減価償却費とは?定額法・定率法と計算例を3分で解説
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減価償却費とは、建物や機械などの固定資産の取得原価を耐用年数にわたり費用として配分する会計処理です。定額法では「(取得価額−残存価額)÷耐用年数」で計算し、1,000万円・10年・残存ゼロの設備なら年100万円が費用計上されます。本記事では計算方法、耐用年数、CAPEXとの関係、注意点までを解説します。
減価償却費とは何か?
減価償却費とは、時間の経過や使用によって価値が減る固定資産を、耐用年数にわたって少しずつ費用化するための会計処理です。
支出は取得時に発生していても、収益に貢献する期間に対応させて費用配分することで、各期の損益を適切に計算できます。現金の支出を伴わない費用である点が特徴です。
減価償却の方法(定額法・定率法)
日本の会計実務でよく使われるのは定額法と定率法の2種類です。建物は定額法、機械装置は定率法または定額法を選択できます。
| 方法 | 計算の特徴 | 費用配分のパターン |
|---|---|---|
| 定額法 | 毎期同額を費用化 | 均等 |
| 定率法 | 残存簿価に一定率を掛ける | 初期に多く後期に少なく |
| 生産高比例法 | 使用量に応じて配分 | 稼働量に連動 |
定率法は初期の費用が大きく節税効果が早く出るため成長期に好まれ、定額法は安定した利益計算ができるため成熟企業に好まれる傾向があります。
耐用年数と計算例
減価償却費の計算には耐用年数が必要です。法人税法で資産の種類ごとに法定耐用年数が定められており、実務ではこれを使うのが一般的です。
| 資産 | 法定耐用年数 | 備考 |
|---|---|---|
| 木造事務所 | 24年 | 建物 |
| 鉄筋コンクリート事務所 | 50年 | 建物 |
| 普通自動車 | 6年 | 車両運搬具 |
| パソコン | 4年 | 器具備品 |
| 金属製機械装置 | 10〜17年 | 業種別に区分 |
定額法の計算例:取得価額1,000万円・耐用年数10年・残存価額ゼロの機械なら、(1,000万円−0)÷10年=年100万円を毎期費用計上します。
減価償却費とCAPEXの関係
減価償却費とCAPEXは同じ資産を異なる時点で記録しています。CAPEXは取得時の現金支出、減価償却費は耐用年数にわたる費用配分です。
| 比較項目 | 減価償却費 | CAPEX |
|---|---|---|
| 性質 | 費用 | 現金支出 |
| 計上時期 | 耐用年数にわたり按分 | 取得時に一括 |
| 表示場所 | 損益計算書 | キャッシュフロー計算書 |
| 現金への影響 | なし | あり |
減価償却費を見るときの注意点
減価償却費は会計上の費用であり現金は出ていかないため、キャッシュフロー分析では営業CFに足し戻されます。利益とキャッシュのズレを生む大きな要因です。
- 土地は減価しないため減価償却の対象外
- 耐用年数や残存価額の変更は将来の費用に影響する
- 減損損失固定資産の収益性が著しく低下した場合に、帳簿価額を回収可能額まで切り下げる会計処理。は通常の減価償却とは別に計上される
よくある質問
減価償却費はなぜ必要?
固定資産は長期にわたり収益に貢献するため、取得原価を使用期間に配分しないと損益が歪みます。費用と収益を対応させる会計の基本原則を実現する処理です。
減価償却費は現金が出ていく費用?
いいえ、現金支出は取得時に終わっています。減価償却費は会計上の費用ですが現金は動かないため、キャッシュフロー計算書では営業CFに足し戻されます。
定額法と定率法はどちらが有利?
定率法は初期の費用が大きく早期に節税できるため成長期に有利、定額法は利益が安定するため上場企業の決算管理に向いています。会社の状況で選びます。
土地も減価償却の対象?
いいえ、土地は使用や時間の経過で価値が減らないと考えられるため減価償却の対象外です。建物や機械、車両などが減価償却の対象となります。
中古資産の耐用年数はどう決める?
中古資産は法定耐用年数を経過済みなら2割、未経過なら残存年数に経過年数の2割を加えて算定します。新品より短い期間で償却できるのが特徴です。
少額の備品も減価償却する?
10万円未満は即時費用、10〜20万円は一括償却資産取得価額が10万円以上20万円未満の資産。3年間で均等に費用化できる税務上の特例。、30万円未満は中小企業の特例で即時費用化が可能です。
減価償却費はどこで確認できる?
損益計算書の販管費や売上原価の内訳、キャッシュフロー計算書の調整項目、注記の「減価償却の方法」などで確認できます。EDINETで閲覧可能です。
減価償却費が大きい企業の特徴は?
設備投資の大きい製造業、通信、不動産業などで減価償却費が大きくなります。利益は小さく見えても営業CFは大きく、キャッシュ創出力が高い傾向があります。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 金融庁 EDINET 、財務省 法人企業統計調査 、日本取引所グループ