損益分岐点比率とは?計算式・目安・見方を3分で解説
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損益分岐点比率とは、実際の売上高に対して損益分岐点売上高がどれだけの割合を占めるかを示す指標です。計算式は「損益分岐点売上高 ÷ 実際売上高 × 100」で、一般に80%以下なら不況耐性が高い健全な状態とされます。本記事では計算方法、目安となる水準、限界利益率との関係、注意点までを初心者向けに解説します。
損益分岐点比率とは何か?
損益分岐点比率とは、実際の売上高に占める損益分岐点売上高の割合を示す指標です。売上があとどれだけ落ちると赤字になるかを測るものさしです。
損益分岐点売上高利益も損失も生じない売上高の水準。固定費を限界利益率で割って算出する。とは、固定費と限界利益が等しくなり、利益も損失も発生しない売上水準を指します。損益分岐点比率が低いほど安全余裕度が大きく、景気後退や売上減少に対する耐性が高い企業といえます。
損益分岐点比率の計算式は?
損益分岐点比率は、損益分岐点売上高を実際売上高で割って100を掛けて求めます。あわせて安全余裕率100%から損益分岐点比率を引いた値。どれだけ売上が下がっても赤字にならないかを示す。という指標も使われます。
- 損益分岐点比率(%)= 損益分岐点売上高 ÷ 実際売上高 × 100
- 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
- 安全余裕率(%)= 100 − 損益分岐点比率
たとえば固定費400億円、限界利益率40%なら損益分岐点売上高は1,000億円です。実際売上高が1,250億円なら損益分岐点比率は80%、安全余裕率は20%となり、売上が20%減るまでは赤字にならない計算です。
損益分岐点比率の目安は何%?
損益分岐点比率の一般的な目安は、80%以下なら健全、60%以下なら優良とされます。100%を超えると赤字状態を意味します。
| 損益分岐点比率 | 一般的な評価 | 状態の目安 |
|---|---|---|
| 60%以下 | 非常に健全 | 不況耐性が極めて高い |
| 60〜80% | 健全 | 一般的に安全な水準 |
| 80〜90% | やや危険 | 売上減少で赤字リスクあり |
| 90〜100% | 危険 | わずかな業績悪化で赤字 |
| 100%超 | 赤字 | 営業損失が発生中 |
安全余裕率20%(損益分岐点比率80%)あれば、売上が2割減っても損失を出さずに済む計算となり、経営の安定性を判断する一つの基準とされています。成長期の企業や固定費比率の高い業種では一時的に高くなることがあります。
業種別の費用構造は財務省「法人企業統計調査」で参考データを確認できます。
損益分岐点比率と限界利益率の関係は?
損益分岐点比率と限界利益率は密接に関係します。限界利益率が高いほど損益分岐点売上高は下がり、損益分岐点比率も低くなります。
| 比較項目 | 損益分岐点比率 | 限界利益率 |
|---|---|---|
| 計算式 | 損益分岐点売上高÷実際売上高×100 | 限界利益÷売上高×100 |
| 示す内容 | 売上減少に対する耐性 | 売上拡大時の利益貢献度 |
| 改善方法 | 固定費削減・売上拡大 | 変動費削減・付加価値向上 |
| 良い水準 | 低いほうが良い | 高いほうが良い |
| 関係性 | 限界利益率が上がると下がる | 損益分岐点比率を下げる要因 |
限界利益率を上げることと固定費を下げることは、いずれも損益分岐点比率を改善します。両者を組み合わせて見ることで、企業の収益構造の強靭さを総合的に評価できます。
出典: 日本取引所グループ、金融庁 EDINET
損益分岐点比率を見るときの注意点
損益分岐点比率は経営判断に有用な指標ですが、固変分解の前提や業種特性を理解せずに使うと誤った判断を招きます。
- 固定費と変動費の区分が会社により異なる
- 外部からは正確に計算しづらく、社内分析向けの指標である
- 固定費比率の高い装置産業では一時的に高くなりやすい
- 自己資本比率など他の安全性指標と併せて判断する
また、損益分岐点比率は単年度ではなく3〜5年の推移で見ることが重要です。継続的に改善している企業はコスト管理が機能しており、悪化が続いている企業は固定費が業績に対して重くなりつつある可能性があります。
よくある質問
損益分岐点比率は何%以下なら良いの?
一般的に80%以下が健全、60%以下なら優良とされます。100%を超えると赤字状態で、業種や事業段階によって最適水準は異なるため、自社推移との比較が重要です。
損益分岐点比率が100%超だとどうなる?
実際売上高が損益分岐点に達していない状態、つまり営業損失が出ていることを意味します。早急に売上拡大か固定費削減で改善する必要があります。
安全余裕率と損益分岐点比率の違いは?
両者は表裏一体の関係です。100%から損益分岐点比率を引いた値が安全余裕率になります。安全余裕率20%なら損益分岐点比率は80%です。
損益分岐点比率を下げるにはどうすればよい?
固定費の削減、変動費比率の引き下げ、付加価値の高い商品比率の拡大、売上拡大などが基本です。固定費の重い装置産業ほど改善には時間がかかります。
なぜ固定費比率が高いと損益分岐点比率も高くなる?
固定費が大きいほど回収に必要な売上高が大きくなるためです。装置産業やSaaS業など固定費中心の業種は、損益分岐点を超えてから利益が急増する特性があります。
損益分岐点比率はどこで確認できる?
外部開示資料には通常記載されません。経営者や管理会計担当者が固変分解をもとに社内で算出します。中期経営計画資料で開示する企業もあります。
売上が増えれば損益分岐点比率は下がる?
下がります。固定費が一定の場合、売上が増えれば実際売上高(分母)が大きくなり、損益分岐点比率は自動的に低下します。安全余裕率は拡大します。
コロナ禍で損益分岐点比率はどう変化した?
売上急減により多くの業種で上昇しました。特に固定費の重い航空・観光・外食では100%超となり、人員削減や賃料交渉などの固定費圧縮が進められました。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 財務省 法人企業統計調査 、金融庁 EDINET 、日本取引所グループ