営業利益率とは?計算式・業種別の目安・見方を3分で解説
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営業利益率とは、売上高のうちどれだけが本業の利益として残ったかを示す収益性指標です。計算式は「営業利益 ÷ 売上高 × 100」で、一般に10%を超えれば収益力の高い優良企業とされます。本記事では計算方法、業種ごとの目安、ほかの利益率との違い、見るときの注意点までを初心者向けに解説します。
営業利益率とは何か?
営業利益率とは、売上高に対して本業の利益である営業利益がどれだけの割合を占めるかを示す指標です。本業の稼ぐ効率を測るものさしです。
売上高が同じ1,000億円でも、営業利益が50億円の企業と150億円の企業では収益力がまったく違います。営業利益率を見れば、売上の規模に左右されずに本業の儲け方の効率を比較できます。
分子に使う営業利益本業の事業活動だけで稼いだ利益。売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いて求める。は、本業以外の財テクや一時的な損益を含みません。そのため営業利益率は、企業の事業そのものの実力を素直に反映します。
営業利益率の計算式は?
営業利益率は、営業利益を売上高で割って100を掛けるだけで求められます。損益計算書の数値を使えば誰でも計算できます。
- 営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100
- 営業利益は「売上総利益 − 販管費」で求めた本業の利益を使う
- 売上高は損益計算書のいちばん上に記載される金額を使う
たとえば売上高が1,000億円、営業利益が100億円の企業であれば、営業利益率は10%です。営業利益率は、原価率の改善や販管費販売費及び一般管理費の略。人件費、広告宣伝費、家賃などの本業の運営費。の削減によって高めることができます。数値は決算短信でも確認できます。
営業利益率の目安と業種差は?
営業利益率の一般的な目安は、10%以上で優良、5%前後が標準とされます。ただし適正水準は業種によって大きく変わります。
| 営業利益率 | 一般的な評価 | 状態の目安 |
|---|---|---|
| 15%以上 | 非常に高い | 高い競争力や独自性がある |
| 10〜15% | 高い | 優良とされる水準 |
| 5〜10% | 標準 | 業種により評価が分かれる |
| 0〜5% | やや低い | 収益力に改善余地 |
| 0%未満 | 営業赤字 | 本業で損失が出ている |
薄利多売の小売業や卸売業は営業利益率が数%にとどまることが多く、独自技術やブランドを持つ業種は2桁になりやすい傾向があります。たとえば小売業の3%と医薬品業の20%は単純に比べられません。営業利益率は必ず同業種内で比較しましょう。
業種別の収益性は財務省「法人企業統計調査」で平均値が公表されています。
売上総利益率・経常利益率との違いは?
利益率には計算に使う利益の段階に応じて複数の種類があります。本業の効率なら営業利益率、商品の利幅なら売上総利益率で見ます。
| 比較項目 | 売上総利益率 | 営業利益率 | 経常利益率 |
|---|---|---|---|
| 計算式 | 売上総利益÷売上高×100 | 営業利益÷売上高×100 | 経常利益÷売上高×100 |
| 示す内容 | 商品・サービスの利幅 | 本業の稼ぐ効率 | 財務活動も含めた効率 |
| 別名 | 粗利率 | 売上高営業利益率 | 売上高経常利益率 |
| 重視する場面 | 商品力の評価 | 本業の実力の評価 | 総合的な収益力の評価 |
売上総利益率が高いのに営業利益率が低い企業は、人件費や広告費などの販管費がかさんでいる可能性があります。営業利益率と経常利益営業利益に受取利息などの営業外収益を加減した利益。通常の総合的な実力を示す。の利益率を比べれば、借入金利息など財務活動の影響も読み取れます。
出典: 日本取引所グループ、金融庁 EDINET
営業利益率を見るときの注意点
営業利益率は便利な指標ですが、数値だけを見て判断すると企業の実態を見誤ります。背景と推移を併せて確認することが欠かせません。
- 業種によって標準水準が大きく違うため、異なる業種間での比較は避ける
- 成長企業は先行投資で販管費がかさみ、一時的に営業利益率が低くなることがある
- 売上高が小さくても利益率が高い企業と、規模で稼ぐ企業は単純比較できない
- 売上総利益率や経常利益率と併せて、利益が削られる段階を確認する
また、営業利益率は単年度ではなく3〜5年の推移で見ることが重要です。利益率が安定して高い企業は、価格決定力や独自性を持つことが多く、複数年の動きと同業他社との比較を組み合わせて総合的に判断すべきです。
よくある質問
営業利益率は何%あれば良い企業といえる?
一般に10%以上で優良、5%前後が標準とされます。ただし小売業や卸売業は数%が普通で、医薬品業などは2桁が一般的です。同業他社との比較を前提に評価しましょう。
営業利益率と売上総利益率の違いは?
売上総利益率は売上高に対する粗利の割合で、商品やサービスそのものの利幅を示します。営業利益率はそこから販管費を引いた営業利益の割合で、本業全体の稼ぐ効率を示します。
営業利益率がマイナスになるとどうなる?
本業で損失が出ている営業赤字の状態です。売上原価や販管費が売上高を上回っており、事業構造の見直しが必要なサインとされます。財務の安全性も併せて確認しましょう。
営業利益率はどこで確認できる?
上場企業なら有価証券報告書や決算短信で確認できます。記載がない場合も、損益計算書の営業利益と売上高から自分で計算できます。EDINETで無料閲覧が可能です。
営業利益率を高めるにはどうすればよい?
売上原価を下げて粗利率を改善する、販管費を見直して無駄な経費を削る、付加価値の高い商品で単価を上げる、の3つが基本です。値引き競争に頼らない方法が望まれます。
営業利益率が高いのに経常利益率が低いのはなぜ?
借入金の支払利息など、本業以外の営業外費用が大きいことが考えられます。財務活動の負担が利益を削っているため、有利子負債の状況を併せて確認するとよいでしょう。
営業利益率は高ければ高いほど良い?
基本的には高いほど良いものの、必要な投資を抑えて見かけ上高めている場合もあります。研究開発費や人件費を過度に削っていないか、利益率の中身も確認することが大切です。
営業利益率は就職活動の企業研究に使える?
使えます。本業の稼ぐ力がわかるためです。同業他社より営業利益率が高い企業は競争力があり、給与や事業の安定性の面でも参考になります。複数年の推移も見ましょう。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 財務省 法人企業統計調査 、日本取引所グループ 、金融庁 EDINET