従業員数とは?単体と連結の違い・有報での確認方法を解説
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従業員数とは、有価証券報告書の「従業員の状況」に記載される企業の人員数で、連結ベースと単体ベースの2種類が開示されます。平均臨時雇用者数はパート・アルバイトを年間平均で換算した補助情報で、本数値とは別に括弧書きで併記されます。本記事では単体と連結の違い、有報での確認方法、1人当たり営業利益との関係、注意点までを解説します。
従業員数とは何か?
従業員数とは、企業に雇用されている人員の数で、有価証券報告書の「従業員の状況」に開示される公的指標です。正社員(正規雇用)を対象とした人員数が基本表示となります。
出向者の取り扱いや臨時雇用者パートタイマー、アルバイト、契約社員、派遣社員など、雇用期間が定められた従業員。の扱いは企業ごとに異なるため、開示注記の確認が欠かせません。臨時雇用者は別途平均臨時雇用者数として括弧書きで併記されるのが一般的です。
単体と連結はどう違う?平均臨時雇用者数とは?
従業員数は、連結(グループ全体)と単体(提出会社のみ)の両方が開示されます。グループの規模を見るなら連結、親会社単独の人員規模を見るなら単体を使い分けます。
| 区分 | 対象範囲 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 連結従業員数 | 親会社+連結子会社の正社員 | グループ規模の比較 |
| 単体従業員数 | 提出会社(親会社)の正社員 | 親会社単体の人員規模 |
| 平均臨時雇用者数 | パート・アルバイト等を年平均で換算 | 非正規含む実勢人員の把握 |
平均臨時雇用者数は通常、本表の従業員数の右側に「(外、平均臨時雇用者数 ●人)」と括弧書きされます。小売・外食・物流など非正規比率の高い業種では、両方を合算して実勢人員を把握するのが基本です。
従業員数は有報のどこで確認できる?
従業員数は、有価証券報告書の「第一部 企業情報 → 第1 企業の概況 → 5 従業員の状況」で確認できます。連結従業員数、提出会社(単体)の従業員数、平均臨時雇用者数が一覧で記載されています。
- EDINETで企業名・証券コードを検索する
- 最新の「有価証券報告書」を開く
- 「第1 企業の概況」→「5 従業員の状況」を確認する
- (1)連結会社の状況で連結従業員数、(2)提出会社の状況で単体従業員数を確認
提出会社の表では、平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数も併記されています。セグメント別の従業員数も同じ章で開示されており、事業構成と人員配置の関係を読み取れます。
1人当たり営業利益との関係は?
従業員数は、1人当たり営業利益(労働生産性)の算出に使われます。営業利益を従業員数で割れば、1人がどれだけ利益を稼いでいるかが見える化できます。
- 1人当たり営業利益= 営業利益 ÷ 従業員数
- 連結営業利益と連結従業員数を使うのが一般的
- 業種により水準は大きく異なる
たとえば営業利益300億円、連結従業員数3,000人の企業であれば、1人当たり営業利益は1,000万円です。IT・コンサルなど人的資本中心の業種では数千万円、人手の多い小売・外食では数十〜数百万円と、業種差が極めて大きい指標です。
出典: 金融庁 EDINET、日本取引所グループ
従業員数を見るときの注意点
従業員数は便利な指標ですが、正社員のみのカウントか、臨時雇用者を含めるかで見え方が大きく変わります。比較する際は前提条件の統一が必須です。
- 持株会社は親会社単体の人数が極端に少ない
- M&Aや事業譲渡で前年比が大きく変動することがある
- 派遣社員は通常含まれない
- 海外子会社の人員は連結ベースに含まれる
- セグメント別の人員配置は事業ポートフォリオの把握に有効
よくある質問
従業員数は連結と単体どちらを見ればいい?
グループ全体の規模感を把握するなら連結、親会社単独の人員規模を見るなら単体を使います。投資家向けには連結が一般的ですが、就職活動では応募先の会社単体も重要な情報です。
平均臨時雇用者数とは何?
パート・アルバイト・契約社員・派遣社員などを、年間の労働時間ベースで正社員換算した平均人数です。本表の従業員数の右側に「(外、平均臨時雇用者数 ●人)」と括弧書きで記載されます。
従業員数が前年から急増・急減するのはなぜ?
M&Aによる子会社化、事業譲渡や売却、希望退職、組織再編などが主な理由です。前期との比較だけでなく、有報の事業の状況やリリースで背景を確認すると正確に解釈できます。
セグメント別の従業員数も分かる?
有価証券報告書の「従業員の状況」では、セグメント別(事業別)の従業員数も開示されています。どの事業に人員を厚く配置しているかが分かり、事業ポートフォリオの理解に役立ちます。
持株会社の従業員数が極端に少ないのはなぜ?
持株会社は経営管理機能だけを持ち、事業は子会社で行うためです。提出会社単体の従業員は数百人規模でも、連結ベースでは数万人になるケースが珍しくありません。
1人当たり営業利益はどう活用する?
労働生産性の代表指標です。同業他社や時系列で比較し、人員増に対して利益が伸びているかを評価します。コンサル・金融など人的資本型は高く、小売・外食など労働集約型は低くなります。
派遣社員は従業員数に含まれる?
原則含まれません。派遣社員は派遣元企業の従業員としてカウントされます。受け入れ側の有価証券報告書では、平均臨時雇用者数の中に含まれる場合と含まれない場合があるため注記確認が必要です。
海外子会社の従業員も連結に入る?
連結子会社であれば含まれます。グローバル展開する企業の連結従業員数のうち、半数以上が海外人員というケースも一般的で、地域別の人員開示を行う企業も増えています。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 金融庁 EDINET 、日本取引所グループ 、財務省 法人企業統計調査