無形固定資産とは?種類と有形固定資産との違いを3分で解説

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無形固定資産とは、形のない長期保有資産で、特許権やソフトウェア、のれんなどが代表例です。貸借対照表の「固定資産」の中に有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産という3区分があり、その一つとして計上されます。本記事では種類、有形固定資産との違い、減損リスクと償却、確認方法を解説します。

無形固定資産とは何か?

無形固定資産とは、物理的な形がないものの、企業が長期にわたって事業に利用する資産のことです。土地や建物のような有形資産に対し、目に見えない権利や知的財産などを指します。

貸借対照表では「固定資産」の中に「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他の資産」の3区分があり、無形固定資産はその一つです。1年を超えて使用する見込みで、金額的にも重要なものが計上されます。

無形固定資産にはどんな種類がある?

無形固定資産には、法律上の権利、ソフトウェア、M&Aで発生するのれんなどさまざまな種類があります。業種によって重要度が大きく異なる点が特徴です。

区分代表的な項目内容
法律上の権利特許権・商標権・実用新案権特許や商標として登録された権利
ソフトウェア自社利用ソフトウェア・市場販売ソフトウェア業務システムや販売用ソフト
のれんのれんM&Aで支払った買収額と純資産との差額
営業権・借地権営業権、借地権、地上権事業活動や土地利用に関する権利
その他電話加入権、漁業権、鉱業権業種特有の権利

IT企業や製薬企業ではソフトウェアや特許権M&Aの活発な企業ではのれんが無形固定資産の大半を占めるなど、業種ごとに構成は大きく異なります。

有形固定資産と無形固定資産の違いは?

有形固定資産と無形固定資産は、物理的な実体の有無と、価値評価の難しさが大きく異なります。財務分析でもそれぞれ別の視点が必要です。

比較項目有形固定資産無形固定資産
物理的実体ある(土地・建物・機械など)ない(権利やソフトウェアなど)
代表例土地、建物、機械装置、車両ソフトウェア、特許権、のれん
減価償却土地以外は定額法・定率法で償却原則として残存価額ゼロで定額償却
価値評価市場価格があり評価しやすい個別性が強く評価が難しい
担保価値担保として活用しやすい担保にしにくい

近年は事業のデジタル化と知財重視の流れから、無形固定資産の比重が高まる業種が増えており、企業価値評価でも無形資産の重要度が上がっています。

無形固定資産の減損リスクと償却は?

無形固定資産は、償却による費用化と減損リスクの両方を理解する必要があります。特にのれんは金額が大きくなりがちで、減損が業績を大きく揺るがすことがあります。

無形固定資産の比率が高い企業ほど、減損が起きた際の利益インパクトが大きい点に注意が必要です。過去の減損履歴も合わせて確認しましょう。

無形固定資産はどこで確認できる?

無形固定資産の内訳は、有価証券報告書や決算短信の貸借対照表、および注記で確認できます。「固定資産」→「無形固定資産」の項目に金額が記載されます。

「有形固定資産等明細表」「無形固定資産等明細表」には、項目別の取得・償却・減損の動きが記載されています。ソフトウェアやのれんの比率と償却負担を併せて見ると、利益構造への影響が分かります。

出典: 金融庁 EDINET日本取引所グループ

よくある質問

無形固定資産と有形固定資産はどちらが重要ですか?

業種によって異なります。製造業では有形固定資産(工場・機械)、IT・サービス業では無形固定資産(ソフトウェア・のれん)が重要です。事業内容に応じて重視すべき資産は変わります。

電話加入権はなぜ無形固定資産ですか?

電話加入権は固定電話を利用する権利を金銭で取得したもので、形がない権利として無形固定資産に計上されます。償却はせず、減損対象となる点が特徴です。

自社開発のソフトウェアは資産計上されますか?

市場販売目的の製品マスタや、社内利用で将来の収益獲得・費用削減が確実な場合は資産計上されます。研究段階の支出は費用処理され、開発段階の一部のみ資産化されるのが原則です。

ブランドは無形固定資産に計上されますか?

自社で築いたブランドは原則として計上されません。M&Aで取得したブランドは「商標権」や「のれん」として無形固定資産に計上されます。買収時の評価により金額が決まります。

無形固定資産の比率が高い企業の特徴は?

IT、製薬、メディア、コンサルなどの知的財産集約型企業や、M&Aを積極的に行ってきた企業で比率が高くなります。物理資産より知識・権利・買収シナジーで稼ぐビジネスモデルです。

無形固定資産も減価償却しますか?

原則として定額法で償却します。耐用年数は税法や会計基準で定められ、ソフトウェアは5年、特許権は8年などが目安です。のれんは日本基準で20年以内、IFRSでは償却しません。

無形固定資産が急減したのはなぜですか?

大規模な減損損失が計上された可能性があります。注記の「減損損失」を確認し、対象資産や金額、減損の理由を読み取りましょう。事業環境の悪化やM&Aの失敗が背景にあることが多いです。

投資その他の資産との違いは何ですか?

投資その他の資産は、投資有価証券や長期貸付金、繰延税金資産など金融的な性格の資産です。無形固定資産は事業で利用する権利やソフトウェアなど、事業性の資産という違いがあります。

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執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 金融庁 EDINET日本取引所グループ財務省 法人企業統計調査

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