コーポレートガバナンスとは?仕組みと重要性を3分で解説
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コーポレートガバナンスとは、企業が株主など関係者の利益にかなう形で健全に経営されるよう監督する仕組みです。上場企業はガバナンスの方針を定めた報告書の提出を求められ、社外取締役を2名以上置くことなどが事実上の標準になっています。本記事では重要性、コーポレートガバナンス・コード、開示内容、注意点までを初心者向けに解説します。
コーポレートガバナンスとは何か?
コーポレートガバナンスとは、企業が暴走や不正に陥らず健全に経営されるよう監督・規律づける仕組みです。日本語では「企業統治」と訳されます。
会社のお金を出した株主と、実際に経営する経営者は別の存在です。経営者が株主や従業員、取引先などの利益に反する行動をとらないよう、第三者の目でチェックする体制がコーポレートガバナンスです。
具体的には、取締役会、社外取締役、監査役取締役の職務執行が適正かを監査する役職。会計監査と業務監査を担う。、内部統制といった複数の仕組みが組み合わさって機能します。
コーポレートガバナンスはなぜ重要か?
ガバナンスが重要なのは、不正の防止と企業価値の向上という2つの効果があるためです。投資家が企業を評価する基準としても定着しています。
- 経営者の独断や不正会計、データ改ざんといった不祥事を未然に防ぐ
- 社外の視点が経営に入ることで、意思決定の質と透明性が高まる
- 株主との対話が促され、資本効率を意識した経営につながる
- ガバナンス体制が整った企業は、投資家からの信頼を得やすくなる
過去に発覚した大企業の不正会計や品質偽装の多くは、経営を監督する仕組みが十分に機能していなかったことが一因とされます。ガバナンスは、企業が長期的に持続可能であるための土台といえます。
コーポレートガバナンス・コードとは?
コーポレートガバナンス・コードとは、上場企業が守るべきガバナンスの行動指針です。金融庁と東京証券取引所が策定し、5つの基本原則で構成されます。
| 基本原則 | 主な内容 |
|---|---|
| 株主の権利・平等性の確保 | 株主が適切に権利を行使できる環境を整える |
| 株主以外の利害関係者との協働 | 従業員や取引先、地域社会への配慮 |
| 適切な情報開示と透明性の確保 | 財務・非財務情報をわかりやすく開示する |
| 取締役会等の責務 | 実効的な経営の監督と意思決定を行う |
| 株主との対話 | 株主との建設的な対話を促進する |
このコードは法律ではなく、従わない場合はその理由を説明すればよいコンプライ・オア・エクスプレイン原則を実施するか、実施しない場合はその理由を説明するかを企業が選べる仕組み。という柔軟な方式が採られています。企業の事情に応じた対応を認める考え方です。
出典: 日本取引所グループ
有価証券報告書での開示内容は?
ガバナンスの状況は、有価証券報告書の「提出会社の状況」にまとめて記載されます。投資家が企業の統治体制を確認できる主要な情報源です。
- コーポレートガバナンスの体制(取締役会や監査役会などの構成)
- 役員の状況(取締役・監査役の氏名、社外役員の人数や独立性)
- 役員の報酬等(報酬の総額や算定方法、業績連動の有無)
- 監査の状況(監査法人や内部監査の体制)
上場企業はこれとは別に、取引所へ「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」も提出します。ガバナンス・コードの各原則をどう実施しているか、しない場合はなぜかが具体的に書かれています。数値や体制はEDINETで無料閲覧できます。
コーポレートガバナンスを見るときの注意点
ガバナンスの開示は形式が整っていても、実態が伴っているとは限りません。読むときに気をつけたい点があります。
- 社外取締役の人数だけでなく、その独立性や専門性が十分かを確認する
- ガバナンス・コードを「実施」とするだけで、形骸化していないか注意する
- 報告書の文章が他社と似た定型表現にとどまっていないかを見る
- 過去に不祥事があった企業は、再発防止の体制が機能しているかを確認する
特に注意したいのが形式と実態のギャップです。社外取締役を置いていても、経営陣に意見できない名ばかりの存在では監督機能は働きません。報告書の記載に加えて、過去の不祥事の有無や役員の経歴も併せて確認すると、実質的なガバナンスの質を判断しやすくなります。
よくある質問
コーポレートガバナンスとコンプライアンスの違いは?
コンプライアンスは法令や社会規範を守ることを指します。コーポレートガバナンスはそれを含め、経営者が健全に経営するよう監督する仕組み全体を指す、より広い概念です。
社外取締役は何人必要ですか?
コーポレートガバナンス・コードでは、プライム市場の上場企業に取締役の3分の1以上の独立社外取締役が求められます。多くの上場企業が複数名の社外取締役を選任しています。
コーポレートガバナンス・コードは守らないと罰則がある?
法律ではないため直接の罰則はありません。ただし実施しない原則はその理由を説明する義務があり、説明が不十分だと投資家からの信頼を失うことになります。
ガバナンスの情報はどこで確認できる?
有価証券報告書の「提出会社の状況」と、取引所に提出されるコーポレート・ガバナンスに関する報告書で確認できます。いずれもEDINETや取引所のサイトで無料閲覧できます。
コーポレートガバナンスが弱いとどうなる?
経営者の独断や不正を止められず、不正会計や品質偽装などの不祥事につながりやすくなります。発覚すれば株価下落や信用失墜を招き、企業価値が大きく損なわれます。
監査役と社外取締役は何が違いますか?
監査役は取締役の職務執行が適正かを監査する役職です。社外取締役は取締役会の一員として意思決定に加わりつつ、経営を監督します。役割と権限が異なります。
コーポレートガバナンスは就職活動で見るべき?
見ておくと役立ちます。ガバナンスが整った企業は不祥事リスクが低く、長期的な安定が期待できるためです。役員構成や過去の不祥事の有無は企業研究の参考になります。
ガバナンスが整っている企業の見分け方は?
独立性の高い社外取締役が複数いること、報酬や指名の決定に第三者の関与があること、過去に重大な不祥事がないことが目安です。報告書の記載と実態の両面で確認します。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 日本取引所グループ 、金融庁 EDINET