第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「すべては子どもたちの未来のために」という企業理念のもと、お子様・保護者様のご要望を的確に把握し、教育力の向上に常に努めるとともに、お子様・保護者様の声に誠実かつ迅速に対応して業務の改善に努め、子どもたちの素晴らしい未来づくりのために全力で努力いたします。そのために、高品質な「本物」の教育サービスを提供し、徹底した差別化戦略によって日本を代表するオンリーワン企業を目指すことを経営の基本方針にしております。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、景気動向および市場環境に左右されない安定した収益基盤を構築するため、以下を主軸として持続的成長と企業価値向上に努めてまいります。

 

①徹底的な差別化戦略

当社の子会社である株式会社TOMASは、「生徒の個性・個人差は千差万別。その個人差に的確に対応できる教育こそが、本物の教育であり、理想の教育である」という理念のもと、完全1対1の進学個別指導システムによる質の高い教育サービスを提供しております。

一般的に、1対少人数の指導形態や、補習を中心とした塾が個別指導の大半を占めるなか、完全1対1の進学個別指導塾として進学実績にこだわり続け、"個別指導で進学実績を出せるのはTOMASだけ"という業界独占ポジションを築くことにより、同業他社との差別化を図っております。

当社の他の子会社も同様に、当社グループが理念として掲げる本物の教育サービスの提供を実践することで他社との差別化を行い、収益力の向上を図ってまいります。

 

②事業の特色を活かした戦略的な校舎展開

当社グループの主要な事業のうち、TOMAS・伸芽会は首都圏を中心に、名門会・スクールTOMASは首都圏をはじめとして全国に拠点・校舎を展開しております。各事業の特色を踏まえ、戦略的に校舎を展開することで、より多くのお客様に当社グループの教育サービスを提供できる体制を構築してまいります。

主力事業のTOMASは首都圏(1都3県)を重点地域とし、首都圏の各地域にさらなる校舎展開を行ってまいります。

伸芽会につきましては、引き続き首都圏での小学校受験のニーズが高まっているため、首都圏を中心とした校舎展開を行っております。また、伸芽会のノウハウをもとに、「仕事と小学校・幼稚園受験の両立」というワーキングペアレンツのご要望にお応えする託児事業と、忙しいご家庭に代わりお子様の放課後を丸ごとサポートする学童事業を展開する「伸芽’Sクラブ」を提供するとともに、コナミスポーツ株式会社と業務提携し、「勉強」と「スポーツ」のバランスの悩みを解消するブランド「コナミスポーツ伸芽’Sアカデミー」をコナミスポーツが所有する施設へ展開いたします。こうした、小学校受験に留まらない多様なニーズにも応えていくことで、新規顧客の獲得と顧客満足度の向上に努めてまいります。

名門会につきましては、すでに全国に展開している拠点・校舎を基盤として引き続き全国のお客様にサービスを提供するとともに、医学部受験に特化した「MEDIC名門会」や、国内外のどこからでも名門会の高品質な教育サービスを受けられる「名門会Online」を展開することで、首都圏以外における「本物」の個別指導へのニーズに応えてまいります。

スクールTOMASにつきましては、TOMASで蓄積したノウハウをもとに、全国の私立中学校・高等学校中心に個別学習支援サービス(学校内個別指導塾)を提案しております。TOMASの進学個別指導のノウハウをもとに、社員が生徒の学習の進捗管理を行い、学校の進学実績向上に貢献することで差別化を図っており、加えて学校の先生の長時間労働問題を解決する一つの手段として評価されており、契約校数が増加しております。

 

③1歳から社会人までの囲い込み戦略

当社グループの強みの一つとして、幼児期から学生、社会人に至るまでの各段階のそれぞれについて、適切な教育サービスを提供できるパッケージを備えていることが挙げられます。伸芽’Sクラブ(1~3歳)を入口に、伸芽会(4~6歳)、TOMAS・名門会・スクールTOMAS(小・中・高生)という大学生までの受験指導を基軸とし、勉強では埋められない多様な体験を提供するためのプラスワン教育、社会人に至るまでの英語学習のサポートを行うインターTOMASなど、当社グループの持つ教育サービスをお客様の成長に合わせて提供することで、グループ内での顧客の定着を図ってまいります。

 

④財務体質の強化

当社グループは、上記の経営戦略に基づいたキャッシュ・フローの獲得および保有資産の有効活用等により財務体質の強化を図ってまいります。

 

(3)経営環境

当社グループの経営環境については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1.財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

事業の成長と企業価値の増大とともに様々なステークホルダーの皆様からの期待が尚一層高まるなか、下記を当社グループの課題として捉え、対処と対応に積極的に取り組みたいと考えております。

 

①企業ブランドの強化と収益基盤の拡充

イ.グループシナジーの最大化による顧客生涯価値(LTV)の向上

グループ会社間における相互送客の最適化が重要な課題であると認識しております。持株会社である当社が、各ブランド間の生徒紹介に係る日程調整や進捗管理を「仕組み化」して一括管理することで、円滑な相互送客体制を構築いたします。これにより、長期間にわたる顧客接点の維持と、顧客生涯価値(LTV)の最大化を目指してまいります。

 

ロ.DX推進による業務効率化と利益構造の強化

DX施策や生成AIの活用による業務効率化が急務となっております。時間割作成や講師連絡等の事務作業を自動化・効率化することで、従業員の負担軽減と顧客サービスへの注力時間を創出いたします。また、重複業務の一元化やコストコントロールを徹底し、利益構造の強靭化を図ることで、持続的な成長・拡大を推進してまいります。

 

②新規事業および成長領域への戦略的投資

イ.映像授業コンテンツ「駿台Diverse」の全国展開

進学個別指導塾「TOMAS」においては、駿台グループの映像授業コンテンツ「駿台Diverse」の導入を加速させております。従来の個別指導による主要教科の徹底指導に加え、副教科を含む多科目を網羅する本サービスを提供することで、志望校合格実績のさらなる向上と生徒数・売上高の増加を目指します。また、AIを活用した「推薦対策講座」の展開により、多様化する入試ニーズに応え、新規顧客層の獲得を図ってまいります。

 

ロ.双方向オンライン個別指導「MOPS」によるフランチャイズ展開

地方における難関校指導が可能な講師の不足という社会課題に対し、独自システムを用いた「名門会Online」のプラットフォームを、フランチャイズパッケージ「MOPS(名門会オンラインパーソナルスクール)」として地方学習塾へ展開いたします。高品質な指導をパッケージ提供することで、加盟塾の採用コスト抑制と指導品質向上に寄与し、加盟塾の売上高に応じた継続的な収益モデルを確立いたします。今後10年間で加盟塾1,000校の獲得を目標に掲げ、シェア拡大に注力してまいります。

 

ハ.「スクールTOMAS」の事業領域拡大

学校内個別指導事業「スクールTOMAS」において、地方校のニーズ充足と迅速な導入が課題となっております。これに対し、オンライン個別指導の拡充と人材の適正配置、生成AIの活用を推進し、現在28%であるオンライン受講率を5年後に50%まで引き上げる計画であります。今後10年間で、私立学校200校以上への導入によるシェア20%超の確保、および公立校100校への導入を目指し、教育インフラとしての地位を確立してまいります。

 

ニ.教育特化型ビル「こどもでぱーと」によるワンストップサービスの展開

ヒューリック株式会社およびコナミスポーツ株式会社との提携による教育特化型ビル「こどもでぱーと」の展開を進めております。共働き世帯の増加や習い事の多様化を背景とした「教育のワンストップ化」と「安全な移動」への需要に対応し、グループブランドの集約による囲い込み戦略を展開いたします。本プロジェクトを通じて、市場優位性の確立とグループ間シナジーの最大化を図り、付加価値の高い教育サービスの提供に努めてまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益であり、2027年2月期を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画(2027年2月期~2029年2月期)で、2029年2月期には、連結業績として売上高39,100百万円、営業利益3,640百万円、経常利益3,640百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,200百万円を目標として掲げております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、コーポレート・ガバナンスの確立を経営の最重要課題の一つとして認識し、コンプライアンスの徹底を図るために、取締役および監査役制度を軸として、コーポレート・ガバナンス体制の充実・強化に取り組んでおります。また、企業の永続的な成長発展のためには、安定的な企業利益の追求と社会的責任を果たすことが重要であると考え、生徒や保護者はもちろんのこと、株主や投資家の皆様からの期待と信頼に応え、より高い成長・発展を遂げるために、コーポレート・ガバナンス(企業の経営を管理・統制する仕組み)の体制強化を推進しております。

 現在、当社の取締役会は取締役7名(うち社外取締役は3名)で構成されています。社外から取締役を3名選定することで、経営の透明性を高め、公平性を確保し、取締役会による業務執行監督機能を強化しています。加えて、社外監査役として弁護士1名、公認会計士・税理士1名を選任するとともに、コンプライアンス経営担当取締役を選任して、コンプライアンス重視の経営の実効性を確保する体制を整えております。

 

(2)当社グループの経営戦略

 当社グループが属する学習塾業界では少子化に加え、大学入試改革、GIGAスクール構想による学校へのICT化推進など、様々な教育制度改革が進められており、経営環境の変化にも迅速な対応が求められております。

 こうした環境のもと、当社グループは「生徒の個性・個人差は千差万別。その個人差に的確に対応できる教育こそが本物の教育であり、理想の教育である」という理念のもと、これからの国際社会を生き抜く人材を育てるべく、高品質な「本物」の教育サービスを提供し、徹底した差別化戦略によって日本を代表するオンリーワン企業を目指すことを経営の基本方針としております。

 このように生徒の個性に合わせた教育サービスを提供する当社グループは「人」が最大の経営資源であり、商品であるため、働く「人」の成長なくして企業の成長なしという考えのもと、一人ひとりが誇りを持って仕事に取り組める会社を目指し、多様性の確保を含む人材および社内環境整備に関する方針として管理職に占める女性労働者の割合および男性労働者の育児休業取得率、労働者の男女賃金の差異について目標を設定し、人材の確保や適正な配置を実施しております。また、多様な価値観を尊重する社内風土にもとづき、出産・育児・介護などの一定の理由により退職を余儀なくされた社員や、転職・就学・留学等のキャリアアップを理由とした退職者が再活躍できるジョブ・リターン制度の導入など、人的資本経営を進めております。

 なお、多様性の確保を含む人材および社内環境整備に関する指標につきましては「(4)指標及び目標」をご参照ください。

 

(3)リスク管理

 当社グループにおけるリスクマネジメントとしては主に、当社を取り巻くさまざまなリスクに対応するため、「リスク・コンプライアンス委員会」を設置し、各種リスク評価およびコントロールを行っており、同時に自然災害等発生時の危機管理のシステムを整備し事業継続に向けた活動を行う体制を整えております。

 リスク管理チームにおける評価結果については、定期的に取締役会へ報告し、取締役会は中長期的な視点での議論を行い、リスクに関する対応と進捗について監督・指示を行っております。

 また、従業員はもちろんのこと、非正規社員も含め、自ら通報できる内部通報窓口(当社内部監査室や社外役員、法律事務所所属の弁護士が対応)を設置し、就業規則ほか社内規程、法令に違反する行為について通報を受け付けており、通報者に対する不利益な取扱いを社内規程にて禁止しています。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、上記「(2)当社グループの経営戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

30

21.8

男性労働者の育児休業取得率

80

69.2

労働者の男女の賃金の差異

90

89.8

 当社グループでは、具体的な取組や関連する指標のデータ管理については、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上表の指標、目標および実績は、提出会社および主要な事業を営む連結子会社(株式会社TOMAS、株式会社名門会、株式会社伸芽会、株式会社スクールTOMAS、株式会社プラスワン教育)のものを記載しております。

 

3【事業等のリスク】

当社グループでは、リスクの洗い出しに際して、経営戦略の遂行を考慮した際に生じるリスクと経営上不可避的に生じるリスクに分類しております。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に対する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

Ⅰ.経営戦略の遂行を考慮した際に生じるリスク

 

(1)社会情勢の変化に関するリスク(経済状況・少子化・受験改革等)

 

(2)自然災害・感染症の発生について

 

(3)人材確保および育成について

 

(4)物件の確保を行えないリスク

Ⅱ.経営上不可避的に生じるリスク

 

(1)個人情報の取扱いについて

 

(2)情報システム・ネットワークおよびサイバーセキュリティについて

 

(3)法的規制等について

 

(4)訴訟について

 

(経営戦略の遂行を考慮した際に生じるリスク)

(1)社会情勢の変化に関するリスク(経済状況・少子化・受験改革等)

発生可能性:中

発生する可能性のある時期:特定時期なし

影響度:中

●リスク

当社グループは、日本国内において教育サービスの提供を行っており、その売上収益は日本国内における景気、物価の変動、産業・業界の動向に影響を受けます。特に、依然として解消のための方策が見えてこない少子化問題および教育制度の変化や入試形態の多様化については、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

●対応策

当社グループでは、より質の高い教育サービスを提供するなど同業他社と品質面での差別化を図ることで、経済状況の変化、少子化といった市場の変化に左右されない経営基盤を築いております。

また、当社グループでは、教育制度や大学入試等の改革につき、改革に沿った入試対策および学習指導を行うことにより、当該リスクへの対応を図っております。

●経営戦略等との関連性

 -

 

(2)自然災害・感染症の発生について

発生可能性:中

発生する可能性のある時期:1年以内

影響度:中

●リスク

当社グループの主要な事業所は、東京を中心とした首都圏にあり、家庭教師派遣教育事業の名門会では全国での施設運営を、学校内個別指導事業のスクールTOMASでは全国の学校内での施設運営を行っております。地震、津波、台風、洪水等の自然災害、火災、停電、感染症の蔓延、紛争・テロ、違法行為等、予測の範囲を超える事態の発生により、事業活動の停止や事業運営への重大な支障が生じ、長期間にわたって授業の実施が困難となった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

●対応策

当社グループでは、地震・風水害等の自然災害や火災などの災害発生に備え、防災用品を備蓄しているほか、各社員の被災状況の情報収集体制の構築も行っております。また、新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染症に対して、状況の変化に応じて必要な対策を講じることにより、当該リスクへの対応を図っております。

●経営戦略等との関連性

 -

 

 

 

(3)人材確保および育成について

発生可能性:中

発生する可能性のある時期:特定時期なし

影響度:高

●リスク

当社グループでは、質の高い教育サービスの提供、かつ計画的な教室展開を進めているため、社員や講師といった人材の確保とその育成が、企業規模の拡大成長には不可欠で重要な要素となっております。今後の採用環境の急激な変化により必要な人材が十分に確保できない場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

●対応策

当社グループでは、定期的・計画的な採用活動と、徹底した研修教育を行うことにより、当該リスクへの対応を図っております。

●経営戦略等との関連性

 ①徹底的な差別化戦略、②事業の特色を活かした戦略的な校舎展開

 

(4)物件の確保を行えないリスク

発生可能性:低

発生する可能性のある時期:特定時期なし

影響度:高

●リスク

当社グループは、首都圏を中心に新校開校、既存校の拡大移転リニューアルによる安定的な教室展開を図る計画でありますが、建築資材高騰や工期遅延などにより物件の確保ができず、計画どおりに教室展開ができない場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

●対応策

当社グループでは、開校前に相応の期間を設けることで、商圏調査・物件の早期確保に努めております。また、ヒューリック株式会社との業務提携により、駅前の優良物件について優先的な紹介を受けることで、当該リスクへの対応を図っております。

●経営戦略等との関連性

 ②事業の特色を活かした戦略的な校舎展開、③1歳から社会人までの囲い込み戦略

 

(経営上不可避的に生じるリスク)

(1)個人情報の取扱いについて

発生可能性:中

発生する可能性のある時期:特定時期なし

影響度:高

●リスク

当社グループが提供する教育サービスの性質上、サービスを受ける相手方である生徒等の個人情報を取り扱うこととなります。万が一これらの個人情報流出等により問題が発生した場合、信用失墜により当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

●対応策

当社グループでは、プライバシーポリシーに基づき個人情報の管理を徹底しております。また、お客様の個人情報はデータベースにて管理しており、万全の管理体制のもと、情報流出阻止に努めるほか、全従業員に定期的に個人情報保護の重要性や情報の取扱いについて教育を行うことにより、当該リスクへの対応を図っております。

●経営戦略等との関連性

 -

 

 

 

(2)情報システム・ネットワークおよびサイバーセキュリティについて

発生可能性:中

発生する可能性のある時期:特定時期なし

影響度:高

●リスク

当社グループでは、生徒および保護者の個人情報、その他業務上必要となる各種情報を情報システム上で管理しております。また、ICTを活用した教育サービスの提供や、社内業務のDXを推進しております。これらの情報システムおよびネットワークに対して、サイバー攻撃による不正アクセス、コンピューターウイルスの感染、採用しているパブリッククラウドの障害、ハードウェアやソフトウェアの欠陥、自然災害による通信インフラの停止等が発生した場合、サービス提供の中断や事業基盤の停止、機密情報の漏洩を招く恐れがあります。その結果、社会的信用の失墜や損害賠償責任の発生により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

●対応策

当社グループでは、情報システムおよびネットワークの安定稼働を確保するため、適切なサーバー管理やデータのバックアップ体制の構築、セキュリティ対策ソフトの導入、外部からの不正アクセス防止策などの技術的対策を講じております。また、システムの導入や新規開発にあたっては事前審査やモニタリングによるリスク低減に努めるほか、情報セキュリティに関する規程の整備や従業員への教育を継続することで、ハード・ソフト・人の三面からセキュリティ体制の強化を図っております。

●経営戦略等との関連性

 -

 

 

(3)法的規制等について

発生可能性:中

発生する可能性のある時期:特定時期なし

影響度:中

●リスク

法令等に違反する事由が生じた場合には、企業活動が制限される可能性があります。また、法令等の規制への対応に係る経営コストの増加を含め、法的規制等が当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

●対応策

当社グループでは、コンプライアンスの向上に努め、法令等に十分留意した営業活動を行うことにより当該リスクへの対応を図っております。

●経営戦略等との関連性

 -

 

(4)訴訟について

発生可能性:低

発生する可能性のある時期:特定時期なし

影響度:中

●リスク

当社グループが株主を含む第三者から損害賠償などの訴訟を起こされた場合、当社グループの事業展開に支障が生じる可能性があります。また、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

●対応策

訴訟その他法的手続の事案が発生した場合、適時に弁護士等の外部専門家に相談できる体制を構築しております。

●経営戦略等との関連性

 -

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

1.財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や賃上げの広がり、企業収益の回復などを背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、世界的な地政学リスクの高まりや国際情勢の不安定化、米国の通商政策や各国の金融政策の動向が懸念されるほか、国内においても原材料価格の高止まり等を背景とした物価上昇の継続や為替の変動が企業活動や個人消費に与える影響も注視されるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

学習塾業界におきましても、こうした経済状況や少子化に伴う対象人口の減少に加え、エネルギー価格の高騰や講師確保に伴う採用・人件費コストの上昇が経営を圧迫しており、業界内の二極化・淘汰がより鮮明となっております。また、2025年度より開始された新課程入試への対応や、総合型選抜・学校推薦型選抜の拡大による入試形態のさらなる多様化に加え、生成AI等のデジタル技術を活用した個別最適化教育(アダプティブ・ラーニング)へのニーズの高まりなどといった経営環境の変化への迅速な対応が求められております。

こうした環境のもと、少子化を前提としたビジネスモデルである当社グループは、「すべては子どもたちの未来のために」という考え方から、高品質な「本物」の教育サービスを提供し、徹底した差別化戦略によって日本を代表するオンリーワン企業を目指すことを経営の基本方針としております。

当社は親会社であるヒューリック株式会社とコナミスポーツ株式会社、当社の3社で、ひとつのビルにTOMASや伸芽会など子どもの教育に関するコンテンツのほか、こどもクリニックや親子カフェが入居する、子育てと教育の新拠点として「こどもでぱーと」の開発を進めております。当連結会計年度においては、2025年4月に「こどもでぱーと中野」(東京都)と「こどもでぱーとたまプラーザ」(神奈川県)を同時開業いたしました。

また、当社グループは経営環境の変化への柔軟な対応、持続的な成長を実現することを目的として、2025年9月に持株会社体制へ移行いたしました。持株会社体制への移行に伴い、新たに「広告・マーケティング部」および「不動産管理部」を設置し、これまでグループ各社で独自に行っていた業務を一元化することで重複していた業務を見直し、費用の効率化を図るとともに、全体最適を目指しております。加えて「DX推進部」を新設し、グループ全体のデジタル基盤の強化を通じて、顧客サービスの最大化と利便性の向上および業務の効率化に向けた取り組みを本格的に進めております。

当連結会計年度の経営成績は、売上高については、期初において在籍生徒数が計画を下回り、下期において挽回したものの期中で計画に届かず、期初計画の売上高を下回りました。

利益は持株会社体制への移行により広告宣伝の効率化が発揮されたものの、売上高が目標に届かなかったことと、固定費の増加により、前期と比較して減少いたしました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は34,240百万円(前期比2.5%増)、営業利益は2,704百万円(前期比7.8%減)、経常利益は2,732百万円(前期比7.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,615百万円(前期比7.3%減)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりとなります。

①TOMAS(トーマス) [学習塾事業部門]

完全1対1の進学個別指導による高品質な教育サービスを提供し、売上高は17,855百万円(前期比1.0%増)、内部売上を含むと17,899百万円(前期比0.9%増)となりました。

当連結会計年度におきましては、TOMAS湘南台校(神奈川県)、TOMAS仙川校(東京都)、TOMAS新川崎校(神奈川県)、TOMAS鵜の木校(東京都)を新規開校、TOMAS国立校(東京都)、TOMAS門前仲町校(東京都)、TOMAS中野校(東京都)、TOMAS松戸校(千葉県)、TOMAS大泉学園校(東京都)をリニューアルいたしました。

②名門会 [家庭教師派遣教育事業部門]

100%プロ社会人講師による教育指導サービスの提供に加え、全国区へ事業展開を図っており、売上高は5,160百万円(前期比4.6%増)となりました。

当連結会計年度におきましては、MEDIC名門会京都駅前校(京都府)を新規開校、名門会星ヶ丘駅前校(愛知県)をリニューアルいたしました。

③伸芽会 [幼児教育事業部門]

名門幼稚園・名門小学校受験業界でトップクラスの合格実績を誇る既存事業「伸芽会」に加え、受験対応型の長時間英才託児事業「伸芽’Sクラブ(しんが~ずくらぶ)」の2つのブランドの充実を図り、売上高は5,746百万円(前期比0.7%増)、内部売上を含むと5,775百万円(前期比0.7%増)となりました。

当連結会計年度におきましては、伸芽会こどもでぱーとたまプラーザ教室(神奈川県)、伸芽’Sクラブ託児こどもでぱーとたまプラーザ校(神奈川県)、伸芽’Sクラブ学童こどもでぱーとたまプラーザ校(神奈川県)、伸芽’Sクラブ学童こどもでぱーと中野校(東京都)、伸芽’Sクラブ託児吉祥寺校(東京都)を新規開校いたしました。

④スクールTOMAS [学校内個別指導事業部門]

学校内個別指導塾「スクールTOMAS」の営業展開を推し進め、売上高は3,744百万円(前期比8.9%増)、内部売上を含むと3,744百万円(前期比8.9%増)となりました。

⑤プラスワン教育 [人格情操合宿教育事業部門]

情操分野を育む多彩な体験学習サービスの提供を行い、売上高は1,712百万円(前期比5.4%増)、内部売上を含むと1,725百万円(前期比5.3%増)となりました。

当連結会計年度におきましては、TOMAS体操スクール目黒校(東京都)をリニューアルいたしました。

⑥その他の事業

売上高は20百万円(前期比17.2%増)、内部売上を含むと143百万円(前期比6.5%増)となりました。

 

2.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて871百万円減少し、8,081百万円(前連結会計年度末8,952百万円)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は2,000百万円(前連結会計年度に得られた資金は2,450百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,611百万円、減価償却費643百万円、法人税等の支払額△984百万円等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は1,169百万円(前連結会計年度に使用した資金は801百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出△855百万円、有形固定資産の売却による収入168百万円、無形固定資産の取得による支出△345百万円、敷金及び保証金の差入による支出△127百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は1,702百万円(前連結会計年度に得られた資金は1,842百万円)となりました。これは主に、配当金の支払額△1,697百万円等によるものです。

 

3.生産、受注及び販売の実績

①事業所と収容能力

事業所および収容能力に著しい変化はありません。

②販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年3月1日

至 2026年2月28日)

売上高(千円)

前年同期比(%)

学習塾事業(TOMAS(トーマス))

17,855,547

1.0

家庭教師派遣教育事業(名門会)

5,160,192

4.6

幼児教育事業(伸芽会)

5,746,856

0.7

学校内個別指導事業(スクールTOMAS)

3,744,557

8.9

人格情操合宿教育事業(プラスワン教育)

1,712,998

5.4

その他

20,775

17.2

合計

34,240,928

2.5

(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。

 

1.財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

①財政状態の分析[図1][図2]

当連結会計年度末の資産につきましては、現金及び預金の減少、営業未収入金、その他の流動資産(未収消費税等)、有形固定資産、無形固定資産、繰延税金資産、敷金及び保証金の増加等により557百万円増加し、22,667百万円(前連結会計年度末22,109百万円)となりました。

負債につきましては、退職給付に係る負債の減少、未払金、未払法人税等、資産除去債務、繰延税金負債の増加等により325百万円増加し、10,401百万円(前連結会計年度末10,075百万円)となりました。

純資産につきましては、利益剰余金、自己株式の減少、退職給付に係る調整累計額の増加等により231百万円増加し、12,265百万円(前連結会計年度末12,034百万円)となりました。

流動比率は、216.3%から207.3%と9.0ポイント減少、自己資本比率は54.1%から53.8%と0.3ポイント減少しておりますが、財務の健全性は適切に維持されている状況となっております。資産の内訳については、現金及び預金並びに営業未収金等の運転資本が大きな割合を占める状況となっております。今後につきましても、財務の健全性を維持しつつ、剰余金の配当等による株主還元を図ってまいります。

 

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 ①流動比率は216.3%から207.3%へと減少。

 ②固定比率は78.8%から80.9%へと増加。

 ③自己資本は11,958百万円から12,190百万円へと増加。

 

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②経営成績の分析[図3]

当連結会計年度における経常利益は2,732百万円となり、前期比205百万円の減少となりました。また、経常利益率は8.0%となり、前期比0.8ポイント減少となりました。主な要因としては、地代家賃や人件費等の固定費の増加によるものです。2027年2月期におきましては、在籍生徒数の確保と業務効率化によるコスト削減を推し進めることで、収益性の改善に努めてまいります。

 

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2.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報[図4]

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、以下のとおりとなっております。

営業活動によるキャッシュ・フローは、2,000百万円となり、前連結会計年度に比べ450百万円減少しました。主な要因としては、法人税等の支払額の減少したものの、消費税等の納付額が増加(未収消費税等の増加に伴う支出)したこと等によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、△1,169百万円となり、前連結会計年度に比べ367百万円減少しました。主な要因としては、新規設備投資の増加によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,702百万円となり、前連結会計年度に比べ3,544百万円減少しました。主な要因としては、前連結会計年度において新株式の発行を行ったことによるものです。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりとなっております。

(資本の財源)

当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、自己資金のほか必要に応じて資金調達を行ってまいります。

(資金需要)

2026年2月期は、TOMAS、名門会、伸芽会、伸芽’Sクラブ託児・学童、プラスワン教育で新規開校およびリニューアルを行いました。

2027年2月期以降におきましても、引き続き新規開校や拡大リニューアルを推し進めるとともに、「こどもでぱーと」などの新たな取組みに対しても積極的に資金を投入することで、さらなる成長を目指してまいります。

(株主還元)

当社グループは、株主への皆様に対する利益還元を経営の重要課題の1つとして捉え、安定的な手元資金の確保を前提としつつ、「配当性向50%以上」を目途に、業績に応じた配当を行うことを基本方針においております。

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3.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、連結決算日における資産・負債の報告数値および偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行っております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

(1)業務提携契約

契約先

契約年月日

契約の内容

ヒューリック株式会社

コナミスポーツ株式会社

2020年9月29日

3社で締結した業務提携契約に基づき、同一ビル内での子ども向けワンストップ・サービスの業態開発および展開を共同で取り組んでいるものです。同一ビル内でのワンストップ・サービスを行うことで送迎や移動に関する保護者にとっての不便・不安を解消するとともに、お子様の個性に合わせた複数のサービス提供を同じビルで受けることが可能になり、さらに既存ブランドの拡張、各社共同での会員向けサービスの展開、各社のノウハウ等の相互活用等1歳から大人までずっと通っていただけるワンストップ・サービスによる新たな囲い込み戦略を展開するものです。

株式会社プラスワン教育

UNI SOUND株式会社

2025年6月12日

株式会社プラスワン教育は当社グループの会員や当社グループの社員に対し株式会社GRACEの子会社であるUNI SOUND株式会社(以下「UNI SOUND」という。)のサービスをご案内し、UNI SOUNDは、紹介を受けた方との間で中古楽器の買取・販売を行い、当社はその仲介を担います。本取り組みはリユースの促進を通じて、「持続可能な消費モデル」の実現や「環境負荷の軽減」にもつながると考えております。こうした社会的価値の創出とあわせて、本提携を契機に両社のさらなる発展を目指してまいります。

 

(2)資本・業務提携契約

契約先

契約年月日

契約の内容

ヒューリック株式会社

2024年4月8日

以下の業務内容の推進に向けた長期的な提携関係の構築・強化のため

①こども教育に関わる新規事業・M&Aの共同検討

②ヒューリックグループが所有・開発する不動産への当社グループの新規出店検討

③ヒューリックグループによる当社グループの不動産戦略サポート

④両社の知識・ノウハウおよびネットワーク等の相互活用

株式会社伸芽会

株式会社ハグカム

2024年12月20日

当社は当社子会社の株式会社伸芽会(以下「伸芽会」という。)および株式会社ハグカム(以下「ハグカム」という。)との間で資本業務提携契約を締結し、伸芽会とハグカムのそれぞれが顧客に提供するサービスの相互支援およびその強化・拡大に向けて協力し、互いのコンテンツ力、ブランド力の強化を図り、今後の成長戦略の基盤を築いてまいります。また、共同でサービスの開発、改善を行い、オンラインによる全国展開による事業拡大を図ります。

 

(3)吸収分割契約

契約先

契約年月日

契約の内容

株式会社TOMAS

2025年4月18日

当社は、2025年5月23日開催の第40回定時株主総会において承認された吸収分割契約に基づき、2025年9月1日付で持株会社体制へ移行し、学習塾事業、英語スクール事業および生徒募集勧誘事業を当社100%子会社「株式会社TOMAS」に承継しました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)(会社分割による持株会社体制への移行)」をご参照ください。

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度において、該当事項はありません。