設備投資額(CAPEX)とは?目安と減価償却との関係を3分で解説
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設備投資額(CAPEX)とは、企業が将来の収益のために土地・建物・機械などへ投じた金額を示す指標です。日本の上場製造業のCAPEXは年間20兆円超に達し、売上高比5〜10%程度が一般的な水準です。本記事では含まれる項目、目安、減価償却との関係、注意点までを解説します。
設備投資額(CAPEX)とは何か?
CAPEXとはCapital Expenditureの略で、土地・建物・機械装置・ソフトウェアなどの有形・無形固定資産の取得に支出した金額を指します。日本語では「設備投資額」と呼ばれます。
支出した期に費用化されるのではなく、取得後に減価償却を通じて複数年にわたり費用配分される点が特徴です。将来の収益基盤を作る投資であり、企業の成長戦略を読み解く重要指標です。
CAPEXに含まれる項目
CAPEXは新規投資・更新投資・維持投資の3つに大別されます。財務諸表上はキャッシュフロー計算書の「有形固定資産の取得による支出」として確認できます。
- 土地・建物・構築物の取得
- 機械装置・車両運搬具の購入
- 工具・器具・備品の取得
- ソフトウェア・特許権などの無形固定資産物理的な実体を持たない固定資産。ソフトウェア、特許権、のれんなどが該当する。の取得
- 建設仮勘定(建設中の設備への支払い)
対義語はOPEXOperating Expenditure。事業運営で発生する経常的な費用。光熱費、人件費、消耗品費など。(事業運営費)で、CAPEXが資産計上されるのに対しOPEXは即時費用化される違いがあります。
CAPEXの目安は?
CAPEXの適正水準は業種で大きく異なります。判断軸として売上高比率と減価償却費との比較の2つが広く使われます。
| 業種 | CAPEX/売上高の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 製造業(自動車・電機) | 5〜10% | 工場・設備が中心 |
| 通信・インフラ | 10〜20% | ネットワーク投資が大規模 |
| 小売・サービス | 1〜5% | 店舗中心で軽め |
| ソフトウェア | 1〜3% | 資産規模が小さい |
CAPEX÷減価償却費の倍率は、1倍以下なら現状維持、1〜1.5倍で更新投資、1.5倍超で成長投資の傾向と読めます。
CAPEXと減価償却費の関係
CAPEXと減価償却費は表裏一体の関係です。CAPEXで取得した資産が、後の期に減価償却費として費用配分されます。
| 比較項目 | CAPEX | 減価償却費 |
|---|---|---|
| 性質 | 現金支出 | 会計上の費用 |
| 計上時期 | 取得時に一括 | 耐用年数にわたり按分 |
| 表示場所 | キャッシュフロー計算書 | 損益計算書 |
| 現金への影響 | あり | なし |
CAPEXを見るときの注意点
CAPEXは単年で大きく変動しやすく、3〜5年の平均と減価償却費との比較で評価するのが基本です。
- M&Aで取得した固定資産は別表示になることがある
- CAPEXを抑えすぎると将来の競争力低下を招く
- 研究開発費新製品・新技術の開発に支出する費用。日本基準では原則として発生時に費用処理される。はCAPEXに含まれず損益計算書に費用計上される
よくある質問
CAPEXはどこで確認できる?
キャッシュフロー計算書の投資活動の区分にある「有形固定資産の取得による支出」が代表的な数値です。決算説明資料で別途集計値を開示する企業も多くあります。
CAPEXと投資CFは同じ?
違います。投資CFには有価証券売買やM&A、貸付金なども含まれるため、CAPEXは投資CFの一部です。本業の設備投資だけを見たい場合はCAPEXを確認します。
CAPEXが減価償却費より少ない企業はどう判断する?
設備の更新が滞っており、長期的には競争力が低下するリスクがあります。ただし成熟業界や軽資産モデルの企業では正常な水準のこともあります。
CAPEXは利益にどう影響する?
支出した期は資産計上のため利益に影響しません。翌期以降、減価償却費として徐々に費用化され、損益計算書の利益を押し下げる形になります。
CAPEXとOPEXの違いは?
CAPEXは固定資産取得の支出で資産計上、OPEXは事業運営の費用で即時費用化されます。クラウド移行はCAPEXからOPEXへの転換例として知られます。
CAPEXは予算管理でも使われる?
使われます。多くの企業は年度予算でCAPEX枠を設定し、投資案件ごとにROI投資収益率。投資額に対して得られた利益の比率。Return on Investment の略。を計算して承認します。
ソフトウェア開発費はCAPEXに入る?
自社利用ソフトウェアで将来の収益確実性が認められる場合は無形固定資産として資産計上され、CAPEXに含まれます。要件を満たさない開発費は費用処理です。
CAPEXが多い企業は良い投資先?
成長投資としてのCAPEXは将来の収益拡大につながる可能性がありますが、回収できない投資は財務を圧迫します。投資の質と回収計画の確認が重要です。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 財務省 法人企業統計調査 、金融庁 EDINET 、日本取引所グループ