買掛金回転期間(DPO)とは?計算式・目安を3分で解説
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買掛金回転期間とは、企業が仕入を行ってから代金を支払うまでに平均で何日かかるかを示す効率性指標です。英語ではDPO(Days Payable Outstanding)と呼ばれ、計算式は「仕入債務 ÷ 売上原価 × 365」で、長いほど運転資金の負担が軽くなります。本記事では計算方法、目安、CCCとの関係、注意点までを初心者向けに解説します。
買掛金回転期間(DPO)とは何か?
買掛金回転期間とは、企業が仕入を行ってから現金を支払うまでに要する平均日数を示す指標です。支払サイトの長さを測るものさしとして使われます。
買掛金商品や原材料を仕入れたが代金をまだ支払っていない場合に発生する債務。仕入先に対する後払いの支払義務。や支払手形仕入代金を将来の特定日に支払うことを約束する有価証券。買掛金より法的拘束力が強い。を含む仕入債務がベースで、長いほど支払いを先送りでき、運転資金の負担が軽くなります。英語表記のDPOで呼ばれることも一般的です。
買掛金回転期間の計算式は?
買掛金回転期間は、仕入債務を売上原価で割って365日を掛けて算出します。売上原価ベースが本来で、仕入高が取れる場合は仕入高ベースのほうが厳密です。
- 買掛金回転期間(日)= 仕入債務 ÷ 売上原価 × 365
- 仕入債務 = 買掛金 + 支払手形 + 電子記録債務
- 厳密には「仕入債務 ÷ 仕入高 × 365」が望ましい
- 月数で表したい場合は365を12に置き換える
たとえば仕入債務120億円、売上原価600億円の企業であれば、買掛金回転期間は約73日となります。仕入から支払いまで約2.5か月かかっている計算です。
買掛金回転期間の目安は?
日本企業の買掛金回転期間は、おおむね30〜60日が標準的な水準です。「月末締め翌月末払い」が標準商習慣のため、ほぼこの帯に落ち着きます。
| 業種 | 回転期間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 小売業 | 30〜45日 | 短サイトの取引が多い |
| 卸売業 | 60〜90日 | 業界商慣行で長め |
| 製造業 | 45〜75日 | 手形決済も一部残る |
| 建設業 | 60〜120日 | 工事進捗に応じた支払 |
| サービス業 | 20〜40日 | 仕入規模そのものが小さい |
出典: 財務省 法人企業統計調査 ほか。
買掛金回転期間と売掛金回転期間(CCC)の関係は?
買掛金回転期間は、売掛金回転期間と在庫回転期間と組み合わせてキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)を構成します。
CCC= 在庫回転期間 + 売掛金回転期間 − 買掛金回転期間で計算します。買掛金回転期間が長いほどCCCは短く(あるいはマイナスに)なり、運転資金の負担が軽くなる関係です。
交渉力の強い大企業は仕入先に支払サイトを長く設定でき、結果としてCCCを短縮できます。ただし下請法の支払期日規制(原則60日以内)など法的制約もあるため、無制限に伸ばせるわけではありません。
買掛金回転期間を見るときの注意点
買掛金回転期間は長いほど運転資金が楽になりますが、過度な長期化は仕入先との関係悪化や法令違反を招きます。バランスが何より重要です。
- 下請法では原則60日以内の支払が義務づけられている
- 急な長期化は資金繰り悪化のサインの場合がある
- 仕入先との関係悪化で取引停止や値上げを招く可能性
- 早期支払割引を逃すことで実質コストが増えることもある
売掛金回転期間とのバランスで判断するのが基本で、買掛金回転期間が売掛金回転期間より長い状態を維持できる企業は、運転資金面で有利な構造を持ちます。
よくある質問
DPOと買掛金回転率はどう違う?
DPO(買掛金回転期間)は日数で表し、買掛金回転率は1年間に何回入れ替わったかを回数で表します。365日を回転率で割ればDPOが求められ、同じ実態を別の角度から示しています。
買掛金回転期間は長ければ長いほど良い?
原則として運転資金面では有利ですが、極端な長期化は仕入先の経営を圧迫し、関係悪化や法令違反を招きます。下請法の規制内かつ仕入先との関係を維持できる範囲にとどめます。
買掛金回転期間が短い企業の特徴は?
現金仕入比率が高い、早期支払割引を積極活用している、取引先との力関係で短サイトを要求されている、などが考えられます。資金繰りに余裕がある企業に多い傾向です。
下請法の支払期日規制とは?
親事業者は下請事業者からの納品後、原則60日以内に代金を支払う義務があります。違反すると公正取引委員会から勧告や行政指導の対象になります。
売上原価ベースと仕入高ベースの違いは?
厳密には仕入高ベースが正確ですが、社外公表データでは仕入高が取れないことが多く、売上原価ベースで代用するのが一般的です。在庫変動が大きい年は差が出る点に注意します。
買掛金回転期間が急に長くなったら?
資金繰り悪化や経営悪化の先行サインの可能性があります。営業活動CFや短期借入金の動きと併せて、運転資金が逼迫していないかを確認することが大切です。
CCCがマイナスの企業はどんな企業?
顧客から先に入金があり、その後で仕入先に支払う構造の企業です。会員制ビジネス、大手小売、巨大ECなどに見られ、実質無利子の運転資金を活用できる優位な構造といえます。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 財務省 法人企業統計調査 、金融庁 EDINET 、日本取引所グループ