東証プライム市場とは?上場基準と特徴を3分で解説
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東証プライム市場とは、東京証券取引所の3つの市場区分のうち最上位に位置する市場です。2022年4月の市場再編で誕生し、流通株式時価総額100億円以上などの厳しい上場基準を満たした企業のみが上場できる、グローバル投資家向けの市場です。本記事では上場基準、他市場との違い、注意点までを解説します。
東証プライム市場とは何か?
東証プライム市場とは、東京証券取引所の3つの市場区分のなかで最上位に位置づけられる市場です。規模が大きく信頼性の高い企業が集まります。
プライム市場は、グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場と位置づけられています。高い流通株式上場株式のうち、市場で実際に売買される可能性が高い株式。大株主や役員の保有株などを除いたもの。時価総額やガバナンス水準が求められるため、プライム上場は企業の規模と質の証とされ、就職活動の企業研究でも一つの目安にされます。
東証プライム市場の上場基準は?
プライム市場には、流動性・ガバナンス・経営成績の3分野で厳しい上場基準が設けられています。上場後も維持基準を満たし続ける必要があります。
- 流通株式時価総額100億円以上を確保していること
- 株主数800人以上、流通株式数2万単位以上を満たすこと
- 流通株式比率35%以上を維持すること
- 直近2年間の利益合計が25億円以上などの経営成績・財政状態の基準を満たすこと
プライム市場の上場基準は3市場のなかで最も厳しく、特に流通株式時価総額100億円以上という水準が大きなハードルになります。上場を維持するには、新規上場時の基準とほぼ同水準の維持基準を満たし続けることが求められます。
出典: 日本取引所グループ
スタンダード・グロースとの違いは?
東証の3市場は、対象とする企業像と上場基準の厳しさが異なります。規模と安定性ならプライム、成長性ならグロースという位置づけです。
| 比較項目 | プライム市場 | スタンダード市場 | グロース市場 |
|---|---|---|---|
| 想定する企業 | グローバル展開の大企業 | 国内中心の中堅企業 | 高い成長が見込まれる企業 |
| 流通株式時価総額 | 100億円以上 | 10億円以上 | 5億円以上 |
| 流通株式比率 | 35%以上 | 25%以上 | 25%以上 |
| 上場基準の厳しさ | 最も厳しい | 中程度 | 成長性を重視 |
スタンダード市場は国内向けの中堅企業、グロース市場は実績より将来の成長性が見込まれる企業が対象です。プライム市場は規模と安定性、グロース市場は成長性という、市場ごとに異なる企業像を投資家に示しています。
2022年の市場再編とは?
東京証券取引所は2022年4月、従来の市場区分を見直して現在の3市場に再編しました。区分の意味を投資家にわかりやすくする狙いがありました。
- 従来は東証一部、東証二部、マザーズ、JASDAQという区分が並立していた
- 区分ごとのコンセプトが曖昧で、投資家にわかりにくいという課題があった
- 2022年4月にプライム・スタンダード・グロースの3市場へ再編された
- 各市場に明確なコンセプトと上場基準が設けられた
再編により、東証一部の多くの企業がプライム市場へ移行しました。ただし上場基準を満たさない企業には経過措置が設けられ、市場の見直しは段階的に進められてきました。市場区分は企業の時価総額やガバナンス水準を反映しています。
東証プライム市場を見るときの注意点
プライム上場は企業の規模と質の目安になりますが、それだけで優良企業と判断するのは早計です。中身の確認が欠かせません。
- プライム上場でも、業績や財務状況は企業ごとに大きく異なる
- 上場区分はあくまで規模やガバナンスの基準であり、株価の割安・割高とは無関係
- 上場維持基準を満たせない企業は、改善計画の提出や監理銘柄への指定の対象になる
- 市場区分だけで判断せず、決算書や事業内容も併せて確認する
プライム上場は一つの安心材料にはなりますが、最終的には個々の企業の有価証券報告書で業績や財務の安全性を確認することが大切です。市場区分は企業を絞り込む入口として活用するのが適切です。
よくある質問
東証プライム市場と旧東証一部の違いは?
プライム市場は2022年の再編で旧東証一部に代わって設けられた市場です。流通株式に関する基準が厳しくなり、グローバル投資家との対話を重視する市場として位置づけられました。
プライム上場企業は何社くらいある?
おおむね1,600社前後がプライム市場に上場しています。再編直後より、上場維持基準への対応で他市場へ移行する企業もあり、社数は変動しています。
プライム市場の上場基準で最も厳しいのは?
流通株式時価総額100億円以上という基準が大きなハードルです。スタンダード市場の10億円以上と比べて格段に高く、規模の大きい企業でないと満たせません。
プライムからスタンダードへ移ることはある?
あります。上場維持基準を満たせなくなった企業が、自らスタンダード市場へ移行する例があります。市場区分は固定ではなく、基準への適合状況で見直されます。
プライム上場なら安心して投資できる?
上場区分は規模やガバナンスの目安にすぎません。プライム上場でも業績や財務は企業ごとに異なるため、決算書を確認して個別に判断することが大切です。
グロース市場との一番の違いは?
対象とする企業像です。プライム市場は規模と安定性を備えた大企業向け、グロース市場は実績より将来の高い成長が見込まれる企業向けという位置づけの違いがあります。
流通株式とは何のこと?
上場株式のうち、市場で実際に売買される可能性が高い株式を指します。大株主や役員の保有株、自己株式などを除いたもので、上場基準の判定に用いられます。
市場再編はなぜ行われたの?
従来の東証一部などの区分はコンセプトが曖昧で、投資家にわかりにくいという課題があったためです。2022年に各市場へ明確な役割と上場基準を設けて再編されました。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 日本取引所グループ 、日本取引所グループ 統計