第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、「世の中にないものをつくる」を合言葉に、半導体・FPD業界において、独自の技術と経験をもとに、最先端技術への貢献を続けてまいりました。

営業・サービスネットワークをグローバルに展開し、顧客とのコミュニケーションを大切にしてまいります。

創業より培ってきた技術力とアイデアをベースに「Co-innovation(共創という独創)」という発想のもと、今後も顧客に寄り添い最高のソリューションの提供を目指してまいります。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、今後も半導体業界を中心にして、以下の3つの重点項目を念頭に、強固な成長基盤の構築に努めてまいります。

・技術力強化

当社グループの更なる成長のためには、付加価値の高い製品の開発が不可欠であります。積極的な特許の取得に努め、製品技術における他社との差別化をはかってまいります。また、特許技術を中心としたユニークなアイデアと経験で顧客に対する提案力、解決力を強化してまいります。

 

・グローバルサポート体制の強化

半導体工場がある地域の大部分に拠点を設置することで迅速なサポートが可能な体制を築いてまいりました。また、ネットワーク体制をもとに、世界各地の顧客に対し従来以上にきめ細やかなサポートを実現することで、顧客満足のさらなる向上に取り組んでまいります。

 

・生産体制の強化

半導体関連装置の主力工場であるベトナム子会社、FPD関連装置を手掛ける韓国子会社を中心に、効率的な生産体制の構築や効果的な設備投資を進めてまいります。ハード面におきまして、特に自動化に取り組み、リードタイムの短縮、コスト競争力強化及び品質のさらなる向上に努めてまいります。また、強固なサプライチェーンを構築していくことで、部品の安定供給をはかり、生産の安定化にも努めてまいります。さらに、変化に対応できる柔軟な生産体制も検討してまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社は、企業価値の向上を目的とし、売上高及び経常利益の成長を目標にしております。また、中期的に資本・資産効率をより意識した経営を進めていく考えであります。

 

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループは、今後ますます重要な役割となる半導体を中心に、フラットパネルディスプレイ(以下、

FPD)及びライフサイエンスの各分野において、社会の発展に貢献していく所存です。

 半導体市場は、生成AIの普及拡大及びデータセンター向け需要の拡大を背景に、先端ロジック及びメモリ

ー分野の成長が見込まれており、半導体製造装置分野におきましても、AI関連需要拡大に伴う設備投資によ

る市場拡大が予想されます。

 次に世界情勢を見ますと、米国・イスラエルとイランとの紛争による原油問題は、エネルギー及び石油製

品等のコストの上昇だけでなく、供給問題にも繋がり、部品調達環境に影響を及ぼすことが懸念されます。

 このような環境に対応するため、需要拡大に対しましては、ベトナム子会社(RORZE ROBOTECH CO.,LTD.)

におきまして、新工場の建設を進めております。現時点では、工場用地の取得は完了しており、2028年春頃

に稼働開始予定であります。

 また、ベトナム子会社の現工場では、製造の自動化技術を取り入れた生産体制及びAIを活用した自動化に

よる検査体制の構築を推進し、生産効率と製品品質の向上を図ります。

 次に、部品調達環境問題に対しましては、サプライチェーンを更に強化すると同時に、部品の先行手配等

を含む適切な調達管理を徹底し、製品の安定供給体制の強化に取り組んでまいります。

 更に、新製品開発につきましては、独自技術による既存製品の強化及び新製品開発を行うと同時に、次世

代技術の開発を積極的に推進してまいります。なお、開発体制を強化するため、開発組織の見直しを実施い

たしました。

 また、海外子会社を含めたグローバルな開発体制を構築し、PDM(製品情報管理:ProductDataManagement)

PLM(製品ライフサイクル管理:Product Lifecycle Management)及びAIを駆使した開発手法も活用して製品

開発のスピードアップを図り、顧客要求の短納期化に対応してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

 ローツェでは、2022年3月に「サステナビリティ委員会」(年2回開催、経営会議内で実施)を設置しました。サステナビリティ委員会では、当社が置かれている経営環境を踏まえサステナビリティに関連するリスク及び機会について重要性に応じて識別・監視し、重要案件については取締役会へ報告する体制としています。なお、上記のサステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続等の体制は、その他のコーポレート・ガバナンスの体制と区別せず、サステナビリティを経営上の重要な戦略として取り扱っています。

なお、提出会社におけるコーポレート・ガバナンスの体制の概要等は、第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。

 

(2) 戦略

 当社は、環境・社会・ガバナンスの視点を経営と統合し、持続可能な成長を追求するために、当社を取り巻く環境と現状を把握、重要課題と最重要課題の選定をおこない、各マテリアリティを特定しました。また、各マテリアリティに対して中長期的な施策と指標・目標を設定し、グループ全体でその達成に取り組んでいます。進捗状況はサステナビリティ委員会に報告され、必要に応じて施策の見直しや強化を図っています。

 

  マテリアリティ 重要課題・施策一覧

 

マテリアリティ

テーマ/施策

目指すゴール

イノベーションの源泉となる従業員参画・ダイバーシティ

●国籍、性別等によらない人材の登用推進
●グローバル拠点を含むキャリア支援

創造的な仕事および適切な待遇の提供を通じて、多様な人材が能力を発揮できる職場づくりを推進。中核人材における女性比率8%、外国人比率36%(いずれも2024年時点)を今後さらに引き上げ、イノベーションを支える組織文化の醸成を目指します。

地域との関係構築および人権の尊重

●現地雇用の創出と技能教育の提供
●次世代育成観点の地域貢献活動

各国拠点において、人権に配慮するとともに、地域雇用の創出や人材育成支援を通じて、地域社会との共生と信頼構築を進めています。各国拠点にて、ステークホルダーの声に耳を傾け、責任ある企業市民を目指します。

サプライチェーンを通じた環境・社会・ガバナンスリスクの管理

●サステナブル調達ガイドラインの策定
●サプライヤー評価とフィードバック

調達先に対し、環境課題への対応・人権への配慮を求める、持続可能な調達ガイドラインを策定。サプライヤーとの対話等による情報交換を通じて、グローバルな責任ある調達体制を構築します。

公正な労働条件

●適正な評価・報酬制度の運用と透明化
●社員の健康および家庭との両立に配慮した労務管理推進

納得感の高い報酬・評価制度、育児・介護等にも配慮した労働時間管理、福利厚生の整備を通じて、働きがいと多様性に配慮した職場環境を実現します。

 

 

 

 

製品ライフサイクルを通じた環境インパクト

●製品ライフサイクルアセスメント(LCA)

●製品のメンテナンス・オーバーホールの推進

省エネ設計や長寿命化を通じて、製品の使用から廃棄までの環境影響を低減。LCA導入により、持続可能なものづくりを目指します。

地球温暖化の抑制

●再生可能エネルギー導入
●省エネ型製品の開発
●排出量データのモニタリング体制強化

2030年までにスコープ1・2のGHG排出量を2019年比で50%削減することを目標に、再エネ導入や省エネ設備化を目指します。2050年までのカーボンニュートラル実現を見据え、持続可能な生産体制の構築を目指します。

高い倫理性と透明性の維持

●社内研修の定期実施等による行動規範の徹底

内部通報制度の整備、贈収賄防止策の強化を通じて、誠実で透明性の高い企業行動を実践。全役職員に向けた倫理研修も定期的に実施しています。

情報セキュリティ

●情報セキュリティ管理体制の整備と改善

ISO27001認証取得とともに、情報セキュリティガイドラインの整備や多層的なアクセス管理により、顧客情報および技術情報の安全な管理を徹底。サイバーリスク対策の維持・強化を図ります。

心身ともに健康で安全に働ける職場づくり

●身体の健康保持・増進
●ワークライフバランスの推進

すべての社員が安心して働ける環境を整えるため、適正な安全衛生活動およびメンタルヘルス対策等を実施、超過勤務時間短縮を推進。作業環境の改善や適正な人員配置とともに、グローバル拠点での役割分担による業務効率化を推進します。

コンプライアンスの徹底

●ESG基準・開示基準への準拠
●法律規制変更に対応できる社内体制の構築

最新規制や業界ガイドライン等へ対応。各種開示規制および環境・貿易規制の変更には適切に対応し、世界基準で信頼性あるコンプライアンス体制を目指しています。

材料調達網のレジリエンス強化

●環境低負荷資材の利用拡大
●リスク分散調達

環境影響の面で、リサイクルや代替素材の活用を進めるとともに、調達先の拡大により調達網のレジリエンスを強化し、安定供給と環境配慮を両立してまいります。

 

 

① 環境についての取り組み

 当社は、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指し、気候変動に関するリスクと機会について、ISSBに準拠した情報開示を推進しています。気候変動に関するシナリオ分析をもとに「気候変動対策が進み将来の気温上昇が1.5℃に抑制された世界」と「気候変動対策が停滞し将来の気温上昇が4℃に達してしまう世界」の2つの世界観を記述することで、グループ全体における気候関連のリスクと機会による影響度を明らかにし、気候関連の変化及び不確実性に対する対応策を定めています。2025年度に洗い出しと評価を行ったリスクと機会については、リスクマネジメント体制に則りモニタリングを継続的に実施し、適宜再評価を行ってまいります。

 また、当社では、気候変動への対応として、半導体産業全体を通じて貢献するという視点から、高性能半導体デバイスの製造に貢献すること自体の価値が高いと考えています。さらに直接的な貢献としては、製品である搬送装置の消費電力あるいは製品の実際の使用期間などを評価、省エネルギーや長寿命が環境への配慮につながるものとして、省エネ化のためのさらなる技術革新や、長期メンテナンス・オーバーホール対応を通じ、環境貢献型の製品群を着実に拡大していきます。

 

 

② 人的資本について

 「社員一人ひとりの幸せ」と「企業理念の実現」を両立させることを経営の基盤とし、持続可能な企業価値の向上を目指しています。その中核には、人的資本経営と多様な人材の協働を重視する姿勢があります。事業成長を支える中核人材には、技術力に加えて創造性・課題解決力・グローバル連携力を求めており、海外拠点との連携を強化しながら、外国人材や女性の登用も推進しています。資格取得支援や特許報奨制度、FA制度などにより、社員の挑戦と成長も積極的に支援しています。職場環境では、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、公平で安全、働きがいのある職場づくりを重視。ワークライフバランスの確保、エンゲージメント向上策にも力を入れています。

 

(3) リスク管理

 事業活動に重要な影響を及ぼすリスクについては経営会議で識別・評価・絞込みを行っています。気候変動リスクも事業リスクと一体でリスク管理プロセスに組み込み、サステナビリティ委員会で評価・絞込みを行い、重要案件は取締役会へ報告する体制です。今後は環境・品質・情報セキュリティなどと同様に、社長直下でのリスク管理体制への見直しを検討しています。

 

(4) 指標及び目標

  ①温室効果ガス排出削減目標

  気候変動対応での当社グループ温室効果ガスの削減目標と対応策、検討状況は以下のとおりです。

 

2030年度目標

2050年度目標

自社の温室効果ガス排出量(Scope1,2)

50%削減
 (2019年度比)

カーボンニュートラル

バリューチェーン全体の排出量(Scope3)

scope11:製品の使用にかかる排出
30%削減
 (2019年度比)

 

 

対応策

検討状況

ベトナム工場の再生可能エネルギーの導入

大口需要家には再生可能エネルギー由来の電力購入ができる制度の導入が予定されており、その導入を検討。一方で、ベトナムでは法制度が未整備で導入に伴うリスク有。

製品の省電力化

研究開発テーマとして加えることを検討中

製品原材料データの把握精度向上

精度向上に向けた施策を検討中
 今後のCO2削減計画への使用を予定

部品等の輸送手段の工夫

航空便から他の輸送手段への切り替えを一部実施し、さらに検討中

 

 

 気候変動への対策が進む業界潮流を鑑み、1.5℃シナリオ実現に向けて、当社グループ売上高の98%以上を占める半導体・FPD関連装置事業におけるCO2排出量削減に関する目標を設定しました。本目標の達成と1.5℃シナリオ実現に伴い生じる「短期」「中期」の移行リスクと機会を鑑み、当社グループでは対応策を検討・推進してまいります。「長期」の物理リスクについては「短期」「中期」のリスクと機会に対する対応が実施され、直近のリスクと機会損失が回避された後に、当社グループを取り巻く環境を考慮し対応する方針です。

 

 気候変動対応にかかるリスクと機会の評価

リスク・機会の種類

ドライバー

当社グループへ想定される影響

時間軸

影響度

移行リスク
 1.5℃
 シナリオ

政策・法規制

炭素価格の導入

炭素価格による自社・調達先等のコスト上昇を製品価格転嫁困難な場合の利益減少

長期

排出量報告制度

取引先への報告作業・開示規制対応増加によるコスト増加

短~中期

テクノロジー

省エネ・再エネ技術の進歩・普及

再エネ発電設備、省エネ設備・工場断熱対応等の設備投資増額、対応が遅れた場合エネルギーコスト増加

中期

市場

顧客が低排出企業を選定

製品ライフサイクルでの温室効果ガス排出量削減に向けた投資増加、削減未達の場合の顧客との取引量減少

長期

小~大

サプライチェーン上流が脱炭素対応

調達先等の脱炭素対応に伴う調達価格上昇の製品価格転嫁が困難な場合の利益減少

長期

人材市場の関心の変化

人材のESG感応度の高まりに対し対応が遅れ、開発力の源泉たる優秀な理系人材が確保できない場合の製品開発力低下

短期

評判

金融機関の変化

サステナビリティ対応不十分な場合、銀行等の融資・機関投資家の投資等による資金調達コスト上昇

短期

物理リスク
 4℃
 シナリオ

急性リスク

気象災害の増加・激甚化

自社拠点・従業員の被災、送電網等インフラ途絶により生産停止した場合の売上減少
 防災対策費用・損害保険料の増加

長期

調達先等の被災による製品納入遅延頻発の場合、顧客との関係悪化に伴う売上減少

短~長期

小~中

顧客拠点の被災による製品納入遅延の場合、在庫管理コスト増加

長期

干ばつによる水不足の増加

水不足による顧客の生産量減少に伴う、売上減少

中期

慢性リスク

平均気温の上昇

調達先等の空調関連の投資・エネルギー費用増加等を製品価格転嫁困難な場合の利益減少

中~長期

調達先等が熱中症等の健康被害により製品納入遅延頻発の場合、顧客との関係悪化に伴う売上減少

中~長期

自社拠点の空調関連の投資・エネルギー費用増加等を製品価格転嫁困難な場合の利益減少

長期

海面の上昇

調達先等の拠点移転に伴う調達価格上昇を製品価格転嫁できない場合の利益減少

長期

自社拠点浸水による業務継続困難に伴う売上減少

長期

感染症の流行

調達先等が感染症流行により製品納入遅延頻発の場合、顧客との関係悪化に伴う売上減少
 感染流行に伴う訪問量減少により顧客サービス、状況、需要の正確な把握困難

長期

感染流行に伴う自社の欠員発生により売上減少

長期

 

 

 

機会

資源の効率性

省エネ・再エネ技術の進歩・普及

省エネ・再エネ設備導入や高効率設備の積極的導入によるエネルギー消費量抑制により製造コスト減少

長期

製品・サービス

顧客が低排出製品を選好

製品のエネルギー効率向上による競争力上昇

中~長期

中~大

製品ライフサイクルでの温室効果ガス削減要請を背景に、高耐久性対応等による製品訴求力向上

中~長期

高エネルギー効率半導体製造量の増加

半導体に対する消費電力抑制ニーズが高まり、省エネ・高エネルギー効率の先端半導体の製造設備需要が拡大

中~長期

市場

金融取引の変化

サステナビリティ経営によりESG関連でのスコア上昇に伴い、資金調達コストが低下

短期

人材市場の関心の変化

人材のESG感応度の高まりに対応し、開発力の源泉たる優秀な理系人材を確保し、製品開発力向上

短期

レジリエンス

気候変動に対するビジネス機能の維持

アルミニウム等製造工程発生資源の再利用、原材料グリーン調達等により、気候変動関連での調達の不安定化・価格高騰を回避し、競争力向上

長期

 

 

  ②人的資本に関する指標及び目標

 当社は、「世の中にないものをつくる」というビジョンのもと、社員一人ひとりの成長と挑戦を企業成長の原動力と位置づけています。人材育成のための支援制度の充実化や大学との連携、次世代を担う子供たちへモノづくりへの素養を高める取り組みなどを積極的に行ってはおりますが、現状、人的資本に関する指標及び目標は設定しておりません。今後の施策と併せて検討を進めてまいります。

 

 「サステナビリティに関する考え方及び取組」に関する詳細な情報については、当社ウェブサイト(https://www.rorze.com/ir/library/)において公表している当社統合報告書2025(報告対象期間2024年3月1日~2025年2月28日、一部、前後の活動や将来目標を含む)をご参照ください。
  統合報告書2026につきましては、2026年8月に同ウェブサイトにおいて公表予定です。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因については以下のものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 半導体及びFPD業界における設備投資による影響

当社グループは、半導体(前工程・後工程/先端パッケージ)および FPD 生産ラインで用いられる搬送・自動化関連装置を、デバイスメーカーや製造装置メーカーの投資計画に沿って市場投入しています。そのため、顧客の投資サイクルの変動により、当社の受注・売上・稼働率が影響を受ける可能性があります。

これに対し当社グループでは、顧客の設備投資動向や受注状況を定期的に把握・検証するとともに、柔軟な生産体制を整備し、急激な需要変動に対応できる体制づくりを行っております。

 

(2) 地政学リスク・輸出管理・関税政策による影響

当社グループは、グローバルな事業展開を行っております。よって、地政学的リスクは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、米国を中心とする先端半導体・装置の対中輸出規制及び関税率引上げ等の通商政策は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、国際情勢を注視し事業への影響が顕在化した際は直ちに適切な対応に努めてまいります。

 

(3) 材料・部品調達の逼迫と価格変動による影響

当社グループは、アルミなどの素材や加工部品、あるいは各種購入部品など多岐にわたる調達を行っています。急激な需要変動、原材料価格の上昇、特定サプライヤーの生産障害・品質問題、物流制約(港湾混雑・航路混乱等)により、納期遅延・コスト上昇・必要量の不足が発生した場合、また世界情勢の変化にともない、エネルギー及び石油製品等のコスト上昇や供給問題が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

これに対して当社グループでは、日頃からサプライヤーとの関係強化に努めるとともに調達リスクをモニタリングして適正な在庫の確保に努めています。

 

(4) 在庫のリスクによる影響

当社グループでは、原材料の調達リスクに対応すべく原材料を確保しております。

市況変動や顧客の経営計画の変更等により原材料の消費が滞留した場合、業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 為替相場の変動による影響

当社グループの海外売上・調達は為替変動の影響を受け業績に影響を及ぼします。

これに対し当社グループでは、為替相場の変動リスクを軽減する目的で必要に応じて大口の外貨建て受注案件に対し為替予約を行うことがあります。

 

 

(6) 知的財産権による影響

当社グループは独自技術に基づき製品開発を行い特許出願を進めていますが、国・地域により知的財産保護水準が異なり、第三者から侵害主張・訴訟を受ける可能性、逆に当社権利の保護が十分に及ばない可能性があります。この場合、その結果によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループでは、知的財産権管理部門を中心に、市場の監視を行い、必要な処置を講じる体制を整えております。

 

(7) 情報セキュリティ・サイバーリスクによる影響

当社グループは事業上の様々な技術情報や顧客情報を保有しており、ランサムウェア、委託先経由の侵害、脆弱性悪用、地政学的背景の攻撃等により、操業停止や情報流出、信用失墜・費用負担が生じるおそれがあります。

この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループでは、情報セキュリティ規程を設け、情報の適切な取扱い・管理・保護・維持に努めております。

 

(8)人材の確保及び育成による影響

当社グループは、グローバルな事業展開のためには優秀な人材の確保・育成が重要であると認識しております。しかしながら、優秀な人材の確保・育成ができない場合、事業拡大ができなくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (9) 競合による影響

当社グループは、半導体事業分野において、多様な競合他社が存在します。地場メーカーの台頭で競争が激化する可能性があります。市場での競争力を高めるため、現地での生産を拡大しておりますが競合他社が品質、コスト、納期などで上回った場合、競争力の低下や収益力を損なう可能性があります。

 

(10) 研究開発による影響

当社グループは、「世の中にないものをつくる」を合言葉に新製品の開発に取り組んでおります。

新製品を素早く市場投入することで高い利益率を確保できてきました。

しかしながら、顧客要求の短納期化に対応できない場合や競合他社に技術先行された場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、市場性を見極め新製品開発のスピードアップを図り、顧客要求に対応してまいります。

 

(11)製品品質による影響

当社グループは、付加価値や信頼性の高い装置を開発し提供しております。しかし、先端分野で使用されるために新規開発となる要素が多く、予期せぬ重大な不具合が発生し、無償修理費用等の多額な負担及び保証が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループでは、安定した品質を生みだすために、国際規格ISO9001を認証取得し、マネジメントシステムの継続的な改善と向上に努めるとともに、定められた品質システムを遵守し、高品質な製品の供給に努めています。また、不具合発生時においても根本原因を究明したのち再発防止・未然防止策の実施・徹底を図っております。

 

(12) 環境問題による影響

環境問題に対する懸念は世界的に高まり、当社グループが主に属する半導体及びFPD業界におきましても、取引に際し顧客からの要求が増加しております。こうした中、環境問題に対する取り組みが十分でない場合には、顧客からの取引が減少するだけでなく、社会的信用の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これに対し当社グループでは、省エネ・長寿命設計による製品開発や再生可能エネルギー導入を通じ、環境負荷低減を推進し、製造工程の効率化を進めます。

 

(13)自然災害等による影響

当社グループは、自然災害等が発生した場合に対し、事業活動への影響を最小限にする体制及び対策を講じております。しかしながら、想定を超える大規模な災害等により、当社グループの事業拠点又は取引先等に甚大な被害が発生した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) M&A等による影響

買収及び出資先の業績が、事業環境の変化等により、当初計画を下回る場合、のれん・無形資産の減損処理、追加投資及び経営体制の再構築が必要となる可能性があります。

この場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の通商政策の影響が残るものの、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価上昇の継続による個人消費の減速懸念等から、依然として先行不透明な状態が継続しております。

当業界におきましては、生成AIの普及を背景にデータセンター向け高性能デバイス需要が投資を牽引し、AIサーバー向けの先端ロジックやメモリ分野への設備投資が堅調に推移しました。また、微細化・高積層化等の技術進化を背景に、デバイス構造の複雑化や高い性能要請への対応が求められる中で、アドバンスドパッケージ分野を含む関連設備投資も活発化しました。

このような状況の中、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高は主に台湾顧客向けの需要が増加した結果、128,794百万円(前期比3.5%増)となりました。損益面におきましては、前期に連結対象とした海外子会社における取込期間の影響及び当該子会社に係るのれん償却額等による販管費の増加で、営業利益31,154百万円(前期比2.7%減)、経常利益32,621百万円(前期比8.0%減)となりました。また、特別損失として訴訟損失引当金繰入額7,429百万円を特別損失に計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益19,048百万円(前期比19.4%減)となりました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

半導体・FPD関連装置事業の売上高は127,593百万円(前期比3.5%増)、セグメント利益は32,003百万円(前期比2.9%減)となりました。

ライフサイエンス事業の売上高は1,201百万円(前期比11.8%増)、セグメント利益は13百万円(前期比89.1%減)となりました。

 

② 財政状態の状況
(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、154,970百万円となり前連結会計年度末に比べ9,449百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、現金及び預金の増加によるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、42,332百万円となり前連結会計年度末に比べ114百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、繰延税金資産の増加によるものであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、40,328百万円となり前連結会計年度末に比べ335百万円減少いたしました。主な要因といたしましては、未払法人税等の減少及び前受金の減少によるものであります。

 

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、17,012百万円となり前連結会計年度末に比べ1,344百万円減少いたしました。主な要因といたしましては、長期借入金の減少によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、139,961百万円となり前連結会計年度末に比べ11,244百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、利益剰余金及び為替換算調整勘定の増加によるものであります。

以上の結果、総資産は197,302百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,563百万円増加し、自己資本比率は前連結会計年度末の62.8%から66.0%に増加しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、期首残高より13,011百万円増加となり、当連結会計年度末には74,341百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は31,191百万円(前期は36,791百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益25,009百万円、訴訟損失引当金の増加額7,429百万円及び棚卸資産の減少額4,117百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額10,273百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、支出した資金は3,300百万円(前期は6,455百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,089百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、支出した資金は15,520百万円(前期は9,160百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出8,128百万円、自己株式の取得による支出4,999百万円及び配当金の支払額2,998百万円によるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごと及び品目別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年3月1日

至 2026年2月28日)

 

品目

生産高(百万円)

前年同期比(%)

半導体・FPD関連装置事業

 

 

 

半導体関連装置

66,459

104.3

 

FPD関連装置

5,387

67.6

71,847

100.3

ライフサイエンス事業

692

104.8

合計

72,539

100.3

 

(注) 金額は、製造原価によっております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごと及び品目別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年3月1日

至 2026年2月28日)

 

品目

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

半導体・FPD関連装置事業

 

 

 

 

 

半導体関連装置

103,971

105.2

50,461

95.5

 

分析装置

3,204

89.8

3,196

90.1

 

FPD関連装置

5,381

71.8

1,678

64.7

112,558

102.4

55,336

93.8

ライフサイエンス事業

812

118.4

71

586.1

合計

113,371

102.5

55,408

93.9

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

      2.当連結会計年度より、製品別売上高の集計範囲を見直し、「部品・修理他」の金額の一部を「分析装

          置」へ含めて記載する方法に変更しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごと及び品目別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年3月1日

至 2026年2月28日)

 

品目

販売高(百万円)

前年同期比(%)

半導体・FPD関連装置事業

 

 

 

半導体関連装置

106,345

103.9

 

分析装置

3,554

90.1

 

FPD関連装置

6,298

73.3

 

部品・修理 他

11,395

135.3

127,593

103.5

ライフサイエンス事業

1,201

111.8

合計

128,794

103.5

 

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2024年3月1日

至 2025年2月28日)

当連結会計年度

(自 2025年3月1日

至 2026年2月28日)

販売高

(百万円)

割合(%)

販売高

(百万円)

割合(%)

Applied Materials,Inc.

24,018

19.3

22,009

17.1

Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.

9,817

7.9

19,522

15.2

 

 

2.当連結会計年度より、製品別売上高の集計範囲を見直し、「部品・修理他」の金額の一部を「分析装置」へ含めて記載する方法に変更しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し、合理的と判断される基準に基づいて行っております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における経営成績に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、建物及び機械装置等の設備投資によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

当連結会計年度末における有利子負債の残高は23,796百万円、並びに当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は74,341百万円であります。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度におけるグループの研究開発費の総額は、1,927百万円であり、セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(1) 半導体・FPD関連装置事業

各拠点の開発部門が中心となり、稼働率向上、性能向上、自動化、コストダウン等の課題に取り組み、ユーザーの近くにあって、客先仕様や個別ニーズに対応した新製品の開発に力を注いでおります。

主な新製品としましては、PLP(Panel Level Package)対応装置を開発しました。

なお、当事業に係る研究開発費の総額は、1,857百万円であります。

 

(2) ライフサイエンス事業

装置分野では、創薬研究・再生医療に必要不可欠な細胞培養装置や自動培地交換ユニットなど単体製品の開発、及び自動化・最適化された細胞培養技術の開発を引き続き推進しています。スケジューリングソフトウエアを活用し、顧客が日々行っている手作業から設置されている単体装置、及び自動化装置までをシステマティックに一元管理し、研究プロセス全体の効率化・自動化・再現性の構築に向けて、ハードウェアのみならずソリューション展開に向けた研究開発を推進しています。

細胞組織染色分野では、従来工程で使用されてきた劇毒物を含む試薬を、染色品質を維持しつつ作業従事者の作業環境を向上させることを目的に、劇毒物に依存しない代替試薬の探索・開発を推進しています。また、手作業が多い組織染色分野において、高精度・安全性・再現性のある機械化・自動化に向けた研究開発を推進しています。

なお、当事業に係る研究開発費の総額は、70百万円であります。