文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
デジタル社会は、より一層の拡大と進化を続け、私たちの社会や生活において“DX(デジタルトランスフォーメーション)”更には“デジタルエンタープライズ”へと進化していくものと思われます。
また、デジタル社会において、生成AI等の新たなデジタル技術の浸透などによってICT技術も飛躍的に進歩し、ソフトウエアなどの製品やシステムは所有から利用へ消費スタイルの変化が進み、デジタルビジネスのサービス化が加速していくものと思われます。
こうした変化において、当社グループは、これまでのシステム導入やデジタルデータ基盤を構築 (デジタルテクノロジーを提供)するビジネスモデルから、システム導入からデジタルとデータを活用し、組織の革新やビジネスモデルを共創・実現していく伴走型DX推進を支援するビジネスモデルへシフトさせていきます。
また、当社グループは創業以来、製造業の「ものづくり」のエンジニアリング技術をソフトウエア開発の分野に応用し生産性を向上させ、開発するソフトウエアの品質を高めてきました。
IoTソリューション事業において、こうした製造業の「ものづくり」で培った技術、ソリューションやサービスの開発、提案力を物流や畜産、スマートシティなどの分野を中心にDXソリューションやプラットフォームを展開し、カスタマーサクセスに導くプロダクト・サービスを提供することで、顧客の期待を超える体験や価値を追求していきます。
また、当社グループはサステナビリティ経営の推進が最重点課題の一つであることを認識し、サステナビリティ経営を強く推し進めることで持続可能な社会に貢献し、社会と共に成長を続けることを目指していきます。
(2) 目標とする経営指標
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は売上高、営業利益率及びRОEであります。当社グループは、経営効率の向上に努め、企業の存続と発展に必要な利益を確保するため、第49期(2026年2月期)を初年度とする中期経営計画において、第51期(2028年2月期)には売上高250億円、営業利益30億円を目標とし、3年間で売上高を約25%増加させるとともに、営業利益率は12.0%、RОE25%を達成することを目指しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中期経営計画(2025-2027)を策定し、プロダクト・サービスの機能的価値から顧客体験価値を軸にした事業モデルに変革し、顧客や社会のDXやCXを加速させ、「最高のエクスペリエンスを支援するデジタル・サービス企業」を目指します。
なお、中期経営計画の基本方針は以下のとおりです。
方針1.顧客起点のマーケティング戦略の展開
顧客ニーズ・課題を起点として、部門・他社を超えて様々な手法や形態で連携し、DX(デジタルプロダク
トやサービスの提供)を通じて顧客の期待を超える体験や価値を追求することで、カスタマーサクセスを実
現します。
方針2.カスタマーサクセスに導くプロダクト・サービス力の実現
システム導入から、データ活用、ビジネス変革までのトータル支援により、継続的に顧客のDXを支援する
とともに、支援チャネル全体で品質向上を図り、継続した伴走型DX支援を通じてカスタマーサクセスを実
現します。
方針3.ビジネス拡大を支える投資戦略の推進
事業ポートフォリオマネジメントの強化を図るとともに、管理体制や管理手法の見直し・強化とデータを活
用する人材の育成によりデータドリブン経営を推進します。
方針4.持続的成長を支えるサステナビリティ経営の推進
サステナビリティ経営を強く推し進めることで持続可能な社会に貢献し、社会と共に成長を続けることを目
指します。
(4) 2025-2027中期経営計画「最高のエクスペリエンスを支援するデジタル・サービス企業」の遂行状況
2025年度は、当社グループは、中期経営計画の初年度として、以下の各基本方針の遂行状況のとおり、取り組んでまいりました。
その結果、売上高は計画200億円に対し202億円、営業利益は計画16億円に対し16億円と、共に初年度の計画達成の結果となりました。
方針1.顧客起点のマーケティング戦略の展開
・ビジネスソリューション事業では、安川電機DX(YDX)で培ったDX推進の経験・知識・ノウハウを活かし、データ統合管理・活用分野において、新サービス「COREVIO SERVICES」を提供開始しました。
・IoTソリューション事業(物流DX)では、工程間自動搬送ニーズの高い製造業向け工場内物流分野への販路拡大を行いました。
方針2.カスタマーサクセスに導くプロダクト・サービス力の実現
・各事業の個々のソリューション(製品やサービス等)を組み合わせた「トータルソリューション」提案で受注拡大を図りました。
・サービスビジネスでは、データ活用・分析ノウハウに最新の生成AI分析を組み合わせた運用保守データ活用サービス「AQUA DataFusion」の提供を開始しました。
・品質保証本部による強固な品質基盤の構築を行い、全社レベルで品質向上の推進・強化を行い、顧客満足度とカスタマーサクセスの向上に取り組みました。
方針3.ビジネス拡大を支える投資戦略の推進
・事業ポートフォリオマネジメントを導入し、経営資源の最適配分のためのタイムリーな討議と意思決定を行い、中長期的な資本効率性に取り組んでおります。
・人的資本経営の取組みの基盤となる「人材ポートフォリオ」を事業別に作成しました。
方針4.持続的成長を支えるサステナビリティ経営の推進
・全社リスクマネージメント体制を整備し、会社の直面する様々なリスクを体系的に認識・評価・対処を行い、全社レベルでのリスクマネージメントに取り組んでおります。
・主要な投資家層である個人投資家の方々に投資意欲を高め、長期的投資を行っていただくためのIR活動を行ってまいりました。
(5) 対処すべき課題
今後の当社グループを取り巻く経済環境の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善や政府の経済対策等により、景気は緩やかに回復局面が続くと思われますが、その一方で、米国の通商政策の影響は緩和されるものの、イラン情勢の影響による原油価格高騰など地政学リスクの長期化が懸念され、景気の先行きは不透明な状況が続くものと思われます。
そうした中、当社グループが属する情報サービス業界では、生成AIの活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、人手不足対応の省力化や生産性向上のための自動化等のデジタル関連投資は、堅調に続くものと思われます。
このような環境において、当社グループは、中期経営計画(2025-2027)の2年目として、顧客価値の最大化を追求し、以下の4つの取組みを進めてまいります。
① 新規獲得した重点顧客とのチャネル(接点)を、最大限活用し、クロスファンクショナルな顧客価値提案に
よる受注拡大を目指します。
② 新サービス「AQUA DataFusion」や「COREVIO」の立ち上げを加速し早期事業化・収益化につなげます。
③ 生成AIの活用の全社展開、さらなる加速により、生産性と収益性の最大化を目指します。
④ 人的資本経営の推進により、人材価値の最大化を図り、組織力を強化します。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
当社は、「高い技術力とお客様本位の姿勢によって、ITを活用したソリューションを提供し、豊かな社会づくりに貢献するとともに、社員の幸福と永続的な企業の繁栄をめざす」ことを経営理念に掲げ、当社の技術・プロダクト・サービスにより、デジタル社会をリードし、明るい未来を創出する事業活動に取り組んでおります。
こうした未来社会を担う企業として、以下の方針に基づき、サステナビリティ経営を進めてまいります。
・ソリューションを通じてサステナブルな社会の実現を目指します。
・安心・安全なデジタル社会の構築・発展に貢献します。
・お客様やその先の人々の感動と幸せを追求します。
・事業の源泉である社員の働きがいと成長を応援していきます。
・中長期的かつ持続的な企業価値の向上に取り組んでいきます。
当社は、社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置し、サステナビリティ経営を推進するうえでの方針、サステナビリティ課題や課題に対する施策の検討、審議、進捗管理を行っております。
サステナビリティに関する取組み状況等は、定期的に取締役会に報告しております。
サステナビリティ推進の体制は、
当社グループは、ビジネスモデル(=価値創造プロセス)を整理し、想定されるサステナビリティに関するリスク・機会を洗い出し、「当社にとっての重要性」と「影響が顕在化する可能性・頻度」の2軸で評価を行い、優先順位づけを行い、その中で特に当社グループにとって重要なものをマテリアリティとして特定し、経営や事業戦略に組み込んでおります。
なお、気候変動関連につきまして、当社グループは、製造業等と比べ、事業活動における二酸化炭素の排出量など環境負荷は相対的に少ないと認識しております。このため、気候変動対策への戦略等を設定しておりませんが、オフィスにおける全社的な省エネルギー対策や省資源化対策など環境に配慮した取組みを日常的に実施するとともに、社会におけるカーボンニュートラルへの取組みやお客様の省力化・省エネルギー化を支援するソリューションの提供を行い、環境保全に貢献してまいります。
<当社の考えるサステナビリティ経営の重要課題>
ⅰ)当社が事業活動を通じて提供する社会価値の創造
・当社のソリューションに対するお客様満足度の向上
・当社のプロダクト・サービスによる社会課題の解決
・当社のプロダクト・サービスの品質・安全性の確保
ⅱ)当社の事業活動を支える価値創造基盤の強化
・人材・働きがいの成長・向上
・社会価値を創出するイノベーションとソリューション
・個人情報保護と情報セキュリティ確保
ⅲ)当社の企業活動を支える経営基盤の強化
・コーポレートガバナンス体制の整備と運用の強化
・リスクマネジメントの体制の整備と運用の強化
・ステークホルダーとの対話
当社グループは、会社が直面するさまざまなリスクを体系的に認識し、評価し、適切に対処するプロセスを確立するとともに、全社リスクマネージメント体制・委員会・会議体などの基本事項を整備し、全社レベルでリスクマネージメントに取り組んでおります。
リスクマネージメント委員会において、リスクマネージメント基本方針と計画の審議・決定、重大リスクの対応策の審議、リスク予防管理と危機管理活動の監督・モニタリングなど会社全体のリスクマネージメントを統括します。
また、リスク予防管理委員会では、個別リスクに対する主管部門を決定し、リスクマネージメントを推進、個別リスク主管部門が適切にリスク予防管理を実行していることを監督・モニタリングするなど平時の準備を推進します。また、危機管理委員会、事業活動におけるリスクについては、組織が重大な危機や緊急事態に直面した際に、迅速かつ適切な対応を行うための意思決定・指揮を担うなど有事の対応を推進します。
当社グループは、サステナビリティ経営における9つのマテリアリティについて、中期的目標とKPIを設定し、取り組んでいます。
マテリアリティに関する取り組みは以下のとおりです。
ⅰ)当社が事業活動を通じて提供する社会価値の創造
・当社のソリューションに対するお客様満足度の向上
目指す姿:技術動向や顧客ニーズを把握したソリューション提供により、既存取引先からの高い顧客満足
を得る。
取り組み:お客様満足度(CS)アンケートの実施
実績:2025年度:各プロダクトユーザーへCSアンケート実施
目標:2026年度:お客様満足度70%以上
・当社のプロダクト・サービスによる社会課題の解決
目指す姿:既存及び新規のプロダクト・サービスを通じて社会課題を解決し、サステナブルな社会を創
る。
取り組み:人手不足対応や長時間労働問題、高齢化問題、物価高騰対策などの社会課題を解決するIoT
製品・サービスの売上促進
実績:2025年度:全社売上構成比でIoTソリューション事業の売上比率21.5%
目標:2026年度:全社売上構成比でIoTソリューション事業の売上比率32%
・当社のプロダクト・サービスの品質・安全性の確保
目指す姿:顧客の信頼と会社の利益を喪失する重大品質トラブルの抑止だけでなく、安定的な品質確保
による顧客満足度向上と売上拡大を図る。
取り組み:プロアクティブな品質管理モデルの構築と品質プロセスガバナンスの強化
実績:2025年度:品質マネジメントシステムの見直し・強化の実施
重大品質トラブル0件
目標:2026年度:重大品質トラブル0件
ⅱ)当社の事業活動を支える価値創造基盤の強化
・人材・働きがいの成長・向上
目指す姿:社員全員が働きがいを持ち、その能力を最大限に引き出し、事業の目標達成や成長実現に
つなげる。
取り組み:人材ポートフォリオに基づく人事施策の展開、エンゲージメント(働きがいスコア)向上の
取り組みの推進
実績:2025年度:人材ポートフォリオの整理完了
エンゲージメントサーベイスコア 68点
目標:2026年度:人材ポートフォリオに基づく人材育成
エンゲージメントサーベイスコア(やりがい、自己成長、承認)各1Pアップ
・社会価値を創出するイノベーションとソリューション
目指す姿:既存事業を拡張する新領域(ビジネスモデルや市場など)に取り組むとともに、イノベーショ
ンを生み出す企業文化を形成する。
取り組み:新規事業開発の取組みと成功率の向上とスピードアップによる早期事業化と収益化
実績:2025年度:対売上高研究開発投資率4.0%
目標:2026年度:前年度立ち上げ新規ビジネス 受注獲得5件以上/ビジネス
新規ビジネス立ち上げ 3件以上
・個人情報保護と情報セキュリティ確保
目指す姿:サイバーセキュリティとサイバーレジリエンスを高め、お客様と自社の情報資産を守り、社会
の信頼に応える。
取り組み:社内におけるセキュリティ対策の継続・強化とサイバー攻撃と事業継続(BCP)の対策準備
実績:2025年度 個人情報流出事案発生件数0件
目標:2026年度 個人情報流出事案発生件数0件
サイバーレジリエンスの強化
ⅲ)当社の企業活動を支える経営基盤の強化
・コーポレートガバナンス体制の整備と運用の強化
目指す姿:企業価値の向上と持続的成長を促す実効性の高いコーポレートガバナンスを実現するとともに、
コンプライアンスの徹底を図る。
取り組み:監査等委員会設置会社への移行による取締役会の活性化と監督機能の強化と内部統制やコンプ
ライアンスの徹底
実績:2025年度:監査等委員会設置会社へ移行完了
独立社外取締役比率:3/8(37.5%)
女性取締役人数:1名
取締役会実効性評価アンケートにおける肯定的評価:76.6%
目標:2026年度:取締役会実効性評価アンケートにおける肯定的評価:80%以上
コンプライアンス意識調査の実施
・リスクマネージメントの体制の整備と運用の強化
目指す姿:全社リスクマネージメント体制の整備と取組みにより、リスク発生を未然に防ぐとともに、
発生した場合でも被害を最小限に抑え、早期復旧により事業を継続する。
取り組み:全社リスクマネージメントの体制、リスク予防対策と危機管理対策の徹底
実績:2025年度:法令違反の発生件数0件
目標:2026年度:重大リスクに対するマネージメントシステムの有効性点検
・ステークホルダーとの対話
目指す姿:ステークホルダーと相互信頼を高め、魅力的な会社であり続けることにより、共存共栄を実現
する。
取り組み:株主・投資家への情報開示(IRサイトの強化など)と機関投資家との積極的な対話・情報交換
実績:2025年度 IRミーティング実施数:38件/年
決算説明会の実施:2回/年
投資家向け会社説明会の実施:2回
目標:2026年度 IRミーティング実施数:40件以上/年
決算説明会の実施:2回以上/年
投資家向け会社説明会の実施:1回以上/年
当社グループは、IT企業として、現在から将来への「ニーズに応えることのできる人材と能力」を確保するとともに、「社員全員が働きがいを持って仕事と役割を遂行」できる会社経営の実現に取り組んでおります。
人材・働き方への投資により、人材・働きがいの成長・向上を促し、会社・事業の成長につなげることにより、当社の持続的成長を目指してまいります。
①戦略
人材育成方針
当社は、イノベーションをリード・実装できる自主的・自律的でビジネスレジリエンスが高い戦略的人材等の育成に取り組み、社員の挑戦と成長を応援します。
具体的には、人材ポートフォリオマネジメントの強化により、人材制度改革や人材資本活性化、エンゲージメントを向上させ、
・人材価値の最大限の発揮
・会社や仕事を通じた自己実現
・従業員及びその家族のウェルビーイングの実現
に取り組んでおります。

社内環境整備方針
当社は、従業員が働きがいのある社内環境を整備し、「社員が幸福な会社」を実現します。
具体的には、オフィス環境・ツールの整備、エンゲージメントサーベイによる社員の意見反映 、メンタルコーチ常駐によるメンタルサポートに取り組んでおります。
②指標及び目標
当社は、上記に記載した人材の育成及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
(注)上記は、提出会社の数値を記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1) 特定の販売先への依存度
当社グループの販売先のうち、株式会社安川電機(当社の関係会社で2026年2月28日現在の当社の議決権保有比率39.0%)及びそのグループ会社への販売は、ソフトウエアの受託開発、計算事務、情報処理並びにシステム管理運営受託等の取引で、2026年2月期売上高の50.5%を占める状態です。
これらの事情から、同社や同社グループの経営方針、事業展開等に大幅な展開があった場合には、当社グループの事業活動や業績、財務状況に大きな影響が及ぶ可能性があります。
同社や同社グループと今後とも既存に限らず新たな領域においても良好なパートナー関係の維持・継続に努めてまいります。
また、富士通株式会社及びそのグループ会社への販売は、当社設立時におけるベーシックソフト受託開発に始まり、その後取引内容・金額が拡大し、2026年2月期売上高の10.9%を占める状態です。
従って、同社や同社グループ会社の受注動向の変化やその他の理由により、当社グループとの取引が縮小された場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
同社や同社グループ会社と今後とも既存に限らず新たな領域においても良好なパートナー関係の維持・継続に努めてまいります。
(2) プロジェクト管理
プロジェクトの遂行において、予期し得ない事態の発生により、個別プロジェクトの中断や遅滞、採算悪化を招き、大規模な場合は当社グループの経営成績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、システム構築やソフトウエア開発等のプロジェクト管理の重要性を認識し、従業員のプロジェクトマネジメントスキルの向上を図り、特に要求仕様確定作業の場面では顧客との要求内容の確認を繰り返し行うとともに、スケジュールの厳守に努めています。また、不採算プロジェクトの発生の予防・抑止を図るため、全社プロジェクト管理強化に努めてまいります。
(3) 製品・サービスの品質問題
当社グループの提供する製品・サービスにおいて、不具合(バグ)の発生やサービス不良等の品質上の問題が発生しないという保証はありません。
従って、当社グループにおいてこのような品質上の問題が発生した場合には、手直し・回収等の追加コストの発生や損害賠償等により、当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これらに対応するため、当社グループは、製品・サービスの品質の重要性を認識し、品質保証本部(現 品質保証・業務改革本部)を設置し、設計・開発・生産・保守・運用の各場面において社内基準に基づいた品質管理の徹底に努めております。
(4) 新製品・新サービスの開発力
当社グループの新製品・新サービスは、顧客の業務、販売及び生産の改革支援や顧客の新製品への搭載等先進的な分野で起用されております。
今後も引き続き新製品・新サービスの売上が増加するものと想定しており、将来の成長は主として革新的な新製品・新サービスの開発と販売に依存すると予想しています。
しかしながら、市場の技術的な進歩や需要の変化等を十分に予測しえず、魅力ある新製品・新サービスを開発できない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
市場の変化をいち早く捉え、対策を講じるべく、事前の情報収集と分析を定常的に実施し、魅力ある新製品・新サービスの開発を継続的に行っております。
(5) 個人情報・機密情報管理
当社グループは、お客様のシステムを構築するにあたり、お客様の情報資産をお預かりすることがあります。万が一、コンピュータウイルスによる感染やサイバー攻撃等の不正な外部アクセス、自然災害の発生により、これらの情報が漏洩した場合、お客様からの損害賠償請求やIT企業としての信用失墜等が当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これらに対応するため、パソコン等の情報機器やネットワーク等の情報資産に対するセキュリティ管理の徹底を図り、情報管理に関する従業員への教育、外部委託先との機密保持契約等を行い、当社グループからの情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じております。
(6) 知的財産権
当社グループが行うシステムやソフトウエアの開発においては、特許や著作権等の知的財産権の確保が事業遂行上重要な事項です。
当社グループでは、当社グループ独自の技術・ノウハウ等の保護・保全や第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っておりますが、世界各国の法的制度の違い等により知的財産権に関する問題が全く起こりえないという保証はありません。
従って、当社グループにおいて知的財産権に関する問題が発生した場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループでは知的財産権の取得や取引先企業との知的財産権に関する契約締結など必要な措置を行っております。
(7) 人材に関するリスク
当社グループが属する情報サービス業界における最大の財産は「人材」であり、優秀な人材確保・育成は今後の経営基盤を維持・拡大するうえで不可欠であります。同業界は若手を中心に人材の流動化が進んでおり、計画どおりに人材を確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループにおいては、優秀な人材の獲得・育成のため、積極的に新卒採用や即戦力となるキャリア採用を実施し、社員がより高度なスキルを習得できるよう、教育環境の充実、資格取得者への報奨金制度を実施しております。また、従業員の働く環境の継続的な改善や働き方改革にも積極的に取り組み、社員の満足度の向上に努めてまいります。
(8) 自然災害のリスク
想定外の大規模地震・津波・洪水等の自然災害や火災等の事故災害、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等が発生したことにより、経済活動が制限され、主要取引先の経営状況の悪化等によりIT投資計画が変更されることなどが想定されます。その場合には、当社グループの製品やサービス提供等の事業活動に大きな支障をきたし、当社グループの経営成績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するため、従業員の安否確認等の災害対策マニュアルの策定や継続的な見直しを行っており、災害発生時の対応訓練も行っております。また、北九州や渋谷等、拠点の分散やリモートワーク環境の整備等を行い、災害等発生時に事業が停滞することを回避する対応に努めております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、中期経営計画(2025-2027)の初年度として、市場や顧客のニーズを起点とした戦略的かつ効率的なマーケティング・営業活動と社内外連携による最適なソリューションの提案により受注の加速と拡大に取り組んでまいりました。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や政府の経済対策等により、景気は緩やかに回復しておりますが、米国の通商政策の動向や地政学リスクの影響など、景気の先行きは不透明な状況が続きました。
そうした中、当社グループが属する情報サービス業界では、生成AI等の新たなデジタル技術が社会や生活の中に広まってきており、企業においては、デジタル技術とデータを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、人手不足対応の省力化や生産性向上のための自動化等のデジタル関連投資は堅調に推移しました。
このような環境において、当社グループは、中期経営計画(2025-2027)を策定し、プロダクト・サービスの機能的価値から顧客体験価値を軸にした事業モデルへの変革と、顧客や社会のDXやCX(カスタマー・エクスペリエンス)の加速に貢献することにより、「最高のエクスペリエンスを支援するデジタル・サービス企業」を目指してまいりました。
2025年度は、その初年度として、市場や顧客のニーズを起点とした戦略的かつ効率的なマーケティング・営業活動と社内外連携による最適なソリューションの提案により受注の加速と拡大に取り組んでまいりました。また、前年度の品質性能問題を踏まえ、QCD(品質・コスト・納期)の厳守・安定化の徹底した推進により、顧客信頼性・満足度の向上と製品・サービスの品質・利益向上に取り組むとともに、世界で急速に広がりを見せる生成AIを開発工程におけるプログラミング支援をはじめ各種業務において最大活用することにより、生産性の向上・収益性の向上に取り組んでまいりました。
さらに、経営管理システムの刷新・強化と事業ポートフォリオマネジメントの強化によるデータドリブン経営の推進に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高は202億63百万円(前連結会計年度比1.6%増)、利益面でも、営業利益16億28百万円(同15.6%増)、経常利益18億12百万円(同18.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億82百万円(同23.4%増)となりました。
事業別の概況は、以下のとおりです。
〔ビジネスソリューション事業〕
当事業では、ERPソリューションは、ビジネスDX推進・構築やIT基盤などの環境整備、新たな顧客開拓や案件獲得により前年度に比べ増加しました。また、健康保険者向けシステム構築終了の影響はありましたが、自動車製造業向けのビジネスシステム開発や移動体通信事業者向け開発は堅調に推移しました。
その結果、受注高は154億18百万円(前連結会計年度比2.6%減)となり、売上高は159億1百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。
〔IoTソリューション事業〕
当事業では、物流DX事業は、今年度に入り活発な引き合いや受注が続いており、特に製造業向け工場内物流などへの新展開により前年度に比べ大幅に増加しました。畜産DX事業、スマートシティ向けソリューションも前年度に比べ増加しました。インターネット・セキュリティ関連製品は、セカンドGIGAでの需要時期のずれ込みにより若干減少し、情報機器などのIoT製品の販売は減少しました。
その結果、受注高は45億43百万円(前連結会計年度比23.5%増)となり、売上高は43億61百万円(同6.2%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より2億8百万円増加し、34億5百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、14億22百万円の収入(前年度は12億86百万円の収入)となりました。これは主として、売上債権及び契約資産の増加4億79百万円、法人税等の支払額4億48百万円があったものの、税金等調整前当期純利益18億12百万円、未払費用の増加2億98百万円、減価償却費2億83百万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、5億22百万円の支出(同2億38百万円の支出)となりました。これは主として、無形固定資産の取得による支出5億94百万円、貸付金の回収による収入50百万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、6億92百万円の支出(同3億23百万円の支出)となりました。これは主として、配当金の支払額3億61百万円、自己株式の取得による支出が3億13百万円あったこと等によるものです。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、情報サービスの総合的な提供を事業内容としており、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における実績を部門別に記載しております。
(注) 上記金額は製造原価で記載しております。
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
ビジネスソリューション事業の増加、IoTソリューション事業の増加により、当連結会計年度の売上高は202億63百万円(前連結会計年度比1.6%増)となりました。
売上原価は144億48百万円(同1.7%減)となり、売上原価率は71.3%と前連結会計年度から2.4ポイント改善いたしました。売上高から売上原価を差し引いた売上総利益は58億14百万円(同10.9%増)となりました。
また、販売費及び一般管理費は41億86百万円(同9.2%増)となりました。
この結果、当連結会計年度は16億28百万円の営業利益(同15.6%増)となりました。
営業外収益は持分法による投資利益の発生等により1億88百万円(同45.5%増)となり、営業外費用は4百万円(同46.8%減)となりました。
この結果、当連結会計年度は18億12百万円の経常利益(同18.5%増)となり、税金等調整前当期純利益は18億12百万円(同19.0%増)となりました。
これに法人税等の税金、法人税等調整額と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は12億82百万円(同23.4%増)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、次のとおりです。
情報サービス業界におきましては、あらゆる分野・業種において、クラウドやビッグデータ、IoT、AI、セキュリティ等の技術を活用したサービスの提供が加速してきております。
IoTビジネスの進展は、IoTシステムやソフトウエアの消費目線が所有から利用へとシフトし、公共や企業等の情報関連投資の選択やIT企業が提供するサービスに変化が現れます。
このような動きは、IoTシステムの開発やITサービスの提供を行うビジネスソリューション事業の売上高、利益に重要な影響を与える要因になります。
また、IoTビジネスやビッグデータ市場を支えるインフラ(情報機器やネットワーク)が重要な役割を担うことになり、情報漏洩やコンピュータウイルス等の外部からの攻撃に対してのセキュリティ技術もますます重要になってきます。このような動きは、機器間の情報伝送のための組込ソフト開発、IoT機器、ネットワーク・セキュリティ関連商品を取扱うIoTソリューション事業の売上高、利益に重要な影響を与える要因になります。
さらに、通信端末やAI技術の発達により、機器同士が人の手を介さずに相互に情報交換し、自動的に情報収集や管理・制御を行うようになってきております。このような動きは、AI技術や組込・制御システム、IoT機器を取り扱うIoTソリューション事業の売上高、利益に重要な影響を与える要因になります。
なお、このような新技術・新ビジネスの普及は、情報通信技術の高度化・大規模化・複雑化を伴い、今まで以上に品質上の問題が発生する危険性が高くなっています。このような品質上の問題が発生した場合には、当社グループの売上高、収益に重要な影響を与える要因になります。その一方で、付加価値の高い新製品・新サービスの商品化やライセンス化は、当社グループの売上高、利益に重要な影響を与える要因になります。
② 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、営業活動によって獲得した現金によって、必要となる運転資金の確保と事業拡大のための設備投資を行っております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)の研究開発活動は当社及び連結子会社にて行っており、先端技術の研究、開発のベースとなる現技術のレベルアップ、先端技術の実用化による新製品・新サービスの開発を旨としております。
研究開発テーマに関する方向づけは「経営会議」で、具体的なテーマ選定及び評価は「開発投資審議会」・「開発投資審査会」で行われ、いずれも各部門の代表者で構成されております。
研究開発作業は各テーマの申請部門が行っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
〔IoTソリューション事業〕
物流DX分野では、MMLogiStationにおいてWCSプラグインの拡充や生産性向上、運用安定性の強化、履歴追跡性向上を目的とした新機能を追加し、倉庫全体のDXを一段と加速させました。これらの拡張により、製造業の工場内物流への適用にも対応し、倉庫・工場双方の現場最適化を実現しています。
AI分野では、急速に進化する生成AI技術を活用し、社内の生産性向上を目的とした取り組みを強化しました。当社が提供するセキュアな生成AI環境「AI-ChatBuddy」には最新の大規模言語モデル(LLM)を導入し、さらには大規模ソースコードや設計書を解析できるAIエージェントを開発。これにより、プログラミングや試験工程における作業工数を大幅に削減し、開発生産性の飛躍的な向上に寄与しました。
サービス分野では、2024年度に開発したAQUA DataFusionのインシデント管理機能を外部公開し、MMLogiStationをご利用中のお客様向けに「AQUA運用監視サービス」として新たに提供を開始しました。このサービスにより、SmartServiceAQUAへの問い合わせ状況の確認や、マテハン機器で発生したインシデントの登録・管理をお客様自身で行えるようになり、運用監視の効率化と可視化が進展しました。
当事業における研究開発費は127,930千円であります。
〔ビジネスソリューション事業〕
新たなデータ統合技術を中核とするデータエンジンサービス「COREVIO GRID」を開発しました。本サービスは、企業内で分断された各種データを統合・標準化し、意思決定の高度化や業務プロセスの改善を支援するもので、経営指標の迅速な把握を可能にするとともに、生成AI活用の精度向上にも貢献します。
当事業における研究開発費は57,315千円であります。