達成状況を確認し、それぞれの指標の目標達成に向けて取り組んでまいります。
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項目 |
目標値 |
2023年度実績 |
2024年度実績 |
2025年度実績 |
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①法定検診受診率 |
100% |
100% |
100% |
100% |
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②長時間労働者数(残業45時間超/月) |
年間累計30名以下 |
38名 |
19名 |
30名 |
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③高ストレス者割合 |
10%以下 |
11.7% |
11.9% |
12.0% |
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④非喫煙率 |
90%以上 |
77.7% |
75.4% |
74.9% |
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⑤特定保健指導利用率 |
20%以上 |
4.3% |
集計中 |
集計中 |
e.取り組みに対する評価
当社は、上記の取り組みなどが評価され、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に3年連続で認定されました。今後も社員の健康の維持・増進に努め、健康経営の取り組みを通して、社員一人ひとりが、明るく、楽しく、元気よく、誇りを持って働くことができる環境づくりを行ってまいります。
当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1)海外展開とカントリーリスクについて
当社グループは14社の海外拠点を持ち、連結売上高に占める海外売上高比率は約50%となっており、高い水準で海外市場に依存しております。従って、為替相場の影響を受けやすい状況にあります。当社グループは、外貨建ての債権と債務のバランスを考慮するほか、外貨建て債権の回収サイトの短縮化に努めており、その影響を最小限に抑えることができると考えておりますが、急激な為替相場の変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは複数の新興国において事業を展開しており、地域を分散させることでカントリーリスクの回避に努めておりますが、政治及び経済の急激な変動や紛争、テロ、暴動等があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2)市場の経済状況について
当社グループの製品に対する需要は、ファッション・アパレル業界、自動車業界、家具ほかテキスタイル産業資材業界、美容室業界、電子・半導体業界、クリーニング業界、化学品及び化粧品業界等の市場動向や消費者の需要変化の影響を受けます。また、当社グループは日本国内を始め、アジア各国や北米などに製品を販売しており、各国・各地域における経済状況が製品販売に大きな影響を与えております。
当社グループは、グローバルな事業戦略のもと、各地域特性や消費者特性なども踏まえ、事業環境の変化に影響されにくい体質づくりを目指していますが、これら関連業界の需要減少、販売地域での景気動向、社会や産業の構造変化等により、当社グループの経営成績及び財務状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(3)新技術・新製品の開発・事業化について
当社グループは、持続的成長を支える原動力は研究開発にあると認識し、新製品開発を推進するとともに、繊維化学品事業、化粧品事業に次ぐ第三の事業の柱として新規事業の創出に注力しております。今後も中長期的な視点のもと、計画的かつ継続的に経営資源を投入してまいります。
しかしながら、研究開発活動や新規事業創出の進捗が当初計画と大きく乖離した場合や、期待した成果が得られない場合には、投下した経営資源の回収が困難となる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、AIやデータ活用、DX(デジタルトランスフォーメーション)等を含むデジタル技術分野における技術革新や産業構造の変化が急速に進展する中で、当社グループがこれらの変化に適切に対応できない場合には、当社グループの競争力の低下や社会的信頼の低下等を招き、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります
(4)原材料の市場変動の影響について
当社グループが生産に使用する原材料は、石油関連及び天然由来原材料の占める割合が高く、需給バランス、天候不順、為替レートの変動等により、市況価格が変動する可能性があります。
また、中東地域をはじめとする産油地域における地政学的リスクの高まりや国際情勢の変化等により、主要な海上輸送路に制約が生じた場合には、産油国からの供給や国際的な輸送網に影響が及び、石油関連原材料の価格が高騰する可能性があります。さらに、このような状況においては、当社グループが使用する石油関連原材料の調達に支障が生じる可能性があります。
当社グループは、仕入先との関係強化、調達先の分散、コスト低減の推進に加え、顧客対応力及び技術革新力を活かした高付加価値製品の展開等により収益の確保に努めております。しかしながら、石油市況等の急激な上昇や原材料調達に支障が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)製品の欠陥について
当社グループは、化学品生産拠点において品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001の認証を取得し、また、化粧品生産拠点において化粧品製造・品質管理の国際規格ISO22716の認証を取得しており、品質の向上に努め製品の製造を行っております。しかしながら、全ての製品について欠陥がなく、将来的にクレームが発生する可能性が全くないという保証はありません。製品の欠陥が発生した場合は、当社グループの評価に影響を与え、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産について
当社グループは、自社製品の保護及び競合他社との優位性を保つため、特許権、商標権、意匠権等の知的財産権確保による自社権益の保護に努めておりますが、模倣品等による権利侵害がなされる可能性があります。
また、当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないよう、製品開発には外部専門家への依頼を含む十分な調査を行った上で活動を行っておりますが、万が一、当社グループが第三者より権利侵害の訴えを受けた場合、その動向によっては、当社グループの信用、経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(7)法的規制について
現在、国内外ともに人間の健康や環境保護に対し様々な法令が制定されており、特に環境面に関しては世界的な意識の高まりを受け、より法的規制が強化されております。当社グループの事業活動においては、化学品及び化粧品の化学物質の管理関連、製品製造関連、国内外への製品輸送関連をはじめとし、内部統制関連、労務関連、取引関連の法令などの数多くの規制を受けております。当社グループでは、これら法規制を確実に遵守するのは勿論のこと、品質や環境に関するISO基準の運用により活発な改善活動を進めております。しかし、これらの関連規制に加え、諸外国における同様の規制の追加及び変更が実施される場合や、当社グループの事業活動を継続するにあたっての主要な許可の取消しを受けた場合には、当社グループの事業活動が制限され、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(8)金利の変動等について
当社グループの資金調達は、主にグループの自己資金と金融機関からの借入で賄っており、加重平均資本コストやD/Eレシオなどを考慮して資金調達をする方針ですが、予期せぬ金利水準の急激な変動やその他の金融市場の混乱があった場合には、資金調達及び調達コストに影響を与える可能性があります。
(9)財務制限条項について
当社は事業資金の効率的な調達を行うため、取引金融機関複数行との間でシンジケートローン契約を締結しており、当該契約には一定の財務制限条項が付されております。これらに抵触した場合、該当する借入金の一括返済及び契約解除のおそれがあり、当社の資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
(10)固定資産の減損について
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)生産設備の毀損等について
当社グループは、日本及び海外に多くの生産拠点を構えており、火災等の事故発生リスクを抱えております。そのため、安全衛生委員会活動等の事故防止対策に積極的に取り組んでおります。また、不慮の事故が発生した場合にも十分な生産対応能力を有しておりますが、重大な災害や大規模地震等の自然災害等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(12)情報セキュリティについて
当社グループは、ITを活用して事業や業務の効率化を図るとともに、データを活用したビジネスを推進しております。また、研究開発、生産、マーケティング、販売等に関する機密情報や、販売促進活動を通じて取得したお客様の個人情報を保有しております。このような状況下、当社グループは、情報セキュリティポリシーのもと、機密情報、個人情報及びハードウェア、ソフトウェア、その他データファイル等の情報資産の保護を目的とした情報セキュリティの強化に取り組んでおります。また、サイバー攻撃に対しては、システム面での対策や従業員へのセキュリティ教育を通じて一定の防御策を講じるとともに、事業継続の観点からシステム障害等への対応体制の整備にも努めております。
しかしながら、近年はランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃が高度化・巧妙化しており、予期せぬ意図的な行為や過失等により、機密情報や個人情報が外部に流出する可能性があります。また、当社グループの基幹システムや業務システムが不正アクセスやランサムウェア等の被害を受けた場合には、システムの停止や障害が発生し、受発注業務、生産、出荷等の事業活動に支障をきたす可能性があります。
このような事態が発生した場合、事業活動の停滞や取引先への影響が生じるほか、当社グループに対する損害賠償請求、当社グループの信用下落、収益機会の損失、復旧対応等に係る費用の発生等により、当社グループの事業運営に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(13)中長期グループ成長シナリオに記載の将来情報について
当社グループは、より資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて『中長期グループ成長シナリオ』を策定しており、2035年までに目指したい姿として「ROE10%以上」を重点目標としたほか、新たな経営目標指標として「PBR」と「DOE」を導入しております。当シナリオは、策定時における国内外の市場環境、競合環境、技術開発、為替相場や原材料価格等の経営環境及びその見通しに基づき策定しておりますが、経済情勢の変動等の経営環境における様々な不確定要因により、基本方針で掲げた諸取り組みが計画通りに進まない可能性や、数値目標および指標の達成に至らない可能性があります。
(14)自然災害について
当社グループは、地震、強風、水害等の自然災害が発生した場合の備えを強化しておりますが、想定を超える大規模な自然災害が発生した場合には、事業活動の中断、生産設備への被害、サプライチェーンの寸断による生産活動の停止、交通遮断による製品出荷の停止など、不測の事態が発生する可能性があります。これらの不測の事態が発生したことにより、一時的または長期に渡る事業活動の停止があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績等の状況
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)における世界経済は、地政学的リスクが継続する中、エネルギー・資源価格の変動や各国の金融政策動向などを背景に、不安定な状況が続きました。米国では新政権の政策運営を巡る不透明感が意識されたほか、主要国においてはインフレ動向を踏まえた金融政策の調整が進められ、金利・為替相場の変動が世界経済に影響を及ぼしました。一方、わが国経済は、個人消費の持ち直しやインバウンド需要の拡大を背景に、景気は緩やかな回復基調を維持しましたが、物価上昇の継続、為替レートや長期金利の変動、海外経済の減速懸念などにより、先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
このような中、当社グループは企業パーパス「Activate Your Life」に基づき、中長期成長ビジョンとして『世界中のお客様から最も信頼されるイノベーション・カンパニー』を掲げており、当パーパス、ビジョンのもと3か年中期経営計画『INNOVATION25』(2023-2025)において、5大戦略である「事業構造の大転換」「メリハリのある投資」「生産性改革」「サステナブル経営の推進」「大家族主義の進化」の推進に取り組んでまいりました。
その結果、当中期経営計画『INNOVATION25』の最終年度となる当連結会計年度は、売上高55,705百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益3,847百万円(前年同期比9.3%増)、経常利益3,849百万円(前年同期比3.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,384百万円(前年同期比13.4%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
(化学品事業)
化学品事業には、当社グループの主力となる繊維加工用薬剤の他に情報記録紙用薬剤、樹脂原料、業務用クリーニング薬剤、医療・介護施設向け薬剤及びその他機能性化学品が含まれております。
売上高は39,894百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益は3,948百万円(前年同期比6.0%増)となりました。
主力の繊維化学品において、トランプ関税の影響により顧客である海外繊維加工場の稼働が減速しましたが、中国拠点を中心に、フッ素フリー系撥水剤をはじめ高付加価値EHD関連製品売上の伸長や、新規ビジネスの獲得により売上が伸長しました。また、電子材料関連工程薬剤においても、半導体市場の一部回復や新規ビジネスの獲得により売上が伸長しました。これらの売上伸長により、販売管理費が増加したものの、化学品事業は増収増益となり、売上高、セグメント利益額およびセグメント利益率は過去最高となりました。
(化粧品事業)
化粧品事業はヘアケア剤、ヘアカラー剤、パーマ剤、スキャルプケア剤及びスタイリング剤が主な取扱品であります。
売上高は15,259百万円(前年同期比6.9%増)、セグメント利益は1,966百万円(前年同期比7.9%増)となりました。
当社デミコスメティクスにおいては、酷暑や物価上昇による来店サイクルの長期化の影響を受けサロン環境が厳しい状況が続いた中、主力ヘアケアなどの注力商品の拡販により堅調に推移いたしました。連結子会社においては、DEMI KOREA CO.,LTD.における販売は市況悪化の影響を受け売上高が減少したものの、山田製薬株式会社における受託事業は好調に推移いたしました。これらの結果、化粧品事業は増収増益となり、売上高は過去最高となりした。
(その他事業)
売上高は550百万円(前年同期比22.5%増)、セグメント利益は90百万円(前年同期比53.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フロー5,542百万円の獲得、投資活動によるキャッシュ・フロー11,539百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フロー7,384百万円の獲得により、前連結会計年度に比べ1,520百万円増加し10,402百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は5,542百万円となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益4,000百万円、減価償却費2,128百万円と、棚卸資産の増加による資金の減少440百万円、退職給付に係る負債の減少による資金の減少321百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は11,539百万円となりました。
これは主に、定期預金の払戻による収入3,111百万円、定期預金の預入による支出2,690百万円、有形固定資産の取得による支出11,907百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は7,384百万円となりました。
これは主に、借入の資金調達による収入(純額)8,486百万円、配当金の支払901百万円、非支配株主への配当の支払112百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また、製品のグループ内使用(製品をグループ内で原料として使用)を行っていることから、セグメント毎に生産規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
b.受注実績
当社グループは、主として、販売計画、生産状況を基礎とした見込生産を行っており、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品(百万円) |
39,894 |
101.3 |
|
化粧品(百万円) |
15,259 |
106.9 |
|
報告セグメント計(百万円) |
55,154 |
102.8 |
|
その他 |
550 |
122.5 |
|
合計(百万円) |
55,705 |
103.0 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産合計)
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、11,686百万円増加し74,052百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が1,122百万円、有形固定資産が9,632百万円増加したことによるものであります。
(負債合計)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ、9,885百万円増加し35,697百万円となりました。この主な要因は、短期借入金が5,002百万円、長期借入金が3,632百万円増加したことによるものであります。
(純資産合計)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、1,800百万円増加し38,354百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が1,460百万円及び為替換算調整勘定が325百万円増加したことによるものであります。
b.経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」に記載のとおりであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析内容・検討内容
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」に記載のとおりであります。
e.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度における売上高は55,705百万円、営業利益は3,847百万円、ROSは6.9%、ROEは6.9%、ROICは5.1%であります。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
各指標の推移は以下のとおりです。
|
|
第108期 |
第109期 |
第110期 |
第111期 |
第112期 |
|
売上高(百万円) |
48,474 |
50,627 |
50,169 |
54,099 |
55,705 |
|
営業利益(百万円) |
2,453 |
2,628 |
2,039 |
3,519 |
3,847 |
|
ROS(%) |
5.1 |
5.2 |
4.1 |
6.5 |
6.9 |
|
ROE(%) |
11.3 |
8.0 |
5.8 |
8.6 |
6.9 |
|
ROIC(%) |
4.6 |
4.6 |
3.6 |
5.8 |
5.1 |
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金・設備投資資金については、営業活動から獲得する自己資金及び金融機関からの借入による調達を基本としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社は、財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しており、契約に関する内容等は以下のとおりです。
(1)契約締結日
2025年5月1日
(2)金銭消費貸借契約の相手方の属性
地方銀行、都市銀行
(3)金銭消費貸借契約に係る債務の期末残高及び弁済期限及び弁済期限並びに当該債務に付された担保の内容
①期末残高 50億円
②弁済期限 2042年2月28日
③担保の内容
・不動産抵当権(本登記)
土地:建物が建設され次第設定、対抗要件具備
建物:建物が建設され次第設定、対抗要件具備
・火災保険質権
建物建設後速やかに設定、対抗要件具備
(4)財務上の特約の内容
①2025年6月中間期以降、各年度の決算期及び中間期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を直前の中間期または決算期末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上を維持すること。
②2025年12月決算期以降、各年度の決算期末日における連結の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすること。
当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。
当連結会計年度は、中期経営計画「INNOVATION25」の最終年度となりましたが、引き続き中長期重点領域である「EHD(Environment:環境・Health:健康/衛生・ Digital:デジタル、先端材料)」領域における研究開発活動に注力し、全世界の共通課題であるSDGsの達成に向け、デジタルツールの積極的な導入・活用および外部機関連携での人材育成によるデータ駆動型研究開発活動の推進と、当社グループの研究開発中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)における当社の技術力を活かした各分野でのオープンイノベーションを推進することで、ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出に取り組んでまいりました。
さらに、化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となり、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股份有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD. の付設研究所、PT. INDONESIA NIKKA CHEMICALSの研究開発部門など、海外子会社の研究開発部門と連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めております。
当連結会計年度における新規の特許登録件数は、国内で10件、海外で8件となりました。特許の期間満了及び不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の特許保有件数は、国内で15件減少により188件となり、海外で7件増加により121件となりました。
当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。
研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は
(1) 化学品事業
当連結会計年度における研究開発費は、
当連結会計年度では、EHD領域の中でもE(環境)ならびにD(デジタル、先端材料)領域での実績化を加速する方針のもと、重点分野として、①半導体、②繊維・パルプ、③自動車の3分野に関連する開発を中心に推進いたしました。また、開発難易度の上昇や開発期間短縮化の要望に対応すべく、海外にある基幹研究所へのテーマ移管・人的交流を含めた連携を更に推進し、グループ展開を視野に入れた戦略開発テーマにおいては、多拠点同時開発を継続することで、開発効率の向上と早期実績化に取り組みました。
E領域においては、天然・再生資源原料の積極活用によるカーボンフットプリント低減を志向したアパレル・パルプ・記録紙・プリント分野向け主力ソリューションの開発を推進し、染色工程での環境負荷低減を実現するSDP(スマートダイイングプロセス)や、PFASフリーを含む環境対応型撥水剤、資源循環に資するリサイクル関連ソリューションの市場展開強化に取り組みました。循環経済を実現するリサイクル関連ソリューション開発におきましては、ポリエステル布アップサイクル技術「ネオクロマト加工」の応用展開と社会実装に向けた取り組みを継続し、工程廃棄物や使用済み製品のリサイクル性向上に向け、モノマテリアル化検討や剥離・洗浄剤に関する顧客評価を進めました。
D領域においては、半導体分野を中心に、当社グループ企業である大智化学産業が強みを持つシリコンウエハー向け製品と当社の界面科学技術を融合させ、半導体製造の川中工程における製品ラインアップ拡充に向けた取り組みを推進いたしました。加えて、DX・次世代通信分野で求められる高周波領域での低誘電損失が特徴の材料開発、ならびに半導体製造装置用途を含む特殊材料の開発についても、顧客との取り組みを進めました。
H領域においては、健康・衛生関連の社会課題に対応する製品開発・拡販支援を継続し、海外展開を視野に入れた製品開発と、NICを活用した研修等を通じて、協業案件の創出を進めております。
研究開発体制は、日本、中国・台湾、韓国、インドネシアの拠点を中心にグローバル開発を推進し、研究DXの取り組みとして、データ駆動型研究開発の基盤強化と社内人材育成を継続しております。また、EHDシフトの進展に伴い、最終製品に残る材料(主剤)領域の拡大も見据え、知的財産戦略の強化と実行を進めてまいります。今後も国内外の研究機関や大学とのオープンイノベーションを継続することで、開発品投入と新規事業創出の早期化を進め、社会課題の解決に寄与してまいります。
(2) 化粧品事業
当連結会計年度における研究開発費は
美容業界は、原材料費の高騰、人件費の高騰、人手不足、来店サイクルの長期化など依然として厳しい市場環境が続いております。このような市場環境のもと業界が一体となって、美容室における来店頻度の向上、スタッフの生産性アップのための高付加価値メニュー創出と店頭販売商品の推進にデジタルを取り入れながら取り組んでおります。
国内においてはヘアカラーにおけるブリーチスタイルが定番化し、繰り返し施術による髪のダメージが増加しており、ケアニーズは依然として高まっております。また、大人世代の髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みは変わらず増加しており、安全、安心に対する意識の高まりも相まって、高付加価値の店頭販売商品の市場は伸び続けております。このような状況に対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、ヘアケア、スカルプケアの店頭販売商品開発及び美容室における高付加価値商品開発にさらに注力しております。
ヘアケア分野においては、夏の爽快感や紫外線ケアニーズに応えるブランドとして「SUMMER BAR(サマーバー)」を新たに発売いたしました。従来のハレマオブランドから各機能性をアップデートし、ベタつきやニオイを洗い流す清涼感ヘアケア、紫外線から夏の肌と髪をキレイにみせるUVスプレー/ミストをラインナップすることで、夏のキレイをクールに楽しむブランドとなっております。
スカルプ分野においては、スカルプケアブランド「DEMI DO(デミ ドゥ)」から、エイジングによる多面的なお悩みにアプローチする「DEMI DO ASSET(デミ ドゥ アセット)」を新たに発売いたしました。エイジングにより引き起こされる髪・地肌へのお悩みに対し、独自技術を搭載したヘッドスパとサロントリートメントを同時に叶えるアイテムラインナップにより地肌環境を整え、艶やかな美髪に導くブランドとなっております。
ヘアカラー分野においては、サロン向けヘアカラー剤「TOIROCTION(トイロクション)」から、高機能性2剤「AC+(プラス)」を新たに発売いたしました。ブリーチスタイルの定番化が進む昨今に対応し、高いアルカリキャンセル(AC)効果を備えることで、特にブリーチを用いた施術において、髪への負担を軽減しながら高いパフォーマンスを発揮するアイテムとなっております。
基礎研究においては、「すべての人に10代の髪を生やす」という長期ビジョンを掲げ、研究機関や大学との共同研究による毛髪と皮膚・頭皮の微細構造の解析、毛髪と皮膚のダメージの解析並びに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に取り組んでおります。また、サステナブルな社会を実現するために、さらに環境にやさしい製品開発に取り組んでおります。