平均年間給与とは?有報での確認方法と業種別目安を解説
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平均年間給与とは、有価証券報告書の「従業員の状況」に記載される、提出会社の従業員1人あたりの年間給与平均額です。基本給に加え賞与・各種手当を含み、賞与込みで国内平均は約460万円とされる中で、企業ごとの開示数値を比較できる公的な指標です。本記事では確認方法、業種別の目安、役員報酬との違い、注意点までを解説します。
平均年間給与とは何か?
平均年間給与とは、上場企業が有価証券報告書の「従業員の状況」欄で開示する、提出会社の従業員1人あたりの年間給与の平均額です。基本給、賞与、各種手当を含む税込み金額で記載されます。
対象は原則として提出会社(単体)の正社員で、出向者や臨時雇用者は含まれないことが一般的です。同じ会社でも連結と単体で対象範囲が異なるため、比較する際は前提条件の確認が欠かせません。
平均年間給与は有報のどこで確認できる?
平均年間給与は、有価証券報告書の「第一部 企業情報 → 第1 企業の概況 → 5 従業員の状況」に記載されています。提出会社単体の従業員数、平均年齢、平均勤続年数とともに掲載されます。
- EDINETで企業名・証券コードを検索する
- 最新の「有価証券報告書」を開く
- 「第1 企業の概況」→「5 従業員の状況」を確認する
- 提出会社の表内に平均年間給与(千円単位)が記載されている
千円単位の表記が一般的で、たとえば「8,200」とあれば平均年間給与は820万円です。平均年齢・平均勤続年数とセットで見ることで、年齢構成や勤続年数による違いを織り込んで評価できます。
業種別の平均年間給与の目安は?
平均年間給与は業種によって大きく異なります。金融・商社・通信などは高く、外食・小売などは低めになる傾向があり、業種内での比較が基本です。
| 業種カテゴリ | 平均年間給与の傾向 | 代表的な業種 |
|---|---|---|
| 高水準 | 800〜1,500万円台 | 総合商社、コンサル、金融、通信 |
| やや高水準 | 600〜800万円台 | 電機、化学、医薬品、IT大手 |
| 標準 | 500〜600万円台 | 自動車、機械、建設、運輸 |
| やや低水準 | 400〜500万円台 | 小売、外食、サービス、繊維 |
ただし上場企業の単体平均は国税庁国税の賦課・徴収を所管する財務省の外局。民間給与実態統計調査などを毎年公表している。の民間給与実態統計より高めに出る傾向があります。同業他社の単体数値で比べるのが現実的です。
平均年間給与と役員報酬は何が違う?
平均年間給与と役員報酬は、対象者と算定根拠がまったく異なります。従業員の人件費水準と、経営陣のインセンティブを混同しないことが大切です。
| 比較項目 | 平均年間給与 | 役員報酬 |
|---|---|---|
| 対象 | 提出会社の従業員 | 取締役・監査役などの役員 |
| 開示場所 | 従業員の状況 | コーポレートガバナンス |
| 算定単位 | 1人あたり平均 | 総額・1億円以上は個別開示 |
| 性格 | 労務費・人件費 | 経営対価・インセンティブ |
出典: 金融庁 EDINET、日本取引所グループ
平均年間給与を見るときの注意点
平均年間給与は便利な指標ですが、管理職や高年齢層を含む単純平均であり、若手社員の実際の年収とは乖離することに注意が必要です。
- 若手・中堅・管理職を一律に平均した数値である
- 持株会社や金融業では総合職中心で高く出やすい
- 臨時雇用者・出向者は対象外であることが多い
- 連結ではなく提出会社単体の数値である
- 平均年齢・勤続年数とセットで判断する
よくある質問
有価証券報告書の平均年間給与は誰の給与?
原則として提出会社(単体)の正社員を対象とした平均額です。役員や臨時雇用者、海外子会社の社員は含まれないことが一般的で、グループ全体の人件費水準を示すものではありません。
平均年間給与には賞与は含まれる?
含まれます。基本給、賞与、時間外手当、各種手当などを合算した年間給与の総額が対象で、税引前の金額です。退職金や福利厚生費は含まれないのが一般的です。
平均年間給与が高い企業は良い企業?
一概には言えません。総合商社や金融など平均年齢が高く管理職比率の高い業種では高くなりがちで、業績ではなく人員構成や業種特性で水準が決まる部分も大きい点に注意します。
持株会社の平均年間給与が高いのはなぜ?
持株会社は管理部門と経営企画機能に特化しており、社員は管理職や専門職中心の少数精鋭です。事業会社の現場社員を含まないため、平均値が極端に高く出る傾向があります。
若手社員の年収は平均年間給与より低い?
多くの企業では低くなります。平均年間給与は管理職や勤続年数の長い社員を含んだ全社平均で、入社数年目の年収は平均より100〜200万円低いケースが一般的です。
連結ベースの平均給与はどこで分かる?
有価証券報告書の単体表記が基本で、連結ベースの平均給与は通常開示されません。サステナビリティ報告書や統合報告書で「グループ平均年収」を独自に開示する企業も増えています。
平均年間給与と平均年収はどう違う?
ほぼ同義で使われますが、有価証券報告書では「平均年間給与」が正式名称です。賞与込みの年間支給額を指し、求人サイトの「平均年収」もおおむね同じ意味で使われています。
平均年間給与の推移はどう確認する?
EDINETで過去5年分の有価証券報告書を開けば、各年度の「従業員の状況」から年次の推移を追えます。賃上げや業績連動賞与の影響を読み取る材料になります。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 金融庁 EDINET 、日本取引所グループ 、財務省 法人企業統計調査