EPS(1株当たり利益)とは?計算式・目安・PERとの関係を3分で解説
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EPS(1株当たり利益)とは、当期純利益を期中平均株式数で割った1株当たりの稼ぎです。==EPSEarnings Per Share の略。1株当たり当期純利益。は株価評価で最も重要な指標の一つで、純利益100億円・株式数1億株なら EPSは100円となります。==PER株価収益率。Price Earnings Ratio。との掛け算で理論株価を算出する基礎となります。本記事では計算式・目安、PERとの関係、自己株式や希薄化の注意点までを解説します。
EPS(1株当たり利益)とは何か?
EPSとは、企業の当期純利益を発行済株式数で割った1株当たりの利益を表す指標です。株主一人あたりの取り分の大きさを示します。
PERとの組み合わせで株価評価の基本となるほか、配当政策や自社株買いの効果を測る基準としても重要です。連結ベースでは親会社株主に帰属する当期純利益を分子に使います。
EPSの計算式
EPSは当期純利益÷期中平均株式数で算出します。期中平均株式数は、自己株式を除いた加重平均で計算するのが原則です。
| 当期純利益 | 期中平均株式数 | EPS |
|---|---|---|
| 100億円 | 1億株 | 100円 |
| 50億円 | 2,500万株 | 200円 |
| 1,000億円 | 20億株 | 50円 |
新株予約権やCB(転換社債株式に転換できる社債。希薄化要因となる。)など潜在株式があるときは、潜在株式調整後EPS(希薄化後EPS)も併せて開示されます。日本基準でもIFRSでも開示が義務付けられています。
EPSの目安と成長率
EPSの絶対水準は株式数で変わるため、目安は同業他社や過去推移との比較で見るのが基本です。継続的に伸びているかどうかが重要視されます。
- 高成長企業: EPSが年20%以上のペースで伸びる
- 標準的な成長企業: 年5〜15%程度
- 成熟企業: 横ばいか緩やかな上昇
- 減益企業: EPSが減少(マイナス成長)
自社株買い自社の株式を市場から買い戻すこと。は株式数を減らすため、純利益が同水準でもEPSを押し上げる効果があります。米国企業ではEPS成長戦略として広く活用されており、日本でも近年急増しています。
EPSとPERはどう関係する?
EPSとPERは「PER×EPS=株価」という関係にあります。EPSが企業の稼ぐ力、PERが市場の評価を表し、両者の掛け算で理論株価が決まります。
| EPS | PER | 理論株価 |
|---|---|---|
| 100円 | 15倍 | 1,500円 |
| 100円 | 25倍 | 2,500円 |
| 200円 | 15倍 | 3,000円 |
出典: 金融庁 EDINET、日本取引所グループ
EPSを読む際の注意点(自己株式・希薄化)
EPSは自社株買いと希薄化で大きく変動します。本業の収益力と切り分けて評価することが重要です。
- 自社株買いで株式数が減るとEPSが上昇する(利益は不変)
- 増資や新株発行で株式数が増えるとEPSは希薄化発行済株式数の増加で1株あたりの価値が薄まること。dilution。する
- 潜在株式調整後EPSも併せて確認する
- 株式分割では分母が増えるためEPSは見かけ上低下する
また、特別利益などの一時要因でEPSが押し上げられる場合もあります。継続的な収益力を測るには、本業ベースの営業利益や経常利益の成長率も併せて確認しましょう。
よくある質問
EPSが高い企業ほど株価も高い?
必ずしも比例しません。株価はEPSとPER(市場の期待)の掛け算で決まるため、EPSが高くてもPERが低ければ株価は控えめになります。両者を組み合わせて見る必要があります。
EPSが減少している企業は避けるべき?
減少の原因を確認することが大切です。本業の悪化なら避けるべきですが、増資による一時的な希薄化や、戦略的な大型投資の影響なら将来的に回復する可能性があります。
EPSと配当はどう関係する?
配当性向(配当÷EPS)で連動します。EPSが増えれば配当余力が増し、配当性向を維持する企業では増配につながります。配当成長を狙う投資家にとってEPS推移は最重要指標です。
潜在株式調整後EPSとは何?
新株予約権やCBなど将来株式に転換される可能性がある証券をすべて株式に換算した場合のEPSです。希薄化の最大インパクトを把握できる保守的な指標として使われます。
自社株買いはEPSをどれくらい上げる?
発行済株式数の3%を自社株買いすれば、純利益が同じでもEPSは約3%上昇します。継続的な自社株買いは複利的にEPSを押し上げ、長期株価リターンに大きく寄与します。
EPSは四半期決算でも開示される?
はい、四半期決算短信や四半期報告書で開示されます。前年同四半期との比較で成長性を確認でき、通期予想の進捗を測るうえでも重要なデータとなります。
EPSと売上高はどちらが先に動く?
通常は売上高が先に動きます。売上が伸びても固定費の影響でEPSは遅れて反応することが多いです。逆に売上鈍化のサインがEPSの伸び鈍化に表れることもあります。
EPSが赤字でも投資価値はある?
あります。創業期や大型投資直後の企業は赤字でも、将来のEPS拡大が見込めるなら高い株価評価が成立します。グロース株投資ではよくあるパターンです。
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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 金融庁 EDINET 、日本取引所グループ 、財務省 法人企業統計調査