インタレスト・カバレッジ・レシオとは?計算式と目安を解説
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インタレスト・カバレッジ・レシオとは、本業の利益で支払利息を何倍まかなえるかを示す財務指標で、有利子負債依存度の高い企業の安全性を測ります。計算式は「(営業利益+受取利息+受取配当金)÷ 支払利息」で、一般に1倍を超えれば利息支払いが可能、3倍超で健全とされます。本記事では計算式、目安、有利子負債依存度との関係、注意点までを解説します。
インタレスト・カバレッジ・レシオとは何か?
インタレスト・カバレッジ・レシオとは、企業の利払い負担余力を測る安全性指標です。本業で稼ぐ利益と金融収益の合計が、支払利息の何倍に相当するかを倍率で示します。
倍率が高いほど利息の支払余裕が大きく、低いほど借入金の利息負担が経営を圧迫していると判断されます。借入金が多い不動産業や電力会社など、有利子負債依存度が高い業種で特に重視される指標です。
インタレスト・カバレッジ・レシオの計算式は?
計算式は、本業の利益と金融収益の合計を支払利息で割って求めます。単位は倍で、損益計算書の数値からそのまま計算できます。
- インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)=(営業利益+受取利息+受取配当金)÷ 支払利息
- 営業利益は損益計算書の「営業利益」を使う
- 受取利息・受取配当金・支払利息は「営業外収益・費用」内の数値を使う
たとえば営業利益100億円、受取利息1億円、受取配当金4億円、支払利息5億円の企業であれば、(100+1+4)÷5=21倍となり、利息支払能力は非常に高いと判断できます。
インタレスト・カバレッジ・レシオの目安は?
一般的な目安は、1倍超で利息支払いが可能、3倍超で健全、10倍超で非常に余裕とされます。1倍を下回ると、本業の利益で利息すらまかなえていない危険な状態です。
| 倍率 | 一般的な評価 | 状態の目安 |
|---|---|---|
| 10倍以上 | 非常に健全 | 利息負担はほぼ問題なし |
| 3〜10倍 | 健全 | 標準的な支払余力 |
| 1〜3倍 | やや注意 | 業績悪化で利払い困難に |
| 1倍未満 | 危険 | 本業利益で利息を払えない |
無借金経営の企業では支払利息が極小となり、計算上の倍率が極端に大きくなります。逆に金融機関や不動産業などレバレッジを活用する業種では数倍程度でも問題ないことが多く、業種別の比較が重要です。
有利子負債依存度との関係は?
インタレスト・カバレッジ・レシオと有利子負債依存度は、借入金リスクを違う角度から測る指標です。前者は利息の支払余力、後者は資産に占める有利子負債の重さを示します。
| 比較項目 | インタレスト・カバレッジ | 有利子負債依存度 |
|---|---|---|
| 視点 | 利息支払能力 | 借入金の重さ |
| 計算式 | 利益÷支払利息 | 有利子負債÷総資産 |
| 単位 | 倍 | % |
| 目安 | 3倍超で健全 | 30%以下が望ましい |
有利子負債依存度が高くても、本業の利益が十分大きければインタレスト・カバレッジは高くなります。両指標をセットで見ることで、借入の量とその返済余力を同時に評価できます。
出典: 日本取引所グループ、金融庁 EDINET
インタレスト・カバレッジを見るときの注意点
倍率は便利ですが、営業利益の変動が大きい企業では年度ごとに大きく振れる点に注意します。単年度で判断せず、複数年の推移で評価するのが基本です。
- 3〜5年の推移を見て安定性を判断する
- 営業利益が赤字の年は倍率がマイナスになる
- 金融業など本業に金利が含まれる業種は計算式が異なる場合がある
- EBITDAベースで計算する派生指標もある
よくある質問
インタレスト・カバレッジ・レシオは何倍あれば安全?
一般には3倍超で健全、10倍超で非常に余裕とされます。1倍を下回ると本業の利益で支払利息すらまかなえておらず、業績が悪化すれば資金繰り危機につながる危険水準です。
営業利益がマイナスのときはどう計算する?
計算式上、分子がマイナスになると倍率もマイナスとなり、利息支払余力が無いことを意味します。複数期連続でマイナスなら、財務基盤の見直しが急務と判断されます。
受取利息と受取配当金を分子に入れるのはなぜ?
支払利息と同じ金融損益で対応させるためです。本業の営業利益に加えて、金融収益も利息支払いの原資にできるという考え方で、より実態に近い支払余力を表せます。
EBITDAベースのインタレスト・カバレッジとは?
営業利益に減価償却費を加えたEBITDA利払い前・税引き前・減価償却費控除前利益。Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略。を分子にする派生指標です。設備投資の大きな業種で、キャッシュベースの利払余力を測るのに使われます。
無借金企業ではどう見ればいい?
支払利息が極小のため倍率が極端に大きくなり、指標としての意味が薄れます。無借金企業では自己資本比率や手元流動性比率など別の安全性指標で評価します。
業種ごとに目安は違う?
違います。電力・ガス・不動産・銀行などレバレッジを使う業種では数倍程度が普通で、IT・サービス業など借入の少ない業種では数十倍以上になります。業種平均との比較が必須です。
どこで確認できる?
有価証券報告書の損益計算書から営業利益と営業外損益を拾えば計算できます。各社の決算説明会資料や統合報告書では、財務ハイライトとして直接掲載されていることもあります。
格付け会社はインタレスト・カバレッジを重視する?
重視します。社債の格付けでは利払い余力が中心的な評価軸となり、インタレスト・カバレッジ・レシオは有利子負債依存度や債務償還年数とともに重要な判断材料となります。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 金融庁 EDINET 、日本取引所グループ 、財務省 法人企業統計調査