配当性向とは?計算式・目安・見方を3分で解説
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配当性向とは、企業がその期に稼いだ純利益のうち、どれだけを株主への配当に回したかを示す割合です。計算式は「配当総額 ÷ 当期純利益 × 100」で、日本の上場企業は平均30%前後が一つの目安とされます。本記事では計算方法、目安となる水準、配当利回りとの違い、見るときの注意点までを初心者向けに解説します。
配当性向とは何か?
配当性向とは、企業が獲得した当期純利益のうち、株主への配当に充てた割合を示す指標です。株主還元の積極性を測るものさしとして用いられます。
英語ではDividend Payout Ratioと呼ばれます。残った利益は内部留保企業が稼いだ利益のうち、配当などで社外に出さずに会社内に蓄積した部分。利益剰余金として純資産に積み上がる。として再投資や財務体質の強化に使われるため、配当性向は還元と成長投資のバランスを示す数値でもあります。
配当性向の計算式は?
配当性向は、配当総額を当期純利益で割って100を掛けるだけで求められます。1株あたりで計算しても同じ結果になります。
- 配当性向(%)= 配当総額 ÷ 当期純利益 × 100
- 1株ベースでは「1株当たり配当 ÷ EPS1株当たり当期純利益。Earnings Per Shareの略。 × 100」
- 配当総額・当期純利益はいずれも損益計算書や決算短信で確認できる
たとえば当期純利益が100億円、配当総額が30億円の企業であれば、配当性向は30%です。1株あたりで見るとEPSが200円、1株配当が60円なら同じく30%となります。
配当性向の目安は何%?
配当性向の一般的な目安は、日本の上場企業平均で30%前後とされます。米国や欧州ではこれより高く、40〜50%程度の企業も多く見られます。
| 配当性向の水準 | 一般的な評価 | 状態の目安 |
|---|---|---|
| 70%超 | 非常に高い | 還元重視・再投資余地は小さい |
| 40〜70% | 高め | 成熟企業に多い水準 |
| 20〜40% | 標準 | 日本企業の平均的な水準 |
| 0〜20% | 低い | 再投資や内部留保を重視 |
| 100%超 | 要注意 | 利益を超えて配当している |
日本の上場企業の配当性向は近年30〜35%程度で推移し、東京証券取引所による資本効率の改善要請を背景に上昇傾向にあります。成長期の企業は再投資を優先するため配当性向は低く、成熟期の企業ほど高くなりやすい傾向があります。
業種別の配当傾向は日本取引所グループの統計資料で確認できます。
配当性向と配当利回りの違いは?
配当性向と配当利回りは、どちらも配当に関する指標ですが、見ている対象が異なります。利益に対する還元率なら配当性向、株価に対する利回りなら配当利回りです。
| 比較項目 | 配当性向 | 配当利回り |
|---|---|---|
| 計算式 | 配当総額÷当期純利益×100 | 1株配当÷株価×100 |
| 分母 | 当期純利益 | 現在の株価 |
| 示す内容 | 利益のうち配当に回した割合 | 投資金額に対するリターン |
| 影響を受ける要素 | 業績と配当方針 | 株価変動 |
| 重視する立場 | 経営者・長期投資家 | インカム狙いの投資家 |
配当利回りが高くても配当性向が100%を超えていれば、利益以上の配当を出していることになり持続性に疑問が残ります。両者を組み合わせて見ることで、配当の安定性を判断できます。
出典: 日本取引所グループ、金融庁 EDINET
配当性向を見るときの注意点
配当性向は便利な指標ですが、単年度の数値だけで判断すると企業の還元姿勢を見誤ります。利益の中身と中期的な推移を併せて確認することが大切です。
- 純利益が一時的に減ると配当性向は急上昇し、見かけ上高くなる
- 特別損失が出た期は配当性向が100%超や数値計算不能になる場合がある
- 配当性向が極端に高い企業は減配リスクがある
- 内部留保とのバランスで還元姿勢を評価する
また、近年はDOE株主資本配当率。配当総額を自己資本で割って算出する指標で、純利益の変動に左右されにくい。Dividend On Equityの略。という指標を併用する企業も増えています。配当性向の推移は3〜5年で見て、安定した株主還元方針が継続しているかを確認しましょう。
よくある質問
配当性向は何%あれば良いの?
日本の上場企業の平均は30%前後が目安です。業種や成長段階によって最適水準は異なるため、同業他社や過去推移と比較して判断するのが基本です。
配当性向が100%を超えるとどうなる?
純利益を超えて配当を出している状態です。内部留保を取り崩しているため持続性に疑問が残り、翌期以降に減配となるリスクがあります。
配当性向が0%の企業はどんな企業?
無配企業です。成長投資を最優先するスタートアップや業績不振企業に多く見られます。配当ではなく株価上昇による値上がり益を狙う投資対象となります。
配当性向は高ければ高いほど良い?
一概には言えません。高すぎると再投資原資が減り将来の成長を阻害する可能性があり、低すぎると株主還元が不十分と見られます。バランスが重要です。
配当性向と配当利回りはどちらを重視する?
目的によります。長期保有で安定配当を期待するなら配当性向の安定性、現在の利回りを重視するなら配当利回りを見ます。両方を併せて確認するのが理想です。
配当性向はどこで確認できる?
決算短信や有価証券報告書、決算説明資料に記載されています。EDINETで無料閲覧でき、企業のIRページや株式情報サイトでも確認できます。
日本企業の配当性向はなぜ上がっている?
東京証券取引所による資本効率改善要請やコーポレートガバナンス改革を背景に、株主還元を重視する動きが広がっているためです。自社株買いも増加傾向にあります。
累進配当政策とは何ですか?
減配せず、配当を維持または増配し続ける方針のことです。配当性向の数値変動に関係なく、株主への安定還元を約束する考え方で、近年採用企業が増えています。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 金融庁 EDINET 、日本取引所グループ 、財務省 法人企業統計調査