採用費・研修費とは?内訳と販管費との関係を解説

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採用費・研修費とは、企業が人材を採用し育成するために投じる費用で、人的資本投資の重要な構成要素です。採用費は1人あたり中途で約80〜100万円、新卒で約50〜70万円が目安とされ、研修費は売上高の0.3〜1%程度を計上する企業が多いとされます。本記事では内訳、販管費との関係、注意点までを解説します。

採用費・研修費とは何か?

採用費・研修費とは、人材を獲得し戦力化するための費用です。採用費は人材を集めるコスト、研修費は集めた人材を育てるコストとして区分されます。

どちらも販管費販売費及び一般管理費。本業の販売や管理にかかる費用で、損益計算書では売上原価の下に表示される。に計上されるのが一般的で、人的資本経営の文脈で開示の重要性が増しています。近年は人的資本開示従業員のスキル・多様性・人材投資などを定量的に開示する取り組み。2023年から有報での開示が義務化された。の対象として、研修費の総額や1人あたり投資額を任意で公表する企業も増えています。

採用費の内訳には何が含まれる?

採用費は、応募者を集めるための媒体費から、選考プロセスにかかる人件費・委託費までを含みます。新卒採用と中途採用で構成比が異なるのが特徴です。

  1. 求人媒体掲載費(求人サイト、求人広告)
  2. 人材紹介会社へのフィー(中途採用で年収の30〜35%が目安)
  3. 採用イベント・合同説明会の出展費
  4. 採用パンフレット・採用サイト制作費
  5. 適性検査・面接代行などの委託費
  6. 採用担当者の人件費・交通費

中途採用では人材紹介手数料が大きな比重を占め、新卒採用では媒体費・イベント費・採用ブランディング費の比重が高くなる傾向があります。

研修費の内訳には何が含まれる?

研修費は、社員の知識・スキル習得を支援するための費用です。新入社員研修から管理職研修、専門スキル研修まで幅広い項目が含まれます。

  1. 新入社員研修・OJTトレーナー育成費
  2. 階層別研修(若手・中堅・管理職)の外部委託費
  3. eラーニング・LMSなどの学習プラットフォーム利用料
  4. 資格取得支援・受験料補助
  5. 語学研修・海外留学プログラム費用
  6. 社外セミナー・カンファレンス参加費

厚生労働省の調査では、企業の能力開発費は労働費用全体のおよそ0.3%前後とされ、欧米と比べて低水準と指摘されています。人的資本経営の文脈で研修費の積み増しを表明する企業が増えています。

採用費・研修費は販管費とどう関係する?

採用費・研修費は、損益計算書では多くの場合販管費に内包されて計上されます。独立した勘定科目で開示されることは少なく、明細注記やサステナビリティ報告書で確認するのが基本です。

費用区分計上場所開示の頻度
採用費販管費(広告宣伝費・委託費など)明細注記または任意開示
研修費販管費(教育研修費)明細注記または人的資本開示
人件費販管費・売上原価有報の従業員の状況

上場企業では2023年から人的資本に関する開示が義務化され、人材育成方針や社内環境整備方針の開示が求められています。研修費の総額や1人あたり投資額を任意で公開する企業も増加中です。

出典: 金融庁 EDINET日本取引所グループ

採用費・研修費を見るときの注意点

採用費・研修費は将来への投資ですが、短期的には販管費を増やし営業利益を圧迫することに注意が必要です。投資の質と回収を見極める視点が欠かせません。

よくある質問

採用費は1人あたりいくらが目安?

中途採用では1人あたり80〜100万円程度、新卒採用では50〜70万円程度が一般的な目安とされます。人材紹介経由の中途採用では、年収の30〜35%が紹介手数料として発生します。

研修費はどのくらい計上される?

企業によりばらつきが大きいですが、売上高の0.3〜1%程度、1人あたりでは数万〜十数万円を計上する企業が多いとされます。専門性の高い業種ほど高くなる傾向があります。

採用費・研修費は損益計算書のどこに載る?

多くは販管費の「広告宣伝費」「業務委託費」「教育研修費」などに分散して計上されます。独立勘定として表示されることは少なく、注記やIR資料で内訳が確認できる場合があります。

人的資本開示で研修費はどう扱われる?

2023年からの開示義務化により、人材育成方針の記載が求められています。研修費の総額や1人あたり投資額、研修時間などを任意指標として開示する企業が急増しています。

採用費を減らすメリットとデメリットは?

短期的には販管費が減り営業利益が改善します。一方で必要な人材を獲得できなくなれば、事業成長が滞り中長期の競争力低下を招くリスクがあり、適正水準の見極めが重要です。

研修費は損金算入できる?

業務上必要と認められる研修費用は、原則として全額損金算入が可能です。資格取得支援や語学研修なども、業務との関連性が説明できれば経費として計上できます。

外資系企業の研修費は高い?

コンサルや金融など知識集約型の外資系は、1人あたり数十万円〜100万円超の研修投資が一般的です。日本企業全体の能力開発費は労働費用の0.3%前後とされ、相対的に少ない水準です。

eラーニングは採用費・研修費どちらに入る?

原則として研修費に含まれます。LMS(学習管理システム)の年間利用料、コンテンツ制作費、社員のライセンス費用などが計上対象となります。

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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 金融庁 EDINET日本取引所グループ財務省 法人企業統計調査

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