四半期報告書とは?2024年廃止後の四半期開示を3分で解説
公開: / 最終更新:
四半期報告書とは、上場企業が3か月ごとの業績を金融商品取引法にもとづいて開示していた法定書類です。2024年4月施行の制度改正で四半期報告書は廃止され、四半期の業績開示は四半期決算短信へ一本化されました。本記事では制度廃止の経緯、有価証券報告書や決算短信との違い、現在の四半期開示の姿までを初心者向けに解説します。
四半期報告書とは何か?
四半期報告書とは、上場企業が3か月ごとの業績を投資家に開示していた法定書類です。金融商品取引法にもとづき、2008年度から提出が義務づけられていました。
1年に1回の有価証券報告書だけでは投資家への情報提供の間隔が空きすぎるため、その間を埋める年3回の開示書類として導入されました。第1・第2・第3四半期の業績を、決算から45日以内に提出する仕組みでした。
ただし、ほぼ同じ内容を伝える決算短信上場企業が証券取引所の適時開示ルールにもとづき公表する業績速報。法定書類ではない。と提出時期も内容も重複しており、企業の作成負担が長く課題とされてきました。
2024年の廃止と四半期決算短信への一本化
四半期報告書は2024年4月施行の金融商品取引法改正で廃止され、四半期決算短信に役割が一本化されました。開示書類の重複を解消する制度改正です。
- 第1四半期と第3四半期の開示は、取引所ルールにもとづく四半期決算短信に一本化された
- 第2四半期(中間期)は、新設された半期報告書が法定開示書類として残された
- 四半期決算短信は当面すべての上場企業に義務づけが維持された
- 改正の目的は、企業の作成負担の軽減と開示書類の重複解消にある
つまり、従来の四半期報告書のうち第1・第3四半期分は四半期決算短信に置き換わり、第2四半期分は半期報告書に引き継がれたという整理です。年4回の業績把握ができる点は、改正後も変わっていません。
四半期報告書と有価証券報告書・決算短信の違いは?
四半期報告書は、対象期間と根拠制度の点で有価証券報告書や決算短信と異なっていました。いまは廃止された制度である点をふまえて整理すると理解しやすくなります。
| 比較項目 | 四半期報告書(廃止) | 有価証券報告書 | 決算短信 |
|---|---|---|---|
| 対象期間 | 3か月ごと | 1年間(通期) | 通期と四半期 |
| 根拠制度 | 金融商品取引法 | 金融商品取引法 | 証券取引所の適時開示ルール |
| 現在の状況 | 2024年に廃止 | 現在も継続 | 現在も継続 |
| 提出先 | 金融庁(EDINET) | 金融庁(EDINET) | 証券取引所 |
廃止前は四半期報告書と四半期決算短信がほぼ同じ業績を二重に開示していました。改正後は四半期決算短信3か月ごとの業績を取引所ルールにもとづいて公表する業績速報。法定書類ではないため簡潔な様式。に一本化され、企業はほぼ同じ書類を2つ作る手間がなくなりました。
出典: 日本取引所グループ、金融庁 EDINET
現在の四半期開示はどうなっている?
現在の四半期業績は、四半期決算短信を確認すれば把握できます。読むときは数か所の数値に絞るのが効率的です。
- 第1・第3四半期の業績は四半期決算短信で確認する
- 第2四半期(中間期)の詳細はEDINET上の半期報告書でも確認できる
- 通期の確定情報は引き続き有価証券報告書で確認する
- 公表予定日は各企業のIRページであらかじめ告知される
四半期報告書という法定書類はなくなりましたが、3か月ごとに業績を確認できる仕組み自体は四半期決算短信として維持されています。投資家や就活生が企業の途中経過を追ううえで不便が生じることは基本的にありません。
四半期開示を見るときの注意点
四半期の開示資料を見るときは、制度改正をふまえないと古い情報と混同することがあります。3つの点に注意が必要です。
- 2024年4月より前の開示には四半期報告書が存在するため、古い資料と現在の制度を混同しない
- 四半期決算短信は監査前の速報値であり、確定値は有価証券報告書で確認する
- 第2四半期の法定書類は半期報告書に変わっているため、名称の違いに注意する
特に過去の有価証券報告書や記事を参照する際は、当時は四半期報告書が存在していた点を念頭に置くことが大切です。制度の変更時期を理解しておくと、開示書類の名称の混乱を避けられます。
よくある質問
四半期報告書はなぜ廃止されたのですか?
四半期決算短信とほぼ同じ内容を二重に開示しており、企業の作成負担が大きいと長年指摘されてきたためです。2024年4月施行の金融商品取引法改正で重複が解消されました。
四半期報告書が廃止されて投資家の情報は減った?
ほとんど減っていません。第1・第3四半期は四半期決算短信、第2四半期は半期報告書に引き継がれたためです。年4回業績を確認できる仕組み自体は維持されています。
四半期決算短信と四半期報告書の違いは?
四半期報告書は金融商品取引法にもとづく法定書類でした。四半期決算短信は証券取引所の適時開示ルールにもとづく速報で、法定書類ではなく様式も簡潔です。現在は短信に一本化されています。
半期報告書とは何ですか?
上場企業が中間期である第2四半期の業績を開示する法定書類です。四半期報告書の廃止にともない、第2四半期分の法定開示の受け皿として位置づけが整理されました。
過去の四半期報告書は今でも見られますか?
見られます。2024年の廃止前にEDINETへ提出された四半期報告書は、EDINET上で引き続き閲覧できます。原則として直近5年分の開示書類がさかのぼれます。
四半期決算短信はどこで読めますか?
各企業のIRページや、日本取引所グループの適時開示情報サービスで無料で閲覧できます。会員登録や費用は不要で、公表直後にPDF形式で取得できます。
四半期決算短信の義務はこの先もなくならない?
当面は全上場企業への義務づけが維持される方針です。将来的な開示のあり方は継続的に議論されていますが、現時点では四半期ごとの開示は引き続き求められています。
通期の業績はどの書類で確認すればよいですか?
1年間の確定した業績は、監査済みの有価証券報告書で確認するのが最も確実です。速報を早く知りたい場合は、決算後45日以内をめどに公表される通期の決算短信を見ます。
関連用語・関連ページ
執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 金融商品取引法(e-Gov法令検索) 、日本取引所グループ 、金融庁 EDINET