PBR(株価純資産倍率)とは?1倍割れの意味を3分で解説
公開: / 最終更新:
PBRとは、株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているかを示す株式指標です。計算式は「株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)」で、1倍が基準とされ、PBR1倍割れは株価が解散価値を下回っている状態を意味します。本記事では計算方法、目安、PERとの違い、注意点までを初心者向けに解説します。
PBRとは何か?
PBRとは、企業の株価が1株当たりの純資産に対して何倍まで買われているかを示す指標です。株価の割安・割高を資産面から測るものさしです。
PBRは英語のPrice Book-value Ratioの略で、日本語では株価純資産倍率と呼びます。純資産は企業を解散したときに株主へ分配される正味財産にあたるため、PBRは株価が解散価値企業を解散・清算した場合に株主に残る1株当たりの価値。1株当たり純資産にほぼ等しい。の何倍かを表す指標と理解されます。
PBRの計算式は?
PBRは、株価を1株当たり純資産で割るだけで求められます。BPSBook-value Per Shareの略。純資産を発行済株式数で割った1株当たり純資産。という1株当たりの純資産を使います。
- PBR(倍)= 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)
- 1株当たり純資産(BPS)は「純資産 ÷ 発行済株式数」で求める
- 純資産は貸借対照表の「純資産の部」の金額を使う
たとえば株価が1,500円、1株当たり純資産が1,000円の企業であれば、PBRは1.5倍です。株価とBPSはどちらも証券会社のサイトや有価証券報告書で確認できます。
PBRの目安は何倍?PBR1倍割れとは
PBRの基準は1倍で、1倍を下回るPBR1倍割れは株価が解散価値より低い状態を指します。割安のサインとして注目されます。
| PBRの水準 | 一般的な評価 | 状態の目安 |
|---|---|---|
| 3倍以上 | 高め | 成長期待が株価に強く織り込まれている |
| 1〜3倍 | 標準 | 多くの企業が収まる水準 |
| 1倍ちょうど | 基準 | 株価と解散価値がほぼ等しい |
| 1倍未満 | 割安の可能性 | 株価が解散価値を下回るPBR1倍割れ |
PBR1倍割れは、理論上は解散価値より安く株が買える状態で、市場が企業の将来性を低く評価しているサインでもあります。東京証券取引所はPBR1倍割れの企業に資本効率の改善を要請しており、企業の経営課題として広く意識されています。
PBRとPERの違いは?
PBRとPERは、どちらも株価の割安・割高を測る指標ですが、比べる対象が異なります。PBRは純資産、PERは利益を基準にします。
| 比較項目 | PBR(株価純資産倍率) | PER(株価収益率) |
|---|---|---|
| 計算式 | 株価÷1株当たり純資産 | 株価÷1株当たり純利益 |
| 基準とするもの | 純資産(ストック) | 利益(フロー) |
| 示す内容 | 資産から見た割安度 | 利益から見た割安度 |
| 一般的な基準 | 1倍が目安 | 15倍前後が目安 |
PBRは企業がこれまでに蓄えた資産、PERはこれから稼ぐ利益に注目します。2つを併せて見ることで、資産面と収益面の両方から株価を評価できます。PERについてはPERの記事で詳しく解説しています。
PBRを見るときの注意点
PBRは便利な指標ですが、数値の低さだけで割安と判断すると失敗することがあります。中身と業種特性の確認が欠かせません。
- PBR1倍割れには、市場が将来性や収益力を低く見ているという理由が隠れていることがある
- 資産を多く持つ製造業や銀行業はPBRが低めに、設備の少ないIT企業は高めになりやすい
- 純資産に含み損のある資産が多いと、BPSが見かけより過大なことがある
- PERやROEと併せて、収益力も伴っているかを確認する
また、PBRは1つの時点の数値だけでなく、同業他社との比較で見ることが重要です。低PBRが必ずしも買いとは限らず、本業の営業利益や成長性も併せて総合的に判断すべきです。
よくある質問
PBR1倍割れはなぜ問題視されるの?
株価が解散価値を下回り、市場が企業の将来性や資本効率を低く評価しているサインだからです。東京証券取引所も改善を要請しており、経営課題として広く意識されています。
PBRが低い株は買えば必ず儲かる?
必ずしも儲かりません。低PBRには成長性や収益力への懸念という理由がある場合が多いためです。利益の推移やROEなど他の指標と併せて判断する必要があります。
PBRとPERはどちらを見ればよい?
両方を併せて見るのが理想です。PBRは資産から、PERは利益から株価を評価します。資産は厚いが利益が出ていない企業など、片方だけでは見抜けない実態がわかります。
PBRがマイナスになることはある?
あります。純資産がマイナスの債務超過企業では、1株当たり純資産がマイナスになりPBRもマイナスになります。この場合PBRは指標として意味をなしません。
PBRはどこで確認できる?
証券会社の取引サイトや株式情報サイトに銘柄ごとのPBRが掲載されています。株価とBPSがわかれば自分でも計算でき、BPSは有価証券報告書で確認できます。
PBRの適正な水準は業種で違う?
異なります。資産を多く持つ銀行業や製造業はPBRが低め、設備の少ないIT企業やサービス業は高めになりやすい傾向があります。比較は同業種内で行うことが前提です。
BPS(1株当たり純資産)とは何?
純資産を発行済株式数で割った、株式1株あたりの純資産額です。企業を解散した場合に1株あたりに残る価値の目安で、PBRの計算に用います。
PBRが高い企業は割高で危険?
一概に危険とはいえません。高PBRは将来の成長期待が株価に織り込まれている状態です。成長が続けば妥当な水準ですが、期待が外れると株価が下落しやすい点に注意します。
関連用語・関連ページ
執筆・監修: 企業スコープ編集部 / 出典: 日本取引所グループ 、日本取引所グループ 統計 、金融庁 EDINET