ROE(自己資本利益率)とは?計算式・目安・見方を3分で解説
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ROE(自己資本利益率)とは、株主が出した自己資本を使ってどれだけ利益を稼いだかを示す収益性指標です。計算式は「当期純利益 ÷ 自己資本 × 100」で、日本では8%以上が投資家に評価される一つの目安とされます。本記事では計算方法、目安となる水準、ROAとの違い、見るときの注意点までを初心者向けに解説します。
ROEとは何か?
ROEとは、企業が株主から預かった自己資本を使って、どれだけ効率よく利益を生み出したかを示す指標です。収益性と資本効率を同時に測れる代表的なものさしです。
ROEは英語のReturn On Equityの略で、日本語では自己資本利益率と呼びます。ROEが高いほど、株主の資金を上手に使って多くの利益を稼いでいることを意味し、特に株式投資の世界で重視される指標です。
ROEの計算式は?
ROEは、当期純利益を自己資本で割って100を掛けるだけで求められます。貸借対照表企業の資産・負債・純資産を一覧にした財務諸表。バランスシート(B/S)とも呼ばれる。と損益計算書の数値を使えば計算できます。
- ROE(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
- 当期純利益は損益計算書の最終的な利益を使う
- 自己資本は貸借対照表の「純資産の部」の金額を使う
たとえば当期純利益が80億円、自己資本が1,000億円の企業であれば、ROEは8%です。ROEは「売上高純利益率売上高に対する純利益の割合。収益性を示す。」「総資産回転率」「財務レバレッジ総資産が自己資本の何倍かを示す数値。借入の活用度を表す。」の3要素に分解して分析する方法もあります。
ROEの目安は何%?
ROEの一般的な目安は、日本では8%以上で合格、10%超で優良とされます。投資家の期待する資本コストを上回るかどうかが評価の分かれ目です。
| ROEの水準 | 一般的な評価 | 状態の目安 |
|---|---|---|
| 15%以上 | 非常に高い | 高収益・資本効率が優秀 |
| 10〜15% | 高い | 投資家に評価されやすい |
| 8〜10% | 標準 | 合格ラインとされる水準 |
| 0〜8% | やや低い | 資本効率に改善余地 |
| 0%未満 | 赤字 | 純損失が出ている状態 |
経済産業省の報告書では、日本企業はROE8%を一つの目標水準とすべきという提言が示され、広く意識されるようになりました。米国企業は平均で10%超とされ、国際比較では日本のROEは低めの傾向があります。
業種別の収益性は財務省「法人企業統計調査」で平均値が公表されています。
ROEとROAの違いは?
ROEとROAは、どちらも収益性を測る指標ですが、分母が異なります。株主視点ならROE、企業全体の効率ならROAで見ます。
| 比較項目 | ROE(自己資本利益率) | ROA(総資産利益率) |
|---|---|---|
| 計算式 | 当期純利益÷自己資本×100 | 利益÷総資産×100 |
| 分母 | 自己資本のみ | 負債を含む総資産 |
| 示す内容 | 株主資金の活用効率 | 全資産の活用効率 |
| 借入の影響 | 借入が多いと高くなりやすい | 借入の影響を受けにくい |
| 重視する立場 | 株主・投資家 | 経営者・債権者 |
ROEは借入を増やすと数値が上がる性質があります。ROEが高くてもROAが低い企業は、借入に頼って数値を高めている可能性があるため、自己資本比率と併せて確認することが大切です。
出典: 日本取引所グループ、金融庁 EDINET
ROEを見るときの注意点
ROEは便利な指標ですが、数値の高さだけで判断すると企業の実態を見誤ります。中身と財務の健全性を併せて確認することが欠かせません。
- 借入を増やして自己資本を圧縮すると、利益が同じでもROEは高くなる
- 自己株式の取得で自己資本が減り、ROEが見かけ上高まることがある
- 特別利益で当期純利益が一時的に膨らみ、ROEが高く出る場合がある
- ROAや自己資本比率と併せて、財務の安全性と両立しているかを確認する
また、ROEは単年度ではなく3〜5年の推移で見ることが重要です。ROEが安定して高い企業は、本業の営業利益も着実に伸びていることが多く、複数の指標を組み合わせて総合的に判断すべきです。
よくある質問
ROEは何%あれば良い企業といえる?
日本では8%以上が一つの合格ラインとされ、10%を超えると優良と評価されやすくなります。ただし業種によって水準は異なるため、同業他社との比較が前提です。
ROEとROAはどちらを重視すべき?
目的によります。株主として資金効率を見たいならROE、企業全体の資産の使い方を見たいならROAが適しています。両方を併せて見ると、借入に頼った高ROEかどうかを見抜けます。
ROEが高いのに株価が低いことはある?
あります。一時的な特別利益でROEが高く出ている場合や、将来の成長性に懸念がある場合です。ROEだけでなく利益の中身や推移を確認することが大切です。
ROEがマイナスになるのはどんなとき?
当期純利益が赤字、つまり純損失が出たときにROEはマイナスになります。本業の不振や多額の特別損失が原因として考えられ、財務状況の確認が必要です。
なぜ借入を増やすとROEが上がるの?
借入を増やして自己資本の比率を下げると、計算式の分母である自己資本が小さくなるためです。財務レバレッジと呼ばれ、利益が同じでもROEは高くなります。
ROEはどこで確認できる?
上場企業なら有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」に過去5年分が記載されています。EDINETで無料閲覧でき、決算短信や決算説明資料でも確認できます。
ROEを高めるにはどうすればよい?
純利益を増やす、自社株買いで自己資本を圧縮する、借入を活用する、の3つが基本です。最も健全なのは本業の利益を伸ばして純利益を増やす方法です。
ROEと自己資本比率の関係は?
自己資本比率を下げる、つまり借入を増やすとROEは上がりやすくなります。両者はトレードオフの関係にあり、収益性と安全性のバランスを見るうえで併せて確認します。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 財務省 法人企業統計調査 、日本取引所グループ 、金融庁 EDINET